JPH038866A - 炭素繊維強化炭素複合材料 - Google Patents

炭素繊維強化炭素複合材料

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JPH038866A
JPH038866A JP1138182A JP13818289A JPH038866A JP H038866 A JPH038866 A JP H038866A JP 1138182 A JP1138182 A JP 1138182A JP 13818289 A JP13818289 A JP 13818289A JP H038866 A JPH038866 A JP H038866A
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昭 小島
Sugiro Otani
大谷 杉郎
Osamu Tsuji
理 辻
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利明 立田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、炭素繊維とその複合材料に関するものであ
る。さらに詳しくは、この発明は、複合材料の機械的特
性を高めるために、炭素繊維の表面を改質し、これを用
いて炭素繊維強化セメント複合材料、炭素繊維強化樹脂
複合材料および炭素繊維強化炭素複合材料としてなる炭
素繊維とその複合材料に関するものである。
(従来の技術およびその課題) 機械的特性や財腐食性等にすぐれた炭素繊維は、それの
みで使用することは極めて少なく、複合材料の強化材と
して用いられるのが通例である。このような炭素繊維を
強化材とする複合材料の強度は、−役向には、■強化材
の強度、■マトリックスの強度、■マトリックスと強化
材との界面における接着強度等によって決定される。■
および■に関しては、多くの検討が試みられているが、
■についてはほとんど検討されてきてはいない。■に関
して検討する場合には、普通、2つの観点から行ってい
る。一つは母材(マトリックス)の構造制御あるいは組
成制御であり、もう一つはマトリックスとの接着状況が
良好となるように、強化材の表面を改質することである
。しかしながら、これらのことは、炭素繊維を強化材と
する複合材料の分野では、余り試みられてはいないのが
現状である。
その一方で、セメント系材料の強化材として炭素m維を
使用することを検討してもいる。この場合に使用するこ
とのできる炭素m維としては、長さ4闇から10Iul
程度のチョップトストランド状の短い炭素l#I維であ
り、これをオムニミキサーを使用し、モルタル中に分散
させ、型枠中に流し込んだ後、オートクレーブ中で養生
して、強化セメント複合材料を製造している。しかしな
がら、炭素繊維の表面上には、マトリックスとの接着を
確保する結合点を有していないために、炭素繊維とセメ
ント水和物との接着は良好ではなく、複合材料としての
強度やその他の機能が発揮しにくいという欠点がある。
そこで、−役向には、炭素繊維表面上には使用する用途
に応じた表面処理を施している。たとえば、炭素繊維強
化樹脂複合材料を製造する場合には、マトリックスとな
るエポキシ樹脂やフェノール樹脂等との親和性が高いよ
うに炭素繊維表面を改質している。また炭素繊維強化セ
メント複合材料の場合には、セメント水和物との接着力
が良好となるように、炭素繊維表面を親水性に改質して
いる。
このような炭素繊維の表面処理法に→よ、多くの方法が
これまでに知られてもいる。たとえば、(1)硝酸、ク
ロム酸塩および次亜鉛素酸等を用いる薬液酸化、(2)
各種電解質中での電Rギ酸化、(3)空気、酸素、オゾ
ン、窒素酸化物およびハロゲンガス等を使用して行なう
気相酸化等が知られている。これらの中では、(2)の
電解酸化が広く行なわれている。しかしながら、上記し
たような薬8!酸化法や電解酸化法の場合には、湿式酸
化処理であるため、水洗や乾燥等の後処理が必要であり
、好ましい方法とはいい難い。一方、気相酸化法は、乾
式酸化処理であるなめ、水洗等の後処理が不用であり、
連続処理や大量処理には最も有用な方法であり、オゾン
処理や空気中での加熱処理は、これまでに多数試みられ
てきている。しかしながら、その一方で、気相酸化法に
も依然として解決しなければならない課題が少なくない
のが実状である。
気相酸化法の一つとして、酸素ガス中で発生させた低温
