JPH04101025U - 噛み合わせカツプリング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 騒音の発生しない噛み合わせカップリングを
得ることを目的とする。 【構成】 カップリングＡ１１には位置決め穴２を穿設
し、カップリングＢ１２には位置決めピン３を植設す
る。位置決め穴２と位置決めピン３の位置は、位置決め
ピン３が位置決め穴２に嵌合してカップリングＡ１１と
カップリングＢ１２とが噛み合うことのできる位相で
は、軸穴１ｅと軸穴１ｆとが対称となるように設けられ
る。 【効果】 この考案の噛み合わせカップリングにおいて
は、上記構成によって、一対の噛み合い部材の噛み合い
は、それぞれの軸穴が対称となる位相のときのみ噛み合
わされ、重量バランスが良好な状態で作動するので、騒
音が発生せず、寿命を長くすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えばモータ軸の回転力を他の軸に伝達するための噛み合わせカ ップリングに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

最近、自動車の構成部品のアクチェエータとしてモータアクチェエータが多く 使用されるようになっている。このアクチェエータのモータ軸と被動軸の結合部 材として、例えば噛み合わせカップリングが使用され、この噛み合わせカップリ ングについては特開昭５８−２１１０２２号公報に記載の改善案が提案されてい る。

【０００３】 図４は従来の噛み合わせカップリングの１例を示す部分断面図、図５は図４の カップリング１の噛み合った状態を示す斜視図である。

【０００４】 図４において、１は噛み合わせカップリング、１１は一方の噛み合い部材であ るカップリングＡ、１２はカップリングＡ１１と同形の他方の噛み合い部材であ るカップリングＢ、１３はゴムなどからなり弾性変形可能な緩衝部材、４は駆動 軸であるモータ軸、５は被動軸であるウォーム軸、６は軸受メタル、７はウォー ムホイール、８はモータケース、９はウォームギヤケース、Ｍはモータ、Ｗはウ ォームである。また、図５において、１ａはカップリングＡ１１の対向面の周縁 部に、例えば等間隔に３個備えた軸方向に突起する突起部、１ｂはカップリング Ｂ１２の対向面周縁部に３個備えた軸方向に突起する突起部、１ｃは緩衝部材１ ３の周縁部に半径方向に６個（前記突起部１ａ、又は１ｂの２倍の個数）等間隔 に備えた突出部、１ｆはカップリングＢ１２の中央に穿設された軸穴で、カップ リングＡ１１の中央にも同形の軸穴１ｅが穿設されている。駆動軸であるモータ 軸４の嵌合部４ａはカップリングＡ１１の軸穴１ｅに嵌合し、被動軸であるウォ ーム軸５の嵌合部５ａはカップリングＢ１２の軸穴１ｆに嵌合して、それぞれの カップリングＡ１１，カップリングＢ１２はモータ軸４及びウォーム軸５に装着 される。上記軸穴１ｅ，１ｆと嵌合部４ａ，５ａの断面は、滑りのない嵌合がな されるよう、例えばＤ字型になっている。カップリングＡ１１の突起部１ａとカ ップリングＢ１２の突起部１ｂは、緩衝部材１３の突出部１ｃを間に挟んで噛み 合い、衝撃音を少なくするようになっている。以上のような軸対称な部材からな る噛み合わせカップリングによってモータＭの駆動力はウォームＷへ静粛に伝達 されるよう図られていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の噛み合わせカップリング１は、軸対称な形状で緩衝部材１３を用い 静粛な動力伝達が図られていた。しかし、上記カップリングＡ１１とカップリン グＢ１２の噛み合わせは、１２０度ずつずれた３つの位相で可能である。従って 、図５に示す位相で噛み合った場合、又は図５より時計方向に２４０度ずれた位 相で噛み合った場合は、嵌合部４ａと嵌合部５ａ並びに軸穴１ｅと軸穴１ｆは対 称位置からずれて重量バランスが崩れ、回転時のダイナミックバランスが崩れる ことになる。これによって回転軸の振動が発生し、モータ軸４及びウォーム軸５ と軸受メタル６との間に衝撃音が発生する。これは騒音の発生源になるとともに 、モータアクチェエータの寿命を短くするという問題点があった。

