JPH0410104Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車用サンルーフのシール構造に関
する。

従来の技術 自動車用サンルーフは周知のようにルーフ開口
部にサンルーフ本体を開閉自在に配設して、この
サンルーフ本体を開扉することによつて車室の換
気性向上と、解放感が得られて居住性の向上とを
図れるようにしたものであるが、サンルーフ本体
をガラス製として、サンルーフ本体を閉扉した場
合にあつても開放感が得られ、かつ、車室内の採
光を増大できるようにしたものがある。このよう
なガラス製サンルーフ本体を備えた仕様の車両に
あつても、サンルーフ本体とルーフ開口縁部との
パーテイング部分のシール性を十分に保つことが
必要であり、そこで、一般にはサンルーフ本体の
全周縁部にウエザーストリツプを装着して、該ウ
エザーストリツプによつて車室内、外をシールす
るようにしてある。これを、第１，２図によつて
説明すると、１はルーフパネルでその任意の部位
にルーフ開口部２を形成してあり、このルーフ開
口部２にガスラサンルーフ本体４を図外のスライ
ド機構等によつて開閉自在に配設してある。ガラ
スサンルーフ本体４の全周縁部にはゴム材からな
るウエザーストリツプ５を装着してある。このウ
エザーストリツプ５はサンルーフ本体４に固定す
るベース部６と、該ベース部６に一体成形された
中空リツプ部７とからなつている。本例にあつて
はベース部６をサンルーフ本体４周縁部に直接嵌
着して接着剤８により固定してあるが、この他図
示は省略したがベース部を金属リテーナで保持し
て、該リテーナを接着剤によりサンルーフ本体周
縁部に接着固定する場合がある。また、前記中空
リツプ部７の外表面には接着剤９により植毛１０
を施し、ルーフ開口縁部３と中空リツプ部７との
間にこの植毛１０が介在することによつてシール
性を充実させるようにしてある。

ところが、かかる従来の構造ではウエザースト
リツプ５をガラスサンルーフ本体４に直接もしく
は間接的に装着する何れの場合にあつても、接着
剤８を用いるために接着剤８の充填ムラによつて
ウエザーストリツプ５のガラスサンルーフ本体４
への装着部分のシール不良を生じ易いという不具
合がある。

本考案目的 本考案はかかる従来の実状に鑑み、ガラスサン
ルーフ本体周縁部のウエザーストリツプ装着部の
シールを確実に行うことができる自動車用サンル
ーフのシール構造を提供することを目的とするも
のである。

考案の構成 前記目的を達成するため、本考案にあつてはル
ーフ開口部に開閉自在に装着されるガラスサンル
ーフ本体の全周縁部に、成形時に該ガラスサンル
ーフ本体に対して自己接着性を有する熱可塑性樹
脂材からなるウエザーストリツプ基体を射出成形
によつて一体成形して、このウエザーストリツプ
基体の外周にはシールリツプ嵌着溝を形成し、該
シールリツプ嵌着溝にはルーフ開口縁部に密接す
る中空リツプ部を有するゴム材からなるシールリ
ツプ本体のベース部を着脱可能に嵌着固定してあ
る。

実施例 以下、本考案の実施例を図面と共に前記従来の
構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

第３図において、１１はガラスサンルーフ本体
４の全周縁に射出成形によつて一体成形したウエ
ザーストリツプ基体を示す。このウエザーストリ
ツプ基体１１は前述の成形時にガラスサンルーフ
本体４に対して自己接着性を有する熱可塑性樹脂
材、例えば三井ポリケミカル社製銘柄名
「NUCREL」のように、ガラス材に対して自己接
着性を有する樹脂材からなり、成形工程で自体の
接着性によりガラスサンルーフ本体４の全周縁に
接着固定してある。ウエザーストリツプ基体１１
の外周にはシールリツプ嵌着溝１２を形成してあ
る。１３はゴム材からなるシールリツプ本体で、
ベース部１４とこのベース部１４に一体形成した
中空リツプ部１５とからなり、前記ベース部１４
をウエザーストリツプ基体１１のシールリツプ嵌
着溝１２に嵌着して固定してある。シールリツプ
本体１３はウエザーストリツプ基体１１に対し、
ベース部１４とシールリツプ嵌着溝１２の嵌着だ
けによつて固定してあるため、製造後必要に応じ
脱着することが可能である。また、前記中空リツ
プ部１５の表面には接着剤９により繊維を担持さ
せて植毛１０を施してあり、しかも、この植毛１
０を例えばシリコンオイル等の撥水剤を焼付けて
撥水処理してある。

