JP6325368B2 - 粉末成形金型装置および粉末成形方法 - Google Patents

粉末成形金型装置および粉末成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、原料粉末を成形して焼結する粉末冶金の手法による粉末成形金型装置および成形方法に関し、特に金属ガラス等の粉末成形体を製造する際に用いる粉末成形金型装置および成形方法に関する。
従来の粉末冶金の手法を改善し、金属ガラス等の粉末成形体を製造する方法により、例えば、外径30mm以下のミニチュア・ベアリングを製造することが研究されている。
また、特許文献1に記載の軌道輪、転がり軸受及び軌道輪の製造方法は、鋼等の合金性の軌道輪と比べて耐食性、強度、製造容易性の点で優れた金属ガラス製のミニチュア・ベアリングに適用して好結果を得るものである。そのミニチュア・ベアリングは、金型内に充填された金属ガラス粉末を圧縮するとともに、金属ガラス粉末のガラス遷移温度と結晶化温度との間の温度領域に加熱する工程を経て製造される。
また、特許文献2に記載の粉末成形金型装置は、溶製材からなる軸部の周囲に圧粉体からなる鍔部が一体成形された複合素材を、圧入によらずに、割れやひびといった損傷が生じることなく、一定、かつ高い接合強度で一体成形するようにした粉末成形金型装置が知られている。すなわち、軸部供給手段によって軸部セット位置に供給された軸部を、軸部装填ロッドにより上パンチ内に挿入し、さらに上パンチの粉末圧縮動作に追従して軸部をダイス孔内に挿入し、この状態で、ダイス孔内に充填した粉末を上パンチと下パンチによって軸方向に圧縮する構成とする。鍔部の圧粉体を圧縮成形すると同時に、この圧粉体を軸部に一体成形することができ、圧入によらない成形を可能にするものである。
特願2013−105533号公報 特開2010−144241号公報
しかしながら、特許文献1に記載の軌道輪、転がり軸受及び軌道輪の製造方法、あるいは特許文献2に記載の粉末成形金型装置、それに類する装置を用いた粉末成形方法において、金属ガラス粉体を使用するものについては自動化されていなかった。しかも、原料粉末充填から製品取出しまでの複数の工程それぞれの工程所要時間、すなわち、タクトタイムが均一でないため、生産設備に対する生産効率の点で改善余地があった。そのため、従来は、研究施設の専用設備で成形品を20分に1個位のペースでしか製造できなかったところを、大量生産可能な粉末成形金型装置が望まれていた。
詳しくは、複数の工程のうち所要時間の長い工程がボトルネックとなり、粉末成形金型装置1台あたりの生産数量、つまり、生産効率を向上させることの阻害要因になっていた。
具体的には、製品1個を製造するために、高温加圧処理工程に要する百数十秒に加え、その後の冷却工程の所要時間も相当に長い。この長い工程に比べて、他の工程はそれぞれ十数秒程度で完了できるので、一連のライン工程において稼動と休止を繰り返すという間欠動作になる。その結果、製造ラインの各工程相互間の稼動バランスが不均衡であるために設備効率も悪かった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、完全自動化ラインの完成度を高めるとともに、原料粉末充填から製品取出しまでの複数の工程それぞれの工程所要時間、すなわちタクトタイムを考慮し、製造装置1台について単位時間あたりの生産数量、すなわち生産効率を向上させた粉末成形金型装置および粉末成形方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、内部に成形部(23)が形成された金型(20)に充填された原料粉末(1)を加熱・圧縮して粉末成形体(2)を成形する粉末成形金型装置(100)であって、前記金型(20)の底部開口(21)から前記成形部(23)に軸部(41)が嵌入されて進退を可能とする下蓋状の下パンチ(40)と、前記金型(20)の上部開口(22)から前記成形部(23)に嵌入と離脱を可能とする上蓋状の上パンチ(50)と、前記成形部(23)に充填された前記原料粉末(1)を加熱する加熱手段(70)と、前記金型(20)に嵌入された前記上パンチ(50)と前記下パンチ(40)とを接近させる方向に加圧することで前記成形部(23)に充填された前記原料粉末(1)を圧縮して粉末成形体(2)を成形するプレス手段(90)と、少なくとも前記下パンチ(40)を伴って前記原料粉末(1)が充填された前記金型(20)に前記上パンチ(50)が嵌着された状態で移動又は固定を可能にする複数のワーク移動体(63)と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の粉末成形金型装置において、前記金型(20)の中心付近に接近可能なコアロッド(54)に温度センサ(43)を設けたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の粉末成形金型装置において、前記ワーク移動体(63)が移動するライン構成は、前記ワーク移動体(63)に仕込まれた原料粉末(1)を窒素雰囲気中で前記加熱手段(70)により所定の温度範囲に維持されて所定の高温加圧処理時間(T1)だけ前記プレス手段(90)により高温加圧処理した前記粉末成形体(2)を温度調整手段(72)により所定の温度勾配で冷却するまでの工程を実行可能なロボット構成の加熱プレス冷却ライン(11)と、該加熱プレス冷却ライン(11)を支援する一連の工程を実行可能なロボット構成の支援ライン(12)と、前記加熱プレス冷却ライン(11)および前記支援ライン(12)を稼動させる制御部(80)と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の粉末成形金型装置において、前記加熱プレス冷却ライン(11)は、前記ワーク移動体(63)を構成する搬送固定冶具(60)を脱着可能に保持する下パンチホルダ(91)と、前記加熱手段(70)として前記搬送固定冶具(60)が前記下パンチホルダ(91)に固定された状態で前記成形部(23)に充填された前記原料粉末(1)を誘導加熱する誘導コイル(71)と、前記加熱手段(70)および前記プレス手段(90)と同時に機能して前記金型(20)を窒素雰囲気に収容可能な窒素室形成手段(93)と、を備え、前記温度調整手段(72)は前記加熱手段(70)により350〜430℃の範囲で150秒以上維持した後に、前記温度勾配を急速冷却から緩慢冷却に切換え可能であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の粉末成形金型装置において、前記支援ライン(12)は、前記搬送固定冶具(60)を主要構成する前記下パンチ(40)の上部に前記金型(20)を載置する金型載置手段(86)と、前記原料粉末(1)を計量するとともに前記成形部(23)へ前記原料粉末(1)を充填する原料粉末充填手段(30)と、前記金型載置手段(86)により前記下パンチ(40)の上部に前記金型(20)を載置した状態で前記搬送固定冶具(60)を原料粉末充填位置(8)から上パンチ嵌着位置(3)まで搬送して固定する第1搬送手段(81)と、前記上パンチ嵌着位置(3)で前記上パンチ(50)を前記金型(20)に嵌着する上パンチ嵌着手段(51)と、前記上パンチ嵌着位置(3)から加熱プレス位置(4)へと前記ワーク移動体(63)を搬送する第2搬送手段(82)と、前記ワーク移動体(63)を加熱プレス位置(4)から分解抜出し位置(6)まで搬送する第3搬送手段(83)と、前記分解抜出し位置(6)まで搬送された前記搬送固定冶具(60)から前記上パンチ(50)を取り外す上パンチ取外し手段(52)と、前記上パンチ(50)を取外された前記金型(20)を前記分解抜出し位置(6)から原料粉末充填位置(8)まで搬送する第4搬送手段(84)と、前記上パンチ取外し手段(52)により取り外された前記上パンチ(50)を前記分解抜出し位置(6)から前記上パンチ嵌着位置(3)へと返送する上パンチ返送手段(87)と、前記金型(20)から前記粉末成形体(2)を取り出す製品取出し手段(85)と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の粉末成形金型装置において、前記原料粉末充填手段(30)は、前記原料粉末(1)を超音波で振動させる超音波発振器(31)を備えたことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、ピストン状の下パンチ(40)および上パンチ(50)がシリンダ状の金型(20)の上下にそれぞれ嵌着されて形成される成形部(23)に充填された原料粉末(1)を、前記下パンチ(40)および前記上パンチ(50)により圧縮して粉末成形体(2)を成形する粉末冶金法に基づく粉末成形方法であって、前記原料粉末(1)を計量するとともに超音波で振動させながら前記成形部(23)に充填する原料粉末充填工程(S11)と、前記下パンチ(40)に嵌着された前記金型(20)を原料粉末充填位置(8)から上パンチ嵌着位置(3)まで搬送して固定する第1搬送工程(S1)と、上パンチ嵌着位置(3)で前記上パンチ(50)を原料粉末(1)の充填された前記金型(20)に嵌着してワーク移動体(63)を形成する上パンチ嵌着工程(S12)と、前記ワーク移動体(63)の単位で前記上パンチ嵌着位置(3)から加熱プレス位置(4)へと前記ワーク移動体(63)を搬送する第2搬送工程(S2)と、前記加熱プレス位置(4)の前記ワーク移動体(63)に対し窒素雰囲気を形成するとともに前記金型(20)内に充填された原料粉末(1)を加熱する加熱工程(S13)と、前記加熱工程(S13)で加熱された後に所定の温度範囲で所定の高温加圧処理時間(T1)だけ前記原料粉末(1)を高温加圧処理するプレス工程(S14)と、前記プレス工程(S14)の後に前記加熱プレス位置(4)で急速冷却する急速冷却工程(S15)と、前記加熱プレス位置(4)から緩慢冷却位置(5)を経て分解抜出し位置(6)へと前記ワーク移動体(63)を搬送する第3搬送工程(S3)と、前記上パンチ(50)を前記金型(20)から取外して前記分解抜出し位置(6)から上パンチ嵌着位置(3)へと返送する上パンチ返送工程(S17)と、前記分解抜出し位置(6)で前記下パンチ(40)の軸部(41)が前記金型(20)を貫通することにより、前記粉末成形体(2)を前記金型(20)から抜出す製品取出し工程(S18)と、前記分解抜出し位置(6)で前記上パンチ(50)を取外された前記金型(20)を前記原料粉末充填位置(8)まで搬送する第4搬送工程(S4)と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、完全自動化ラインの完成度を高めるとともに、原料粉末充填から製品取出しまでの複数の工程それぞれの工程所要時間、すなわちタクトタイムを考慮し、製造装置1台について単位時間あたりの生産数量、すなわち生産効率を向上させた粉末成形金型装置および粉末成形方法を実現できる。
本発明の実施形態に係る粉末成形金型装置(以下、「本装置」ともいう)の概略説明図である。 本装置において、ワーク移動体から上パンチを外した状態を説明するための正面一部断面図である。 本装置において、上パンチが嵌着された状態のワーク移動体を説明するための正面一部断面図である。 本装置において、ワーク移動体から上パンチを取外す状況を説明するための正面一部断面図である。 本装置において、上パンチが取外された金型およびその周辺部を説明するための斜視図である。 本装置において、粉末成形体を金型から取出す状況を説明するための正面一部断面図である。 本発明の実施形態に係る粉末成形方法(以下、「本方法」ともいう)の工程および金型移動を説明するためのフロー図である。 本方法において、金型の温度調整とタクトタイムとを説明するためのグラフである。 本装置の一実施例(以下、「本実施例」ともいう)を示す全体正面図である。 図9に示した本装置を示す全体平面図である。 