JPH04108395U - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JPH04108395U
JPH04108395U JP833691U JP833691U JPH04108395U JP H04108395 U JPH04108395 U JP H04108395U JP 833691 U JP833691 U JP 833691U JP 833691 U JP833691 U JP 833691U JP H04108395 U JPH04108395 U JP H04108395U
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output shaft
rotating body
holder
rotating
ultrasonic motor
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JP833691U
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Inventor
田 正 之 任
川 聡 市
岡 茂 樹 吉
島 康 彦 北
木 和 也 鈴
上 勝 井
Original Assignee
日産自動車株式会社
自動車電機工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】振動体と回転体の組み合わせを二組備えた超音
波モータにおいて、回転数の増大などの性能向上を図
る。 【構成】出力軸1に、一方の回転体13を装着すると共
に、出力軸1に回転自在に設けたホルダ2に、他方の回
転体23を装着し、前記出力軸1とホルダ2に、所定の
回動許容範囲を有して係合する凹凸部26,16を設け
る。これにより、各回転体の力が互いに相手側の負荷に
なるのを防ぐ。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、振動体と回転体の組み合わせを二組備えた回転型超音波モータの改 良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の超音波モータは、例えば、ベースに、出力軸を回転自在に設けると共 に、同ベースに、円周方向にわたって圧電素子を備えた二つの振動体を前記出力 軸と同心状に設け、前記出力軸に、円盤状の二つの回転体と、各回転体を個別に 押圧する皿ばねを装着し、前記各回転体の外周側の環状当接部をそれぞれの振動 体に圧接させた構造になっている。このように、出力軸に対して、振動体と回転 体の組み合わせを二組設けることにより、出力を高めることが可能となる。
【0003】 上記超音波モータは、圧電素子に高周波の交流電圧を印加することにより、各 振動体にたわみ振動による進行波を励振し、各々の振動体と回転体との間の摩擦 力で、前記各回転体とともに出力軸が回転する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記したような超音波モータは、例えば各振動体や回転体の固有振 動数の相違などにより、一方の振動体側の特性と、他方の振動体側の特性とが必 ずしも一致しているとはいえず、始動した際などに、一方の回転体と他方の回転 体との間で速度差が生じることがある。このため、従来の超音波モータにあって は、両回転体が出力軸に装着されているので、各回転体の力が互いに相手側の負 荷となり、結果として出力軸の回転速度が低く抑えられるなどの不具合があった 。
【0005】
【考案の目的】
本考案は、振動体と回転体を二組備えた超音波モータにおいて、回転速度の増 大などの性能向上を図ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案の超音波モータは、実用新案登録請求の範囲第1項では、出力軸を中心 にして、振動体とこの振動体に圧接される回転体を同心状に備え、且つ前記振動 体と回転体の組み合わせを二組備えた超音波モータにおいて、出力軸に、一方の 回転体を装着すると共に、出力軸に回動自在に設けたホルダに、他方の回転体を 装着し、前記出力軸とホルダに、所定の回動許容範囲を有して係合する凹凸部を 設けた構成とし、実用新案登録請求の範囲第2項では、出力軸を中心にして、振 動体とこの振動体に圧接される回転体を同心状に備え、且つ前記振動体と回転体 の組み合わせを二組備えた超音波モータにおいて、出力軸に、一方の回転体を装 着すると共に、出力軸に回動自在に設けたホルダに、他方の回転体を装着し、前 記出力軸のホルダの両側に、互いに逆方向にのみ伝動する各クラッチを介して各 々回転部材を設け、前記ホルダと各回転部材とに、該ホルダの回転を出力軸に対 する各クラッチの伝動方向にのみ伝える回転伝達機構を設けた構成とし、実用新 案登録請求の範囲第3項では、出力軸を中心にして、振動体とこの振動体に圧接 される回転体を同心状に備え、且つ前記振動体と回転体の組み合わせを二組備え た超音波モータにおいて、出力軸に、一方の回転体を装着すると共に、同出力軸 に、一方向にのみ伝動するクラッチを介してホルダを設け、前記ホルダに、他方 の回転体を装着した構成としており、これらの構成をもって課題を解決するため の手段としている。
【0007】 なお、請求項1および2では、出力軸が正逆回転するものとし、請求項3では 、出力軸が一方向にのみ回転するものとしている。
【0008】
【考案の作用】
本考案による超音波モータでは、一方の回転体を出力軸に装着し、他方の回転 体をホルダに装着している。そして、請求項1の超音波モータでは、一方の回転 体の力が出力軸に直接伝達され、他方の回転体の力がホルダおよび凹凸部を介し て出力軸に伝達されることとなり、前記凹凸部に回動許容範囲を設けたことによ り、各回転体の力が互いに相手側の負荷になるのを防ぐ。
【0009】 また、請求項2の超音波モータでは、一方の回転体の力が出力軸に直接伝達さ れ、他方の回転体の力がホルダ、いずれかの回転部材およびクラッチを介して出 力軸に伝達されることとなり、ホルダと各回転部材とに設けた回転伝達機構によ り、正回転時と逆回転時における回転部材の切り替えを行い、前記クラッチによ り、各回転体の力が互いに相手側の負荷になるのを防ぐ。
【0010】 さらに、請求項3超音波モータでは、一方の回転体の力が出力軸に直接伝達さ れ、他方の回転体の力がホルダおよびクラッチを介して出力軸に伝達されること となり、前記クラッチにより、各回転体の力が互いに相手側の負荷になるのを防 ぐ。
【0011】
【実施例】
図1および図2は、請求項1に基づく超音波モータの一実施例を示す図である 。 すなわち、図1に示す超音波モータは、相対向する保持体11,21間に、 出力軸1が掛け渡した状態で回転自在に設けてあると共に、各保持体11,21 に、円盤状の振動体12,22が前記出力軸1と同心状に設けてある。一方の振 動体12側において、出力軸1には、円盤状の回転体13と、この回転体13を 押圧する皿ばねである加圧用スプリング14が装着してあり、他方の振動体22 側において、同出力軸1には、略円筒状ホルダ2を介して、回転体23および加 圧用スプリング24が装着してある。
【0012】 前記出力軸1は、中間部分のフランジ1aを境にして、一方側に大径部1b、 他方側に小径部1cを有し、大径部1bには、フランジ1aに隣接して、一方の 回転体13を固定するための平面部付嵌合部1dを有している。前記各振動体1 2,22は、外周部に、円周方向にわたって所定間隔で多数の溝を形成した振動 部12a,22aを有し、これらの振動部12a,22aに圧電セラミックスな どの圧電素子10,20が設けてある。
【0013】 前記各回転体13,23は、円板部13a,23aの外周に、前記振動部12 a,22aに対応する環状当接部13b,23bを有し、各円板部13a,23 aには、防振用ラバー15,25が設けてある。一方の回転体13における加圧 用スプリング14は、小径端を出力軸1のフランジ1aに係止し、大径端を防振 用ラバー15に接触させている。他方の回転体23における加圧用スプリング2 4は、小径端をホルダ2の大径部2aの張り出し面に係止し、大径端を防振用ラ バー25に圧接させている。
【0014】 前記ホルダ2は、出力軸1に対して回動自在であって、一端に設けた前記大径 部2aを出力軸1のフランジ1aに当接させており、回転体23とともに回転す る。そして、前記出力軸1のフランジ1aには、図2にも示すように、外周部分 の一箇所に、ホルダ側に突出する凸部16が形成してあり、ホルダ2の大径部2 aには、前記凸部16が係合する凹部26が形成してある。ここで、凹部26は 、ホルダ円周方向に凸部16よりも充分に大きい寸法を有しており、前記凸部1 6との間には、その寸法差に相当する回動許容範囲(遊び)が設けてある。
【0015】 上記超音波モータは、一方の回転体13の力が出力軸1に直接伝達され、他方 の回転体23の力がホルダ2および凹凸部26,16を介して出力軸1に伝達さ れることになる。また、始動した際に、両回転体13,23に速度差があっても 、前記凹凸部26,16の間に回動許容範囲が設けてあるので、各回転体13, 23の力が互いに相手側の負荷になることがない。したがって、各回転体13, 23の力が出力軸1に効率良く伝わり、振動体と回転体を二組備えた超音波モー タとして、起動トルクや保持トルク、および回転速度を増大させることができる 。