プラズマを利用する方法が知られている。
この低温プラズマを用いた炭素繊維の表面処理法におい
ては、酸素プラズマ中に存在するイオン、電子、ラジカ
ル等が、炭素繊維の表面にカルボキシル基、エーテル結
合およびラクトン等の含酸素基に導入し、炭素繊維表面
を親水性に改質し、炭素繊維中のラジカル濃度を高め、
活性にとんだ表面へと改質している。低温プラズマで発
生したイオンやラジカル等は、極めて高いエネルギーを
有するため、表面から深さ100QA程度にまで侵入す
ることができる。この処理を行なった炭素繊維をセメン
ト系複合材料あるいは樹脂系複合材料の強化材として用
いた場合には、炭素la維とマトリックスとの接着は良
好となり、優れた機械的特性を有する。
しかしながら、低温プラズマ処理は、処理槽内1 を少なくとも10〜10 ’Torrの真空にすること
が不可欠であり、各種の真空ポンプが必要になるという
欠点がある。また、炭素繊維製のフィラメント、織物、
フェルトおよびペーパー等を大量に、しかも連続的に処
理する場合には、設備が高コストになるという問題があ
り、空気の主成分である酸素や窒素等のプラズマの場合
にはそれほど大きな間頭とはならないものの、四弗化メ
タン、アンモニア、アルゴン等のプラズマで処理する場
合には、処I!!!槽内を空気と遮断することが必要で
あるなめ、この点において表面処理装置開発の支障にも
なっていた。
さらには、処理後の炭素繊維の機能安定性についての問
題もあった。すなわち、低温プラズマ処理の場合には、
炭素繊維の構造によってそのi能の安定性が異なり、こ
のなめ、非晶質のものは安定性が大きいものの、結晶性
の高い場合には、早期に機能が失活しやすかった。
この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもので
あり、従来の炭素繊維の表面改質についての欠点を解消
し、複合材料の機械的特性を向上させることのできる改
善された炭素繊維とこれを用いた炭素繊維強化セメント
複合材料、炭素繊維強化樹脂複合材料および炭素繊維強
化炭素複合材料を提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記の課題を解決するものとして、オゾン
雰囲気下に紫外線照射して光酸化処理してなることを特
徴とする炭素繊維とこれを用いてなる炭素繊維複合材料
を提供する。
光酸化法は、紫外線−オゾン処理法ともよば、れ、すで
に半導体工業ではフォトレジストのストリッピング処理
やシリコンウェファ−のクリーニング等に利用されてい
るものである。この方法は、紫外線照射と高濃度オゾン
を併用していることから、(1)効率の高いストリッピ
ング処理とクリーニング処理とが可能であること、(2
)プラズマ処理に比べ、電界によって生じた電子やイオ
ンによる素材表面へのダメージがないこと、(3)大気
圧下で処理することができるなめ、真空システムが不用
であることなどの特徴を有している。
この発明においては、炭素繊維を表面処理するに際して
、低圧水銀灯から発生する紫外線を大気圧下で炭素繊維
表面に照射する。低圧水銀灯からは184.9r+nと
253.7nn+の波長を有する紫外線が照射されるが
、−役向に、後者の紫外線が多く、全体の90%を占め
ている。184.9nlの紫外線は、大気中の酸素に吸
収され、オゾンを発生させる。
発生したオゾンは、253.7nnの紫外線を吸収し、
原子状の酸素となる。この原子状の酸素は強力な酸化剤
となり、炭素繊維表面を酸化することができる。紫外線
の有するエネルギーは、184.9niの光では、t5
5Kcal/mol、253.7r+nでは113にc
al/molであるため、これによって炭素繊維表面に
存在するC−C結合(結合エネルギー83.1にcal
/l1ol) 、C−H結合(98,8にcak/lo
 l )およびC−O結合(84,0にcal/nol
)等の結合を解離させることができる。その結果、炭素
繊維表面上の汚染物質は除去され、清浄な表面にするこ
とができ、その表面を親水性に改質することらできる。
たとえば、光酸化処理を行う前の炭素繊維は、水中に入
れても沈下せず、水面上に浮いたままであるが、処理後
には、水中に沈下する。このなめ、光酸化処理した炭素
繊維をセメントおよび水からなるセメントペースト中に
浸漬すると、セメントペーストを極めて速くこの炭素繊
維中にしみこませることができる。
光酸化処理装置は、大別すると次に示したような3つの
