JPH04107733U - 給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 積載紙を１枚ずつ確実に給紙することを可能
にした装置を提供することを目的としている。 【構成】 起立姿勢で積載紙１の上端部前面へ添接する
板状の紙当て１８を、起立姿勢と倒伏姿勢との間で回動
できるように設けた。この紙当て１８の先端部を積載紙
１の方向へ折曲げ、断面くの字状に形成した。この結
果、紙１が紙当て１８を乗り越えることがない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は台上に積載された紙を上層のものから１枚ずつ送り出して搬送する給 紙装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

印刷機等に付設される給紙装置、特に、はがきなどの小形紙を印刷部等に供給 する給紙装置は一般に次のように構成されている。すなわち、紙積台などの上に 積載された紙の紙端後方には、エアを吹出す紙さばきが配設されており、また、 積載紙の上端部前端面には、起立倒伏自在な紙当てが添接されている。さらに積 載紙の上方には、サッカ装置の吸口が、上下方向と前後方向とへ移動自在に支持 されており、この吸口の前方には、軸方向に並列する複数個の紙送りころが周面 上端に対接された紙送りローラが、回転自在に軸架されている。そして、紙送り ローラの前方には、フィーダボード上を前方へ延びる複数条の紙送りテープが配 設されている。

【０００３】 このように構成されていることにより、積載された紙は、紙端に添接された紙 当てによって動かないように規制されながら紙さばきで吹付けられるエアによっ てさばかれたのち、上下動する吸口によって上層のものから１枚ずつ吸引され、 吸口の移動によって前方へ搬送される。搬送された紙は、回転する紙送りローラ と送りころとで前端を捕捉され紙送りテープ上へ送り出されて搬送される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の給紙装置においては、はがきのような小サイ ズの紙を給紙する場合、紙さばきで吹付けられるエアが積載紙の後端から前端へ 吹抜けることによりさばき過ぎになって最上層の紙があばれることになり、また ２枚目以降の紙の押えが弱くなるので、給紙される最上層の紙につられて２枚目 以降の紙が、倒伏状態になった紙当てを乗り越え、何枚かの紙が重なって紙送り ローラと送りころとの間へ一度に送り込まれて給紙不良が発生するという問題が ある。

【０００５】 本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、積載紙を１枚ずつ確実に給紙 することを可能にした給紙装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

紙さばきでさばかれて積載された紙を送り出すようにした給紙装置において、 積載紙の上端部前面へ添接される板状の紙当てを起立倒伏自在に設け、この紙当 ての上端部を積載紙方向へ折曲げて断面くの字状に形成した。

【０００７】

【作用】

積載された紙は、紙端に添接された紙当てによって動かないように規制されな がら紙さばきで吹付けられるエアによってさばかれたのち、送り出されて前方へ 搬送される。搬送された紙は、例えば回転する紙送りローラと送りころとで前端 を捕捉され紙送りテープ上へ送り出されて搬送される。紙当てが断面くの字状に 形成されていることにより紙の移動が確実に規制され紙当てを乗り越えることが ない。

【０００８】

【実施例】

図１および図２は本考案に係る給紙装置の実施例を示し、図１は給紙装置の概 要側面図、図２は片方のフレーム近傍の展開断面図である。図において、駆動装 置で駆動されて昇降する図示しない紙積台上には、紙１が積載されていて、この 積載紙１の上端部後方には、加圧エア源に接続された紙さばき２がエア噴出孔を 積載紙上端方向に指向させて配設されており、紙さばき２からエアを噴出させる ことにより、積載紙１の上層部がさばかれるように構成されている。また、積載 紙１の上方には、吸引エア源と接続されたサッカ装置の吸口３が、上下方向と前 後方向とへ移動自在に支持されており、下降して最上層の紙１を吸引した吸口３ が上昇して前進することにより、紙１が上層のものから１枚ずつ吸引されて前方 へ搬送されるように構成されている。

