JPH04115509U - スローアウエイチツプ - Google Patents

スローアウエイチツプ

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JPH04115509U
JPH04115509U JP3781291U JP3781291U JPH04115509U JP H04115509 U JPH04115509 U JP H04115509U JP 3781291 U JP3781291 U JP 3781291U JP 3781291 U JP3781291 U JP 3781291U JP H04115509 U JPH04115509 U JP H04115509U
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chips
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健 板羽
陽一 石川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 チップ本体22のすくい面23に、チップ
厚さ方向外側に向かって突出し、かつその突出先端を結
ぶ稜線部32がチップ厚さ方向に垂直になるように成形
された突条部31を、チップ本体22の外周側から内側
に向かって形成する。さらに、この突条部31がチップ
本体22の内側に向かうに従って、その稜線部32がす
くい面23からの平面視に、すくい面23と稜線部32
との交点33を通り切刃27に垂直な仮想直線Lに対し
て漸次離間する方向に向かうように、突条部31を成形
する。 【効果】 生成されてカールされる切屑の排出方向に
一定の方向性を与えることが可能となり、切屑が切削面
に接触して切削精度を劣化させたり、被削材との間にか
み込まれて抵抗を増大させたりするような事態を防いで
円滑な切削作業を行うことが可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、チップ本体のすくい面に切屑分断のための突条部等の凸部が設けら れたスローアウェイチップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような、すくい面に凸部が設けられたスローアウェイチップ(以下、チッ プと略する。)としては、例えば図7に示すようなものが知られている。このチ ップ1は実開昭61−151806号公報に記載されたもので、平面視に多角形 (この例では平行四辺形)をなす平板状のチップ本体2の一方の面にすくい面3 が形成されており、このすくい面3と逃げ面4となるチップ本体2の周面とがな す交差稜線部には、上記多角形の角部にノーズ部5を有する切刃6が形成されて いる。 図8は当該チップ1の切刃6に垂直な断面であるが、この図に示されるように 上記すくい面3はランド部7を介して切刃6に連なり、この切刃6から離間して チップ本体2の内側に向かうに従って、チップ本体2の上記一方の面側から他方 の面側へ向かう方向、すなわちチップ本体2の厚さ方向(以下、チップ厚さ方向 と略する。)の内側へ向い傾斜する傾斜面とされており、この面の傾斜角α0が 当該チップ1の切刃6のすくい角となる。さらにチップ本体2の上記一方の面に は、このすくい面3に連なってチップ厚さ方向に垂直な平坦面が形成されており 、上記すくい面3がなす傾斜面の延長面に対してチップ厚さ方向の外側に隆起し たブレーカー面8とされている。なお、これら傾斜面をなすすくい面3と平坦面 をなすブレーカー面8とは曲率半径の大きな曲面9によって滑らかに連結されて いる。
【0003】 そして、これらすくい面3および曲面9には図7および図9に示すように切刃 6から所定区間離れた位置に、該すくい面3および曲面9からチップ厚さ方向の 外側に突出した球面状をなす突起10が形成されており、この例ではこのような 突起10が切刃6に沿う方向に複数個設けられている。またこの例では、この突 起10よりさらに上記切刃6から離れた位置に、突起10がなす上記球面より径 の大きな球面状の突起11がブレーカー面8からチップ厚さ方向外側に突出して 設けられている。なお、図7において符号12は当該チップ1をバイト等の工具 に装着する際の取付穴である。 これらの突起10,11は、いずれも切削において生成される切屑を適当な小 片に分断することを目的として設けられており、切刃6によって削り取られて上 記すくい面3から曲面9に沿って流出した切屑は、これらの突起10,11に乗 り上げ、強制的にカールされて細かく分断される。
