JP2005317415A - 冷陰極素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、電子を放出する冷陰極エミッタとして炭素系微細繊維を適用した冷陰極素子の製造方法に関し、電子引出し電極に接触した炭素系微細繊維の長さを短くして、炭素系微細繊維を電子引出し電極から離間させるトリミング工程を、簡単な構成の装置により、短時間で行うことのできる冷陰極素子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 トリミング装置50内に、炭素系微細繊維46が電子引出し電極34と接触した冷陰極素子45を配置し、導入部52から酸素を含んだガスを導入して、低圧水銀ランプ55から照射される185nmの波長を含む紫外光Fにより、酸素を分解してオゾン57を発生させて、オゾン57により炭素系微細繊維46のトリミングを行う。
【選択図】 図11

Description

本発明は、冷陰極素子の製造方法に係り、特に電子を放出する冷陰極エミッタとして炭素系微細繊維を備えた冷陰極素子の製造方法に関する。
冷陰極素子には、電子を放出するための冷陰極エミッタが備えられており、このような冷陰極エミッタには、カーボンナノチューブ(以下、CNT)、グラファイトナノファイバ(以下、GNF)、ナノグラファイバ、カーボンナノホーン等の電子放出特性に優れた炭素系微細繊維が適用されている。このような炭素系微細繊維を備えた冷陰極素子は、フィールドエミッションディスプレイ(以下、FED)、ランプ、電子ビームリソグラフィ等に適用されている。
図1は、炭素系微細繊維を備えた冷陰極素子の断面図である。図1に示すように、冷陰極素子10は、大略すると基板11と、カソード電極12と、絶縁層13と、電子引出し電極14と、冷陰極エミッタである炭素系微細繊維16とを有した構成とされている。
炭素系微細繊維16は、カソード電極12上に形成されており、カソード電極12と電子引き出し電極14との間に電位差を設けることで、炭素系微細繊維16から電子が放出される。
このような炭素系微細繊維16を形成する方法としては、印刷法と化学気相成長法(CVD法)とがある。印刷法により炭素系微細繊維16を形成する場合には、あらかじめアーク放電法やレーザ蒸発法により作製した炭素系微細繊維16をフィラー等と混合させ、ペースト状にした部材をカソード電極12上に塗布することで炭素系微細繊維16が形成される。このような、印刷法では、所望の微細な領域に炭素系微細繊維16を形成することが困難であるため、微細な領域に炭素系微細繊維16を形成する際には、CVD法が用いられる。
CVD法により炭素系微細繊維16を形成する場合には、炭素系微細繊維16を形成したいカソード電極12上の領域に触媒金属を形成し、熱やプラズマを用いて、炭素を含むガスと触媒金属とを反応させることで、触媒金属から炭素系微細繊維16を析出成長させる。
図2は、炭素系微細繊維が電子引出し電極と接触して短絡した冷陰極素子の断面図である。なお、図2において、図1に示した冷陰極素子10と同一構成部分には同一符号を付す。
炭素系微細繊維16を触媒金属から析出成長させる際には、良好な電子放出特性を有した炭素系微細繊維を得るため、基板11を高温で加熱する。しかし、基板11を高温で加熱すると触媒金属の反応が促進されて、炭素系微細繊維16の成長速度が速くなるため、炭素系微細繊維16の長さをコントロールすることが困難となる。
そのため、図2に示した冷陰極素子20のように、炭素系微細繊維17が成長し過ぎた場合には、炭素系微細繊維17が電子引出し電極14と接触して短絡し、電子引出し電極14とカソード電極12とが同電位になり、炭素系微細繊維17から電子を放出することができないという問題があった。
そこで、従来、炭素系微細繊維17を析出成長させた陰極素子20を真空状態とされたチャンバ内に配置させ、チャンバ内で水素化物ガスプラズマを発生させて、炭素系微細繊維17が電子放出電極14と接触しない長さまで短くする(図1に示した炭素系微細繊維16の状態)トリミングを行って、短絡を防止していた(例えば、非特許文献1参照。)。
なお、トリミングとは、炭素系微細繊維17の長さを短くして、炭素系微細繊維17を電子引出し電極14から離間させ、カソード電極12と電子引出し電極14との間の短絡を防ぐための処理のことである。
S.Kang et.al SID’03 Digest,"Low Temperature Carbon Nanotubes for Triode-TypeField-Emitter Array", p.802-p.805 (2003)
