JPH04117541U - コンバイン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 コンバインの機体最後部に常備された細断装
置６の後面に、４個のウェイト部材２２を、左右方向に
仕切って並列配置可能なウェイトケース１２に嵌め入れ
て構成されるバランスウェイト９を着脱自在に取付ける
に、排藁の結束装置との付け替えが自在な状態とする。 【効果】 細断作業状態での前後バランス、および左右
バランスの改善による走行性能の向上を、そのためのバ
ランスウェイトの取付構造の簡略化やその着脱作業の容
易化を図りながら実現する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、脱穀後の排藁の細断装置を機体の後端に装備してあるコンバインで あって、機体の前後バランスを考慮した排藁の処理構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

通常コンバインには、実開昭６３−１６９８４０号後方で示されるもののよう に、機体の後端部に排藁の細断装置が常備されている。つまり、肥料として利用 する等のために細断装置で排藁を細断して圃場上に放出する細断作業状態ができ るようにされている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、コンバインでは、前記細断作業状態の他に、細断装置の後面に結束 装置を付設し、排藁を細断せずに結束して藁束にして捨て易い状態にしてから放 出する結束作業状態とがある。 そして最近における使用状況では、排藁を結束する結束作業状態を行うことが 多いので、機体の後端にある細断装置のさらに後に比較的重量の重い結束装置を 付けた状態に合わせ気味で、機体の前後方向での重量バランスを取るように設計 されている。従って、結束装置を取り外しての細断作業状態では、もともと重い エンジンが機体前部に搭載されていることによる前方バランス傾向になり、湿田 での直進性や回向性が悪くなるといった欠点があった。 本考案は、上記欠点を改善することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的のために本考案は、機体前部にエンジンを配置すると共に、機体後部 の脱穀部の後側位置にこの脱穀部から送られてくる排藁を細断する細断装置を装 備してあるコンバインにおいて、細断装置の後面にバランスウェイトを、排藁の 結束装置との付け替えが自在な状態で取付けてあることを特徴とする。 また、前記バランスウェイトを、ウェイト部材とこのウェイト部材の複数を左 右方向に並列配置可能なウェイトケースとから構成すると共に、そのウェイトケ ースにウェイト部材の左右移動を規制する仕切りを設けるようにすれば好都合で ある。

【０００５】

【作用】

つまり、請求項１の構成では、結束装置が無い仕様のときにはその代わりにバ ランスウェイトを取付けることによって前方バランス傾向を抑制できて、直進性 、回向性、湿田限界性が改善されると共に、そのバランスウェイトと結束装置と は相互の付け替えが自在であるから、バランスウェイトの取付は結束装置の取付 手段を用いて取付け可能であり、専用の取付機構が不要となる。 請求項２の構成では、ウェイト部材を左右に位置調節して搭載できるので、左 右バランスを改善することも可能になると共に、重いバランスウェイトを分割し てあるのでその積み卸し作業の労力が軽減される。

【０００６】

【考案の効果】

従って、請求項１記載のコンバインでは、細断作業状態での前後バランスの改 善による走行性能の向上を、そのためのバランスウェイトの取付構造の簡略化を 図りながら実現できた。 請求項２記載のコンバインでは、上記効果に加えて、左右バランスの改善によ るさらなる走行性能の向上や、バランスウェイトの着脱作業が容易化される利点 がある。

【０００７】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図２に、刈取部１、搬送部２、操縦部３、脱穀部４を備えた機体をクローラ走 行装置５で走行可能にすると共に、脱穀部４の後側位置にこの脱穀部４から送ら れてくる排藁を細断する細断装置６を装備し、かつ、機体前部となる運転座席３ ａの下方にエンジン７を配設したコンバインが示されている。 このコンバインでは、図２に示すように、細断装置６の後面に排藁を束にして 結束する結束装置８が取付けられる結束仕様と、図１に示すように、結束装置８ の代わりにバランスウェイト９が取付けられる細断仕様とに仕様変更自在に構成 されている。つまり、結束装置８とバランスウェイト９とは、共に、細断装置６ の左右側面部から横外に向けた状態で固定される後面上部の支点軸１０と、下部 に備えられるナット部１１とを利用しての同一の対細断装置取付構造を有してい る。 次に、その取付構造とバランスウェイト９の構造について説明する。

【０００８】 図３、図４に示すように、上部が開放されたケース本体１２の両側面１３に、 前記支点軸１０に掛け外しできる鉤形状のフック１４と前記ナット部１１にボル ト止め可能なステー１５とを夫々一対固定取付けしてあるとともに、ケース本体 （ウェイトケース）１２の前縦壁１６の上部に、蝶番２３による前後揺動によっ て開閉自在な蓋１７を枢着してある。この蓋１７は、ボルトによって後縦壁１８ に螺着した閉じ状態にでき、その閉じ状態では蓋１７の上面が、細断装置６のカ ッターカバー１９終端の円弧形状と滑らかに接続する後傾斜状となるように形成 されている。 また、ケース本体１２は３個の仕切り板２０で横幅の相等しい重り室２１に仕 切られており、各重り室２１には、ウェイト部材２２を各別に嵌入して装備する ことができる。従って、ウェイト荷重の調節だけでなく、左右バランスの調節も 可能としてある。 結束装置８に付け替えるには、ステー１５を固定するボルトを外してフック１ ４と支点軸１０との係合も外すことによって容易に行える。 また、ウェイト部材２２を左右だけでなく、上下に分割して搭載する構造とし ても良い。

【０００９】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記す が、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】細断仕様状態のコンバインを示す側面図

【図２】結束仕様状態のコンバインを示す側面図

【図３】バランスウェイトの取付構造を示す一部切欠き
側面図

【図４】ウェイトケース単品の斜視図

【符号の説明】

４ 脱穀部 ６ 細断装置 ７ エンジン ８ 結束装置 ９ バランスウェイト １２ ウェイトケース ２０ 仕切り ２２ ウェイト部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体前部にエンジン（７）を配置すると
   共に、機体後部の脱穀部（４）の後側位置にこの脱穀部
   （４）から送られてくる排藁を細断する細断装置（６）
   を装備し、この細断装置（６）の後面にバランスウェイ
   ト（９）を、排藁の結束装置（８）との付け替えが自在
   な状態で取付けてあるコンバイン。
2. 【請求項２】 前記バランスウェイト（９）を、ウェイ
   ト部材（２２）とこのウェイト部材（２２）の複数を左
   右方向に並列配置可能なウェイトケース（１２）とから
   構成すると共に、そのウェイトケース（１２）に前記ウ
   ェイト部材（２２）の左右移動を規制する仕切り（２
   ０）を設けてある請求項１記載のコンバイン。