JPH039912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、粉末状の成形材料を用い、筒状ある
いは環状の成形品を製造する圧縮成形機に関す
る。

〔従来の技術と問題点〕

従来から成形方法のひとつに、秤量した粉末状
の成形材料を金型のキヤビテイに充填し、加圧加
熱して賦形し、成形品を得る圧縮成形が知られて
いるが、この圧縮成形では加圧装置への金型の取
り付け、取り外しや成形品の離型など、依然とし
て手作業に頼る部分が多く、このため作業能率が
低い。また、筒状の成形品の場合、芯型からの離
型を手作業で行なうことは大変であり、つまり、
芯型と成形品は密着状態にあるため、成形品を廻
すようにしながら抜き取るようにしているが、こ
のような動作に無理がかかり、成形品に「欠け」
や「割れ」等の損傷が発生することがある。

本考案は、このような問題に鑑み、筒状あるい
は環状の成形品の圧縮成形における作業能率の向
上および品質の向上を目的としてなされたもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、本考案に係る圧縮成形機は、芯型と
その外周面に密着状態にある筒状または環状の圧
縮成形品を外筒型の内周から軸方向に離脱させる
突き出し軸と、外筒型から離脱した成形品を定位
置に支持する支持体と、定位置での支持状態にあ
る成形品の内周から芯型を軸方向に離脱させる第
２の突き出し軸とを有する離型装置を備え、前記
芯型および外筒型等からなる金型を、この離型装
置側と、加圧装置の間で移動可能に設置したもの
である。

〔作用〕

本考案によれば、突き出し軸によつて筒状また
は環状の成形品と外筒型を、支持部と第２の突き
出し軸によつて該成形品と芯型を、軸方向に順次
離脱させる離型装置を設けたため、無理のない安
定した離型を行なうことができ、また、当該成形
機の加圧装置と離型装置側との間の金型の移動を
金型搬送装置を用いて行なうようにできることか
ら、入力への依存度を軽減することができる。

〔実施例〕

以下、本考案圧縮成形機の一実施例を図面に基
づいて説明する。

まず第１図において、１は、基台２上に立設さ
れたガイドポスト６に沿つて油圧シリンダ４によ
つて上下方向に動作する上加圧板３と、該加圧板
３の下面に対向し油圧シリンダ５によつて上下方
向に動作する図示しない下加圧板を有する当該圧
縮成形機の加圧装置で、前記上加圧板３と下加圧
板との間に後記する金型２０を位置させ圧縮成形
を行なう。

７は、上下方向に対向しそれぞれ油圧シリンダ
１２，１３によつて上下動する突き出し軸８、第
２の突き出し軸９と、油圧シリンダ１４によつて
上下動し後記する外筒型２１のうちの外筒上型２
１ａに上下に掛合する外筒上型開閉板１０と、図
示しないシリンダ等の駆動機構によつて水平方向
に動作する支持体１１を有してなる離型装置であ
る。

１５は、基台２に水平方向に並設された複数対
のローラ１６と、該ローラ１６上に載置された搬
送板１７をロツド１９を介して水平方向に走行さ
せる油圧シリンダ１８を有し、搬送板１７に金型
２０を固定して加圧装置１側と離型装置７側との
間を往復移動させる金型搬送装置である。

つぎに、本実施例圧縮成形機の動作を、離型装
置７による離型工程を中心に、第２図ないし第６
図にしたがい、順を追つて説明する。

第２図は圧縮成形完了後、ローラ１６上を走行
する搬送板１７によつて金型２０が離型装置７側
へ搬送されて来た状態を示すもので、このとき該
金型２０は、外筒上型２１ａと外筒下型２１ｂか
らなる外筒型２１、該外筒型２１内周に存する芯
型２２、および両型２１，２２間のキヤビテイの
下端を区画してなる座型２３から構成されてい
る。またこのとき、金型２０は、その軸心が上下
の両突き出し軸８，９の軸心と一致するよう位置
決めされ、外筒上型２１ａの上端部は外筒上型開
閉板１０の掛合部１０ａ上部空間に進入して該掛
合部１０ａと掛合している。２４は前記キヤビテ
イ内で、粉末状の成形材料を用いて圧縮成形され
た成形品である。

