JPH038871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、回転継手管内に嵌装されるシールド
用の駒体を、該継手管を構成する相互部材の締合
い際し、該継手管内において傾斜可能になし、継
手管構成部材の相互の締着において厳密な芯出し
処理を施すことなく、的確な締着シールドを約束
したスイベルジヨイントの開示に係わるものであ
る。

〔従来の技術〕

従前におけるこの種の管継手においては、連結
管部一方を回転自在とすることが、各種機器に対
する組み込み、あるいはホース等のジヨイントに
おいて特に要請され、その回転機能とシールド機
能との両面における改良が種々試みられてきたも
のである。

又、この種の管継手においては導通する液体あ
るいは気体等の関係よりして、ある程度定時的な
点検再組付けと、供給をなす流体の供給先の随意
的な変更が往々にして要請され、継手部の簡便な
離脱と的確な再組付け及び使用ホースのネジレを
極力抑止することが特に要請されたものである。

かゝる各要請よりして従前におけるホース連結
用継手管類においては、第６図示されるように継
手管を、一方のホースを連結する連結管ｓと他方
のホースが連結される雄螺子管ｔとからなる分離
可能な別部材で構成し、相互部材を水密的に当接
させることにより、継手部分となるホース連結管
ｓの回転をなすようにしたものが案出されたもの
であるが、同手法においては相互部材間の水密性
の維持が該相互部材間の当接力に依存されている
ため、実質的な意味において回転部材とされるホ
ース連結管ｓが雄螺子管ｔをもつて過度に緊圧さ
れ、連結管ｓの円滑な回転が阻害されたものであ
る。

又、かゝる不都合を回避する目的をもつて案出
された第５図に係る継手管においては、連結管ｓ
と雄螺子管ｔとを管状部材の夫々の端部に設ける
ようになし、しかも該連結管ｓと雄螺子管ｔとが
直接当接しないようにシールド駒を両部材間に介
装したものであるが、同手法においても連結管ｓ
を管状部材の前側部より嵌脱するため、使用時に
おける該連結管ｓの抜出しを阻止する部材を設け
なくてはならず、部品点数が多くなり、且つ継手
管の径寸法も必然的に大きくなることから、実際
の使用には耐え難いものであつた。

更に第４図は、特開昭49−41933号において出
願人が改良を試みてきた継手管の一手法を示すも
のであり、構成部材数の削減を図るために該連結
管ｓと雄螺子管ｔとが連結される管状部材を袋ナ
ツト状のものとしたものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかして、第４図に示される継手管は、第３図
の継手管同様連結管ｓと雄螺子管ｔとの間であつ
て、該連結管ｓと雄螺子管ｔとが連結される袋ナ
ツトｖ内にシールド駒ｕが遊嵌された状態で介装
されているものとなつているが、該袋ナツトｖに
対するシールド駒ｕの遊嵌にあつては該シールド
駒ｕが傾斜し得るような遊び幅がなく、したがつ
て袋ナツトｖと雄螺子管ｔとの中心線が一致して
いないような場合、本来袋ナツトｖないし雄螺子
管ｔとの水密的な当接によつてシールされるべき
シールド駒ｕの両端面部において液体等の漏洩箇
所とされる間隙ｍ，ｎを発生させたものである。