【0016】 図3〜図6は、請求項2に基づく超音波モータの一実施例を示す図である。な お、先の実施例と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。 図3および図4に示す超音波モータのホルダ3は、有底円筒状を成すと共に、 、その底壁3aには、出力軸1の挿通孔3bと、加圧用スプリング24を係止す るためのフランジ3cを有し、外周に装着した回転体23とともに回転する。出 力軸1には、前記底壁3aを挟む状態で、二つの回転部材17,27が設けてあ る。 前記各回転部材17,27は、略円筒形状を成すと供に、互いに逆方向に のみ伝動するクラッチ18,28を介して出力軸1に取り付けてあって、互いの 対向面には、出力軸1を中心とする環状の突条17a,27aが形成してある。 ここで、説明の都合上、図3中左側のクラッチ18は、左側の回転部材17の上 部が手前側に回転する方向でその回転を出力軸1に伝達し、逆方向では空回りと なり、図3中右側のクラッチ28は、右側の回転部材27の上部が向こう側に回 転する方向でその回転を出力軸1に伝達し、逆方向では空回りとなる。
【0017】 そして、前記ホルダ3の底壁3aには、前記環状突条17a,27aの一部に 対応する位置に、両面側に開口する孔部3dが設けてあり、前記各突条17a, 27aには、係合凹部17b,27bが設けてあって、前記孔部3aといずれか 一方の係合凹部17b,27bとで形成される空間に、ボール4が収容してある 。また、各係合凹部17b,27bは、図5および図6に示すように、それぞれ の回転部材17,27におけるクラッチ18,28の伝動方向(矢印で示す)に 対して、前進側が直角面17c,27cになっており、後退側が傾斜面17d, 27dになっている。つまり、この実施例では、前記係合凹部17b,27bお よびボール4により、ホルダ3の回転を出力軸1に対する各クラッチ18,28 の伝動方向にのみ伝える回転伝達機構を構成している。
【0018】 上記超音波モータは、例えば、図3に示す回転体13,23の上部が向こう側 に回転するとした場合、ボール4が他方の回転部材27の係合凹部27bに係合 状態(図5中に破線で示す状態)にある。そして、一方の回転体13の力が出力 軸1に直接伝達され、他方の回転体23の力がホルダ3、ボール4、他方の回転 部材27およびクラッチ28を介して、出力軸1に伝達されることになる。した がって、各回転体13,23の力が互いに相手側の負荷になることがなく、両者 の力が効率良く出力軸1に伝わることになる。
【0019】 また、各回転体13,23を上記の場合と逆に回転させた場合には、他方の回 転部材27の係合凹部27bにおける傾斜面27dにより、ボール4が一方の回 転部材17側に押圧され、回転と共に前記ボール4が一方の回転部材17の係合 凹部17bに入り、その直角面17cに係止状態(図6中に破線で示す状態)に なる。これにより、他方の回転体23の力が、ホルダ3、ボール4、一方の回転 部材17およびクラッチ18を介して出力軸1に伝わることとなる。つまり、上 記実施例の超音波モータは、回転方向に応じてボール4が移動し、回転部材17 ,27の切り替えが行われる。
【0020】 図7は、請求項3に基づく超音波モータの一実施例を示す図である。
【0021】 この実施例の超音波モータは、出力軸1に、一方向にのみ伝動するクラッチ3 5を介してホルダ5を設け、このホルダ5に他方の回転体23が装着してある。 前記クラッチ35は、例えば図中において、ホルダ5の上部が手前側に回転する 方向でその回転を出力軸1に伝達する。また、出力軸1のフランジ1aとホルダ 5との間には、スラストベアリング6が設けてある。
【0022】 上記超音波モータは、図中の回転体の上部が手前側に回転するとき、一方の回 転体13の力が出力軸1に直接伝達され、他方の回転体23の力がホルダ5およ びクラッチ35を介して、出力軸1に伝達される。したがって、クラッチ35に より、各回転体13,23の力が互いに相手側の負荷になることがなく、両者の 力が効率良く出力軸1に伝わることになる。
【0023】
【考案の効果】
以上説明してきたように、本考案の超音波モータによれば、振動体と回転体の 組み合わせを二組み備えた超音波モータにおいて、各回転体の力が互いに相手側 の負荷になるのを防ぐことができ、保持トルクや起動トルクの増大と共に、回転 数を増大させることができ、モータの性能を大幅に向上させることができる。
