JP2007211269A - 突起付き部品のサイジング方法とサイジング設備 - Google Patents

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克仁 中澤
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Abstract

【課題】量産される突起付き焼結部品のコストを低減するために、回転テーブルを使用した搬送装置を使用して連続作業での効率的なサイジングを行えるようにすることを課題としている。
【解決手段】回転テーブル2に設けた貫通孔3に突起付き部品10を挿入してワークホルダで保持し、その保持を、貫通孔3の内側に向けて付勢された押し戻しの可能な複数の圧子4aで部品の下面の突起11を周方向両側から挟みつける方法で行い、ワークホルダによる支持状態を維持して突起付き部品10をワーク投入部からプレス部に搬送し、次いで、プレス部で上パンチ5による加圧を行ってその部品の貫通孔3からの押し出しとダイ6への押し込みによるサイジングを行い、その後、下パンチ7でダイ6から突き上げてワークホルダ4による部品の再保持を行い、次に、下パンチ7をダイ6の上面よりも下方に引き下げ、その後に回転テーブル2を回転させて突起付き部品をワーク排出部に搬送するようにした。
【選択図】図8

Description

この発明は、上面又は下面に突起を有する突起付き部品の焼結後の寸法矯正を連続作業で行えるサイジング方法とサイジング設備に関する。
焼結部品の製造では、粉末を成形する圧粉工程、得られた圧粉体の焼結工程を経た後、部品の寸法を矯正する目的で部品を金型で再圧縮するサイジング工程を経ることがなされている。寸法矯正のためのサイジングは、量産品の場合、通常、回転テーブルを備える搬送装置を使用して連続作業で行われるが、上面又は下面に突起を有する部品はその方法での連続作業ができない。
連続サイジングに支障をきたす部品の一例を図10に示す。この突起付き部品10は、下面に数個の突起11を有している。これを、回転テーブルでワーク投入部からプレス部に搬送してサイジングを行う場合、以下の工程を経る必要がある。
(1)回転テーブル2に設けた軸方向の貫通孔3に、ワーク投入部において突起付き部品10を収納し、この部品をダイ6やダイプレート(図示せず)で支え、回転テーブル2を回転させてプレス部に移動させる{図11(a)参照}。
(2)貫通孔3内の突起付き部品10を上パンチ5で押し下げてダイ6の成形孔6aに押し込み、上パンチ5と下パンチ7で加圧する。
(3)ダイの内部の突起付き部品10を下パンチ7で付き上げて回転テーブル2の貫通孔3内に戻す{図11(b)参照}。
(4)回転テーブル2を回転させてサイジングを終えた突起付き部品10を排出部に搬送する。
ところが、例示の部品10は、突起を有するため、サイジングの際に正確な位置決めが必要である。さらに、下面に突起11を有する場合にはその突起11が下パンチ7の成形面の凹部に入り込むので、ダイ6の成形孔6aから部品を抜き出す上記の(3)の工程で下パンチ7の一部を回転テーブル2の貫通孔3に入り込ませる必要があり、回転テーブル2が下パンチ7に、また、突起付き部品10が下パンチ7にそれぞれ引っ掛かるため、回転テーブルを使用できない。
そのために、図10のような突起付き部品のサイジングは、プレス機に対する部品の供給、サイジング後の部品の取り出しを作業者が1個ずつ手作業で行なわなければならず、人件費が嵩んでコストアップの要因となっていた。
ここで、下記特許文献1には、回転テーブル(ターンテーブル)に設けた収納孔に嵌合させて使用する矯正用治具が開示されている。その特許文献1の矯正用治具は、筒状をなす治具本体の内部に、ワーク支持具を設けてなる。ワーク支持具は、治具本体の内周面から出没自在の支持部材と、この支持部材を治具本体の内周面から突出する方向に付勢する付勢手段とで構成されるものと、Oリングなどの弾性体からなるものの2種類が開示されている。
この特許文献1の矯正用治具は、サイジング完了後のワークを下パンチで突き上げて回転テーブルの収納孔に戻し、中空支持の状態にして支持することができる。そのために、下パンチをワークから離脱させ、さらに、上昇した下パンチをテーブル回転に支障のない位置まで降下させて下パンチやワークの引っ掛かりを防止することができる。
しかしながら、被処理ワークが外周に径方向突出部のない図10のような突起付き部品であるときには、特許文献1が開示している方法での部品の位置決め、即ち、矯正用治具の内周面に凹溝を設けてその凹溝に前記径方向突出部を嵌合させる方法での周方向位置決めを行えず、それが原因で回転テーブルの使用が制限されるという問題がある。