細部実施例として、加熱プレス位置へ送られて来たワーク移動体を上昇させる直前の状態を説明するための正面図である。 図11に示したワーク移動体を上昇させた直後の状態を説明するための正面図である。 図12に示したワーク移動体に、横方向からスライドベッド方式のプレス受けおよび窒素室が装備されるとともに、上方から油圧シリンダが下降して当接するまでの状況を説明するための正面一部透視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一機能を有する部材には同一符号を付して説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る粉末成形金型装置の概略説明図である。本装置100は、粉末冶金法に基づいて原料粉末1を粉末成形体2に加工することにより、例えば、ミニチュア・ベアリングや小型歯車等を大量生産するものである。図1に示すように、本装置100は、複数のワーク移動体63と、このワーク移動体63が移動する加熱プレス冷却ライン11および支援ライン12と、これらのライン構成を統括制御する制御部80と、を備えて構成されている。なお、本装置の概略を説明するための図1と他の図とは、細部の形状まで一致させていない。
加熱プレス冷却ライン11は、下パンチホルダ91と、加熱手段70と、プレス手段90と、窒素室形成手段93と、温度調整手段72と、第3搬送手段83とを備え、加熱プレス位置4および緩慢冷却位置5を有して構成されている。加熱プレス冷却ライン11は、ワーク移動体63を移動単位とし、このワーク移動体63に仕込まれた原料粉末1に対して、加熱手段70による加熱と、プレス手段90による加圧と、温度調整手段72による保温および所定の温度勾配の冷却とを、制御部80の命令により順次実行可能なロボット構成を有する。
なお、制御部80は、不図示のコンピュータ装置により主要部を構成され、稼動プログラム、データベース、演算部、入力部、出力部を有する。温度調整手段72は制御部80の統括制御を受けながら、加熱手段70により原料粉末1を加熱し、350〜430℃の範囲で150秒以上維持した後に、エアーノズル又は空冷ファン73のエアブローその他により急速冷却から緩慢冷却に温度勾配を切換えながら冷却する。
加熱プレス冷却ライン11で用いるワーク移動体63は、搬送固定冶具60によりワークおよび関連部材を装着して各工程の進捗に応じて移動するための構成単位である。搬送固定冶具60は金型20をはじめとする関連部材の装着と離脱が可能であり、各工程に応じて各部材の分解、組み立て、固定、および移動を繰り返す。金型20にはワークとして内部に原料粉末1が充填される。なお、搬送固定冶具60の大部分は、下パンチ40が兼用することにより構成されている。
支援ライン12は、第1搬送手段81、第2搬送手段82および第4搬送手段84と、金型載置手段86と、原料粉末充填手段30と、上パンチ嵌着手段51と、上パンチ取外し手段52と、上パンチ返送手段87と、製品取出し手段85と、を備えて構成されている。この支援ライン12は、上述の加熱プレス冷却ライン11を支援するための一連の工程を、制御部80の命令により実行可能なロボット構成を有する。
第1搬送手段81は、搬送固定冶具60の上部に載置された金型20および金型20に充填された原料粉末1を原料粉末充填位置8から上パンチ嵌着位置3まで搬送して固定する。
第2搬送手段82は、ワーク移動体63を上パンチ嵌着位置3から加熱プレス位置4へと搬送する。
第3搬送手段83は、ワーク移動体63を加熱プレス位置4から分解抜出し位置6まで搬送する。
第4搬送手段84は、上パンチ50を取外された金型20を分解抜出し位置6から原料粉末充填位置8(又は金型戻り位置7)まで搬送する。
なお、第3搬送手段83は、高温加圧処理直後で350℃以上のワークを含む搬送移動体63を搬送し固定するので、他の搬送手段が耐熱温度60℃で足りるところ、それよりも高い耐熱性を求められる。
以下、図1に他図も加えて、より詳細に説明する。
図2は、本装置において、ワーク移動体から上パンチを外した状態を説明するための正面一部断面図である。ここで、搬送固定冶具60は、下パンチ40の軸穴61からコアロッド42が嵌挿された状態である。この下パンチ40の上部に、金型載置手段86(図1)が金型20を載置する。具体的には、制御部80が不図示のロボットアームを駆動し、下パンチ40の上部の軸部41に円筒形の金型20を同軸状に嵌着する。図2に示すように、搬送固定冶具60は、少なくとも下パンチ40を伴って移動と固定を可能にするために鍔状部62を有する。なお、本装置100において、搬送固定冶具60が移動するときは、コアロッド42が抜け落ちないように、下パンチ40とコアロッド42とを一体的に把持して移動する。
鍔状部62は不図示のロボットアームによりコアロッド42と一体的に把持されて移動し、固定時には下パンチホルダ91の凹部92に前方から奥へと嵌入され、コアロッド42とともに固定される。下パンチホルダ91は、搬送固定冶具60の鍔状部62を、凹部92で適時に保持と開放することが可能な機構を有する。なお、本実施形態で例示する搬送固定冶具60は、下パンチ40に、別部材のコアロッド42を合体したものであり、主要部は下パンチ40により構成されているが、下パンチ40だけであっても構わない。例えば、ワークがドーナツ状である場合には内径の芯出し(中心確定)のために、コアロッド42を必要とするが、そうでない場合もある。なお、本装置100で各所に用いるロボットアームは、空気圧駆動方式によるエアハンドを用いているが、他の方式でも構わない。
図3は、本装置において、上パンチが嵌着された状態のワーク移動体を説明するための正面一部断面図である。ここでは、既に、上パンチ嵌着手段51が、上パンチ嵌着位置3(図1)で上パンチ50を金型20に嵌着した姿を示している。上パンチ嵌着手段51を構成する不図示のロボットアームを、制御部80が駆動し、上パンチ50の下部を円筒形の金型20に同軸状に嵌着する。
