JP3749054B2 - 部品実装装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品実装装置に関し、更に言えば、各種部品を実装基板に実装する際の加圧力を調整する調整機構に関する技術である。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の部品実装装置について説明する。
【0003】
実装基板に各種部品を実装する部品実装装置において、多品種な部品に対応可能に、しかも高速性、汎用性を高めるべく実装条件に対する高精度な制御が要求されていた。
【0004】
また、部品実装時における加圧力制御も重要な要素の一つであり、従来、多品種な部品に対応するため、固定軸を中心にして回転可能な回転体の外周部に放射状に複数体の保持手段が構成された多軸実装ノズルに対して、個々に加圧力調整を行う方式は、種々開発されてはいたが、高速性、コンパクト化及び高精度化という点で、今だ有効な手段がなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、多機種対応可能な上記多軸実装ノズルを回転制御し、その中心部に当該多軸実装ノズルの加圧力を調整する加圧力調整ユニットを組み込んだ部品実装装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の部品実装装置は上記課題に鑑みなされたもので、固定軸23を中心にして回転可能な回転体24と、前記回転体24の外周部から放射状に複数体立設され、実装基板2上に実装するベアチップを吸着するボンディングノズル26と、前記固定軸23の一部に形成された切欠き部25を介して摺動可能な前記ボンディングノズル26の一端部に当接することで当該ボンディングノズル26の加圧力を調整する調整機構30とを具備したことを特徴とする。
【0010】
更に、前記調整機構30は、前記ボンディングノズル26の一端部に当接する当接レバー31と、当該当接レバー31に連結される加圧力調整可能なボイスコイルモータ33とで構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記調整機構30は、前記ボンディングノズル26の一端部に当接する当接レバー31と、当該当接レバー31に連結される加圧力調整可能な加圧力調整機構33(ボイスコイルモータ)と、当該調整機構30による加圧力を検出する当接部37(ロードセル)とで構成されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の部品実装装置に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は本発明が適用される部品実装装置の平面図で、図2はその一部分である部品実装ユニットを拡大した側面図であり、また図3及び図4はその部品実装部を示す拡大断面図である。
【0014】
図1において、1は部品実装装置本体で、この本体1には不図示の供給ストッカから供給され、各種部品が実装される実装基板2を載置した作業用パレット3を実装ステーションに搬送し、実装作業が終了した実装基板2を下流に搬送する搬送機構4が構成されている。尚、前記作業用パレット3に載置される実装基板2は1枚でも、また複数枚でも構わない。
【0015】
また、前記搬送機構4の構成としては、種々の構成が考えられるが、本実施形態では前記作業用パレット3を載置した状態で、搬送ガイド5にガイドされながら水平移動可能なスライド機構6を有する構成を採用しているが、その他に例えば、コンベアによる搬送方式、あるいは竿送り方式等でも良い。
【0016】
更に、本実施形態では部品実装効率の向上を図るため、後述する部品供給ユニットを複数(例えば、2体)用意し、これに対応する作業用パレット3(実装基板2)を複数個(2個)ずつ実装ステーションに搬送している。
【0017】
10は多数の部品を収納した部品群(本実施形態ではダイシングされた半導体ウエハで、以下ウエハと称し、このウエハ11から取出される部品をベアチップと称す。)11を複数個(例えば、4個)載置し、X方向移動及びY方向移動並びにθ回転可能な載置台で、隣り合う形で2体配置されている。尚、図1に載置台10外周部を取り囲むように二点鎖線で示した範囲が、中心Tを基準にした当該載置台10の移動範囲である。
【0018】
15は前記載置台10上のウエハ11内から所望のベアチップを取出し、検査台16上に移載する取出し機構で、90°水平回転及び上下移動可能なピックアップアーム17を有し、当該ピックアップアーム17で前記ウエハ11上のベアチップを吸着取出した後に、支点を介してピックアップアーム17を90°回転させて、前記検査台16上にベアチップを移載する。
【0019】
20は前記検査台16上に移載されたベアチップの状態(姿勢及び欠け等)を検査する検査機構で、当該検査台16上方に位置させた不図示の認識カメラにより当該ベアチップの姿勢及び欠け状態等を認識する。