以上の実施例構造によればウエザーストリツプ
基体１１は射出成形時に自体の接着性によりガラ
スサンルーフ本体４全周縁に接着固定できるた
め、従来、接着剤を用いて固定していたものに較
べて接着剤充填ムラによる接着不良を誘発するよ
うなことがなく、ウエザーストリツプ基体１１の
固定部分のシール性を完璧にすることができる。
さらに、ガラスサンルーフ本体４の全周縁に接着
固定するウエザーストリツプ基体１１を樹脂材に
よつて成形するため、ガラスサンルーフ本体４の
周縁部の見栄えが良くなり、外観品質が向上す
る。また、中空リツプ部１５がルーフ開口縁部３
に直接密接するシールリツプ本体１３を、経時使
用に供した場合に熱へたり等の劣化を生じ易い樹
脂材ではなく、劣化の生じにくいゴム材によつて
形成したため、経時使用に供してもガラスサンル
ーフ本体４の周縁部のシール性は低下しなくな
る。さらにシールリツプ本体１３は、ウエザース
トリツプ基体１１に対しベース部１４とシールリ
ツプ嵌着溝１２によつて着脱可能に嵌着固定され
ているため、経時使用によつてシールリツプ本体
１３の中空リツプ部１５に摩耗や破れが生じた場
合に新しいものと容易に取り替えることができ
る。また、植毛１０は撥水処理してあるため、植
毛２０の車外側の部分で水が各繊維間で表面張力
によつて浮上がり、植毛１０の車室側の部分にま
で滲透するのを回避でき、該植毛１０部分のシー
ル性も完璧にすることができる。しかも、植毛１
０の撥水処理時には繊維を担持している接着剤９
を撥水処理されるため、該接着剤９が水に晒され
て劣化するのを回避できて植毛の脱落を防止する
ことができるものである。

考案の効果 以上のように本考案によれば、ウエサーストリ
ツプ基体はガラスサンルーフ本体周縁部への一体
成形の際に自体の接着性により接着固定できるた
め、接着剤充填ムラ等に起因する接着不良、即
ち、シール不良を生じることがなく、基体固定部
のシール性を確保できる。さらに、ガラスサンル
ーフ本体の周縁部に一体化されるウエサーストリ
ツプ基体を樹脂材によつて形成したためにガラス
サンルーフ本体周縁部の外観品質が向上し、シー
ルリツプ本体をゴム材によつて形成したためにル
ーフ開口縁部に直接密接するシールリツプ本体の
中空リツプ部に熱へたり等の劣化が生じにくくな
るという効果が得られるうえ、シールリツプ本体
のベース部をウエザーストリツプ基体のシールリ
ツプ嵌着溝に着脱可能に嵌着固定したために、経
時使用によつてシールリツプ本体に劣化が生じた
場合に、シールリツプ本体だけを容易に取り替え
られ、メンテナンス面において有利になるという
実用上大なる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はサンルーフを有する車体ルーフの平面
図、第２図は従来の構造を示す第１図−線に
沿う断面図、第３図は本考案の一実施例を示す第
２図と同様の断面図である。 １……ルーフパネル、２……ルーフ開口部、３
……ルーフ開口縁部、４……ガラスサンルーフ本
体、１０……植毛、１１……ウエサーストリツプ
基体、１３……シールリツプ本体、１４……ベー
ス部、１５……中空リツプ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーフ開口部に開閉自在に装着されるガラスサ
   ンルーフ本体の全周縁部に、成形時に該ガラスサ
   ンルーフ本体に対して自己接着性を有する熱可塑
   性樹脂材からなるウエザーストリツプ基体を射出
   成形によつて一体成形して、このウエザーストリ
   ツプ基体の外周にはシールリツプ嵌着溝を形成
   し、該シールリツプ嵌着溝にはルーフ開口縁部に
   密接する中空リツプ部を有するゴム材からなるシ
   ールリツプ本体のベース部を着脱可能に嵌着固定
   したことを特徴とする自動車用サンルーフのシー
   ル構造。