JP4377711B2 - 光学素子の搬送装置 - Google Patents

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本発明は、カメラ、ビデオや顕微鏡等の光学機器における光学系に用いられる球面レンズ、非球面レンズ等のレンズやプリズム等の光学素子を搬送するため、或いはこれらの光学素子に用いられるガラス素材等の光学素子素材を搬送するための搬送装置及び搬送方法に関する。
特公平5−72334号公報には、プレス成形されたガラス成形品を搬送路まで搬送するための搬送装置が記載されている。この搬送装置は、真空吸引を行う真空チャックによって成形品を搬送するものであり、真空チャックは真空源に接続されたホルダと、耐熱性を有する吸着板と、ホルダと吸着板との間に配置されることによりホルダ及び吸着板を連結し、高温下で弾力を保持することができるベローズとを有している。
真空チャックは、プレス成形されたガラス成形品の形状を損なわないように所定温度に加熱された状態で使用されるものであり、プレス成形が終了したプレス型の上型が上昇したときに上型及び下型の間に進入して、下型に載置されているガラス成形品上に移動し、吸着板がガラス成形品を真空吸着する。このとき、ベローズは、その自由度により真空チャックとガラス成形品の相対位置がずれてもガラス成形品を吸引できるように作用するものである。
ガラス成形品の吸着の後、下型が下降し、その後、真空チャックがプレス型から退避し、プレス型の外側で待機しているシュータにガラス成形品を落下させる。これにより、ガラス成形品がシュータの斜面を滑り落ちて保管箱に収納される。
特公平5−72334号公報
上述した真空チャックでは、成形前と成形後との間でガラス成形品の形状が大きく変化した場合、厚みの変化に対してはベローズの収縮部分だけ対応できるが、凹形状から凸形状等の形状の変化があったり、成形品が軸中心でない場合には、対応することができず、ガラス成形品を吸着できない問題を有している。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、成形前と成形後との間で形状が大きく変化した場合にも対応が可能な汎用性のある光学素子の搬送装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の光学素子の搬送装置は、光学素子素材及び光学素子素材を成形した光学素子を搬送する光学素子の搬送装置において、前記光学素子素材を保持する第1保持手段と、前記光学素子を保持し、前記第1保持手段の内部に配置される第2保持手段と、前記光学素子素材または前記光学素子を保持するとき、前記第1保持手段と第2保持手段との位置を移動させることで、前記第1保持手段及び第2保持手段の使用を切り替える切替手段と、を具備することを特徴とする。
請求項1の発明では、第1保持手段の内部に第2保持手段が配置されることにより、装置スペースを小さく抑えることができる。切替手段は、これらの保持の際に、第1保持手段と第2保持手段との位置を移動させることで、第1保持手段及び第2保持手段の使用を切り替える。このため、光学素子素材や光学素子に応じた保持を行うことができ、成形前後での形状変化が大きい場合や、軸中心でない形状であっても確実に保持することができ、光学素子素材や光学素子の保持に広範に対応することができる。
請求項の発明は、請求項1に記載の光学素子の搬送装置であって、前記第1保持手段は吸着面が平面形状の光学素子素材または光学素子を専用に保持するものであり、前記策2保持手段は吸着面が凹形状の光学素子素材または光学素子を専用に保持するものであることを特徴とする。
請求項の発明では、第1の保持手段が平面形状の光学素子素材や光学素子の専用、第2保持手段が凹形状の光学素子素材や光学素子の専用となっているため、光学素子素材や光学素子の形状に良好に対応して保持を確実に行うことができる。
請求項の発明は、請求項1に記載の光学素子の搬送装置であって、前記第1保持手段は吸着面が凸形状の光学素子素材を専用に保持するものであり、前記第2保持手段は吸着面が光学素子素材の曲率半径よりも大きい曲率半径の凸形状の光学素子を専用に保持するものであることを特徴とする。
請求項の発明では、第1の保持手段が凸形状の光学素子素材の専用、第2保持手段が大きな曲率半径の光学素子の専用となっているため、光学素子素材や光学素子の形状に良好に対応して保持を確実に行うことができる。
本発明の光学素子の搬送装置によれば、必要な時に保持手段を切り替えることが可能となると同時に、装置スペースを小さく抑えることができる。また、光学素子素材や光学素子の形状に応じた保持を行うことができるため、成形前後での形状変化が大きい場合や、軸中心でない形状であっても確実に保持することができ、光学素子素材や光学素子の保持に広範に対応することができる。