【0004】 ここで上記チップ1では、突起10,11を球面状とすることにより、傾斜面 とされたすくい面3との間に谷となる部分13が形成される。そして切刃6によ って削り取られた切屑は、この谷部13を通って突起10,11に乗り上げるよ うになり、より小さなカール径にカールされるため効果的に切屑が分断されるよ うになる。従って、これら突起10,11のチップ厚さ方向外側への突出量Pが 大きい程、上記谷部13は深くなり、よって生成された切屑は急激にカールされ ることになるため、より一層効果的に切屑を分断することが可能となる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、このようなチップによる切削加工において生成される切屑は、送り 量が大きい場合にはその肉厚が厚いものとなり、カールされることによって容易 に分断されるが、反対に送り量が小さい場合には肉厚の薄い切屑が生成され、こ のような切屑はカールされても直ぐには分断され難く、ある程度連続的に生成さ れてカールされた後に分断されることになる。 このような連続的に生成される切屑の形状は、送り量や切込み量等の切削条件 、チップ形状や寸法などによって幾つかの形態に分類することができる。すなわ ち、切刃に削り取られたまま殆どカールされずに切削面に沿って直線的に生成さ れたり、あるいは切削面に沿って渦巻状に生成される場合、または、切刃に沿っ て切削面から離間する方向に円筒状に生成される場合や、もしくは切刃および切 削面に対して斜めに離間する方向に円錐状を描きながら生成される場合などがあ る。
【0006】 ところが切屑が上述のように切削面に沿って直線的あるいは渦巻状に生成され る場合には、このような切屑が切削面に接触して切削精度を劣化させたり、ある いは生成された切屑がチップと被削材との間にかみ込まれて切削抵抗の増大を生 じるといった問題が起きることがある。 このような問題が生じるのを避けるためには切屑が被削材の切削面から離間す る方向に生成されるようにしてやればよいが、上述した例のチップでは突起が球 面状に成形されているために該球面に接触した切屑は何れの方向にも流れ出る可 能性を有しており、切屑がどの方向に生成されるかを制御することは極めて困難 であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記課題を解決するためになされたもので、すくい面側からの平面視 に多角形平板状をなすチップ本体の該すくい面と逃げ面との交差稜線部に、上記 多角形の角部にノーズ部を有する切刃が形成されるとともに、このすくい面が切 刃から離間するに従って漸次チップ厚さ方向の内側に向かう傾斜面とされたチッ プにおいて、このすくい面に、該すくい面からチップ厚さ方向外側に向かって突 出し、かつその突出先端を結ぶ稜線部がチップ厚さ方向に垂直になるように成形 された突条部を、上記平面視にチップ本体の外周側から内側に向かって形成する とともに、突条部がチップ本体内側に向かうに従って、その稜線部が上記平面視 にすくい面と稜線部との交点を通り切刃に垂直な仮想直線に対して漸次離間する 方向に向かうように、この突条部を成形したことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
本考案のチップでは突条部の上記稜線部がチップ厚さ方向に垂直な方向に成形 されており、このためすくい面と突条部の間に上記従来例のような谷部が形成さ れることはなく、すくい面を流れ出た切屑はこの突条部の稜線部に乗り上げたと ころで一旦緩やかにカールされることになる。しかる後切屑は、この稜線部に案 内されて突条部上を流れ、この間にも稜線部との接触によって漸次カールされつ つ排出される。
【0009】 ここでこの稜線部は、すくい面からの平面視に突条部がチップ本体の外周側か ら内側に向かうに従って、つまり切刃から離間するに従って、該稜線部とすくい 面との交点、すなわちこの稜線部の始点を通る切刃に垂直な仮想直線に対して離 間する方向に成形されている。従って、このような稜線部に案内されてカールさ れつつ排出される切屑は、この稜線部が形成された方向に沿って排出されること になるので、生成される切屑に方向性を持たせて排出することが可能となる。 よって、この方向を適当に設定することにより、切屑が被削材の切削面に沿っ て生成されることを防いでこの切削面から離間する方向に導くことができ、切削 作業に及ぼされる悪影響を抑えることが可能となる。
【0010】
【実施例】