【0020】
21は前記部品実装装置本体に支持され、検査終了後のベアチップを取出し、実装基板2上に実装する実装機構で、前記検査機構20による検査ステーションから実装ステーションまで水平移動及び上下移動可能並びにθ回転可能なボンディングヘッド22を有し、当該ボンディングヘッド22で前記検査台16上のベアチップを吸着取出した後に、実装基板2上の実装ポイントまで水平移動して行き、そのポイントで下動して当該ベアチップをボンディングする。
【0021】
以下、図2乃至図4に基づいて、実装機構21(部品実装ユニット)の構成について説明する。
【0022】
23は部品実装ユニットを構成する固定軸で、24は当該固定軸23を中心にして回転可能な回転体で、前記ボンディングヘッド22は当該回転体24の外周部から放射状に複数体(本実施形態では6本)立設されている。更に言えば、当該ボンディングヘッド22は、図4に示すように前記固定軸23の一部に形成された切欠き部25(ベアチップの取出し及び実装作業方向に対応)を介して実装基板2に対して接離方向(図4に示す矢印方向)に摺動可能なボンディングノズル26(多軸実装ノズルに相当)が搭載されている。
【0023】
前記ボンディングノズル26は図示しないスプリングにより実装基板側に付勢される。また、28は前記ボンディングノズル26の先端部に金具29を介して取り付けられた一対のベアリングで、当該ベアリング28が前記切欠き部25を介して固定軸23の中心部に入り込む構成となっている。
【0024】
30は前記ボンディングノズル26によるベアチップ実装作業中の加圧力を調整可能にする調整機構で、以下、当該調整機構30の構成について説明する。
【0025】
31は前記ベアリング28に当接する当接レバーで、当該当接レバー31は連結レバー32を介して加圧力調整可能なボイスコイルモータ33に接続されている。尚、ボイスコイルモータ33は周知な通り、磁力調整してその可動部34が所定量移動する(例えば、溝部35内に深く入り込ませる)ことで、連結レバー32が軸36を支点にして回動し、当該連結レバー32が当接する当接部37を介して前記当接レバー31が前記ベアリング28に当接しながらボンディングノズル26を実装基板2側に押し付ける。また、磁力調整して前記可動部34を所定量逆方向に移動させる(溝部35内に浅く入り込ませる)ことで、連結レバー32,当接部37及び当接レバー31による前記ベアリング28を介したボンディングノズル26の実装基板2側への押し付け力は、前述した場合に比して減少する。
【0026】
また、前記当接部37として、本実施形態ではロードセルを用いており、これにより前記ボイスコイルモータ33による加圧力制御を監視しながら実装作業を施すことが可能になり、高精度な実装作業が可能になる。尚、監視作業を必要としない場合には、直接、前記ボイスコイルモータ33の可動部34に接続され、かつ前記ボンディングノズル26上のベアリング28に当接する当接レバー31を設けるだけで良く、部品点数を削減できる。
【0027】
40は前記回転体24を回転駆動させて、複数本(多軸)のボンディングノズル26を選択する回転機構で、モータ41の回転軸42に嵌合したプーリ43と前記回転体24を構成するプーリとに係合する無端ベルト44とで構成され、モータ41の回転により当該回転体24が固定軸23を中心にして回転駆動される。
【0028】
46は前記ノズル26をθ回転駆動させる回転機構で、モータ47の回転軸48に嵌合したプーリ49と前記部品実装部全体を支持する支持部材(前記固定軸23を支持する支持体51と、当該支持体51が固定され回転体52とで構成される。)を構成するプーリとに係合する無端ベルト53とで構成され、モータ47の回転により当該回転体52を回転駆動することで、前記ノズル26に吸着されたベアチップの実装向きが調整可能となる。
【0029】
図2において、54は前記部品実装ユニットを上下動(実装基板2及び検査台16に対して接離方向へ移動)可能にする上下動機構で、モータ55の回転軸56に連結レバー57を介して嵌合するボールネジ軸58の回転駆動により前記部品実装部を支持するスライド機構59がガイド体60に案内されて上下動することで、前記部品実装部が上下動可能となる。
【0030】
また、62は前記部品実装ユニットを水平移動(図1に示す検査台16と実装基板2との間の往復移動)可能にする移動機構で、不図示のモータの回転によるボールネジ軸63の回転駆動により前記部品実装部に連結された前記ガイド体60がガイド体64に案内されて水平移動することで、前記部品実装部が検査台16と実装基板2との間で往復移動可能となる。
【0031】
以下、部品実装動作について図面を参照しながら説明する。
【0032】