部分の構成を有している。(1)オゾン発生装置、(2
)低圧水銀灯、および(3)炭素繊維加熱装置である。
オゾンは、酸素ボンベから供給される酸素をオゾン発生
器(オゾナイザ−)中を通過させることにより生成する
。低圧水銀灯は、紫外線を発生させるためのもので、石
英製の外套に入れ、炭素繊維を設置する基板(直径20
0nm)上に、−様に紫外線が照射されるように渦巻き
状としている。炭素繊維を設置する基板は、温度調節器
により室温から300°Cまで加熱することができるよ
うにしてもいる。また、光酸化反応が、均一に行なわれ
るように、基板を回転させることもできる。
照射光としては、たとえば184.9nmと253、7
nnの波長を有する紫外線を用いることができるが、特
にこれらに制限されることはなく、これら以外の波長を
有する光でもかまわない。
光酸化反応を行なえる炭素繊維についても特に制限はな
く、PAN系、ピッチ系、カイノール系、レーヨン系等
の任意のものを使用することができる。また、その形状
としても格別の制限はなく、フィラメント、チョップト
ストランド、シート、ベーパー、フェルト、マットある
いは織物等の任意のものとすることができる。
また、この発明は、光酸化処理を行なった炭素繊維にセ
メントペーストを含浸させ、そのまま、または積層して
硬化させてなることを特徴とする炭素繊維強化セメント
複合材料をも提供する。
炭素繊維強化セメント複合材料に用いることのできるセ
メントについては特に制限はなく、通常のポルトランド
セメント、アルミナセメント、スラグセメント等の適宜
なものとすることができ、比表面積7500〜8500
a&/g程度の極微粉末セメントを好適なものとして例
示することができる。
さらにこの発明は、光酸化処理した炭素繊維に熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂、あるいはピッチを含浸、もしくは
塗布し、そのまま、あるいは積層硬化させてなることを
特徴とする炭素繊維強化樹脂複合材料を提供するもので
もある。
この炭素繊維強化樹脂複合材料のマトリックス樹脂の種
類については特に制限はなく、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂
、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
アミド等の熱可塑性樹脂、あるいはコールタールピッチ
、石油ピッチ等のピッチなどの任意のものを使用するこ
とができる。
さらにまた、この発明は、樹脂複合材料をさらに炭素化
させてなる炭素繊維強化炭素複合材料をも提供するもの
である。
炭素繊維強化複合材料中の炭素繊維含有率は、たとえば
炭素繊維からなるベーパーを使用する場合には、その積
層枚数等によって調節することができ、複合材料の強度
や、その他の緒特性に応じて適宜なものとすることがで
き、複合材料の機能性を任意に制御することができる。
(実施例) 以下、実施例を示し、この発明の炭素繊維およびその複
合材料についてさらに詳しく説明する。
1〜51 炭素繊維として、ピッチ系のフィラメント状体を用い、
これを紙枠(長さ10■、幅5(2))に添付した。そ
の際、炭素繊維フィラメントとが互いに重ならないよう
に、1cI11の間隔を開けた。これを光酸化処理装置
(サムコインターナショナル研究所製(UV−1) )
の反応処理装置内の基板(直径20 am )上に配置
した。光酸化処理用の低圧水銀灯としては、渦巻き状の
ものとし、炭素繊維が均一に照射されるようにしな。ま
た、水銀灯と炭素繊維との距離は、2.5 (!IIと
した。その後、室温(実施例1)に保持、または加熱装
置により100℃(実施例2 ) 、150℃(実施例
3)、200°C(実施例4)および250℃(実施例
5)に加熱した。この中に酸素ボンベから毎分1リツト
ルの割合で酸素を送り込み、オゾンを発生させ、出力1
20 W″′C−紫外線をまず片面に7分間照射し、そ
の後試料を裏がえして5分間照射した。
使用した光酸化処理装置内のオゾナイザ−は、ガラス管
(直径30M、長さ240am)の外側に外部電極とし
て銅線を巻き、このガラス管の内側に内部電極としてス
テンレスパイプ(直径12■)を配置したものであった
。これらの二つの電極間にネオントランスを用いて12
にVの交流電圧を印加し、オゾンを発生させた。照射し
た紫外線の波長は、253.7nl′Iおよび184.