この状態から、油圧シリンダ１４によつて、第
３図のように、外筒上型開閉板１０を上方へ動作
させて外筒上型２１ａを外筒下型２１ｂから分離
し、つぎに油圧シリンダ１２によつて、第４図の
ように、突き出し軸８を下方から外筒下型２１ｂ
の内周を軸方向（上下）に貫くように動作させ
る。突き出し軸８の先端は芯型２２よりも適宜大
型となつており、このため、この突き出し軸８に
よつて、芯型２２とその下端部外周に嵌合してな
る座型２３と、該座型２３上にあつて芯型２２外
周面に被着状態にある成形品２４とが、外筒下型
２１ｂ内周から一体的に上方へ突き上げられる。
なおこのとき、第２の突き出し軸９が芯型２２の
上端に当接しており、これら芯型２２、座型２３
および成形品２４が抜落してしまうのを防止す
る。

さらにこの状態において、第５図に示すように
支持体１１を動作させて座型２３を下側から支持
したうえで、第６図に示すように、油圧シリンダ
１３によつて第２の突き出し軸９を軸方向に押し
下げるとともに、突き出し軸８を動作させる油圧
シリンダ１２の圧力を解除する。第２の突き出し
軸９は芯型２２よりも小径であり、また、座型２
３およびその上方の成形品２４は支持体１１によ
つて定位置に支持されるため、前記第２の突き出
し軸９の下方動作によつて芯型２２のみが突き下
げられ、成形品２４は支持体１１上に座型２３を
介して載置された形で残る。

したがつて、以上のような動作をシーケンス等
の自動制御系で制御することにより、圧縮成形工
程から金型搬送、離型工程が安定して行なわれる
ようになる。

〔考案の効果〕

以上説明したとおり、本考案の圧縮成形機は、
筒状または環状の成形品を、金型を構成する外筒
型や芯型等から軸方向に順次自動的に離型するこ
とができるため、作業能率が向上、安定化し、離
型が円滑に行なわれるため、手作業に頼つていた
従来の離型作業におけるような成形品の「欠け」
や「割れ」の発生がなくなる。また、金型の搬送
および分解が人力に依存する必要がなくなつたた
め、手作業による材料の充填や金型の清掃も容易
に行なうことができるようになり、その実用的効
果はきわめて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案圧縮成形機の一実施例を示す概
略的な正面図、第２図ないし第６図はそれぞれ離
型工程を順を追つて示す動作説明図である。 １……加圧装置、２……基台、３……上加圧
板、４，５，１２，１３，１４，１８……油圧シ
リンダ、６……ガイドポスト、７……離型装置、
８……突き出し軸、９……第２の突き出し軸、１
０……外筒上型開閉板、１０ａ……掛合部、１１
……支持体、１５……金型搬送装置、１６……ロ
ーラ、１７……搬送板、１９……ロツド、２０…
…金型、２１……外筒型、２１ａ……外筒上型、
２１ｂ……外筒下型、２２……芯型、２３……座
型、２４……成形品。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 芯型２２とその外周面に密着状態にある筒状
   または環状の圧縮成形品２４を外筒型２１の内
   周から軸方向に離脱させる突き出し軸８と、外
   筒型２１から離脱した成形品２４を定位置に支
   持する支持体１１と、定位置での支持状態にあ
   る成形品２４の内周から芯型２２を軸方向に離
   脱させる第２の突き出し軸９とを有する離型装
   置７を備え、前記芯型２２および外筒型２１等
   からなる金型２０を、この離型装置７側と加圧
   装置１の間で移動可能に設置したことを特徴と
   する圧縮成形機。 (2) 離型装置７側と加圧装置１との間での金型２
   ０の移動は、水平方向に並設した複数のローラ
   １６と、このローラ１６上に支承された金型２
   ０を水平方向に往復走行させるシリンダ１８と
   を備えてなる金型搬送装置１５によつて行なわ
   れることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の圧縮成形機。