先ず、部品実装作業を開始させる前に、作業者は、図4等に示すボンディングヘッド22の先端部に実装作業中に扱う各種ベアチップに対応した各種ボンディングノズル26を装着する。尚、扱うベアチップが1種類であれば、ボンディングノズル26も1タイプ装着すれば良い。
【0033】
そして、準備が完了したら作業者は、部品実装作業を開始させる。
【0034】
先ず、載置台10がX方向移動及びY方向移動並びにθ回転(載置台10外周部を取り囲むように二点鎖線で示した範囲が、中心Tを基準にした当該載置台10の移動範囲である。)して、所望のベアチップ上方に取出し機構15のピックアップアーム17が位置される(図1参照)。
【0035】
次に、当該ピックアップアーム17が所定量下動して所望のベアチップを吸着取出しする。尚、この吸着取出し時には、図示しないがウエハ裏面からベアチップを突き上げて吸着取出しし易くする突き上げ機構が準備されている。
【0036】
続いて、ピックアップアーム17で前記ウエハ11上のベアチップを吸着取出した後に、支点を介して当該ピックアップアーム17を90°回転させて、前記検査台16上にベアチップを移載する。このとき、ウエハ11上のベアチップ向きと検査台16上のベアチップ向きとが同じ向きになる。ここで、前記検査台16上に移載されたベアチップ状態(姿勢及び欠け等)が、検査機構20により認識される。
【0037】
最後に、検査終了後のベアチップを実装機構21のボンディングヘッド22(ボンディングノズル26)で取出し、当該ボンディングノズル26を介してベアチップを実装基板2上の実装ポイントにボンディングする。
【0038】
以下、このボンディング動作について図2乃至図4を参照しながら説明する。
【0039】
先ず、検査台16上のベアチップを取出すため、ボンディングヘッド22を搭載した部品実装部が、移動機構62のモータの回転によるボールネジ軸63の回転駆動によりガイド体64に案内されて水平移動されて前記検査台16上に位置される。
【0040】
そして、検査終了後のベアチップ上面に上下動機構54のモータ55の回転によるボールネジ軸58の回転駆動によりスライド機構59がガイド体60に案内されて下動されることで、前記ボンディングノズル26がある所望の加圧力で前記検査台16上のベアチップ上面に当接され、不図示の吸引機構を介して当該ベアチップがボンディングノズル26に吸着される。
【0041】
このときのボンディングノズル26の加圧力調整方式は、前述したように固定軸23に形成した切欠き部25位置に到達したボンディングノズル26が、その切欠き部25を介して固定軸23の中心部に摺動し、このボンディングノズル26の上方に位置したベアリング28にボイスコイルモータ33に連結レバー32を介して接続された当接レバー31が当接することで、ボンディングノズル26の加圧力制御が行われる。
【0042】
即ち、前記ボイスコイルモータ33の磁力調整をプログラム制御することで、その可動部34を所定量移動させる。例えば、当該可動部34を溝部35内に深く入り込ませることで、連結レバー32が軸36を支点にして回動し、当該連結レバー32が当接する当接部37を介して前記当接レバー31が前記ベアリング28に当接しながらボンディングノズル26を前記スプリングの付勢力に抗して前記可動部34の移動量に応じて実装基板2側に押し付ける。
【0043】
これにより、ボンディングノズル26でのベアチップの実装作業は、所望の加圧力に調整された状態で実装作業される。このようにボイスコイルモータ33をプログラム制御することで、高精度な加圧力制御が可能になる。また、本構成では、前記回転体23の回転により実装基板2上に位置された所望のボンディングノズル26にのみ、調整機構30による加圧力調整が施されるため、例えば、各ボンディングノズル26毎に調整機構を備えた構成のものに比して装置構成のコンパクト化が可能である。
【0044】
尚、前記当接部37として、本実施形態ではロードセルを用いているため、前記ボイスコイルモータ33による加圧力制御を監視しながら実装作業を施すことができ、実装作業時に設定された所望の加圧力でないと判定された場合には、例えば、一旦実装作業を中断し、作業者に異常報知する。このように加圧力調整制御をロードセルにより監視しながら実装作業が行えるため、実装精度が向上する。
【0045】
次に、ベアチップを吸着したボンディングノズル26は、前記上下動機構54により上動し、移動機構62により前記検査台16上から実装基板2上の実装ポイントに水平移動し、更に上下動機構54により下動して実装基板2上にベアチップを実装する。
【0046】
以下、同様の作業が繰り返されることになるが、次に吸着するベアチップの種類が同じであれば前記ノズル26により検査台16上のベアチップの吸着取出し、そして実装基板2への実装作業が行われる。この場合には、前述した通りの加圧力で実装作業が行われることになる。
【0047】
また、別の種類のベアチップ(例えば、前記ベアチップよりも背が高い等)を扱う場合には、例えば、同じ種類のボンディングノズル26を使うとしても加圧力を変更する必要がある。