しかしながら、水素化物ガスプラズマにより炭素系微細繊維17のトリミングを行う場合には、チャンバ内を真空にするための真空装置や真空を排気する排気装置が必要となり、トリミング工程に使用する装置が大型化するという問題があった。また、真空ポンプの性能にもよるがチャンバ内を真空にする際には、1時間程度の時間が必要となり、トリミング工程に要する処理時間が長くなってしまうという問題があった。なお、チャンバ内を真空引きする時間は、チャンバの大きさや、真空装置の性能により異なる。
そこで本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、炭素系微細繊維の長さを短くして、炭素系微細繊維を電子引出し電極から離間させるトリミング工程を、簡単な構成の装置により、短時間で行うことのできる冷陰極素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明では、カソード電極上に炭素系微細繊維を形成する炭素系微細繊維形成工程と、前記炭素系微細繊維の長さを短くして、前記炭素系微細繊維を電子引出し電極から離間させるトリミング工程とを有した冷陰極素子の製造方法において、前記トリミング工程は、オゾンを用いることを特徴とする冷陰極素子の製造方法により、解決できる。
上記発明によれば、炭素系微細繊維の長さを短くして、炭素系微細繊維を電子引出し電極から離間させるトリミング工程にオゾンを用いることにより、常圧雰囲気中でトリミング工程を行うことができる。これにより、従来の真空中で発生させた水素化物ガスプラズマによりトリミング工程を行う場合と比較して、簡単な構成の装置を用いて、トリミング工程に要する時間を短くすることができる。
請求項2記載の発明では、前記オゾンは、少なくとも185nmの波長を含む紫外光を酸素に照射することで発生させることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極素子の製造方法により、解決できる。
上記発明によれば、少なくとも185nmの波長を含む紫外光を照射することでトリミング工程に必要なオゾンを発生させることができる。
請求項3記載の発明では、前記炭素系微細繊維形成工程は、化学気相成長法により前記炭素系微細繊維を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の冷陰極素子の製造方法により、解決できる。
上記発明によれば、化学気相成長法を用いることで、電子放出特性に優れた炭素系微細繊維を形成することができる。
請求項4記載の発明では、前記炭素系微細繊維は、カーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバ、ナノグラファイバ、カーボンナノホーンからなる群のうち少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷陰極素子の製造方法により、解決できる。
上記発明によれば、炭素系微細繊維には、カーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバ、ナノグラファイバ、カーボンナノホーンからなる群のうち少なくとも一種からなるものを用いることができる。
本発明によれば、炭素系微細繊維の長さを短くして、炭素系微細繊維を電子引出し電極から離間させるトリミング工程を、簡単な構成の装置により、短時間で行うことができる。
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態)
始めに、図3を参照して、本発明の実施の形態による冷陰極素子60について説明する。図3は、本発明の実施の形態によるトリミング後の冷陰極素子の断面図である。冷陰極素子60は、大略すると基板31と、カソード電極32と、絶縁層33と、電子引出し電極34と、冷陰極エミッタである炭素系微細繊維46とを有した構成とされている。
基板11上には、カソード電極32が形成されている。カソード電極32上には、開口部33Aを有した絶縁層33と、直径R1の開口部34Aを有した電子引出し電極34とが形成されている。開口部33Aの直径は、開口部34Aの直径R1と同じ大きさに形成されている。
開口部33Aに対応するカソード電極32上には、トリミングされた炭素系微細繊維46が形成されている。炭素系微細繊維46の長さは、長さL2とされている。なお、トリミングとは、炭素系微細繊維46の長さを短くして、炭素系微細繊維46を電子引出し電極34から離間させ、カソード電極32と電子引出し電極34との間の短絡を防ぐための処理のことである。
次に、図4乃至図12を参照して、本発明の実施の形態による冷陰極素子60の製造方法について説明する。図4乃至図12は、本発明の実施の形態による冷陰極素子の製造工程を示した図である。