図3に示すように、ワーク移動体63は、下パンチ40に嵌着された金型20内の成形部23(図5参照)に原料粉末1(高温加圧処理後は粉末成形体2になる)が充填され、かつ金型20に上パンチ50が嵌着されて構成されている。なお、ピストン状の下パンチ40および上パンチ50がシリンダ状の金型20の上下にそれぞれ嵌着されて組み合わされる一式をまとめて金型という場合も多いが、ここでいう金型20は、シリンダ状の本体部のみを指している。
また、上パンチ嵌着手段51と置き換わるように、プレス手段90(図1)を構成する油圧シリンダ99(図13参照)が上パンチ50の上面に当接し、油圧シリンダ99(3〜15KN)により上パンチ50と下パンチ40とを軸方向に近づけるように圧縮する。このように、成形部23に充填され加熱手段70により加熱された原料粉末1をプレス手段90が加圧し、規定の高温加圧処理することで粉末成形体2を成形する。なお、油圧シリンダ99には軸方向の位置計測器(不図示)が配設され、油圧シリンダ99が押し込んだ距離を計測できるように構成されている。計測された距離から成形部23内部のワークの体積を検出し、金属ガラスの成形具合、つまり高温加圧処理の成否を確認することが可能である。この成否確認の際は、金型の加熱温度も判断要素となる。
図3に示すコアロッド54の先端付近に、ワークの温度を管理するための温度センサ43が配設されている。温度センサ43は、熱電対で構成され、0〜500℃くらいの計測範囲で熱電変換機能を有する。なお、温度センサ43として同等の機能を有するものであれば熱電対でなくても構わない。温度センサ43の配設位置は、上パンチ50に上方から嵌入されるコアロッド54に限らず、下パンチ40に下方から嵌入するコアロッド42の先端近傍であっても構わない。
温度センサ43は、コアロッド54とともに、金型20の中心付近に接近する。制御部80および温度調整手段72は、温度センサ43から温度情報を得るとともに、金型20の外周に巡らされた誘導コイル71の電流を、規定の制御パタンに沿って制御する。つまり、金型20の内部の成形部23に充填されたワーク、すなわち原料粉末1、又は原料粉末1が圧縮して成形された粉末成形体2の温度は、例えば、温度センサ43から得られる温度情報を参照値と比較しながら参照値との差を縮めるようなフィードバック制御等によって管理される。制御パタンについては、図9の温度管理グラフに沿って後述する。
ワーク移動体63は、加熱プレス位置4(図1)に固定されてから加熱工程(S13)に入る(図7)。誘導コイル71は、加熱プレス位置4に固定された金型20との位置関係を適切に保持される。誘導加熱の特性上、ワークが誘導コイル71の中心に位置することが必要である。ただし、誘導コイル71は加熱プレス位置4に配備されて加熱(S13)・プレス(S14)の工程でのみ用いる(図7)。この誘導コイル71に交流電流を流すことにより、鉄その他の磁性材料で構成された金型20自体に誘導電流が発生して温度上昇する。その結果、金型20内部の成形部23に充填された原料粉末1が加熱される。
下パンチ40は、金型20の底部開口21から成形部23に軸部41が嵌入されて進退を可能とする下蓋状の金属部材である。この下パンチ40は、上述のように搬送固定冶具60の主要部を構成する。上パンチ50は、金型20の上部開口22から成形部23に嵌入と離脱を可能とする上蓋状の金属部材である。本装置100は、図3に示した下パンチホルダ91にワーク移動体63を固定した状態で、ワーク移動体63に仕込まれた原料粉末1を圧縮して粉末成形体2に成形する。なお、図3に示すワーク移動体63は、加熱プレス冷却ライン11において、加熱(S13)・プレス(S14)・急速冷却(S15)の工程から上パンチ返送工程(S17)において上パンチ50を取外す手前までの姿を示している(図7)。なお、途中の温度調整(S16)では、金型外枠94や下パンチホルダ91から外れた状態で搬送される。
上述したように、誘導コイル71は加熱プレス位置4における加熱(S13)・プレス(S14)の工程以外では用いない。したがって、加熱プレス位置4に固設された誘導コイル71に、前工程から移動してきたワーク移動体63を下方から持ち上げる動作により(図11、図12)、誘導コイル71と金型20とを適切に位置合わせする。その際は、図3に示す上パンチ昇降ホルダ52および金型外枠94は適宜水平移動させる。
図4は、本装置において、ワーク移動体から上パンチを取外す状況を説明するための正面一部断面図である。ここで、上パンチ取外し手段52は、分解抜出し位置6まで搬送された搬送固定冶具60から上パンチ50を取外す。図4に示すように、上パンチ50の頭部を上パンチ昇降ホルダ(上パンチ取外し手段)52に係合し、持ち上げて外す。なお、上パンチ昇降ホルダ52は、制御部80に制御された不図示の油圧シリンダ又はサーボモータ駆動のシリンダにより駆動される。
図5は、本装置において、上パンチが取外された金型およびその周辺部を説明するための斜視図である。図5に示すように、下パンチ40の軸部41の外周を包囲するようにコイルスプリング96が配設されている。コイルスプリング96は、鍔部62の上面と金型20の底面との間を押し広げるように、つまり、金型20を押し上げるように弾性力を付勢している。一方、金型20の上面は、金型外枠94の下面に当接しながら下向きに位置規制されている。その結果、金型20は、上下動可能な下パンチホルダ91の高さがある程度変動しても、金型外枠94の下面に当接した状態で固定されている。つまり、コイルスプリング96は、加熱時における誘導コイル71の位置(高さ)に金型20を合わせる機能を有する。なお、立体的構造を説明するための図5と、動作を模式的に説明するための図1〜図4、図6および図11〜図13は、細部の形状まで一致しない。