【０００６】 この考案は、かかる問題点を解決するためになされたもので、ダイナミックバ ランスの良好な騒音の発生しない噛み合わせカップリングを得ることを目的とす る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案に係わる噛み合わせカップリングは、駆動軸、被動軸のそれぞれに装 着され、互いに対向面で噛み合い可能な噛み合い部材と、前記噛み合い部材の噛 み合い面間に挟在する半径方向の突出部を備えた弾性変形可能な緩衝部材とを有 する噛み合わせカップリングにおいて、前記噛み合い部材の一方には位置決め穴 、前記噛み合い部材の他方には位置決めピンを設け、前記噛み合い部材は重量バ ランスのとれた位置においてのみ噛み合い可能としたものである。

【０００８】

【実施例】

図１はこの考案の１実施例である噛み合わせカップリングを示す斜視図、図２ はこの考案の噛み合わせカップリングの噛み合った状態を示す斜視図、図３は図 ２のＸ−Ｘ線断面図である。図４と同一又は相当部分は同一符号を用いて表示し てあり、その詳細な説明は省略する。図において、１１は従来のカップリングＡ １１と同形で周縁部の突起部１ａと突起部１ａの中間部に位置決め穴２を穿設し たカップリングＡ、１２は従来のカップリングＢ１２と同形で１つの突起部１ｂ の中央に位置決めピン３を植設したカップリングＢである。そうして、位置決め 穴２と位置決めピン３並びに軸穴１ｅと軸穴１ｆは次の関係になるよう設けられ ている。即ち、カップリングＡ１１とカップリングＢ１２は、軸穴１ｅと軸穴１ ｆに従って、嵌合部４ａと嵌合部５ａとが対称になる位相のときにのみ、位置決 め穴２に位置決めピン３が嵌合し噛み合うことができるようになっている。この 実施例ではカップリングＢ１２の突起部１ｂに位置決めピン３を植設してあるが 、これとは逆にカップリングＡ１１に位置決めピン３を植設し、カップリングＢ １２に位置決め穴２を穿設するようにしてもよく、要するに、位置決めピン３と 位置決め穴２とは、噛み合わせカップリング１が重量バランスの良好になる位相 でのみ係合可能な位置に設けられればよいことはいうまでもない。

【０００９】 また、突起部１ａ，１ｂ及び突出部１ｃの個数も３個及び６個に限るものでは ない。

【００１０】 上記図１に示すこの考案の一実施例である噛み合わせカップリング１は以上の ように、軸穴１ｅと軸穴１ｆが対称になる位相でしか噛み合わせることができな いので、噛み合った動力伝達時には重量バランスが良好となり、回転時のダイナ ミックバランスも良好な状態で作動することになる。

【００１１】

【考案の効果】 この考案は以上説明したとおり、噛み合わせカップリングにおいて、相互の軸 穴が対称になる位相でのみ噛み合わせ可能としたので、動作時のダイナミックバ ランスが良好となる。従って、騒音の発生がなく、寿命を長くすることができる などの優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の１実施例である噛み合わせカップリ
ングを示す斜視図。

【図２】この考案の噛み合わせカップリングの噛み合っ
た状態を示す斜視図。

【図３】図２のＸ−Ｘ線断面を示す断面図。

【図４】従来の噛み合わせカップリングの１例を示す部
分断面図。

【図５】図４のカップリングの噛み合った状態を示す斜
視図。

【符号の説明】

１ 噛み合わせカップリング １ａ，１ｂ 突起部 １ｃ 突出部 １ｅ，１ｆ 軸穴 ２ 位置決め穴 ３ 位置決めピン ４ モータ軸 ４ａ，５ａ 嵌合部 ５ ウォーム軸 ６ 軸受メタル ７ ウォームホイール ８ モータケース ９ ウォームギヤケース １１ カップリングＡ １２ カップリングＢ １３ 緩衝部材 Ｍ モータ Ｗ ウォーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動軸、被動軸のそれぞれに装着され、
   互いに対向する面に軸方向突起を有する一対の噛み合い
   部材と、前記噛み合い部材の噛み合い面間に挟在する半
   径方向の突出部を備えた弾性変形可能な緩衝部材とを有
   する噛み合わせカップリングにおいて、前記一対の噛み
   合い部材の一方には位置決め穴を、またその他方には位
   置決めピンを、前記一対の噛み合い部材が重量バランス
   のとれた位相においてのみ噛み合い可能とする位置に設
   けたことを特徴とする噛み合わせカップリング。