図1および図2は本考案の一実施例を示す平面図および側面図である。 本実施例のチップ21は超硬合金等の硬質材料から一体的に成形されたもので あって、これらの図に示されるようにチップ本体22が、当該チップ21のすく い面23となる一方の面が該すくい面23からの平面視に略正方形状に成形され 、また着座面24となる他方の面が該チップ本体22の厚さ方向、つまり上記チ ップ厚さ方向に垂直な平坦面とされ、さらに当該チップ21の逃げ面25となる 周面が上記着座面24に垂直に成形された平板状のネガティブ型のチップとされ ている。上記すくい面23を形成する正方形の各角部には1/4円弧状に成形さ れたノーズ部26が形成されており、またすくい面23と逃げ面25とがなす交 差稜線部、すなわち上記正方形の四辺には上記ノーズ部26に連なって切刃27 が形成されている。
【0011】 ここで本実施例では、上記正方形の4つの角部に形成されたノーズ部26と、 これらのノーズ部26のそれぞれに連なる切刃27により、合計4回の刃体とし ての使い回しが可能となっている。従って、一つの交差稜線部に形成された切刃 27はこの交差稜線部を挟む二つのノーズ部26の共用となるため、1回の切削 において通常使用される切刃27の範囲、すなわち切刃27の使用範囲は、ノー ズ部26から上記交差稜線部の長さの約1/2、つまり該交差稜線部の略中央部 までということになる。 また本実施例では、この切刃27は図2に示すように逃げ面25からの側面視 において、該切刃27を挟むノーズ部26付近の部分では上記チップ厚さ方向に 垂直な方向に形成されており、この部分より内側は切刃27の中央部に向かうに 従って着座面24側、すなわちチップ厚さ方向内側に向かって凹む湾曲線状に形 成されている。
【0012】 一方、図3は図1に示した本実施例のAA断面を示すものである。この図に示 されるように、本実施例ではチップ本体22の上記一方の面に切刃27に沿って 、この一方の面がなす上記正方形の縁部を一定幅で周回するようにランド28が 設けられている。このランド28は上記チップ厚さ方向に垂直な平坦面として形 成されており、上記すくい面23はこのランド28を介して切刃27に連なるよ うに成形されている。また、このすくい面23は上記断面視において、切刃27 から離間するに従ってチップ厚さ方向内側に向かう傾斜面とされており、さらに このすくい面23の切刃27とは反対側、つまり該すくい面23方向からの平面 視にチップ本体22の内側には上記ランド28に平行な、すなわちチップ厚さ方 向に垂直な平坦面が形成されている。 このチップ本体22内側の平坦面は、すくい面23がなす上記傾斜面の延長面 から見ると、切刃27から離間するに従って該延長面より漸次隆起する面となり 、すくい面23に沿って流れた切屑がカールされてブレーカー効果を受けるブレ ーカー面29となる。なお上記平面視にチップ本体22の中央には、当該チップ 21をバイト等の工具に装着する際の取付穴30がチップ厚さ方向に沿って貫設 されている。
【0013】 そして本実施例では上記すくい面23に、該すくい面23からチップ厚さ方向 の外側に向けて突出し、かつ上記平面視にチップ本体22の外周側から内側に向 かって延びる突条部31が、一のノーズ部26を挟む二つの切刃27の上記使用 範囲内において、それぞれの切刃27について3つ、つまり一つの交差稜線部に ついて6つ、該切刃27が形成された方向に沿って、略等間隔に並ぶように形成 されている。これらの突条部31は、そのすくい面23から最もチップ厚さ方向 外側に突出した先端、すなわち該突条部31の突出先端を結ぶ稜線部32が、図 3に示すように上記チップ厚さ方向に垂直になるように、つまり該稜線部32が チップ厚さ方向に垂直な面に含まれるように成形されている。
【0014】 さらに、これらの突条部31は図1に示すように、上記平面視にすくい面23 と稜線部32との交点33を通り、切刃27に垂直な仮想直線Lを想定したとき に、該突条部31がチップ本体22の内側に向かうに従って、その稜線部32が 上記平面視にこの仮想直線Lに向かって凸をなす曲線を描きつつ、漸次切刃27 が形成された方向のノーズ部26側に向かって離間ように成形されている。ただ し、突条部31がこのような形状に配置されるのは上述した切刃27の使用範囲 内においてであって、このため該突条部31は上記平面視に、ノーズ部26に対 して凹む弧状に配列されることになり、かつ切刃27の中央を通って該切刃27 に垂直な面に対して対称に配置されることになる。 また、これらの突条部31はそれぞれ、その稜線部32に垂直な断面視に円弧 面をなすように成形されており、さらに図3に示されるように該突条部31のチ ップ本体22内側の突端部34は、この円弧面に滑らかに連なる球状面を描きつ つ、ブレーカー面29に埋没するように成形されている。