【提出日】平成4年5月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】考案の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、振動体と回転体の組み合わせを二組備えた回転型超音波モータの改 良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の超音波モータは、例えば、ベースに、出力軸を回転自在に設けると共 に、同ベースに、円周方向にわたって圧電素子を備えた二つの振動体を前記出力 軸と同心状に設け、前記出力軸に、円盤状の二つの回転体と、各回転体を個別に 押圧する皿ばねを装着し、前記各回転体の外周側の環状当接部をそれぞれの振動 体に圧接させた構造になっている。このように、出力軸に対して、振動体と回転 体の組み合わせを二組設けることにより、出力を高めることが可能となる。
【0003】 上記超音波モータは、圧電素子に高周波の交流電圧を印加することにより、各 振動体にたわみ振動による進行波を励振し、各々の振動体と回転体との間の摩擦 力で、前記各回転体とともに出力軸が回転する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記したような超音波モータは、例えば各振動体や回転体の固有振 動数の相違などにより、一方の振動体側の特性と、他方の振動体側の特性とが必 ずしも一致しているとはいえず、始動した際などに、一方の回転体と他方の回転 体との間で速度差が生じることがある。このため、従来の超音波モータにあって は、両回転体が出力軸に装着されているので、各回転体の力が互いに相手側の負 荷となり、結果として出力軸の回転速度が低く抑えられるなどの不具合があった 。
【0005】
【考案の目的】
本考案は、振動体と回転体を二組備えた超音波モータにおいて、回転速度の増 大などの性能向上を図ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案の超音波モータは、実用新案登録請求の範囲第1項では、出力軸を中心 にして、振動体とこの振動体に圧接される回転体を同心状に備え、且つ前記振動 体と回転体の組み合わせを二組備えた超音波モータにおいて、出力軸に、一方の 回転体を装着すると共に、出力軸に回動自在に設けたホルダに、他方の回転体を 装着し、前記出力軸とホルダに、所定の回動許容範囲を有して係合する凹凸部を 設けた構成とし、実用新案登録請求の範囲第2項では、出力軸を中心にして、振 動体とこの振動体に圧接される回転体を同心状に備え、且つ前記振動体と回転体 の組み合わせを二組備えた超音波モータにおいて、出力軸に、一方の回転体を装 着すると共に、出力軸に回動自在に設けたホルダに、他方の回転体を装着し、前 記出力軸のホルダの両側に、互いに逆方向にのみ伝動する各クラッチを介して各 々回転部材を設け、前記ホルダと各回転部材とに、該ホルダの回転を出力軸に対 する各クラッチの伝動方向にのみ伝える回転伝達機構を設けた構成とし、実用新 案登録請求の範囲第3項では、出力軸を中心にして、振動体とこの振動体に圧接 される回転体を同心状に備え、且つ前記振動体と回転体の組み合わせを二組備え た超音波モータにおいて、出力軸に、一方の回転体を装着すると共に、同出力軸 に、一方向にのみ伝動するクラッチを介してホルダを設け、前記ホルダに、他方 の回転体を装着した構成としており、これらの構成をもって課題を解決するため の手段としている。
【0007】 なお、請求項1および2では、出力軸が正逆回転するものとし、請求項3では 、出力軸が一方向にのみ回転するものとしている。
【0008】
【考案の作用】
本考案による超音波モータでは、一方の回転体を出力軸に装着し、他方の回転 体をホルダに装着している。そして、請求項1の超音波モータでは、一方の回転 体の力が出力軸に直接伝達され、他方の回転体の力がホルダおよび凹凸部を介し て出力軸に伝達されることとなり、前記凹凸部に回動許容範囲を設けたことによ り、各回転体の力が互いに相手側の負荷になるのを防ぐ。
【0009】 また、請求項2の超音波モータでは、一方の回転体の力が出力軸に直接伝達さ れ、他方の回転体の力がホルダ、いずれかの回転部材およびクラッチを介して出 力軸に伝達されることとなり、ホルダと各回転部材とに設けた回転伝達機構によ り、正回転時と逆回転時における回転部材の切り替えを行い、前記クラッチによ り、各回転体の力が互いに相手側の負荷になるのを防ぐ。