尚、かかるシールド駒ｕに代るべきものとして
硬質ゴムパツキング材を介装することも試みられ
たものであるが、雄螺子管ｔの必要以上の締付け
を誘起し易く、パツキング材の変形を招来し、又
反復した締着においてパツキング材の当接面に傷
をもたらし、そのシールド効果を極端に減じたも
のである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係るスイベルジヨイントは、かゝる従
前における要請に応答するものとして特に開示さ
れたものであり、継手管内部にシールド用の駒体
を遊嵌し、しかも、この駒体の締込みに一定の遊
びを持たせることによつて確実な締付けシールド
と、良好な回転特性とを継手部に付与せしめると
共に再組付けにおいても嵌装駒の離脱が確実に抑
止され、しかも締込みすぎ、あるいは締込みにお
ける偏りを確実に防止するために、順次内奥に向
けて雌螺子部と、膨成室部と、縮径の嵌合部とを
連続させる袋ナツトに、一方端に膨大嵌合部が、
他方端に細径管部が設けられたホース連結管を開
口端より嵌挿し、該連結管における細径管部を該
袋ナツトの内奥から外側方に突出させ、回転自在
に嵌合せしめるようになすと共に、周側部に雄螺
子部が設けられ、且つ両端面がテーパ面とされる
短寸管状のシールド駒を、前記袋ナツトにおける
雌螺子部側より螺入し、該袋ナツトの内奥膨成室
部に遊嵌させるようになし、前記袋ナツトにおけ
る縮径の嵌合部と、膨成室部との間の段縁に該シ
ールド駒における一方のテーパ面を当接自在と
し、且つ該袋ナツトにおける雌螺子部に螺挿され
る雄螺子管の管端開口部の内周面に設けられるテ
ーパ面をもつて前記シールド駒の他方のテーパ面
を押圧し、該シールド駒における各テーパ面を該
袋ナツトの段縁及び該雄螺子管におけるテーパ面
に水密的に密着せしめるようにしたスイベルジヨ
イントを構成するにあたり、該袋ナツトにおける
膨成室部の内周径を、該シールド駒が該袋ナツト
の膨成室部内において、傾斜並びに揺動可能に遊
嵌される程度前記シールド駒における雄螺子部の
外径よりも大径になした点に置いたものである。

〔実施例〕

以下本考案に係るスイベルジヨイントの典型的
な一実施例を添付の図面について説明するに、１
は袋ナツトを、２はこの袋ナツトに回転可能に嵌
装されるホース連結管を、３は袋ナツト１の膨成
室部１ｂ内に遊嵌されてシールド面を提供するシ
ールド駒を、又４は前記袋ナツト１に螺挿され該
シールド駒３を押圧シールドする雌螺子管を示し
たものである しかして、用意される袋ナツト１は、その開口
部より雌螺子部１ａ、膨成室部１ｂ、嵌合部１ｃ
を順次内奥に向けて連続させ、該雌螺子部１ａは
シールド駒３と、雄螺子管４の螺挿に供されたも
のである。又該袋ナツト１における膨成室部１ｂ
は、この螺挿されたシールド駒３が遊嵌されるに
充分な膨室構造とし、シールド駒３と室壁との間
に特に該シールド駒３が傾斜並びに揺動し得るよ
うな間隙ｘを設けたものである。

又、該袋ナツト１には膨成室部１ｂより縮幅と
される嵌合部１ｃの内奥に、前記ホース連結管２
の膨大嵌合部２ａに係当する内周鍔１ｅが設けら
れており、該袋ナツト１に嵌挿されるホース連結
管２の一側部には、前記袋ナツト１における嵌合
部１ｃ内に嵌合される膨大嵌合部２ａが、他側部
にはホースの嵌着管部２ｂを設け、且つ該膨大嵌
合部２ａに設けられる周凹溝２ｃにパツキング５
を介装したものである。

次いで、袋ナツト１の雌螺子部１ａに螺挿され
る雄螺子管４は、螺挿内側の管端開口部をテーパ
面４ａとし、他方管部をホースの嵌着部４ｂとし
たものである。

かくして構成される継手管内に遊嵌されるシー
ルド駒３は、短寸管状をなす本体の両端面の外周
縁部にテーパ面３ｂ，３b′を設けると共に、この
テーパ面３ｂ，３b′間の周側面に前記雌螺子部１
ａに螺合する雄螺子部３ａが設けられたものであ
る。

〔作用〕

該袋ナツト１の一方開口部より縮径の嵌合部１
ｃに向けてホース連結管２を嵌挿し、次いでシー
ルド駒３を螺入して、雌螺子部１ａより膨成室部
１ｂ内に落し込むことにより、該シールド駒３は
該膨成室部１ｂの内壁とシールド駒３の外周との
間に設けられる間隙ｘ分該膨成室部１ｂ内におい
て傾斜並びに揺動可能とされたものであり、かゝ
る状況のもとにおいて、雄螺子管４を袋ナツト１
に螺入することによつて、シールド駒３のテーパ
面３ｂ，３b′は雄螺子管４のテーパ面４ａないし
袋ナツト１における段縁１ｄとに圧着され相互部
材間の密着性を保ちながら、その締着動作を終了
したものである。