始めに、図4に示すように、基板31上にカソード電極32となる金属膜を成膜し、必要に応じてフォトリソグラフィー法及びエッチング法により金属膜のパターニングを行い、カソード電極32を形成する。カソード電極32となる金属膜には、例えば、Cr膜,Al膜,Au膜,Ag膜,Ti膜,Ta膜,Mo膜,Zr膜,W膜,Pt膜,Ir膜,Ni膜等を用いることができる。カソード電極32の厚さは、例えば、10nm〜1000nmの範囲内で適宜選択することができる。また、カソード電極32となる金属膜は、例えば、スパッタリング法や蒸着法等により形成することができる。
次に、図5に示すように、パターニングされたカソード電極32上に絶縁層33と、電子引出し電極34となる金属膜とを順次積層させる。絶縁層33には、例えば、SiO膜,TEOS膜,Si膜,Ta膜,MgO膜,Al膜等を用いることができる。絶縁層33の厚さは、例えば、500nm〜5μmの範囲内で適宜選択することができる。また、絶縁層33は、例えば、スパッタリング法や蒸着法等により形成することができる。
電子引出し電極34となる金属膜には、例えば、Cr膜,Al膜,Au膜,Ag膜,Ti膜,Ta膜,Mo膜,Zr膜,W膜,Pt膜,Ir膜,Ni膜等を用いることができる。電子引出し電極34の厚さは、例えば、10nm〜1000nmの範囲内で適宜選択することができる。また、電子引出し電極34となる金属膜は、例えば、スパッタリング法や蒸着法等により形成することができる。
続いて、図6に示すように、電子引出し電極34上にレジスト膜35をパターニングする。このレジスト膜35は、電子引出し電極34に開口部34Aと、絶縁層33に開口部33Aとを形成する際のエッチングのマスクとなるものである。レジスト膜35は、直径R1の開口部36を有している。開口部36の直径R1は、例えば、0.5μm〜10μmの範囲内で適宜選択することができる。
次に、図7に示すように、レジスト膜35をマスクとして、電子引出し電極34と絶縁層33とをエッチングして、電子引出し電極34に開口部34Aと、絶縁層33に開口部33Aとを形成する。このエッチングは、カソード電極32が露出するまで行う。
続いて、図8に示すように、炭素系微細繊維46を形成する際に必要な触媒金属39を成膜する。これにより、触媒金属39は、開口部33Aに露出されたカソード電極32上と、レジスト膜35上とに形成される。触媒金属39は、Fe,Ni,Coのうちの少なくとも1つを含む金属から構成されている。触媒金属39の厚さは、例えば、1nm〜50nmの範囲内で適宜選択することができる。
次に、図9に示すように、レジスト剥離液により、レジスト膜35と共に、レジスト膜35上に形成された不要な触媒金属39の除去を行う。
続く、炭素系微細繊維形成工程では、図10に示すように、熱CVD法、又はプラズマCVD法を用いて、触媒金属39から炭素系微細繊維46を析出成長させる。図10に示した冷陰極素子45は、長さL1まで成長した炭素系微細繊維46が電子引出し電極34に接触して、電子引出し電極34とカソード電極32との間が短絡している。
熱CVD法を用いて炭素系微細繊維46を析出成長させる場合には、炭素を含むガス中において、赤外線ランプやヒータ等を用いて、図9に示した構造体を450〜600℃の範囲内で加熱して、触媒金属39と炭素を含むガスとを反応させることで、炭素系微細繊維46を析出成長させることができる。
また、プラズマCVD法を用いて炭素系微細繊維46を析出成長させる場合には、炭素を含むガス中において、図9に示した構造体を加熱した上でプラズマを発生させることで、炭素系微細繊維46を析出成長させることができる。炭素を含むガスには、例えば、一酸化炭素、アセチレン、メタン、エチレン等を含むガスを用いることができる。また、上記炭素を含むガスに、ヘリウム、アルゴン、水素、酸素等の希ガスを混合させても良い。
ここで、次のトリミング工程を説明する前に、図11に示したトリミング装置50について説明する。トリミング装置50は、大略すると装置本体51と、低圧水銀ランプ55とを有した構成とされている。トリミング装置50は、常圧雰囲気とされた装置本体51内に短絡した冷陰極素子45を配置して、炭素系微細繊維46のトリミングを行うための装置である。
装置本体51は、酸素を含んだガスを導入するための導入部52と、装置本体51内部に溜まったガスを排気するための排気口53とが設けられている。装置本体51は、トリミングしたい冷陰極素子45を配置するためのケースである。
酸素を含んだガスは、例えば酸素を含んだガスが充填されたガスボンベを導入部52に接続することで、装置本体51内部に導入することができる。