【0010】 さらに、請求項3超音波モータでは、一方の回転体の力が出力軸に直接伝達さ れ、他方の回転体の力がホルダおよびクラッチを介して出力軸に伝達されること となり、前記クラッチにより、各回転体の力が互いに相手側の負荷になるのを防 ぐ。
【0011】
【実施例】
図1および図2は、請求項1に基づく超音波モータの一実施例を示す図である 。 すなわち、図1に示す超音波モータは、相対向する保持体11,21間に、 出力軸1が掛け渡した状態で回転自在に設けてあると共に、各保持体11,21 に、円盤状の振動体12,22が前記出力軸1と同心状に設けてある。一方の振 動体12側において、出力軸1には、円盤状の回転体13と、この回転体13を 押圧する皿ばねである加圧用スプリング14が装着してあり、他方の振動体22 側において、同出力軸1には、略円筒状ホルダ2を介して、回転体23および加 圧用スプリング24が装着してある。
【0012】 前記出力軸1は、中間部分のフランジ1aを境にして、一方側に大径部1b、 他方側に小径部1cを有し、大径部1bには、フランジ1aに隣接して、一方の 回転体13を固定するための平面部付嵌合部1dを有している。前記各振動体1 2,22は、外周部に、円周方向にわたって所定間隔で多数の溝を形成した振動 部12a,22aを有し、これらの振動部12a,22aに圧電セラミックスな どの圧電素子10,20が設けてある。
【0013】 前記各回転体13,23は、円板部13a,23aの外周に、前記振動部12 a,22aに対応する環状当接部13b,23bを有し、各円板部13a,23 aには、防振用ラバー15,25が設けてある。一方の回転体13における加圧 用スプリング14は、小径端を出力軸1のフランジ1aに係止し、大径端を防振 用ラバー15に接触させている。他方の回転体23における加圧用スプリング2 4は、小径端をホルダ2の大径部2aの張り出し面に係止し、大径端を防振用ラ バー25に圧接させている。
【0014】 前記ホルダ2は、出力軸1に対して回動自在であって、一端に設けた前記大径 部2aを出力軸1のフランジ1aに当接させており、回転体23とともに回転す る。そして、前記出力軸1のフランジ1aには、図2にも示すように、外周部分 の一箇所に、ホルダ側に突出する凸部16が形成してあり、ホルダ2の大径部2 aには、前記凸部16が係合する凹部26が形成してある。ここで、凹部26は 、ホルダ円周方向に凸部16よりも充分に大きい寸法を有しており、前記凸部1 6との間には、その寸法差に相当する回動許容範囲(遊び)が設けてある。
【0015】 上記超音波モータは、一方の回転体13の力が出力軸1に直接伝達され、他方 の回転体23の力がホルダ2および凹凸部26,16を介して出力軸1に伝達さ れることになる。また、始動した際に、両回転体13,23に速度差があっても 、前記凹凸部26,16の間に回動許容範囲が設けてあるので、各回転体13, 23の力が互いに相手側の負荷になることがない。したがって、各回転体13, 23の力が出力軸1に効率良く伝わり、振動体と回転体を二組備えた超音波モー タとして、起動トルクや保持トルク、および回転速度を増大させることができる 。
【0016】 本考案による実施例の超音波モータの特性を図8に示す。図中において、特性 Aは、一方の振動体12と回転体13の特性であり、特性Bは、他方の振動体2 2と回転体23の特性であり、特性Cは、二対の振動体12,22と回転体13 ,23をホルダ2により組み合わせた本考案による実施例の超音波モータの特性 である。
【0017】 また、図9に示す特性C´は、ホルダ等が使用されることなく、二対の振動体 と回転体の回転軸が互いに直結された超音波モータの特性を示し、特性A´およ び特性B´は、図8に示す特性Aおよび特性Bに相当している。
【0018】 図8の特性Cおよび図9の特性C´から明らかなように、本考案の超音波モー タのように、一方の回転体13の力が出力軸1に直接伝達され、他方の回転体2 3の力がホルダ2および凹凸部26,16を介して出力軸1に伝達され、凹凸部 26,16の間に回転許容範囲が設けられていると、回転数を増大させることが できる。
