JPH0737469Y2 - コンバインにおける機台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、一側に脱穀装置を搭載し、他側に運転部及び
穀粒タンク等を配設し、前記脱穀装置の前部に前処理装
置を設けたコンバインにおける機台に関する。

（ロ）従来技術 従来、走行装置を有する機台上の一側に脱穀装置を搭載
し、他側に運転部及び穀粒タンク等を配設し、前記脱穀
装置の前部に刈取装置と穀稈搬送装置とからなる前処理
装置を昇降可能に装着したコンバインは既に知られてい
る。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 前記既知のコンバインは、機台の一側に脱穀装置を搭載
し、その前方に重量の大なる前処理装置を装着してある
ので、機体の重心が脱穀装置側の前部寄りになって不安
定であった。

このような問題点を解決する手段として、脱穀装置と反
対側の後部にバランスウエートを設けることが考えられ
る。しかし、通常、その部位に設けるエンジン、又は穀
粒タンク、若しくは穀粒ホッパーの下部で袋詰めする籾
処理部の設置スペースとバランスウエートの取付スペー
スとが重複するので、機台を大型化するか、又は作業ス
ペースを犠牲にするかしていた。

（ニ）問題点を解決するための手段 本考案は、走行装置を有する機台上の一側に脱穀装置を
搭載し、他側に運転部及び穀粒タンク等を配設し、前記
脱穀装置の前部に刈取装置と穀稈搬送装置とからなる前
処理装置を昇降可能に装着したコンバインにおいて、前
記穀粒タンク側後部の機台を構成する前後方向となる左
右一対の縦枠間に、無垢の鉄角柱にて構成する左右方向
の横枠を、その上面が縦枠の上面と略同一平面となるよ
うに連結し、また、該縦枠と横枠上には鉄板を装着し
て、それらの上面を籾受フロアーとしたり、又はバッテ
リー等の機器を搭載することができるように構成するこ
とにより、前述の問題点を解決した。

（ホ）作用 機台の一側には脱穀装置が搭載されていて、その前方に
刈取装置と穀稈搬送装置とからなる前処理装置が装着し
てあるので、機体の重心が機台の一側の前寄り部分とな
り、刈取装置の前部にある分草体が圃場に突込みがちに
なるが、他側となる穀粒タンク側後部にはバランスウエ
ートとなる横枠が設けてあるので、機体の左右方向、及
び前後方向のバランスが改善される。

そして、前記横枠は機台を構成する縦枠間に連結されて
いてそれ自体、機台の構成部材になっているので、機台
の剛性を高めることができ、また、横枠は縦枠の上面と
略同一平面となるように連結するので、バランスウエー
ト（横枠）を殊更、機台の後方又は上方へ突出させて、
機台を大型化したりすることがない。

さらに、前記縦枠と横枠上には鉄板を装着して、それら
の上面を籾受フロアーとしたり、又はバッテリー等の機
器を搭載することができるようにするからバランスウエ
ート（横枠）上の機台スペースを有効に利用して、籾袋
を載置したり、各種の機器を配設できて、全体に機体を
コンパクトに纏めることができる。

（ヘ）実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、１は左台
枠1aと右台枠1bとを一体に結合してなる機台であって、
走行装置２を有し、左台枠1a上には脱穀装置３を搭載
し、その前方には、従来のものと同様、刈取装置４と穀
稈搬送装置５とからなる前処理装置６を伝動筒７の後端
を中心として上下傾動するように装着してあり、右台枠
1b上には前方から順に操作盤及び運転席８からなる運転
部と、穀粒タンク（又は下部に袋掛杆が支持突設されて
いる穀粒ホッパー）９を配設してある。また、前記走行
装置２を構成する左右のクローラーのうち、右側のクロ
ーラー2aの支持枠11は機台１に左右移動可能に支持され
ていて油圧シリンダー12を付設してあり、その側の車軸
13は伸縮可能になっている。

そして、前記右台枠1bの前後方向となる縦枠15,15の後
端間には、無垢の鉄角柱にて構成される前後２本の横枠
16,16が連結してあり、該横枠16,16はバランスウエート
を兼ねる。