以下、本発明を図示する実施の形態により具体的に説明する。なお、各実施の形態において、同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。
(実施の形態1)
図1〜図4は、本発明の実施の形態1を示し、図1は光学素子のプレス成形を行う装置全体の平面図、図2はプレス成形を行う装置の側面図、図3及び図4は吸着状態の側面図である。
プレス成形を行う装置は、図1に示すように、成形装置としての複数(3台)のプレス装置14(14a、14b、14c)と、それぞれのプレス装置(14a、14b、14c)に対応した複数(3台)のパレット12(12a、12b、12c)とを備えている。これらのプレス装置14a、14b、14c及びパレット12a、12b、12cは、本実施の形態の搬送装置30の移動を行う移動手段としてのX軸駆動手段13を挟んだ位置で対向するように整列状に配置されている。
それぞれのプレス装置14a、14b、14cは、図2に示すように、対向している下型15及び上型16と、ベース31上に立設したヒータ上下駆動手段19とを備えている。ヒータ上下駆動手段19には、ヒータ支持部材18が上下移動可能に取り付けられており、このヒータ支持部材18に上型ヒータ17が取り付けられている。下型15は、プレス手段22に連結された下軸21に支持されており、その周囲には下型ヒータ20が配置されている。なお、下型15上のワークの有無を光学的に検出するワーク検出手段23が下型15との対応位置に配置されている。
一方、それぞれのパレット12a、12b、12cには、複数のポケットが上面に形成されており、ガラス材からなる成形前の光学素子素材Aと、成形後の光学素子Bとをそれぞれ収納するようになっている。この実施の形態において、光学素子素材Aは板状となっており、光学素子Bは凹形状となっている。また、光学素子Aはガラス材が用いられている。
整列状態の成形装置14a、14b、14c及びパレット12a、12b、12cの間に配置されたX軸駆動手段13は、ベース31上に配置されている。このX軸駆動手段13は、タイミングベルトとステッピングモータ及びガイドを組み合わせることにより構成されており、搬送装置30を成形装置14a、14b、14c及びパレット12a、12b、12cの間で移動させる。
搬送装置30は、X軸駆動手段13に沿って移動する回転駆動手段11と、回転駆動手段11に取り付けられて同手段11の駆動によって旋回するアーム7とを備えている。アーム7は、図1の矢印で示すように、成形装置14a、14b、14c及びパレット12a、12b、12cの間で旋回して、対応したパレットと成形装置との間で光学素子素材Aの受け渡しを行う。
搬送装置30におけるアーム7の先端部分の構造を図3及び図4に示す。アーム7の先端には、第1保持手段としての第1の吸着パット1と、第2保持手段としての第2の吸着パット4とが取り付けられている。
第1の吸着パット1は、PEEK材等からなる耐熱樹脂が用いられており、円筒形状(例えば、外径φ16mm)に形成されている、第1の吸着パット1は、光学素子素材Aの表面に汚れや付着物を付着させない必要があるため、金属よりも樹脂材が適している。
第2の吸着パット4は第1の吸着パット1よりも小径(例えば、外径φ10mm)となっており、第1の吸着パット1の内部に配置されている。第1の吸着パット4はアーム7を貫通した支持軸3の先端に取り付けられている。第2の吸着パット4は光学素子Bに傷を付けない必要があるが、後工程で光学素子Bを洗浄するため光学素子Bへの汚れや付着物の付着は余り影響はないものである。なお、第1の吸着パット1が第2の吸着パット4の外周に位置するため、比較的洗浄し易い構造となっている。
支持軸3は、アーム7を貫通した円筒状のガイド筒2内に挿入されていると共に、ガイド筒2内を摺動可能となっている。支持軸3及びガイド筒2の嵌合公差が小さいと、支持軸3の摺動をスムーズに行うことができない一方、嵌合公差が必要以上に大きいと、第1の吸着パット1先端の吸着力が損なう。このため、嵌合交差としては、−0.01mm〜−0.02mm程度が良好である。第1の吸着パット1とガイド筒2との間にはパッキン24が設けられている。
第2の吸着パット4はシリコンからなると共にベローズ形状の弾性を有した吸着パットとなっている。弾性を有していることから、第2の吸着パット4の吸着先端は光学素子の形状に追従することができる。この場合、成形された光学素子の形状に合わせた専用パットが良好である。
支持軸3の内部には、真空吸着用の排気穴が設けられ、吸引手段としてのエジェクタ等の真空発生器5より吸引されるようになっている。支持軸3の排気穴は第2の吸着パット4の先端に通じている。