【0019】 図3〜図6は、請求項2に基づく超音波モータの一実施例を示す図である。な お、先の実施例と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。 図3および図4に示す超音波モータのホルダ3は、有底円筒状を成すと共に、 、その底壁3aには、出力軸1の挿通孔3bと、加圧用スプリング24を係止す るためのフランジ3cを有し、外周に装着した回転体23とともに回転する。出 力軸1には、前記底壁3aを挟む状態で、二つの回転部材17,27が設けてあ る。 前記各回転部材17,27は、略円筒形状を成すと供に、互いに逆方向に のみ伝動するクラッチ18,28を介して出力軸1に取り付けてあって、互いの 対向面には、出力軸1を中心とする環状の突条17a,27aが形成してある。 ここで、説明の都合上、図3中左側のクラッチ18は、左側の回転部材17の上 部が手前側に回転する方向でその回転を出力軸1に伝達し、逆方向では空回りと なり、図3中右側のクラッチ28は、右側の回転部材27の上部が向こう側に回 転する方向でその回転を出力軸1に伝達し、逆方向では空回りとなる。
【0020】 そして、前記ホルダ3の底壁3aには、前記環状突条17a,27aの一部に 対応する位置に、両面側に開口する孔部3dが設けてあり、前記各突条17a, 27aには、係合凹部17b,27bが設けてあって、前記孔部3aといずれか 一方の係合凹部17b,27bとで形成される空間に、ボール4が収容してある 。また、各係合凹部17b,27bは、図5および図6に示すように、それぞれ の回転部材17,27におけるクラッチ18,28の伝動方向(矢印で示す)に 対して、前進側が直角面17c,27cになっており、後退側が傾斜面17d, 27dになっている。つまり、この実施例では、前記係合凹部17b,27bお よびボール4により、ホルダ3の回転を出力軸1に対する各クラッチ18,28 の伝動方向にのみ伝える回転伝達機構を構成している。
【0021】 上記超音波モータは、例えば、図3に示す回転体13,23の上部が向こう側 に回転するとした場合、ボール4が他方の回転部材27の係合凹部27bに係合 状態(図5中に破線で示す状態)にある。そして、一方の回転体13の力が出力 軸1に直接伝達され、他方の回転体23の力がホルダ3、ボール4、他方の回転 部材27およびクラッチ28を介して、出力軸1に伝達されることになる。した がって、各回転体13,23の力が互いに相手側の負荷になることがなく、両者 の力が効率良く出力軸1に伝わることになる。
【0022】 また、各回転体13,23を上記の場合と逆に回転させた場合には、他方の回 転部材27の係合凹部27bにおける傾斜面27dにより、ボール4が一方の回 転部材17側に押圧され、回転と共に前記ボール4が一方の回転部材17の係合 凹部17bに入り、その直角面17cに係止状態(図6中に破線で示す状態)に なる。これにより、他方の回転体23の力が、ホルダ3、ボール4、一方の回転 部材17およびクラッチ18を介して出力軸1に伝わることとなる。つまり、上 記実施例の超音波モータは、回転方向に応じてボール4が移動し、回転部材17 ,27の切り替えが行われる。
【0023】 図7は、請求項3に基づく超音波モータの一実施例を示す図である。
【0024】 この実施例の超音波モータは、出力軸1に、一方向にのみ伝動するクラッチ3 5を介してホルダ5を設け、このホルダ5に他方の回転体23が装着してある。 前記クラッチ35は、例えば図中において、ホルダ5の上部が手前側に回転する 方向でその回転を出力軸1に伝達する。また、出力軸1のフランジ1aとホルダ 5との間には、スラストベアリング6が設けてある。
【0025】 上記超音波モータは、図中の回転体の上部が手前側に回転するとき、一方の回 転体13の力が出力軸1に直接伝達され、他方の回転体23の力がホルダ5およ びクラッチ35を介して、出力軸1に伝達される。したがって、クラッチ35に より、各回転体13,23の力が互いに相手側の負荷になることがなく、両者の 力が効率良く出力軸1に伝わることになる。
【0026】
【考案の効果】
以上説明してきたように、本考案の超音波モータによれば、振動体と回転体の 組み合わせを二組み備えた超音波モータにおいて、各回転体の力が互いに相手側 の負荷になるのを防ぐことができ、保持トルクや起動トルクの増大と共に、回転 数を増大させることができ、モータの性能を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に基づく超音波モータの一実施例を示
す断面図である。
【図2】図1中のB−B線に基づく断面図である。
【図3】請求項2に基づく超音波モータの一実施例を示
す断面図である。
【図4】ホルダおよび各回転部材を説明する斜視図であ
る。
【図5】一方の回転部材とボールの係合状態を示す断面
図である。
【図6】他方の回転部材とボールの係合状態を示す断面
図である。