9r+nであった。また、残留オゾンと酸化生成ガスは
、350℃に加熱したスクラバー中に排気した。さらに
、処理後の残留オゾンを除くために、窒素ガスを導入し
てパージした。
処理後の炭素繊維フィラメントは、水の入っているビー
カー中に入れると、すぐに沈下した。処理面(比較例1
)のものは、沈まずに水面上に浮いていた。
表面は改質し、親水性を有する炭素繊維フィラメントで
あることが確認された。また、処理後の炭素繊維表面を
走査型電子顕微鏡で観察したが、処理の有無による違い
は認められなかった。
次いで、光酸化処理を行なった炭素1維について、FT
−IR分析を行なったところ、1725cm−’付近に
カルボニル基の吸収が確認された。
また、処理後の炭素繊維フィラメントの、繊維径、引っ
張り強度、弾性率および伸度を測定した。
その結果を表1に示しな。表1からも明らかなように、
光酸化処理による機械的特性の低下は確認されなかった
表1 −   6〜92 第1図にシステムフローとして示したブロック図にした
がって、炭素繊維強化セメント複合材料を製造した。炭
素m維として、PAN系の炭素繊維を用い、長さ20m
程度に切断し、これをランダムに配列して炭素繊維ペー
パー(厚さ0.3+u+、目付33ir/rrr)を作
成した。この炭素繊維ベーパー(幅4aso、長さ83
)を処理槽内の基板上に一枚ずつ並べ、光酸化処理を行
なった。その際の、基板温度は、室温、100℃、15
0°Cおよび200℃とした。その他の処理条件は、印
加電圧120W、導入酸素i毎分1リットルで、処理時
間はいずれの場合も片面のみ6分とした。
処理前後の炭素繊維ペーパーの水に対しての挙動を調べ
たところ、処理前のものは、水中に入れてもすぐには沈
まなかったが、光酸化処理後のものは、すみやかに沈下
した。光酸化処理により表面は改質し、親水性を有して
いることが確認された。FT−IR分析の測定結果では
、光酸化処理t&。炭素機□−/< −C:cF>み1
725aa−1′付近4.カフ。
ボニル基に起因する吸収が認められた。また、処理後の
炭素繊維表面を走査型電子顕微鏡で観察したが、いずれ
の処理温度でも、エツチングは確認されなかった。
次いで、室温から200℃までの各温度で光酸化処理を
行なっ゛た炭素繊維ペーパーに、アルミナセメント(比
表面積8GOOall/ g )のペーストを含浸させ
た。この場合の水/セメント比は0.3としな。
セメントペーストを含浸させた炭素繊維ペーパー12枚
を厚さ6【−イの型枠中に積層し、4日間水中養生して
、炭素繊維強化セメント複合(幅4■、長さ8ao、厚
さ0.6■)板を製造した。この中の炭素繊維含有率は
、およそ3VO1%であった。得られた炭素繊維強化セ
メント複合板の嵩密度は、実施例6〜9のいずれの試料
でも、1.9g/am’であった。
曲げ強度を三点曲げ試験法で求めた。その結果を表2に
示した。未処理の炭素繊維ベーパーを用いて製造した炭
素繊維強化セメント複合板(比較例2)では、その破壊
荷重は約60婚で、曲げ強度は30HPaであった。こ
れに対し、光酸化処理を行なった炭素繊維ペーパーを用
いて製造した複合板(実施例6〜9)では、処理温度に
かかわらず90〜100ktl:の破壊荷重と50〜6
5HPaの曲げ強度を示し、光酸化処理をしない比較例
2の試料よりも1.5倍〜1.8倍程度強度が向上した
。その中でも、特に150″Cに加熱した基板上で処理
した炭素m維ベーパーからなる炭素繊維強化セメント複
合板(実施例8)は、最も高い機械的強度を示した。ま
た、最大荷重時のたわみ量も、この処理によって1.2
〜1.4倍はど増加することか確認された。
さらに、実施例6〜9の試料は、10−1〜10−2Ω
・儂の高い電気伝導性や、金属に匹敵する高い電磁波遮
蔽性を有するとともに、極めて堅牢で光沢を有する表面
であった。