支持軸3の上部は支持台8に取り付けられており、支持台8にはピン9を介して切替手段としてのシリンダ6が接続されている。シリンダ6が上下に駆動することにより、支持台8、支持軸3及び第2の吸着パット4が上下に駆動する。さらに、第1の吸着パット1及びアーム7を上下(鉛直)方向に移動させるための駆動手段としてのZ軸駆動手段10が設けられており(図4参照)、上記回転駆動手段11はZ軸駆動手段10に取り付けられている(図2参照)。
次に、この実施の形態の作動を説明する。この実施の形態において、光学素子素材Aは平板形状となっており(図3参照)、第1の吸着パット1はこの形状の光学素子素材Aを専用に吸着する。また、成形された光学素子Bは、凹形状となっており(図4参照)となっており、第2の吸着パット4はこの形状の光学素子Bを専用に吸着する。
まず、パレット12aのポケットにセットされている光学素子素材Aを第1の吸着パット1が吸着する。この第1の吸着パット1を光学素子素材Aがセットされているポケットの位置に移動させるため、移動手段としてのX軸駆動手段13と回転駆動手段11を用いる。光学素子素材Aの真上に第1の吸着パット1が移動し、その後、Z軸駆動手段10によって第1の吸着パット1の先端が光学素子素材Aの平面である上面に接触する。このときにおいては、第1の吸着パット1の先端面が第2の吸着パット4の先端面よりも突出している。
光学素子素材Aへの接触後、真空発生器5により吸引を行うと、空気が支持軸3を通り、第2の吸着パット4の先端から空気を吸い上げる。このとき、第2の吸着パット4はシリンダ6の駆動によって第1の吸着パット1の内部に収納されているため、第1の吸着パット1の先端が光学素子素材Aを吸引して保持する。
吸引された光学素子素材Aは、回転駆動手段11、X軸駆動手段13、Z軸駆動手段10によりアーム7が駆動されることにより、パレット12aに対応したプレス装置14aへ搬送される。そして、真空発生器5による吸引を解除することにより、プレス装置14aにおける下型15上に光学素子素材Aを搭載し、その後、アーム7はX軸駆動手段13と平行な方向に移動して待機する。
光学素子素材Aが下型15に搭載されることを確認した後、ワーク検出手段23により光学素子素材Aを識別し、これによりプレス装置14aが成形を行う。
プレス装置14aの成形が開始された後、アーム7は次の成形を行うためのパレット12bへ移動する。そして、上述と同様に、パレット12bのポケットにセットされている光学素子素材Aを吸着して、プレス装置12bの下型12bの下型15上に光学素子素材Aを搬送する。さらに、同様にしてパレット12cへ移動し、その光学素子素材Aをプレス装置14cへと搬送する。
プレス装置14aでの成形工程時間は、光学素子素材Aヒータ17で加熱する時間が約600secであり、上型16と下型15とにより素材に圧力を作用させる時間が200sec、プレス工程終了後に光学素子Bを冷却する時間が600secであり、プレス装置1台当たり約30min〜31minの時間を要している。搬送時間は上記動作の内容を行うのに約120secであるため、3台分の光学素子素材Aを搬送するには十分な時間がある。
プレス装置14aでのプレス成形は、上下型15、16の温度が150℃になったとき、ヒータ17及びヒーター支持台18が上昇して終了する。
プレス装置14aからプレス終了信号を受け取った搬送装置30は、回転駆動手段11、X軸駆動手段13とZ軸駆動手段10とによってアーム7を駆動する。これにより、吸着パット1,4がプレス装置14aにおける下型15の光学素子B上に移動し、同プレス装置14aの光学素子Bを吸着する。このときの吸着は、シリンダ6の上下運動によって第2の吸着パット4を第1の吸着パット1の先端より進出させ、進出した第2の吸着パット4により行う。吸着された光学素子Bはパレット12aの対応したポケットに収納される。
光学素子Bをポケットに収納した後、第2の吸着パット4はシリンダ6の駆動によって第1の吸着パット1内部に収納される。その後、第1の吸着パット1がパレット12aの次のポケットから光学素子素材Aを吸着して取り出し、プレス装置14aの下型15に搭載する。プレス装置14b、プレス装置14cに対しても同様に行い、パレット12のポケットに搭載されている光学素子素材を全て光学素子Bに入れ替える。
なお、この実施の形態では、第1の吸着パット1の全体を耐熱材であるPEEK材としたが、光学素子素材Aと接触する先端部分のみをPEEK材やポリイミド樹脂からなる別部材とすることにより先端部分を取り外し可能としても良い。また、同様に第2の吸着パット4の先端を金属からなる別部材とすることにより取り外し可能としても良い。こうすることにより、光学素子素材Aや光学素子Bの形状変更に対応し易くなるメリットがある。