〔考案の効果〕

従つて、袋ナツト１に嵌挿された連結管２の回
転を阻害する他の部材の加圧ないしは締付けは一
切なく、該連結管２は自由に回転し得る状態に置
かれたものであり、しかもシールド駒３は間隙ｘ
相当分いずれかの向きに傾斜可能とされ、袋ナツ
ト１における開口部の中心線ｙと、雄螺子管４に
おける開口部の中心線y′とが同軸線上において一
致しない場合においてもシールド駒３の両端面に
設けられるテーパ面３ｂ，３b′と雄螺子管４の一
方開口端に設けられるテーパ面４ａ並びに袋ナツ
ト１における段縁１ｄとは確実に密着して、本来
この種の継手管を構成する各構成部材において要
請される精密な芯出し処理並びにシール補助材の
使用を不要としたものである。

又、嵌挿されたシールド駒３は膨成室部１ｂ内
に遊嵌された場合、雌螺子部１ａの存在により、
その落下ないし抜出しが確実に抑止され、継手部
分の変更、殊に供給ホース等の予期せざる事故の
発生を未然に防止し得たものである。

如上におけるとおり、本考案に係るスイベルジ
ヨイントは、シールド駒３の遊嵌部分となる膨成
室部１ｂに該シールド駒３が傾斜並びに揺動し得
る程度の間隙ｘを設けることにより、従前例にお
ける継手管が内包していた諸問題を一掃し、連結
管の優れた回転機能と容易な脱着機能とが特に保
障されたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスイベルジヨイントの典
型的な一実施例を示す断面図、第２図は同要部拡
大断面図、第３図は中心線が異なる場合の要部拡
大断面図、第４図〜第６図は従前例を示す断面図
である。 尚、図中１……袋ナツト、２……ホース連結
管、３……シールド駒、４……雄螺子管、５……
パツキングを示したものである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 順次内奥に向けて雌螺子部１ａと、膨成室部１
   ｂと、縮径の嵌合部１ｃとを連続させる袋ナツト
   １に、一方端に膨大嵌合部２ａが、他方端に細径
   管部２ｂが設けられたホース連結管２を開口端よ
   り嵌挿し、該連結管２における細径管部２ｂを該
   袋ナツト１の内奥から外側方に突出させ、回転自
   在に嵌合せしめるようになすと共に、周側部に雄
   螺子部３ａが設けられ、且つ両端面がテーパ面３
   ｂ，３b′とされる短寸管状のシールド駒３を、前
   記袋ナツト１における雌螺子部１ａ側より螺入
   し、該袋ナツト１の内奥膨成室部１ｂに遊嵌させ
   るようになし、前記袋ナツト１における縮径の嵌
   合部１ｃと、膨成室部１ｂとの間の段縁１ｄに該
   シールド駒３における一方のテーパ面３ｂを当接
   自在とし、且つ該袋ナツト１における雌螺子部１
   ａに螺挿される雄螺子管４の管端開口部の内周面
   に設けられるテーパ面４ａをもつて前記シールド
   駒３の他方のテーパ面３b′を押圧し、該シールド
   駒３におけるテーパ面３ｂ，３b′を該袋ナツト１
   の段縁１ｂ及び該雄螺子管４におけるテーパ面４
   ａに水密的に密着せしめるようにしたスイベルジ
   ヨイントにおいて、 該袋ナツト１における膨成室部１ｂの内周径
   が、前記シールド駒３における雄螺子部３ａの外
   径よりも大径とされ、該シールド駒３が該袋ナツ
   ト１の膨成室部１ｂ内において、傾斜並びに揺動
   可能に遊嵌されていることを特徴とするスイベル
   ジヨイント。