特開平5−70807号公報
この発明は、量産部品のコスト低減のために、上記の問題を解決して回転テーブルを使用した連続作業での効率的なサイジングを行えるようにすることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、回転テーブルに設けた貫通孔に、上面又は下面に突起を有する突起付き部品を挿入し、その突起付き部品を各貫通孔の内部に設けたワークホルダで保持し、その保持を、前記貫通孔の中心側に向けて付勢された押し戻しの可能な複数の圧子で前記突起を周方向両側から挟みつける方法で行い、この保持状態を維持して突起付き部品をテーブル回転によりワーク投入部からプレス部に搬送し、次いで、搬送した突起付き部品を上パンチで加圧してその部品の前記貫通孔からの押し出しと下方に待機したダイへの押し込みによるサイジングを行い、その後、突起付き部品を下パンチでダイから突き上げてワークホルダによるその部品の再保持を行い、さらに、下パンチをダイの上面よりも下側に引き下げ、その後に回転テーブルを回転させて突起付き部品をワーク排出部に搬送するようにした。
このサイジング方法では、ワークホルダによる突起付き部品の保持を、前記圧子で部品を軸方向にも挟みつけて行うことができる。
この方法の実施に用いるサイジング設備は、突起付き部品をワーク投入部からプレス部、ワーク排出部の順に搬送する搬送装置を有し、その搬送装置が、回転中心と同心の円上に軸方向の貫通孔を周方向に間隔をあけて複数設けた回転テーブルと、各貫通孔の内部に設けるワークホルダとで構成され、さらに、各ワークホルダが、貫通孔の半径方向に間隔をあけて設けられる貫通孔の半径方向に進退可能な複数の圧子と、その圧子を貫通孔の中心側に向けて付勢する付勢手段によって構成されるものになる。この発明においては、かかるサイジング設備も提供する。なお、ワークホルダの圧子は、ボールや先端が半球状のボールブッシュが好ましい。
この発明の方法では、回転テーブルの貫通孔に挿入した突起付き部品を、前記貫通孔の内部に設けたワークホルダで保持する。そのため、サイジング後に下パンチで突き上げて回転テーブルの貫通孔に戻すワークを前記貫通孔の内部に中空支持の状態に支持することができ、下パンチをワークから離脱させ、さらに、上昇した下パンチをテーブル回転に支障のない位置まで降下させて回転テーブルが回転するときに下パンチやワークが引っ掛かることを防止することができる。
また、突起付き部品のワークホルダによる保持を、複数の圧子で部品の突起を周方向両側から挟みつけて行うので、部品の周方向の位置決めも同時に行われ、周方向の位置決めが不可避の部品のサイジングも支障なく行える。
このほか、前述の圧子としてボールやボールブッシュを使用するものは、突起に対する圧子の接触部に圧子の付勢方向と直角向きの分力を発生させてその分力で前記突起を周方向両側から挟みつけることができ、また、突起付き部品を上パンチで加圧して前記貫通孔から押し出すときの圧子の逃げと、下パンチで部品を突き上げて元に戻すときの圧子の逃げがスムーズに起こる。
以下、図10の突起付き部品10をサイジングするケースを例に挙げてこの発明の実施の形態を添付図面の図1〜図9に基づいて説明する。
図1及び図2に、サイジング設備の概略を示す。このサイジング設備は、図1に示すように、ワーク投入部31、位置検知部32、プレス部33及びワーク排出部34を有しており、回転テーブル2を備える搬送装置1を使用してワークである突起付き部品10をプレス部33に供給し、連続作業によるサイジングを行う。
回転テーブル2には、回転中心Cと同心の円上に軸方向の貫通孔3を定ピッチで設けてある。また、各貫通孔3の内部には、ワークホルダ4を設けてあり、ワーク投入部31において貫通孔3に挿入される突起付き部品10を、ワークホルダ4がダイ6やそのダイ6を支持するダイプレート8の上面から浮かせて保持し、この状態を維持して回転テーブル2を回転させ、ワーク投入部31において装填された突起付き部品10を位置検知部32、プレス部33、ワーク排出部34の順に搬送する。
ワークホルダ4は、図3に示すように、貫通孔3の半径方向に進退可能な圧子4aと、その圧子4aを貫通孔3の内側に向けて付勢する付勢手段4b(図のそれはコイルばね)
を、貫通孔3の周方向に間隔をあけて複数組設けて構成する。例示のワークホルダ4には、付勢手段4bの付勢力を調整するセットスクリュ4cも含ませたが、このセットスクリュ4cは必須の要素ではない。圧子4aは、図4(a)に示すボール、図4(b)に示す先端が半球状のボールブッシュのどちらかが好ましい。その理由は既に述べた。好ましい形態のワークホルダ4は、市販のボールプランジャを用いて構成することができる。