【0048】
即ち、前述と同様の加圧力で実装作業が行われた場合には、ベアチップの背が高くなった分、同じ加圧力ではベアチップが破損してしまうからである。従って、前記ボイスコイルモータ33を磁力調整し、その可動部34を溝部35内に浅く入り込ませることで、連結レバー32,当接部37及び当接レバー31による前記ベアリング28を介したボンディングノズル26の実装基板2側への押し付け力が、前述の実装作業時に比して減少する。
【0049】
以上の説明では、同じタイプのボンディングノズル26を用いた一例を紹介しているが、以下に、例えば異なるタイプのボンディングノズル26を用いたベアチップの吸着取出し、そして実装基板2への実装作業について説明する。
【0050】
この場合には、先ず検査台16上のベアチップに対応したボンディングノズル26が選択される。
【0051】
即ち、回転機構40のモータ41の回転により前記回転体24が回転駆動されて、所望のボンディングノズル26が選択される。この選択動作は、前記検査台16上への水平移動動作時に行うように制御すれば作業性が良い。
【0052】
その後、上述したように上下動機構54により前記ボンディングノズル26が検査終了後のベアチップ上面に下動され、当該ノズル26がある所望の加圧力で前記検査台16上のベアチップ上面に当接され、ベアチップを吸着取出しする。
【0053】
このときのボンディングノズル26の加圧力も、前述したようにプログラム制御された所望の加圧力である。
【0054】
以下、同様にベアチップを吸着したボンディングノズル26は実装基板2上の実装ポイントに移動し、当該ベアチップを実装基板2上に装する。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、多品種の部品に対応可能な多軸実装ノズル方式の部品実装装置において、各ノズルに対する加圧力調整が可能となる。
【0056】
また、固定軸を中心にして回転可能な回転体と、前記回転体の外周部から放射状に複数体立設され、実装基板上に実装する部品を保持する保持手段と、前記固定軸の一部に形成された切欠き部を介して摺動可能な前記保持手段の一端部に当接することで当該保持手段の加圧力を調整する調整機構とを具備したので、前記回転体の回転により実装基板上に位置された所望の保持手段にのみ、調整機構による加圧力調整が施されるため、各保持手段毎に調整機構を具備する必要がなく、装置構成のコンパクト化が図れる。
【0057】
更に、前記調整機構は、前記保持手段の一端部に当接する当接部と、当該当接部に連結される加圧力調整可能なボイスコイルモータとで構成されているため、当該ボイスコイルモータをプログラム制御することで、高精度な加圧力制御が可能になる。
【0058】
また、前記加圧力調整制御をロードセルにより監視しながら実装作業が行えるため、更なる実装精度向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される部品実装装置を示す平面図である。
【図2】本発明が適用される部品実装ユニットを示す側面図である。
【図3】本発明が適用される部品実装部を示す一部断面図である。
【図4】本発明が適用される部品実装部のボンディングヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
1 部品実装装置本体
2 実装基板
4 搬送機構
21 実装機構
22 ボンディングヘッド
23 固定軸
24 回転体
26 ボンディングノズル
31 当接レバー
33 ボイスコイルモータ
37 ロードセル

Claims (4)

  1. 固定軸を中心にして回転可能な回転体と、
    前記回転体の外周部から放射状に複数体立設され、実装基板上に実装する部品を保持する保持手段と、
    前記固定軸の一部に形成された切欠き部を介して摺動可能な前記保持手段の一端部に当接することで当該保持手段の加圧力を調整する調整機構とを具備したことを特徴とする部品実装装置。
  2. 前記調整機構は、前記保持手段の一端部に当接する当接部と、当該当接部に連結される加圧力調整可能なボイスコイルモータとで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。
  3. 前記調整機構は、前記保持手段の一端部に当接する当接部と、当該当接部に連結される加圧力調整可能な加圧力調整機構と、当該加圧力調整機構による加圧力を検出する検出機構とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。
  4. 前記加圧力調整機構がボイスコイルモータであり、前記検出機構がロードセルであることを特徴とする請求項3に記載の部品実装装置。
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