図6は、本装置において、粉末成形体を金型から取出す状況を説明するための正面一部断面図である。図6に示すように、金型20の上部が、この工程では不動の金型外枠94の天井部分に当接しているので、金型20は下向きに押さえつけられ位置規制されている。一方、金型20の底部開口21に嵌入されている下パンチ40は、上下動可能な下パンチホルダ91に把持されている。ここで、制御部80が、不図示の油圧シリンダを約1KNの力で駆動し、下パンチホルダ91を上昇させることにより、下パンチ40が押し上げられる。その結果、下パンチ40の軸部41の先端が、金型20の内部から粉末成形体2を押し出すので、上パンチ昇降ホルダ52の上面に露出する。なお、高温加圧処理の過程により、金型一式の各部位がワークと離脱困難に貼着しているので、相当の力で抜出す必要がある。
露出した粉末成形体2を、制御部80に制御されたロボットアーム53で摘まみ上げて不図示の製品置き場まで移動する。なお、下パンチホルダ91、上パンチ昇降ホルダ52およびロボットアーム53は、本発明でいう製品取出し手段85の一部を構成する。このようにして、製品取出し手段85は、金型20から粉末成形体2を取り出す。なお、下パンチホルダ91は、金型20から粉末成形体2を取り出す工程以外では、図6を参照して説明したように上下動する必要は無い。特に、加熱プレス位置4において、ワーク移動体63を固定する下パンチホルダ91は、台座95とともに、プレス時の応力等に対抗できるように構成されている。
再び図1に戻って説明する。窒素室形成手段93は、加熱手段70およびプレス手段90とほぼ同時に機能して金型20を窒素雰囲気に収容する。すなわち、窒素室形成手段93は、プレス手段90を覆うように窒素雰囲気を形成する。具体的には、窒素パージ用の小部屋(図11〜図13参照)が、ガイドに沿ってエアシリンダで水平に進退する機構を備え、その機構により形成された半密室の窒素室97でワーク移動体63を覆うことによって、適宜に窒素雰囲気を形成する。
温度調整手段72は、金型20および粉末成形体2を所定の温度で所定の高温加圧処理時間T1だけ維持した後に冷却する。具体的には、温度調整手段72は、制御部80に統括制御され、温度センサ43(図3)から温度情報の入力を得るとともに、冷却位置5に配設されたエアーノズル又は空冷ファン73の送風出力を、規定の制御パタンに沿って制御する。制御パタンについては、図9の温度管理グラフに沿って後述する。なお、制御パタンには、温度管理以外に、プレス工程(S14)におけるタイマー制御も含まれている。
原料粉末充填手段30は、原料粉末1を計量して、金型20の上部開口22から成形部23へ充填する。この原料粉末充填手段30は、不図示のホッパ、電子天秤および超音波発振器31を備えており、ホッパ等に貯留された原料粉末1を電子天秤により計量し、計量された量の原料粉末1を超音波発振器31(図1、図9)が生成する超音波で振動させながら金型20の内部に形成された成形部23へと均一に充填する。
分解抜出し位置6まで搬送された複数の搬送固定冶具60から、上パンチ取外し手段52により、上パンチ50が取り外される。取外された上パンチ50は、上パンチ返送手段87により、分解抜出し位置6から上パンチ嵌着位置3へと返送される。上パンチ返送手段87は、不図示のロボットアームを制御部80が駆動する構成である。
図7は、本発明の実施形態に係る粉末成形方法の工程および金型移動を説明するためのフロー図である。本方法は、金型20に形成した成形部23に原料粉末1を充填し、この充填された原料粉末1を加熱・圧縮して粉末成形体2を成形する粉末成形方法である。本方法は、図7に沿って以下に説明する工程を有する。なお、本装置100の起動時には、図2に示すように上パンチ50を取外された金型20が、予め原料粉末充填位置8にセットされているものとする(後述する第4搬送工程(S4)参照)。
まず、原料粉末充填工程(S11)により、金属ガラス粒子の原料粉末1を不図示の電子天秤で計量するとともに、粉末流動性の低い金属ガラス粒子(粉末)を超音波で振動させながら金型20の奥に位置する成形部23まで均一かつスムーズに充填する。つぎに、第1搬送工程(S1)により、金型20を原料粉末充填位置8から上パンチ嵌着位置3まで搬送して固定する。上パンチ嵌着位置3では、上パンチ嵌着工程(S12)により、搬送固定冶具60にセットされた金型20に上パンチ50が嵌着されて、ワーク移動体63が形成される。ここで、金型一式に原料粉末1が仕込まれた状態のワーク移動体63は、第2搬送工程(S2)により、上パンチ嵌着位置3から加熱プレス位置4へと搬送される。
加熱(S13)・プレス(S14)の工程では、上述した窒素室形成手段93により窒素パージ用の小部屋、すなわち窒素室97を用意し、その中で窒素の拡散・浪費を防ぎながら窒素パージを行う(図11〜図13参照)。窒素雰囲気の加熱プレス位置4において、加熱工程(S13)により、金型20内の原料粉末1を誘導加熱により加熱する(図8参照)。
加熱された原料粉末1を、そのまま窒素雰囲気におけるプレス工程(S14)で、油圧シリンダ99(3〜15KN)により上パンチ50と下パンチ40とを軸方向に近づけるように圧縮する。加熱工程(S13)により、所定の温度範囲に加熱・保温された状態でプレス工程(S14)が実行される。すなわち、プレス工程(S14)において、原料粉末1を350〜430℃の温度範囲で維持するとともに、高温加圧処理時間T1を150秒以上確保するように高温加圧処理する。
プレス工程(S14)の後、急速冷却工程(S15)において、ワーク移動体63を加熱プレス位置4に残した状態で350℃から200℃まで15秒で急速冷却する。この急速冷却工程(S15)は、例えば、エアブローに冷却剤を併用し、不図示の液体窒素をワーク移動体63に吹き付けることで達成できる。
つぎに、第3搬送工程(S3)により、加熱プレス位置4から緩慢冷却位置5を経て分解抜出し位置6へとワーク移動体63を搬送する(図1参照)。この第3搬送工程(S3)では、ベルトコンベア上に10個のワーク移動体63を順次滞留させながら低速搬送することにより、緩慢冷却工程(S16)も並行して実行される。この緩慢冷却工程(S16)では、金型20の外側からエアーノズル又は空冷ファン73によるブローを吹きかけて、粉末成形体2を200℃から60℃まで150秒で冷却する(図8参照)。