圧子4aは2個を対にして設け、その対の圧子4a、4aで部品10の下面に設けられた突起11の好ましくは根元部を周方向の両側から挟みつける。これにより、突起付き部品10は、下面が各圧子4aに支えられて水平に保持され、部品の周方向の位置決めも同時になされる。
位置検知部32では、突起付き部品10が貫通孔3に正しく挿入されているか、貫通孔3に対する部品の挿入漏れがないかを検出する。この位置検知部32を設けると、異常が発生したときにプレス部33での作業を止めてミスショットを防止することができる。
プレス部33にはサイジング用の金型とそれを駆動するプレス機9が設けられている。金型は、ダイプレート8に支持されたダイ6と、上パンチ5と、その上パンチに対向させた下パンチ7を組み合わせたものを示したが、突起付き部品10が貫通した孔を有し、その孔の内径面の矯正も同時に行う必要があるときには、内型となるコア(図示せず)が追加される。
この発明は、例えば、成形する部品が図10に示すように下面に突起を有し、しかもその突起の角にRを有するために金型強度上或いは製品機能上金型を分割することができず、一体型を使用する場合に特に効果がある。
なお、ワーク投入部31における貫通孔3への突起付き部品10の挿入は、作業者が手作業で行ってもよいし、ロボットハンドなどによる自動化作業で行ってもよい。
また、ワークホルダ4による突起付き部品10の保持は、図5に示すように、圧子4aで突起付き部品10を軸方向にも挟みつける方法で行ってもよい。
このように構成した例示のサイジング設備は、ワーク投入部31において回転テーブル2の貫通孔3に突起付き部品10を挿入し(図6参照)、ワークホルダ4で保持したその突起付き部品10を、回転テーブル2の回転によってプレス部33に搬送する。その後、上パンチ5を作動させ、この上パンチ5で貫通孔3内の突起付き部品10を押し下げる。このときに部品との接触部に作用する分力で圧子4aが付勢手段4bの力に抗して押し戻され、ワークホルダ4による保持が自然に解除されて突起付き部品10が貫通孔3から押し出される。この後、突起付き部品10は引き続いてダイ6の成形孔6aに押し込まれ、上パンチ5と下パンチ7に加圧されてサイジングが完了する(図7)。
以上の工程を経ると、下パンチ7が上昇し、ダイ6内の突起付き部品10を突き上げて回転テーブル2の貫通孔3に戻す。このとき、下パンチ7は、突起付き部品10がワークホルダ4によって再保持される位置まで上昇させて一旦貫通孔3内に入り込ませ(図8)、ワークホルダ4による突起付き部品10の再保持がなされたら、回転テーブル2が動き出す前に貫通孔3から抜け出す位置に降下させる(図9)。
このようにすることで、回転テーブルと下パンチの干渉、下パンチとサイジングを行う部品の干渉が回避され、下パンチと嵌合する突起を下面に備えた部品のサイジングを、回転テーブルを使った搬送装置を使用して連続作業で行うことが可能になる。
サイジングを終えた部品はワーク排出部34に搬送され、図示しないプッシュロッドで
貫通孔から突き落とすか又は突き上げて外して回収される。
なお、この発明の方法、設備でサイジングを行う部品は、図10に示す形状のものに限定されない。上面又は下面に突起(その形状大きさは任意)を備えた部品であればよい。
実施例のサイジング設備のワーク投入部等の配置を示す平面図 実施例のサイジング設備のプレス部の構成要素を示す断面図 回転テーブルのワークホルダ設置部の詳細を示す平面視断面図 (a)ワークホルダの構成要素の一例を示す断面図、(b)ワークホルダの構成要素の他の例を示す断面図 突起付き部品を軸方向にも挟みつける例を示す断面図 回転テーブルの貫通孔に突起付き部品を装填した状態の断面図 サイジング完了時の状態を示す断面図 下パンチによる突き上げ状態を示す断面図 突き上げ後の下パンチの引き下げ状態を示す断面図 サイジングする突起付き部品の一例を示す斜視図 (a)従来考えられる方法での部品搬送状態を示す断面図、(b)下パンチが回転テーブルと干渉する部品の突き上げ状態を示す断面図
符号の説明
1 搬送装置
2 回転テーブル
3 貫通孔
4 ワークホルダ
4a 圧子
4b 付勢手段
4c セットスクリュ
5 上パンチ
6 ダイ
6a 成形孔
7 下パンチ
8 ダイプレート
9 プレス機
10 突起付き部品
11 突起
31 ワーク投入部
32 位置検知部
33 プレス部
34 ワーク排出部