このような実施の形態では、1台の搬送装置30が複数台(3台)のプレス装置14に光学素子素材A及び光学素子Bを搬送し、回収する構造であり、光学素子素材A及び光学素子Bの間で成形前後の形状が大きく変化しても、その形状に合わせた吸着パットを用いることで安定した吸着が可能となる。また、2重構造の吸着パットを出し入れすることにより吸着を行うため、アーム7の吸着位置を変える必要がない。このため安定した吸着が可能となる。
さらに、光学素子素材Aと光学素子Bとの間で吸着パット切り替えて保持するため、吸着パットのクリーン状況を確保することが容易になり、成形される光学素子Bの品質を向上させることができる。また、3台のプレス装置14及びパレット12に対し、1台の搬送装置30で対応するため、容易に搬送でき、装置全体の製作コスト及び装置スペースを小さく抑えることができる。また、さらにパレット14とプレス装置12とを対応させるため、成形された光学素子Bが互いに混在するトラブルの可能性を減らすことができ、異なる種類の製品を各成形装置ごとに成形することが容易となる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2の搬送装置30を示す。
この実施の形態では、第1保持手段である第1の吸着パット1がベローズ形状となった弾性を有する吸着パットとなっており、第2保持手段である第2の吸着パット4が円筒形状となっている。すなわち、外側の第1の吸着パット1は径の大きな材料を保持し、内側の第2の吸着パット4は径の小さな材料を保持するものであり、第1の吸着パット1は、成形前の光学素子素材Aを専用に保持し、第2の吸着パット4は成形後の光学素子Bを専用に保持するようになっている。
この実施の形態では、光学素子素材Aが小さな曲率半径(例えば、径8mm)であり、プレス成形後の光学素子Bが凸形状で、且つこれよりも大きな曲率半径(例えば、径30mm)の場合に好適に実施することができる。
(実施の形態3)
図6及び図7は、本発明の実施の形態3を示し、図6は成形前の光学素子素材の吸着状態の側面図、図7は成形後の光学素子の吸着状態の側面図である。
この実施の形態では、パット台座33を用いるものであり、パット台座33には、第1保持手段としての第1の吸着パット1及び第2保持手段としての第2の吸着パット4が個々独立して取り付けられている。すなわち、これらの吸着パット1,4は、パット台座33の下面に並列状に支持されるものである。それぞれの吸着パット1,4は、吸引手段としての真空発生器5(5a,5b)に接続されるものであり、第1の吸着パット1は真空発生器5aに、第2の吸着パット4は真空発生器5bにそれぞれ接続されている。
吸着パット1,4と対応した真空発生器5a、5bとを接続するため、パット台座33には真空吸引される排気穴が形成されており、それぞれの排気穴が各吸着パット1,4の吸引穴と接続される。
この実施の形態では、パット台座33が切替手段としてのシリンダ6にピン9を介して連結されるが、垂直方向と直交した水平方向に移動するようにシリンダ6に連結されている。この場合、パット台座33はアーム7に摺動可能に取り付けられており、シリンダ6が駆動すると、パット台座33はアーム7の下面を長手方向に沿って移動するようになっている。
この実施の形態の作動では、アーム7の旋回及びシリンダ6の伸縮駆動によってパット台座33が移動する。これにより、例えば、パレット12aのポケットにセットされている吸着面が曲率半径1mmのボール状となった光学素子素材Aを第1の吸着パット1が吸着する(図6参照)。吸着された光学素子素材Aは、パレット12aに対応するプレス装置14aに搬送され、その下型15に載置される。その後、搬送装置30は、アーム7の旋回及びシリンダ6の伸縮駆動により、パレット12bに移動し、同パレット12b上の光学素子素材Aを吸着し、パレット12bに対応したプレス装置14bの下型15上に光学素子素材Aを載置し、さらにパレット12c及びプレス装置14cに対する搬送を行う。
この搬送の後、プレス装置14aからプレス終了信号を受け取った場合、搬送装置30は、パレット12a上の次段成形用の光学素子素材Aを吸着パット1によって吸着し、パレット12aに対応したプレス装置14aの下型15上に移動する。そして、シリンダ6の駆動により、第2の吸着パット4が下型15上に移動し、下型15上の光学素子Bを吸着する。このとき、光学素子Bは曲率半径2mmの吸着面を有する凸形状に成形されている。その後、シリンダ6の駆動により、第1の吸着パット1が下型15上に移動し、吸着している成形前の光学素子素材Aを下型15上に載置する。この載置の後、アーム7及びシリンダ6の駆動により第2の吸着パット4がパレット12aにおける所定のポケット上に移動し、第2の吸着パット4が吸着している光学素子Bをそのポケットに収納する。これにより、組となっているパレット12a及びプレス装置14aに対する1サイクルの作動が完了する。