つぎに、分解抜出し位置6において、図4、図5に示すように、上パンチ返送工程(S17)により、上パンチ50を金型20から取外す。この上パンチ返送工程(S17)では、取外された上パンチ50を、分解抜出し位置6から上パンチ嵌着位置3へと返送する。また、分解抜出し位置6における製品取出し工程(S18)では、図6に示すように金型20から粉末成形体2を取り出す。
一方、分解抜出し位置6で上パンチ50を取外された金型20は、第4搬送工程(S4)により、(金型戻り位置7経由で)原料粉末充填位置8まで搬送される。図7の第1搬送工程(S1)〜第4搬送工程(S4)に示すように、搬送固定冶具60に取付けられた状態の金型20は、原料粉末充填位置8、上パンチ嵌着位置3、加熱プレス位置4、緩慢冷却位置5、分解抜出し位置から(金型戻り位置7経由で)原料粉末充填位置8に戻るまでの5(6)箇所にわたって巡回する。なお、支援ライン12の都合により、金型戻り位置7を大きく設けて、そこに余分な金型20を滞留させるようにしても構わない。その場合は、不図示の上パンチ戻り位置も設けて、そこに余分な上パンチ50を滞留させて数合わせする。
図8は、本方法において、金型の温度調整とタクトタイムとを説明するためのグラフである。
なお、図8は、一例を示したにすぎない。したがって、本装置100の製造品目や原料粉末1が変われば、各工程におけるタクトタイムtその他の最適実行値も適宜に変更される。
図7でも示したように、加熱工程(S13)により、金型20内に充填された原料粉末1を、誘導加熱により常温から430℃まで15秒で加熱する。加熱工程(S13)で加熱され高温に維持された状態でプレス工程(S14)が実行される。すなわち、プレス工程(S14)において、原料粉末1を350〜430℃の温度範囲で維持するとともに、高温加圧処理時間T1を150秒以上確保ように高温加圧処理する。
プレス工程(S14)の後、急速冷却工程(S15)において、ワーク移動体63を350℃から200℃まで15秒で急速冷却する。急速冷却工程(S15)の後、緩慢冷却工程(S16)では、200℃から60℃まで150秒で冷却する。60℃以下であれば、支援ライン12のいずれでも耐熱性の問題はないので、その後、上パンチ返送工程(S17)および製品取出し工程(S18)が順次実行されるとともに、室温まで自然冷却される。
全工程を稼動した場合、プレス工程(S14)の高温加圧処理時間(T1=150秒)と、緩慢冷却工程(S16)の緩慢冷却時間(T2=150秒)と、の2工程の長い所要時間に比べて、他の工程は概ねタクトタイム(t=15秒)という短時間で足りるので、ライン構成のバランスが悪い。特に、1箇所しかない加熱プレス位置4に1個のワーク移動体63が固定された状態で実行されるプレス工程(S14)および急速冷却工程(S15)において、T1+t=150+15=165秒の滞留時間となり、その工程がボトルネックになる。そこで、加熱プレス位置4以外の場所で実行される工程に、複数のワーク移動体63を流しながら全工程をできるだけ同時進行させるようにライン稼動する。
すなわち、プレス工程(S14)および急速冷却工程(S15)で165秒を要する滞留時間は短縮できないので、その165秒の間に、上パンチ嵌着位置3、分解抜出し位置6、金型戻り位置7、および原料粉末充填位置8に、各1個ずつワーク移動体63が流れて稼動する。なお、緩慢冷却位置5は、10個のワーク移動体63を連続的に並べて対応する。緩慢冷却位置5で60℃まで冷却されたワーク移動体63を、順番に次の工程、すなわち上パンチ返送工程(S17)および製品取出し工程(S18)へと進めることができる。
このように、平均的なタクトタイム(t=15秒)では処理できない工程がボトルネックになるので、現状では短縮困難なボトルネックの長い処理時間の間に、短時間で処理可能な他の工程を複数のワーク移動体63で切れ目無く対応することによって、効率良く稼動することが可能となる。
なお、上述したように、プレス工程(S14)および急速冷却工程(S15)に要する165秒の滞留時間と、他の工程の15秒というタクトタイムtと、については、一例を示したにすぎない。つまり、ガラス金属により製造される製品の品目、粉末成形体2の形状、および原料粉末1の材料変更等により、高温加圧処理時間T1をはじめとする各工程の制御パタンが切り替えられる。また、制御パタンの切り替えについては、制御部80のプログラムにより、いかようにも対応することが可能である。
本発明によれば、完全自動化ラインの完成度を高めるとともに、原料粉末充填から製品取出しまでの複数の工程それぞれの工程所要時間、すなわちタクトタイムを考慮し、製造装置1台について単位時間あたりの生産数量、すなわち生産効率を向上させた粉末成形金型装置および粉末成形方法を実現することができる。
図9は、本装置の一実施例(本実施例)を示す全体正面図である。図10は、図9に示した本装置を示す全体平面図である。図9、図10に示すように、本装置100は、概ね直方体の外形を形成する金属フレーム10に各部が駆動可能に配設され、外部から電力、油圧、および空気圧による動力と、原料粉末1との供給を受けて、金属ガラス製のミニチュア・ベアリングを、連続的に大量生産するための高速連続式金属ガラス成形装置を構成する。また、本装置100は、工場の内部である程度の移動および据え置きの調整に便利なように、金属フレーム10の底面にキャスター13および高さ調整足14も配設されている。なお、図9、図10は、各部の全てを符号で示す図ではないので他の図を参照することも必要である。また、他の図と細部の形状まで正確に一致させる性質の図ではない。
本装置100は、図1ほか各図に沿って説明したように、原料粉末充填位置8、上パンチ嵌着位置3、加熱プレス位置4、緩慢冷却位置5、分解抜出し位置6および金型戻り位置7の各所にわたって、金型20が装着された搬送固定冶具60、又は金型一式にワークまで完全に装着されたワーク移動体63、あるいは単独の上パンチ50が、規定どおりに移動を繰り返すように構成されている。移動は、ベルトコンベアおよびロボットアームで構成された第1搬送手段81、第2搬送手段82、第3搬送手段83、第4搬送手段84、および上パンチ返送手段87が、制御部80の命令により実行する。