【0015】 なお、図4は図1に示した本実施例の平面図において、上記切刃27の使用範 囲内で上記突条部31を含まない切刃27に垂直なBB断面を示すものである。 そして、この図に示されるように本実施例ではすくい面23が、すくい角αをな す切刃27側の第一のすくい面23Aと、この第一のすくい面23Aに連なり、 上記すくい角αよりも小さいすくい角βをなすブレーカー面29側の第二のすく い面23Bとから構成されている。さらに本実施例では上記突条部31の稜線部 32はすべて第一のすくい面23Aに交わるようになっており、すなわち上記突 条部31の稜線部32とすくい面23との交点33は、すべて第一のすくい面2 3A上に配置されている。 これに加えて本実施例では、それぞれのすくい面23A,23Bは上記切刃2 7の使用範囲内において、ノーズ部26から離間するに従ってすくい角α,βが それぞれに漸次小さくなるように、またすくい面23の幅Wおよび第一のすくい 面23Aの幅W1がそれぞれに漸次大きくなるように成形されている。なお、こ の第一のすくい面23Aの幅W1とは上記切刃27に垂直な断面において切刃2 7から第一のすくい面23Aと第二のすくい面23Bとの交差部35までのチッ プ厚さ方向に垂直な方向の距離をいい、すくい面23の幅Wとは上記断面におい て切刃27から第二のすくい面23Bとブレーカー面29との交差部36までの チップ厚さ方向に垂直な方向の距離をいうものとする。
【0016】 ここで、これらすくい角α,β、およびすくい面23の幅Wと第一のすくい面 23Aの幅W1は、上述した切刃27の使用範囲内において漸減および漸増する ものである。よって、すくい角α,βは上記一のノーズ部26から離間して上記 一辺の中央に向かうに従って漸減し、この中央を越えて他のノーズ部26に向か うに従い漸増することになる。また、これとは逆にすくい面23の幅Wおよび第 一のすくい面23Aの幅W1は上記一のノーズ部26から離間するに従って漸増 して上記一辺の中央で最大となり、さらにこの一のノーズ部26から離間して他 のノーズ部26に接近するに従い漸減することになる。 さらにまた本実施例では、すくい角αの大きさは、ノーズ部26付近の最も大 きくなる部分で30°〜10°、上記一辺の中央部付近の最も小さくなる部分で 20°〜5°の範囲に納まるようになっており、一方すくい角βの大きさは上記 切刃27に垂直な断面におけるすくい角αの大きさの1/4〜3/4になるよう に設定されている。
【0017】 このような構成のチップ21では、すくい面23からの突条部31のチップ厚 さ方向外側への突出先端を結んだ稜線部32が該チップ厚さ方向に垂直になるよ うに成形されており、すなわち該稜線部32がすくい面23から真直ぐチップ厚 さ方向に垂直な方向に延びるように成形されているために、この突条部31とす くい面23との間に上述した従来例のような谷部が形成されることがない。 従って切刃27によって削り取られ、すくい面23に沿って流れ出た切屑は、 突条部31の稜線部32に接触したところで一旦緩くカールされ、次いでこの稜 線部32に沿って滑走し、平面視にチップ本体22の内側に案内される。ところ が、この滑走の間にも切屑は突条部31の稜線部32に接触してさらに小さなカ ール径にカールされるため、結果的に切屑は該稜線部32上で円を描きつつ排出 される。
【0018】 ここで本実施例のチップ21では、この突条部31が、その稜線部32が上記 仮想直線Lに対して凸をなす曲線状に成形されているため、カールされた切屑は 順次この曲線の法線方向を切刃27のノーズ部26とは反対側へと押し出される ことになる。つまり生成された切屑は、切刃27に沿って円筒状にカールされな がら排出されるか、あるいは切刃27に対してチップ本体22の内側に鋭角に交 わる線上を円錐状にカールされながら排出され、分断されることになる。 このように上記構成のチップ21によれば、切屑を被削材の切削面から離間す る方向に導きつつ排出して分断することができる。すなわち、切屑の排出に方向 性を与えることが可能となり、このため生成された切屑が切削面に接触して切削 精度を劣化させたり、チップ21と被削材の間にかみ込まれて切削抵抗を増大さ せたりするような事態を未然に防いで円滑な切削作業を行うことができる。 また、切屑が排出される方向に一定の方向性が与えられることから、切削作業 中あるいは作業終了後の切屑の処理も容易に行うことが可能となる。さらに、切 削時に切屑との接触によってチップが受ける抵抗にも一定の方向性が与えられる ため、このような抵抗がランダムな方向から作用する場合に比べて切削作業中の チップの振動等を抑えることができ、切削精度の劣化をさらに効果的に防止する ことができるという利点も有する。