Claims (4)

  1. 上面又は下面に突起(11)を有する突起付き部品(10)を、回転テーブル(2)に設けた貫通孔(3)に挿入し、その突起付き部品(10)を各貫通孔(3)の内部に設けたワークホルダ(4)で保持し、その保持を、各々が前記貫通孔(3)の中心側に向けて付勢された押し戻しの可能な複数の圧子(4a)で前記突起(11)を周方向両側から挟みつける方法で行い、この保持状態を維持して前記突起付き部品(10)をテーブル回転によりワーク投入部(31)からプレス部(33)に搬送し、次いで、搬送した突起付き部品(10)を上パンチ(5)で加圧してその部品の前記貫通孔(3)からの押し出しと下方に待機したダイ(6)への押し込みによるサイジングを行い、その後、突起付き部品(10)を下パンチ(7)でダイ(6)から突き上げて前記ワークホルダ(4)によるその部品の再保持を行い、さらに、下パンチ(7)をダイ(6)の上面よりも下側に引き下げ、その後に回転テーブル(2)を回転させて突起付き部品(10)をワーク排出部(34)に搬送する突起付き部品のサイジング方法。
  2. ワークホルダ(4)による突起付き部品(10)の保持を、前記圧子(4a)で突起付き部品(10)を軸方向にも挟みつけて行う請求項1に記載の突起付き部品のサイジング方法。
  3. 上面又は下面に突起(11)を有する突起付き部品(10)をワーク投入部(31)からプレス部(33)、ワーク排出部(34)の順に搬送する搬送装置(1)を有し、その搬送装置(1)が、回転中心と同心の円上に軸方向の貫通孔(3)を定ピッチで複数設けた回転テーブル(2)と、各貫通孔(3)の内部に設けるワークホルダ(4)とで構成され、さらに、前記ワークホルダ(4)が、前記貫通孔(3)の周方向に間隔をあけて設けられる貫通孔(3)の半径方向に進退可能な複数の圧子(4a)と、その圧子(4a)を前記貫通孔(3)の中心側に向けて付勢する付勢手段(4b)によって構成され、
    前記貫通孔(3)に挿入される突起付き部品(10)を、前記圧子(4a)で前記突起(11)を周方向両側から挟みつけて保持し、この保持状態を維持して突起付き部品(10)をテーブル回転によりワーク投入部(31)からプレス部(33)に搬送し、次いで、搬送した突起付き部品(10)を上パンチ(5)で加圧して前記貫通孔(3)からの押し出しと下方に待機したダイ(6)への押し込みによるサイジングを行い、その後、突起付き部品(10)を下パンチ(7)でダイ(6)から突き上げ、ワークホルダ(4)による突起付き部品(10)の再保持とその後の下パンチ(7)の引き下げを行ってテーブル回転によりワーク排出部(34)に搬送するようにした突起付き部品のサイジング設備。
  4. 前記圧子(4a)が、ボール又は先端が半球状のボールブッシュである請求項3に記載の突起付き部品のサイジング設備。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011219792A (ja) * 2010-04-06 2011-11-04 Mitsubishi Materials Techno Corp サイジングプレス機
JP2014148757A (ja) * 2014-04-18 2014-08-21 Mitsubishi Materials Techno Corp サイジングプレス機
JP2014156659A (ja) * 2014-04-18 2014-08-28 Mitsubishi Materials Techno Corp サイジングプレス機

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