本装置100は、図1〜図8に沿って説明したように、金型戻り位置7又は原料粉末充填位置8に金型載置手段86が配設されている。また、原料粉末充填手段30として超音波発振器31が配設されている。また、上パンチ嵌着位置3に上パンチ嵌着手段51が配設されている。また、加熱プレス位置4に金型外枠94、台座95、加熱手段70、プレス手段90、窒素室形成手段93および窒素室97(図12〜図13参照)が配設されている。また、緩慢冷却位置5に第3搬送手段83、温度調整手段72および空冷ファン73が配設されている。同様に、分解抜出し位置6に上パンチ昇降ホルダ(上パンチ取外し手段)52、ロボットアーム53および製品取出し手段85が配設されている。
本装置100は、加熱プレス冷却ライン11および支援ライン12が制御部80で統括制御されて稼動する構成であり、制御部80が有する入力部、すなわち操作盤88に配設された不図示のスイッチ類を操作することにより稼動又は停止の状態となる。また、プログラムの実行により全自動運転が可能であり、例えば、100個生産する旨を入力し、応分の原料粉末1を原料粉末充填位置8に配備し、稼動スイッチをONするだけで、ミニチュア・ベアリングの主要構成部を形成した金属ガラス製の粉末成形体2が製品置き場に100個貯留される。
なお、本装置100は、加熱プレス位置4における工程の処理能力が、ボトルネックとなっており、1台で全力稼動しても約165秒で1個、すなわち毎時20個強である。そこで、本装置100において、加熱プレス位置4に備わる構成だけを3組に増設したライン構成とすれば、約165秒で3個、すなわち毎時60個強の生産能力に強化することも可能である。この165秒も今後の研究により短縮できる。
<細部実施例>
図11は、細部実施例として、加熱プレス位置へ送られて来たワーク移動体を上昇させる直前の状態を説明するための正面図である。図12は、図11に示したワーク移動体を上昇させた直後の状態を説明するための正面図である。図11に示すように、ワーク移動体63は、誘導コイル71が付随していない状態で加熱プレス位置4へ送られて来る。その後、図12に示すように、加熱プレス位置4において、輪形の誘導コイル71に真下から潜り込むような位置関係で、ワーク移動体63を上昇させることにより、ワーク移動体63に誘導コイル71が装備される。また、図12の状態から図11の状態へと逆戻りすることによって、ワーク移動体63から誘導コイル71の装備を解除される。
図13は、図12に示したワーク移動体に、横方向からスライドベッド方式のプレス受けおよび窒素室が装備されるとともに、上方から油圧シリンダが下降して当接するまでの状況を説明するための正面一部透視図である。図12に示したワーク移動体63には、誘導コイル71のみが装着されているだけであって、プレス受け9および窒素室97は加熱プレス位置4から水平方向に離れた位置で待機しているため、ワーク移動体63には装備されていない。また、油圧シリンダ99は、加熱プレス位置4の上方に高く離れた位置で待機しているため、ワーク移動体63には当接していない。
この状態から、図13に示すように、スライドベッド方式のプレス受け9、およびプレス受け9に載置された窒素室97が、ワーク移動体63に近付くように水平移動して装備される。それと同時に、加熱プレス位置4の上方で待機していた油圧シリンダ99が、下降して上パンチ50に当接する。ただし、この図13は説明のため、油圧シリンダ99が上パンチ50に当接する直前の状態を示しているが、当接してからプレス工程(S14)が実行される。なお、油圧シリンダ99には上述したように軸方向の位置計測器(不図示)が配設されている。
本発明に係る粉末成形金型装置および粉末成形方法は、例えば、歯科医療用ドリルの軸受けのように、頻繁な薬剤洗浄等にも耐えられる耐食性を要求されるミニチュア・ベアリングを、金属ガラスによって大量生産するための高速連続式金属ガラス成形装置として利用可能性がある。その高速連続式金属ガラス成形装置により大量生産される金属ガラス成形品は、ミニチュア・ベアリングに限らず、小型歯車その他の製品として、歯切り等の切削加工やバリ処理、熱処理の工程が不要なため、従来よりも工程数を減らすことが可能となる。
1 原料粉末、2 粉末成形体、3 上パンチ嵌着位置、4 加熱プレス位置、5 緩慢冷却位置、6 分解抜出し位置、7 金型戻り位置、8 原料粉末充填位置、9 (スライドベッド方式の)プレス受け、10 金属フレーム、11 加熱プレス冷却ライン、12 支援ライン、20 金型、21 底部開口、22 上部開口、23 成形部、30 原料粉末充填手段、31 超音波発振器、40 下パンチ、41 軸部、42 コアロッド、43 温度センサ、50 上パンチ、51 上パンチ嵌着手段、52 上パンチ昇降ホルダ(上パンチ取外し手段)、53 ロボットアーム、54〜59 、60 搬送固定冶具、61 軸穴、62 鍔状部、63 ワーク移動体、70 加熱手段、71 誘導コイル、72 温度調整手段、73 空冷ファン、80 制御部、81 第1搬送手段、82 第2搬送手段、83 第3搬送手段、84 第4搬送手段、85 製品取出し手段、86 金型載置手段、87 上パンチ返送手段、90 プレス手段、91 下パンチホルダ、92 凹部、93 窒素室形成手段、94 金型外枠、95 台座、96 コイルスプリング、97 窒素室、99 油圧シリンダ100 粉末成形金型装置、S1 第1搬送工程、S2 第2搬送工程、S3 第3搬送工程、S4 第4搬送工程、S10 、S11 原料粉末充填工程、S12 上パンチ嵌着工程、S13 加熱工程、S14 プレス工程、S16 緩慢冷却工程、S17 上パンチ返送工程、S18 製品取出し工程、S20 、T1 高温加圧処理時間、T2 緩慢冷却時間、t タクトタイム、