同様にして、組となっているパレット12b及びプレス装置14b、パレット12c及びプレス装置14cへの1サイクルの作動を行う。なお、光学素子素材Aの吸着面の曲率半径が1〜10mmであり、光学素子Bの吸着面の半径が2〜20mmのように、光学素子素材Aの曲率半径に対し、成形後の光学素子Bの曲率半径が約2倍の場合には、良好な成形面を得ることができるものである。
このような実施の形態では、実施の形態1と同様な作用を有しているのに加え、パレット12とプレス装置14との間のアーム7の旋回動作が1動作で良いため、短時間での搬送が可能となる。また、吸着パット1,4による吸着位置がパット台座33の移動によって変わるため、取り出しのための吸着及び受け渡しのための吸着を異なった場所で行うことができ、不必要な動作がなく、搬送時間を短縮することができる。さらに、成形前と成形後とを別個の吸着パットによって吸着するため、個々の吸着パットの交換作業が容易となると共に、吸着パットのクリーン状態を確保することができ、且つ複雑な形状にも良好に対応することが可能となる。
(実施の形態4)
この実施の形態では、吸着される光学素子素材A及び光学素子Bに対応した吸着パット1,4の先端部分の形状を説明する。すなわち、光学素子Bの吸着面が自由曲面や非球面の場合には、第2の吸着パット4の先端面を対応した面とし、光学素子素材A及び光学素子Bの吸着面に段部が形成されていれば、吸着パット1,4の先端面に段差を設けるものである。
図8は、成形された光学素子Bに対応する第2の吸着パット4を示し、(a)では径20mmで、且つ120°の凸面からなる光学素子Bの外面に沿った先端面となっており、(b)では径が30mmで90°の凹面からなる光学素子Bの上面に沿った先端面となっている。
図9(a)は、光学素子素材Aが平板状となっている場合であり、第1の吸着パット1は先端面が円形の平板状に成形されている。図9(b)は、成形された光学素子Bの上面が曲面となっている場合であり、第2の吸着パット4の先端面は、この曲面に合わせた曲面となるように成形されている。
図10(a)は、成形前の光学素子素材Aの上面に溝部が形成されている場合であり、その吸着を行う第1の吸着パット1の下面には、溝部に対応した凸部が形成される。図10(b)は、成形後の光学素子Bの上面に溝状の複数の段部が形成されている場合であり、その吸着を行う第2の吸着パット4の下面には、段部に対応した凸状の段部が形成される。
本発明に適用される装置全体の平面図である。 本発明に適用される装置全体の側面図である。 実施の形態1における光学素子素材の吸着状態を示す断面図である。 実施の形態1における光学素子の吸着状態の側面図である。 実施の形態2の吸着状態を示す断面図である。 実施の形態3における光学素子素材の吸着状態を示す側面図である。 実施の形態3における光学素子の吸着状態を示す側面図である。 (a)、(b)は第2の吸着パットの先端面形状を示す断面図である。 (a)、(b)は吸着面に対応した吸着パットの形状を示す斜視図である。 (a)、(b)は吸着面に対応した吸着パットの形状を示す斜視図である。
符号の説明
1 第1の吸着パット
4 第2の吸着パット
5 真空発生器
6 シリンダ
7アーム
12 パレット
14 プレス装置
A 光学素子素材
B 光学素子

Claims (3)

  1. 光学素子素材及び光学素子素材を成形した光学素子を搬送する光学素子の搬送装置において、
    前記光学素子素材を保持する第1保持手段と、
    前記光学素子を保持し、前記第1保持手段の内部に配置される第2保持手段と
    記光学素子素材または前記光学素子を保持するとき、前記第1保持手段と第2保持手段との位置を移動させることで、前記第1保持手段及び第2保持手段の使用を切り替える切替手段と、
    を具備することを特徴とする光学素子の搬送装置。
  2. 前記第1保持手段は吸着面が平面形状の光学素子素材または光学素子を専用に保持するものであり、前記第2保持手段は吸着面が凹形状の光学素子素材または光学素子を専用に保持するものであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の搬送装置。
  3. 前記第1保持手段は吸着面が凸形状の光学素子素材を専用に保持するものであり、前記第2保持手段は吸着面が光学素子素材の曲率半径よりも大きい曲率半径の凸形状の光学素子を専用に保持するものであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の搬送装置。
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