【図7】請求項3に基づく超音波モータの一実施例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 出力軸 2 3 5 ホルダ 4 ボール 12 22 振動体 13 23 回転体 16 凸部 17 27 回転部材 17b 27b 係合凹部 18 28 35 クラッチ 26 凹部 (4 17b 27b 回転伝達機構)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月22日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図8
【補正方法】追加
【補正内容】
【図8】本考案による超音波モータの特性を示すグラフ
である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図9
【補正方法】追加
【補正内容】
【図9】二対の振動体および回転体の回転軸が直結され
た超音波モータの特性を示すグラフである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】追加
【補正内容】
【図8】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】追加
【補正内容】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 吉 岡 茂 樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)考案者 北 島 康 彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)考案者 鈴 木 和 也 神奈川県横浜市戸塚区東俣野町1760番地 自動車電機工業株式会社内 (72)考案者 井 上 勝 神奈川県横浜市戸塚区東俣野町1760番地 自動車電機工業株式会社内

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力軸を中心にして、振動体とこの振動
    体に圧接される回転体を同心状に備え、且つ前記振動体
    と回転体の組み合わせを二組備えた超音波モータにおい
    て、出力軸に、一方の回転体を装着すると共に、出力軸
    に回動自在に設けたホルダに、他方の回転体を装着し、
    前記出力軸とホルダに、所定の回動許容範囲を有して係
    合する凹凸部を設けたことを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 出力軸を中心にして、振動体とこの振動
    体に圧接される回転体を同心状に備え、且つ前記振動体
    と回転体の組み合わせを二組備えた超音波モータにおい
    て、出力軸に、一方の回転体を装着すると共に、出力軸
    に回動自在に設けたホルダに、他方の回転体を装着し、
    前記出力軸のホルダの両側に、互いに逆方向にのみ伝動
    する各クラッチを介して各々回転部材を設け、前記ホル
    ダと各回転部材とに、該ホルダの回転を出力軸に対する
    各クラッチの伝動方向にのみ伝える回転伝達機構を設け
    たことを特徴とする超音波モータ。
  3. 【請求項3】 出力軸を中心にして、振動体とこの振動
    体に圧接される回転体を同心状に備え、且つ前記振動体
    と回転体の組み合わせを二組備えた超音波モータにおい
    て、出力軸に、一方の回転体を装着すると共に、同出力
    軸に、一方向にのみ伝動するクラッチを介してホルダを
    設け、前記ホルダに、他方の回転体を装着したことを特
    徴とする超音波モータ。
JP833691U 1991-02-22 1991-02-22 超音波モータ Pending JPH04108395U (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10164869A (ja) * 1996-11-29 1998-06-19 Canon Precision Inc 振動波モータ
JP2019202195A (ja) * 2019-08-23 2019-11-28 株式会社根本杏林堂 注入機器及び超音波モータユニット

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10164869A (ja) * 1996-11-29 1998-06-19 Canon Precision Inc 振動波モータ
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