Claims (7)

  1. 内部に成形部が形成された金型に充填された原料粉末を加熱・圧縮して粉末成形体を成形する粉末成形金型装置であって、
    前記金型の底部開口から前記成形部に軸部が嵌入されて進退を可能とする下蓋状の下パンチと、
    前記金型の上部開口から前記成形部に嵌入と離脱を可能とする上蓋状の上パンチと、
    前記成形部に充填された前記原料粉末を加熱する加熱手段と、
    前記金型に嵌入された前記上パンチと前記下パンチとを接近させる方向に加圧することで前記成形部に充填された前記原料粉末を圧縮して粉末成形体を成形するプレス手段と、
    少なくとも前記下パンチを伴って前記原料粉末が充填された前記金型に前記上パンチが嵌着された状態で移動又は固定を可能にする複数のワーク移動体と、
    を備えたことを特徴とする粉末成形金型装置。
  2. 前記金型の中心付近に接近可能なコアロッドに温度センサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の粉末成形金型装置。
  3. 前記ワーク移動体が移動するライン構成は、
    前記ワーク移動体に仕込まれた原料粉末を窒素雰囲気中で前記加熱手段により所定の温度範囲に維持されて所定の高温加圧処理時間だけ前記プレス手段により高温加圧処理した前記粉末成形体を温度調整手段により所定の温度勾配で冷却するまでの工程を実行可能なロボット構成の加熱プレス冷却ラインと、
    該加熱プレス冷却ラインを支援する一連の工程を実行可能なロボット構成の支援ラインと、
    前記加熱プレス冷却ラインおよび前記支援ラインを稼動させる制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又2に記載の粉末成形金型装置。
  4. 前記加熱プレス冷却ラインは、
    前記ワーク移動体を構成する搬送固定冶具を脱着可能に保持する下パンチホルダと、
    前記加熱手段として前記搬送固定冶具が前記下パンチホルダに固定された状態で前記成形部に充填された前記原料粉末を誘導加熱する誘導コイルと、
    前記加熱手段および前記プレス手段と同時に機能して前記金型を窒素雰囲気に収容可能な窒素室形成手段と、を備え、
    前記温度調整手段は前記加熱手段により350〜430℃の範囲で150秒以上維持した後に、前記温度勾配を急速冷却から緩慢冷却に切換え可能であることを特徴とする請求項3に記載の粉末成形金型装置。
  5. 前記支援ラインは、
    前記搬送固定冶具を主要構成する前記下パンチの上部に前記金型を載置する金型載置手段と、
    前記原料粉末を計量するとともに前記成形部へ前記原料粉末を充填する原料粉末充填手段と、
    前記金型載置手段により前記下パンチの上部に前記金型を載置した状態で前記搬送固定冶具を原料粉末充填位置から上パンチ嵌着位置まで搬送して固定する第1搬送手段と、
    前記上パンチ嵌着位置で前記上パンチを前記金型に嵌着する上パンチ嵌着手段と、
    前記上パンチ嵌着位置から加熱プレス位置へと前記ワーク移動体を搬送する第2搬送手段と、
    前記ワーク移動体を前記加熱プレス位置から分解抜出し位置まで搬送する第3搬送手段と、
    前記分解抜出し位置まで搬送された前記搬送固定冶具から前記上パンチを取り外す上パンチ取外し手段と、
    前記上パンチを取外された前記金型を前記分解抜出し位置から原料粉末充填位置まで搬送する第4搬送手段と、
    前記上パンチ取外し手段により取り外された前記上パンチを前記分解抜出し位置から前記上パンチ嵌着位置へと返送する上パンチ返送手段と、
    前記金型から前記粉末成形体を取り出す製品取出し手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載の粉末成形金型装置。
  6. 前記原料粉末充填手段は、前記原料粉末を超音波で振動させる超音波発振器を備えたことを特徴とする請求項5に記載の粉末成形金型装置。
  7. ピストン状の下パンチおよび上パンチがシリンダ状の金型の上下にそれぞれ嵌着されて形成される成形部に充填された原料粉末を、前記下パンチおよび前記上パンチにより圧縮して粉末成形体を成形する粉末冶金法に基づく粉末成形方法であって、
    前記原料粉末を計量するとともに超音波で振動させながら前記成形部に充填する原料粉末充填工程と、
    前記下パンチに嵌着された前記金型を原料粉末充填位置から上パンチ嵌着位置まで搬送して固定する第1搬送工程と、
    上パンチ嵌着位置で前記上パンチを原料粉末の充填された前記金型に嵌着してワーク移動体を形成する上パンチ嵌着工程と、
    前記ワーク移動体の単位で前記上パンチ嵌着位置から加熱プレス位置へと前記ワーク移動体を搬送する第2搬送工程と、
    前記加熱プレス位置の前記ワーク移動体に対し窒素雰囲気を形成するとともに前記金型内に充填された原料粉末を加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程で加熱された後に所定の温度範囲で所定の高温加圧処理時間だけ前記原料粉末を高温加圧処理するプレス工程と、
    前記プレス工程の後に前記加熱プレス位置で急速冷却する急速冷却工程と、
    前記加熱プレス位置から緩慢冷却位置を経て分解抜出し位置へと前記ワーク移動体を搬送する第3搬送工程と、
    前記上パンチを前記金型から取外して前記分解抜出し位置から上パンチ嵌着位置へと返送する上パンチ返送工程と、
    前記分解抜出し位置で前記下パンチの軸部が前記金型を貫通することにより、前記粉末成形体を前記金型から抜出す製品取出し工程と、
    前記分解抜出し位置で前記上パンチを取外された前記金型を前記原料粉末充填位置まで搬送する第4搬送工程と、
    を有することを特徴とする粉末成形方法。
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