【０００９】 一方、積載された紙１の上端部前方には、紙送りローラ４が、両端部を左右の フレーム５に軸受６を介し回転自在に軸支されて配設されており、その軸端部に は、原動側と駆動連結されたスプロケット７が固定されている。こうすることに より紙送りローラ４は原動側から駆動されて図に矢印Ａで示す方向へ回転するよ うに構成されている。また、積載された紙１の上方には、アーム軸８が軸受９を 介して回動自在に軸支されており、このアーム軸８には、一対ずつ複数組のアー ム１０がアーム軸８の軸線方向に並列して軸着されている。１１は各アーム１０ の遊端部にピン１２で揺動自在に枢着されたレバーであって、各一対のレバー１ １の遊端部には、周面を紙送りローラの周面に対接された複数個の紙送りころ１ ３が枢着されている。また、アーム１０のボス部から水平方向に突出された部材 １０ａのねじ孔には、調節ねじ１４が螺入されていて、その先端は前記レバー１ １の反ころ１３側端部に対接されており、調節ねじ１４を回動操作することによ り、紙送りローラ４に対する紙送りころ１３の接触圧が調節されるように構成さ れている。

【００１０】 さらに本装置においては、両端を軸受１５に回動自在に軸支された中空軸１６ が、カラー１７で軸方向への移動を規制されて積載紙１の上端部と紙送りローラ ４との間に配設されており、この中空軸１６には板状の紙当て１８がねじ止めさ れている。そして、この紙当て１８は紙１側へ折曲げられて断面をくの字状に形 成されており、図１に実線で示すように紙１の積載端面に添接する起立姿勢と図 に鎖線で示すように紙１から逃げる倒伏姿勢との間で中空軸１６とともに回動す るように構成されている。１８は中空軸１５の中央部を支持する軸受である。

【００１１】 以上のように構成された給紙装置の動作を説明する。給紙作業を開始すると、 例えば紙積台上に積載された紙１は、紙端に添接された紙当て１８によって動か ないように規制されながら紙さばき２で吹付けられるエアによってさばかれたの ち、上下動する吸口３で吸引され、吸口３の移動によって前方へ搬送される。搬 送された紙１は、原動側から駆動されて回転する紙送りローラ４とこれに対接さ れて回転する紙送りころ１３とで前端を捕捉され、紙送りテープ上へ送り出され て搬送される。給紙にしたがって紙当て１８が図示しない駆動機構によって図１ に鎖線で示すように倒伏するが、紙当て１８が断面くの字状に形成されているこ とにより、搬送されている紙の下の紙１の移動が確実に規制され、紙１が紙当て １８を乗り越えることがない。

【００１２】

【考案の効果】

以上の説明により明らかなように本考案によれば、紙さばきでさばかれて積載 された紙を送り出すようにした給紙装置において、前記積載された紙の上端部前 面へ添接される板状の紙当てを起立倒伏自在に設け、この紙当ての上端部を積載 紙方向へ折曲げて断面くの字状に形成したことにより、給紙時には給紙される紙 の下の紙が紙当ての折曲げ部の作用で前進を規制され、紙が紙当てを乗り越える ことがないので、紙は１枚ずつ確実に上下の回転体間へ送り込まれ、従来と比較 して２枚差し等による損紙の発生量が減少する。

【図面の簡単な説明】

【図１】給紙装置の概要側面図である。

【図２】片方のフレーム近傍の展開断面図である。

【符号の説明】 １ 紙 ２ 紙さばき ３ 吸口 ４ 紙送りローラ ５ フレーム １３ 紙送りころ １５ 軸受 １７ 中空軸 １８ 紙当て

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】台上に積載されて紙さばきでさばかれた紙
   を送り出すようにした給紙装置において、前記積載され
   た紙の上端部前面へ添接される板状の紙当てを起立倒伏
   自在に設け、この紙当ての上端部を積載紙方向へ折曲げ
   て断面くの字状に形成したことを特徴とする給紙装置。