装置本体51の上部の面51Aには、低圧水銀ランプ55が配設されている。低圧水銀ランプ55は、少なくとも185nmの波長を含む紫外光Fを照射することのできる水銀ランプである。
このように、少なくとも185nmの波長を含む紫外光Fを照射することのできる低圧水銀ランプ55をトリミング装置50に設けることで、酸素を含んだガスが装置本体51内に導入された際、185nmの波長を含む紫外光Fを酸素に照射することで、酸素が酸素ラジカルに分解され、この酸素ラジカルと酸素とを結合させ、オゾン57を発生させて、炭素系微細繊維46のトリミングを行うことができる。
また、トリミング装置50はオゾン57を用いて、常圧雰囲気で炭素系微細繊維46のトリミングを行う装置であるため、従来の真空中で水素化物プラズマを発生させてトリミングを行う従来の装置のように真空装置や排気装置を必要としないため、従来の装置と比較して、トリミング装置50の構成を簡単化することができる。
炭素系微細繊維形成工程後には、図11に示すようなトリミング装置50を用いて、炭素系微細繊維46のトリミングが行われる。トリミング工程では、図11に示すように、トリミング装置50内に冷陰極素子45を配置し、導入部52から酸素を含んだガスを導入して、低圧水銀ランプ55から照射される185nmの波長を含む紫外光Fを酸素に照射してオゾン57を発生させ、このオゾン57により炭素系微細繊維46のトリミングを行う。
これにより、図12に示すように、炭素系微細繊維46は長さL1から長さL2(長さL2<長さL1)と短くされ、炭素系微細繊維46が電子引出し電極34から離間した冷陰極素子60が形成される。
酸素を含んだガスとしては、例えばO,CO,CO等を用いることができる。冷陰極素子45と低圧水銀ランプ55との間の距離Kは、例えば1cm〜10cmの範囲内で適宜選択することができる。また、図示していない加熱装置により、冷陰極素子45を18℃〜100℃の温度範囲内で加熱して、炭素系微細繊維46のトリミングを行っても良い。炭素系微細繊維46のトリミング速度は、低圧水銀ランプ55の電力、低圧水銀ランプ55と冷陰極素子45との間の距離K等により調整することができる。また、N,Ar等の酸素を含まないガスと、O,CO,CO等の酸素を含んだガスとを装置本体51内に導入することにより、装置本体51内の酸素濃度を変化させて、炭素系微細繊維46のトリミング速度を変えることができる。
なお、導入部52から酸素を含んだガスを導入することなく、大気中に含まれる酸素に紫外光Fを照射させて、オゾン57を発生させても良い。また、低圧水銀ランプ55の代わりに、気中放電等の方法により発生させたオゾンを導入部52から装置本体51に導入して、炭素系微細繊維46のトリミングを行っても良い。
オゾン57による炭素系微細繊維46のトリミングのメカニズムについては、明確には分かっていないが、オゾン57が分解して発生した活性酸素が炭素系微細繊維46に衝突するとき、炭素系微細繊維46のC−C結合が切断され、酸化分解されることにより炭素系微細繊維46のトリミングが行われると考えられている。
以上説明したように、常圧雰囲気において、低圧水銀ランプ55から185nmの波長を含む紫外光を常圧中にある酸素に照射して、オゾンを発生させることにより、トリミング装置50の構成を簡単化して、従来の真空中でトリミングを行う場合と比較して、炭素系微細繊維46のトリミング工程を短時間で容易に行うことができる。
(実施例)
本実施例の冷陰極素子60を以下のように形成した。基板31であるガラス基板上に、スパッタリング法によりCr膜(300nm)を成膜後、所望の形状にパターニングしてカソード電極32を形成した。続いて、カソード電極32上に、スパッタリング法により絶縁層33となるSiO膜(3μm)と、スパッタリング法により電子引出し電極34となるCr膜(300nm)とを順次積層した。
次に、フォトリソグラフィーにより直径R1が5μmの開口部36を有したレジスト膜35を電子引出し電極34上に形成した。続いて、レジスト膜35をマスクとして異方性エッチングにより、電子引出し電極34に直径5μmの開口部34Aと、絶縁層33に直径5μmの開口部33Aとを形成する。この異方性エッチングは、カソード電極32が露出するまで行った。
次に、スパッタリング法によりFeを含んだ触媒金属39(3nm)を成膜した。次に、レジスト剥離液によりレジスト膜35を除去した。続いて、水素とCOとを含んだ混合ガスを用い、基板31を525℃に加熱させて、熱CVDを行い、図13に示すように、触媒金属39から炭素系微細繊維46であるグラファイトナノファイバを析出成長させた(炭素系微細繊維形成工程)。図13は、析出成長後のグラファイトナノファイバを設けた冷陰極素子を傾斜させて撮影した断面SEM写真である。なお、図13において、図10と同一構成部分には同一符号を付す。