表  2 10      3 第2図にシステムフローとして示したブロック図にした
がって、炭素繊維強化樹脂複合材料を製造した。実施例
6〜9と同様に炭素繊維ペーパー(幅4cm、長さ4■
)を光酸化処理槽内に一枚ずつ並べ、表面処理した。そ
の際の処理条件は、基板温度150℃、印加電圧120
W、導入酸素量毎分1リツトルとし、処理時間は、片面
のみで6分間とした。光酸化処理した炭素a維ベーイ(
−を、レゾール型フェノール樹脂溶液(vA脂含有量3
5vat%、メタノール65vo1%)中に1日間浸漬
した。これを樹脂溶液中から取り出し、風乾後、80℃
の乾燥8中に入れ、樹脂がベトつかない程度まで硬化さ
せた。その際の付着樹脂量は、炭素繊維重量の2.5倍
となるよう調節した。次いで、樹脂を含浸させた炭素繊
維ペーパーを40枚積層し、二枚のステンレス板の間に
挿入した。二枚のステンレス板の間には、厚さ2nmの
スペーサーを入れ、試料の厚さを調節した。これを15
0°Cに加熱しておいたホットプレス中に入れ、180
kg/C11iの圧力を加え硬化させた。さらに、加圧
したままの状態で180℃まで加熱した。ホットプレス
から取り出した試料を200℃に加熱しておいた恒温槽
中に入れ、3日間、後硬化処理を行なった。得られた試
料の大きさは、gl 4 am、横4011、厚さ2噛
であった。
このようにして製造した炭素繊維強化樹脂複合材料の嵩
密度を測定した。その結果を表3に示しな、この表3か
らも明らかなように、比較例3の未処理の樹脂複合材料
の嵩密度は1.0〜1.1g/■1であったのに対し、
光酸化処理した実施例10の試料では1.2〜1.3g
/am’と高くなった。tた、これらの試料について、
三点曲げ試験装置(支点間圧1i 20 m )で、曲
げ強度および曲げ弾性率を求め、その結果を表3に併せ
て示した。
比較例3の未処理の炭素繊維強化樹脂複合材料の場合に
は、その破壊荷重は15kgで、曲げ強度は708Pa
と低い値を示したのに対1、光酸化処理した実施例10
の炭素繊維強化樹脂複合材の場合には、60kgの破壊
荷重と280HPaの曲げ強度を示し、処理をしない場
合(比較例3)よりも4倍程度強度が向上しな。また、
曲げ弾性率も紫外線−オゾン処理によって、向上するこ
とが確認された。
曲げ試験時の荷重−たわみ曲線を第3図に示しな、紫外
線−オゾン処理を行なった実施例10の試料の場合には
、第3図図中に実線で示したように、最大荷重時から一
気に低下しているが、処理なしの比較例3の場合には図
中破線で示したように、最大荷重も小さく、しかも何段
階かにわたる破壊が発生した0曲げ試験後の試料の破壊
状況を観察したところ、光酸化処理の行なわなかった比
較例3の炭素繊維強化樹脂複合材料の場合には、炭素繊
維ペーパーの層間で剥離が発生した。一方、光酸化処理
を行なった実施例10の炭素繊維強化樹脂複合材料の場
合には、眉間で剥離しなかった。
破断面や第3図に示した荷重−たわみ曲線の相違からも
明らかなように、光酸化処理によって、炭素繊維とマト
リックス樹脂どの接着力が向上したことが確認された。
注) 表 光酸化処理時の基板温度: 150℃ 11      4 第2図にシステムフローとして示したブロック図にした
がって、炭素繊維強化炭素複合材料を製造した。実施例
10の炭素繊維強化樹脂複合材料を、横型管状炉中に入
れ、窒素ガスを流しながら、20℃/ninの昇温速度
で1000℃まで加熱し、炭素化を行ない、炭素繊維強
化炭素複合材料(幅2(2)、長さ4dll、厚さ2 
rm )を製造した。この試料の炭素化収率、収縮率、
嵩密度および曲げ強度を測定し、その結果を表4に示し
な、光酸化処理を行なった実施例11の試料の場合には
、厚さ方向の収縮率は12%であり、未処理の比較例4
の試料の場合にはほとんど収縮しなかっな、光酸化処理
を行なった実施例11の炭素繊維強化炭素複合材料の曲