【0019】 また、本実施例では上述のようにすくい面23と突条部31の稜線部32との 間に、従来例のような谷部が形成されることがないので、送り量が大きく比較的 肉厚の厚い切屑が生成される場合でも、切刃27によって削り取られ、すくい面 23に沿って流れ出た切屑は、突条部31の稜線部32に乗り上げて緩やかにカ ールされ、分断されることになる。 このため、このような切屑が従来のように急激に小さなカール径にカールされ ることにより、抵抗を受けて円滑な切屑の生成が阻害されるるような事態を防ぐ ことができる。
【0020】 さらに本実施例では、上述のように切刃27のノーズ部26付近から離間する に従って、すくい面23A,23Bがなすすくい角α,βが漸次小さくなるよう に成形され、このため第二のすくい面23Bが上記ブレーカー面29となす角度 もノーズ部26から離間するに従って小さくなるように成形されている。また、 これとともにすくい面23の幅Wおよび第一のすくい面23Aの幅W1は漸次大 きくなるように成形されている。 これにより、送り量が小さい場合にノーズ部26付近で生成される肉厚の薄い 切屑は、比較的早い段階で稜線部32またはブレーカー面29に接触して小さな カール径にカールされることになり、このため切屑が伸び気味の状態になること をより効果的に防止することができる。また、これとは逆に送り量が大きい場合 に切刃27のノーズ部26から離間した部分で生成される肉厚の大きな切屑は、 すくい面23上をある程度の距離を流れ出た後で稜線部32またはブレーカー面 29に接触して緩やかにカールされることになる。よって、これと上記突条部3 1によるブレーカー効果とが相俟って切屑が受ける抵抗を一層低減させることが 可能となる。 さらに本実施例においてはこれに加え、切刃27のノーズ部26から離間した 部分では、すくい角α,βが小さくなることによって切刃27の刃先部分に一定 の肉厚が確保されるので、切刃強度を維持することが可能となり、切削時に作用 する負荷によって切刃27に欠損等が生じるような事態を未然に防ぐことができ るという利点も有する。
【0021】 さらにまた本実施例では、すくい面23が切刃27に連なる大きなすくい角α の第一のすくい面23Aと、この第一のすくい面23Aに連なる小さなすくい角 βの第二のすくい面23Bとから構成されており、このため第一のすくい面23 Aに沿って流れた切屑が第二のすくい面23Bに接触する際にもブレーカー効果 が生じることになり、切屑の分断性能を向上させることができる。 また、すくい面23を二つのすくい面23A,23Bとすることにより、生成 された切屑が最初にカールされるまでの距離を、従来例のようにすくい面が一つ の場合に比べて短くすることができる。従って、送り量が小さく肉厚の薄い切屑 が生成される場合でも切屑は比較的早い段階でカールされるので、切屑が伸び気 味になることを抑えることが可能となる。 このように本実施例によれば、送り量の相違によって変化する切屑の状態に応 じ、切刃27の使用範囲全体で切屑を確実に処理することが可能であり、上述し た突条部31によるブレーカー効果と相俟って幅広い使用目的に適合する汎用性 の極めて高いチップを提供することが可能となる。
【0022】 また本実施例では図2に示したように切刃27の中央部がチップ厚さ方向内側 、つまり着座面24側に凹む湾曲線状に形成されており、これによって例えば当 該チップ21をバイトなどの旋削工具等に使用した場合には、上記使用範囲内に おける切刃27の傾きを正角側に設定することができ、従って上記旋削工具の軸 方向すくい角や径方向すくい角も正角側にとることができる。このため、切削時 に切刃27にかかる抵抗を低減することができるとともに、切屑の流出方向をさ らに適当な方向に制御することが可能となるという利点を有する。
【0023】 次に、図5および図6は本考案の他の実施例を示す平面図および側面図であり 、図1ないし図4に示した実施例と同じ部分には同一の符号を配して説明を省略 する。 本実施例のチップ41は、すくい面23より突出して形成された突条部42が 上記仮想曲線Lに対し、該突条部42がチップ本体22の内側に向かうに従って 、その稜線部43が上記平面視にこの仮想直線Lに向かって凸をなす曲線を描き つつ、漸次切刃27が形成された方向のノーズ部26とは反対側に向かって離間 するように成形されていることを特徴とするものである。ただし上記実施例同様 、突条部42がこのような形状に配置されるのは、上述した切刃27の使用範囲 内においてであって、このため該突条部42は上記平面視に、ノーズ部26に対 して凸をなす弧状に配列されることになる。