次に、低圧水銀ランプ55の電力が110W、装置本体51内に供給する酸素の流量が2l/min、冷陰極素子45と低圧水銀ランプ55との距離Kが3cm、装置本体51内の温度は22℃、低圧水銀ランプ55から照射される紫外光Fの照射時間が1時間の条件を用いて、トリミング装置50内でオゾン57を発生させて、炭素系微細繊維46のトリミングを行った(トリミング工程)。
本実施例のトリミング工程は、装置本体51内を常圧雰囲気として行うため、低圧水銀ランプ55から照射される紫外光Fの照射時間がトリミング工程に要した時間となり、従来のトリミング装置のチャンバ内を真空引きする時間(約1時間)で、炭素系微細繊維46のトリミング工程を行えることが確認できた。
図14は、トリミング後のグラファイトナノファイバを設けた冷陰極素子を傾斜させて撮影した断面SEM写真である。なお、図14において、図12と同一構成部分には同一符号を付す。
図13及び図14に示すように、オゾン57を用いてトリミング工程を行うことで、炭素系微細繊維46の長さは、長さL1から長さL2(L2<L1)に短くなることが確認できた。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明は、炭素系微細繊維の長さを短くして、炭素系微細繊維を電子引出し電極から離間させるトリミング工程を、簡単な構成の装置により、短時間で行うことのできる冷陰極素子の製造方法に適用できる。
炭素系微細繊維を備えた冷陰極素子の断面図である。 炭素系微細繊維が電子引出し電極と接触して短絡した冷陰極素子の断面図である。 本発明の実施の形態によるトリミング後の冷陰極素子の断面図である。 本発明の実施の形態による冷陰極素子の製造工程を示した図(その1)である。 本発明の実施の形態による冷陰極素子の製造工程を示した図(その2)である。 本発明の実施の形態による冷陰極素子の製造工程を示した図(その3)である。 本発明の実施の形態による冷陰極素子の製造工程を示した図(その4)である。 本発明の実施の形態による冷陰極素子の製造工程を示した図(その5)である。 本発明の実施の形態による冷陰極素子の製造工程を示した図(その6)である。 本発明の実施の形態による冷陰極素子の製造工程を示した図(その7)である。 本発明の実施の形態による冷陰極素子の製造工程を示した図(その8)である。 本発明の実施の形態による冷陰極素子の製造工程を示した図(その9)である。 析出成長後のグラファイトナノファイバを設けた冷陰極素子を傾斜させて撮影した断面SEM写真である。 トリミング後のグラファイトナノファイバを設けた冷陰極素子を傾斜させて撮影した断面SEM写真である。
符号の説明
10,20,45,60 冷陰極素子
11,31 基板
12,32 カソード電極
13,33 絶縁層
14,34 電子引出し電極
16,17,46 炭素系微細繊維
33A,34A,36 開口部
35 レジスト膜
39 触媒金属
50 トリミング装置
51 装置本体
51A 面
52 導入部
53 排気口
55 低圧水銀ランプ
57 オゾン
F 紫外光
L1,L2 長さ
K 距離
R1 直径

Claims (4)

  1. カソード電極上に炭素系微細繊維を形成する炭素系微細繊維形成工程と、
    前記炭素系微細繊維の長さを短くして、前記炭素系微細繊維を電子引出し電極から離間させるトリミング工程とを有した冷陰極素子の製造方法において、
    前記トリミング工程は、オゾンを用いることを特徴とする冷陰極素子の製造方法。
  2. 前記オゾンは、少なくとも185nmの波長を含む紫外光を酸素に照射することで発生させることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極素子の製造方法。
  3. 前記炭素系微細繊維形成工程は、化学気相成長法により前記炭素系微細繊維を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の冷陰極素子の製造方法。
  4. 前記炭素系微細繊維は、カーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバ、ナノグラファイバ、カーボンナノホーンからなる群のうち少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷陰極素子の製造方法。
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