前述のコンバインにおいて、機台１の左側には脱穀装置
３を搭載し、その前部に重量の大なる前処理装置６を装
着してあるので、機体の重心は左台枠1aの前寄りになっ
ているが、前記横枠16,16が右側後部にてバランスウエ
ートとして作用するので、機台１の剛性を高めることが
できると共に、横方向及び前後方向の重量バランスが調
和し、安定した刈取脱穀作業を行なうことができる。

また、バランスウエートとなる前記横枠16,16の上面は
縦枠15,15の上面と同一平面になっているので、それら
の上面に鉄板18を螺着することにより籾受フロアーとし
たり、又はその他の機器を搭載するスペースにすること
ができ、前記横枠16,16の上部にバッテリー19を載置す
ると、前記重量バランスを更に向上することができ、し
かも横枠16,16をバッテリー19の支持部材として利用す
ることができる。

図面中、20は脱穀装置３の後部に取り付けたカッター又
はノッター等を排藁処理装置である。

（ト）考案の効果 本考案は前述のように構成するので以下の効果を奏す
る。

穀粒タンク９側後部の、機台１を構成する前後方向と
なる左右一対の縦枠15,15間に、無垢の鉄角柱にて構成
する左右方向の横枠16,16を連結するから、機台１に搭
載した脱穀装置３の前方に前処理装置６を装着して機体
の重心が脱穀装置３側の前寄りとなっても、無垢の鉄角
柱にて構成する左右方向の横枠16,16がバランスウエー
トとして作用し、機体の左右方向及び前後方向の重量バ
ランスを改善し、安定した走行を可能とするので、前処
理装置６の分草体等が土中に突っ込んだり、軟弱な圃場
でその側の走行装置２が異常に沈下したり、運転性能が
悪化したりするのを未然に防止することができる。

また、前記横枠16,16は、左右一対の縦枠15,15間にそ
の上面が縦枠15,15の上面と略同一平面となるように連
結するから、バランスウエートとなる横枠16,16自体
を、機台１の構成部材になして、機台の剛性を高めるこ
とができ、しかも、バランスウエート（横枠）を従来の
もののように殊更、機台１の後方又は上方へ突出させ
て、機台を徒に大型化させることがない。

さらに、前記縦枠15,15と横枠16,16上には、鉄板18を
装着して、それらの上面を籾受フロアーとしたり、又は
バッテリー19等の機器を搭載することができるようにす
るから、バランスウエート（横枠）上の機台１スペース
を有効に利用して、殊更、籾受フロアーのスペースを犠
牲にすること等がなく、大量の籾袋を籾受フロアー上に
載置したり、各種の機器を鉄板18上に合理的に配設でき
て、全体に機体をコンパクトに纏めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の斜視図、第２図はコンバインの一部を破
断した側面図である。 １……機台、２……走行装置、３……脱穀装置、４……
刈取装置、５……穀稈搬送装置、６……前処理装置、９
……穀粒タンク、15……縦枠、16……横枠、18……鉄
板、19……バッテリー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】走行装置（２）を有する機台（１）上の一
   側に脱穀装置（３）を搭載し、他側に運転部及び穀粒タ
   ンク（９）等を配設し、前記脱穀装置（３）の前部に刈
   取装置（４）と穀稈搬送装置（５）とからなる前処理装
   置（６）を昇降可能に装着したコンバインにおいて、前
   記穀粒タンク（９）側後部の機台（１）を構成する前後
   方向となる左右一対の縦枠（15），（15）間に、無垢の
   鉄角柱にて構成する左右方向の横枠（16），（16）を、
   その上面が縦枠（15），（15）の上面と略同一平面とな
   るように連結し、また、該縦枠（15），（15）と横枠
   （16），（16）上には鉄板（18）を装着して、それらの
   上面を籾受フロアーとしたり、又はバッテリー（19）等
   の機器を搭載することができるように構成したことを特
   徴とするコンバインにおける機台。