【0024】 このような構成のチップ41によれば、生成された切屑は上記実施例同様に突 条部42の稜線部43状で円を描きつつカールされ、該稜線部43の法線方向に 排出されることになる。すなわち切屑は、切刃27に沿って円筒状にカールされ ながら排出されるか、あるいは切刃27に対してチップ本体22の外側から鋭角 に交わる線上を円錐状にカールされながら排出されることになる。 このため、切屑が被削材の切削面に接触したり、チップと被削材の間にかみ込 まれたりするようなことはなく、上記実施例と同じ効果を得ることが可能となる 。また本実施例では、カールされた切屑は被削材に対してはもとより、チップ本 体22に対しても離間する方向に排出される。このため、このような切屑がチッ プ本体22やチップが装着されたバイト等の工具に絡まったりして切削作業に支 障を来すような事態をも、未然に防ぐことが可能であるという利点も有する。
【0025】 なお、上記実施例ではすくい面23からの平面視に略正方形の平板状のチップ について説明したが、三角形やその他の多角形平板状のチップであっても、勿論 かまわない。 また、これらの実施例ではすくい面23を二つのすくい面23A,23Bより 構成したが、これを三つ以上のすくい面より構成してもよい。
【0026】
【考案の効果】
以上説明したように本考案では、すくい面より突出した突条部の突出先端を結 んだ稜線部がチップ厚さ方向に垂直になるように成形されているとともに、この 稜線部がすくい面からの平面視に、突条部がチップ本体内側に向かうに従って切 刃に対して垂直な仮想直線に対して離間する方向に成形されており、これによっ て生成される切屑の排出方向に一定の方向性を与えることが可能となる。このた め、切屑が切削面に接触して切削精度を劣化させたり、チップと被削材との間に かみ込まれて抵抗を増大させたりするような事態を防ぐことができ、円滑な切削 作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示す実施例の側面図である。
【図3】図1に示す実施例のAA断面図である。
【図4】図1に示す実施例のBB断面図である。
【図5】本考案の他の実施例を示す平面図である。
【図6】図5に示す実施例の側面図である。
【図7】突起を有する従来のチップの一例を示す平面図
である。
【図8】図7に示した従来例のXX断面図である。
【図9】図7に示した従来例のYY断面図である。
【符号の説明】
21,41 チップ 22 チップ本体 23 すくい面 23A 第一のすくい面 23B 第二のすくい面 24 着座面 25 逃げ面 26 ノーズ部 27 切刃 28 ランド 29 ブレーカー面 31,42 突条部 32,43 稜線部 33 稜線部32とすくい面23との交点 34 突条部31の突端部 L すくい面23からの平面視に、交点33を通り、切
刃27に垂直な仮想直線α 第一のすくい面がなすすく
い角 β 第二のすくい面のすくい角 W すくい面23の幅 W1 第一のすくい面の幅

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すくい面側からの平面視に多角形平板状
    をなすチップ本体の該すくい面と逃げ面との交差稜線部
    に、上記多角形の角部にノーズ部を有する切刃が形成さ
    れるとともに、該すくい面が上記切刃から離間するに従
    って漸次上記チップ本体の厚さ方向の内側に向かう傾斜
    面とされたスローアウェイチップにおいて、上記すくい
    面には、該すくい面から上記厚さ方向外側に向かって突
    出し、かつその突出先端を結ぶ稜線部が上記厚さ方向に
    垂直になるように成形された突条部が、上記平面視に上
    記チップ本体の外周側から該チップ本体内側に向かって
    形成されるとともに、この突条部は、該突条部が上記チ
    ップ本体内側に向かうに従って、上記稜線部が上記平面
    視に、上記すくい面と該稜線部との交点を通り上記切刃
    に垂直な仮想直線に対して漸次離間する方向に成形され
    ていることを特徴とするスローアウェイチップ。
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WO2009128540A1 (ja) * 2008-04-17 2009-10-22 株式会社タンガロイ 切削用インサート
JP2013230513A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Kyocera Corp 切削インサート、切削工具および被削加工物の製造方法

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JP2013230513A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Kyocera Corp 切削インサート、切削工具および被削加工物の製造方法

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