げ強度は22HPaで、未処理の比較例4よりも2.2
倍も高い値を示した。また、曲げ試験後の破断面をII
I察したところ、光酸化処理を行なわなかった比較例4
の試料の場合には、眉間での剥離が多数生じていた。し
かしながら、光酸化処理した実施例11の試料の場合に
は、剥離は発生せず、均一であった。
光酸化処理による機械的強度および諸機能の向上が確認
された。
もちろんこの発明は以上の例によって限定されるもので
はない*Aa1部については様々な態様が可能であるこ
とはいうまでもない。
表 (発明の効果) 以上詳しく説明した通り、この発明によって、良好な改
質表面を有する炭素繊維を大量にしかも連続的に処理す
ることができ、その機能性を長期間にわたって維持でき
る炭素IJl維が実現される。
また、そのための従来法における処理後の水洗や乾燥の
後処理が不用となり、低温プラズマによる表面改質処理
における装置の制約等を解消することができる。
また、この発明の炭素繊維強化セメント複合材料は、高
強度、高たわみ性等の機械的特性の他に、高い電気伝導
性、高い電磁波遮蔽性等を有していることから、外装材
、タイル、床材、各種セメント製品、屋根材および各種
セメント二次製品、モルタル材料の補強材、融雪用の面
状発熱体等として利用することができる。また、棒状の
炭素繊維強化セメント複合材料の場合には、コンクリー
ト構造物中における鉄筋の代替品、各種建築構造部材、
海中構築物の構造材料等への使用も可能となる。さらに
この発明により、従来では実現困難であった厚さ1龍程
度の炭素繊維強化セメント複合薄板の製造も可能となり
、パイプ、丸棒、角棒、またはU字型等の各種形状の炭
素繊維強化セメント複合材料も容易に製造できる。
また、光酸化処理を行なうことによって、炭素繊維強化
樹脂複合材料のn械的特性は、著しく向上し、航空機材
料、宇宙関連材料、自動車材料およびスポーツ洋品等の
従来より炭素繊維が使用されている分野にも適用可能と
なる。
さらには、炭素繊維強化樹脂複合材料を炭素化して得ら
れる炭素繊維強化炭素複合材料は、各種ブレーキ材料、
核融合炉用材料および宇宙航空機材料として有用となる
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の炭素@維強化セメント複合材料に
おける製造方法をシステムフローとして示したブロック
図である。 第2図は、この発明の炭素繊維強化樹脂複合材料および
炭素繊維強化炭素複合材料における製造方法をシステム
フローとして示したブロック図である。 第3図は、この発明の炭素繊維強化樹脂複合材料のたわ
みと荷重との関係を示した相関図である。 第  1 図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)オゾン雰囲気下に紫外線照射して光酸化処理して
    なることを特徴とする炭素繊維。(2)請求項(1)記
    載の炭素繊維にセメントペーストを含浸させ、そのまま
    、または積層して硬化させてなることを特徴とする炭素
    繊維強化セメント複合材料。 (3)請求項(1)記載の炭素繊維に熱硬化性樹脂、熱
    可塑性樹脂、あるいはピッチを含浸、もしくは塗布し、
    そのまま、あるいは積層して硬化させてなることを特徴
    とする炭素繊維強化樹脂複合材料。 (4)請求項(3)記載の樹脂複合材料をさらに炭素化
    させてなることを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材料
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Cited By (13)

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