JPH0380123B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ 本発明は皮膚上に保護膜を形成することにより
皮膚をなめらかとなし、しかも皮膚に適度の潤い
と「はり」を与えると共に皮膚との親和性のよい
等の効果を有する皮膚外用組成物を提供するもの
である。更に詳しくは、尿素と、ヒアルロン酸及
び／又はその塩と、ポリオール類と、油分とを特
定量配合してなる有用な皮膚外用組成物に関す
る。 ［従来技術］ 一般に皮膚角質層の水分が、10〜15％を含んだ
状態が健康な皮膚と言われる。これ以上水分を含
みすぎるとフヤケ状態となつたり、少なすぎると
カサカサした状態となつたりするので、これを解
決するため、化粧水、クリーム及び乳液等の皮膚
外用組成物が使われている。これ等皮膚外用組成
物中には保湿剤例えば乳酸ナトリウム、グリセリ
ン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、プロピレ
ングリコール等が皮膚に対する親和性、使用感の
点から比較的多量（３〜10％）に用いられるが、
特にリツチ感を訴求する化粧料においては、その
配合量は極めて多く、そのために皮膚に対するベ
タツキ感が生じ易く、更に低湿度下の使用では外
気湿度がないことにより、皮膚中から保湿剤配合
の皮膚外用組成物へと逆に水分がとり込まれ、皮
膚を乾燥せしめてしまうことがある。 ［発明が解決しようとする問題点］ 本発明者等は上記の如き、保湿剤を皮膚外用組
成物成分として単に配合して得た皮膚外用組成物
の欠点を解決すると共に従来になく優れた皮膚外
用組成物を得る為に、安定性の良い系を鋭意研究
した結果、本発明を完成するに至つた。 ［問題点を解決するための手段］ すなわち本発明は、尿素を0.5〜30重量％、ヒ
アルロン酸及び／又はその塩を0.001〜3.0重量
％、ポリオール類を1.0〜40.0重量％及び油分を
1.0〜50.0重量％配合することを特徴とする皮膚
外用組成物に関するもので、ヒアルロン酸の経時
粘度低下を防止し、皮膚上に皮膚を保護するため
の膜を形成することにより、皮膚を滑らかとな
し、適度の「潤い」と「はり」を与え、皮膚との
親和性の良い皮膚外用組成物が得られた。 本発明に用いられる尿素は一般に角化症治療剤
として用いられているもので、その配合量は0.5
〜30.0重量％である。 本発明に用いられるヒアルロン酸は酸性ムコ多
糖の一種で、分子量１万〜300万のものである。
通常このヒアルロン酸は、例えば臍帯、鶏のトサ
カ、豚尾、動物もしくは魚類の眼球ガラス体その
他各種の天然物より適宜抽出（必要により精製）
されたものが用いられるが、勿論合成品でもさし
つかえない。また本発明の皮膚外用組成物への効
果を損なうものでなければ混合物であつてもよ
く、粉末状の他、溶液状、ゼリー状等種々の形状
を取りうる。分子量については１万未満では皮膚
に対するフイルム形成性が損なわれ、300万を超
えるとフイルム自体が強固となり皮膚に異和感を
生じるため使用しがたい。更にヒアルロン酸の塩
類としてはナトリウム塩、カリウム塩、塩基性ア
ミノ酸塩等が用いられ、ヒアルロン酸単独よりも
保水性が大きく実用には適している。 本発明に用いられるヒアルロン酸及びその塩の
配合量は0.001〜3.0重量％で、好ましくは0.05〜
0.5重量％である。これにより含有量が多い場合
には皮膚上に厚い被膜を形成し皮膚との親和性に
欠ける。且つドロドロ状態になるので皮膚外用組
成物としての安定性が損なわれる。又、逆に少な
い場合には皮膚外用組成物としてヒアルロン酸及
びそ塩の十分な効果が期待できない。 本発明に用いられるポリオール類はエチレング
リコール、プロピレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、１，３−ブチレングリコール、
１，４−ブチレングリコール、グリセリン、ポリ
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスリトール、あるい
はトレハロース、サツカロース、マルトース、ラ
クトース、セルロース、デンプン、Ｄ−ソルビツ
ト、Ｄ−マンニツト、Ｄ−マンノース、Ｄ−グル
コン酸、ウロン酸、グルコーソン、ソルビタン、
グルコラクトン、アルブチン、グルコースリン酸
エステルなどの単糖類、多糖類およびこれらの誘
導体等の多価アルコールをあげることができる。 本発明に用いられるポリオール類の配合量は、
1.0〜40.0重量％で、好ましくは5.0〜25.0重量％
である。1.0重量％より少ない量でしつとり感が
少なく、25.0重量％を超えると皮膚に対するべた
つきが生じて好ましくない。 本発明に用いられる油分は、常温で固状、ペー
スト状あるいは液状であればなんでもよく、例え
ばホホバ油、ゴマ油、トリグリセリン、ヒマシ
油、アボガド油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツ
ロウ、ラノリン、カンデリラロウ、酢酸ラノリ
ン、カルナウバロウ、POEラノリンアルコール
エーテル、液状ラノリン、流動パラフイン、ワセ
リン、スクワラン、セリシン、パラフイン等があ
げられる。 本発明に用いられる油分の配合量は1.0〜50.0
重量％で好ましくは20.040.0重量％である。1.0重
量％より少ない量では、リツチ感が不足し、50.0
重量％を超えると、べたつきが生じて好ましくな
い。 本発明の皮膚外用組成物には上記の必須構成成
分に加えて、必要に応じて、通常医薬品、化粧品
分野で用いられるその他の成分、例えばEDTA
などのキレート化剤、BHT、ヒドロキノン、ト
コフエロールなどの酸化防止剤、エタノール、
IPAなどのアルコール、クエン酸、リンゴ酸など
の有機酸、リン酸などの無機酸、増粘剤、水など
を配合することができる。当然のことながら、こ
れらの成分は本発明の効果を損なわない質的量的
範囲内で用いられなければならない。 本発明の皮膚外用組成物の剤型は任意であり、
溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−二
層系、水−油−粉末三層系等、どのような剤型で
も構わない。 また、本発明の皮膚外用組成物の用途も任意で
あり、化粧水、乳液、クリーム、パツク等のフエ
ーシヤル化粧料やボデイー化粧料、軟膏等に用い
ることができる。 ［実施例］ つぎに実施例および比較例をあげて、本発明を
具体的に明らかにする。本発明はこれにより限定
されるものではない。配合量は重量％である。 実施例１ クリーム １，３−ブチレングリコール 35.0 ポリエチレングリコール4000 1.0 グリセリン 2.0 スクワラン 20.0 ワセリン 5.0 セトステアリルアルコール 3.0 ポリオキシエチレン（20モル）オレイルアルコ
ールエーテル 1.5 グリセリールモノステアレート 1.5 ヒアルロン酸ナトリウム 0.2 尿素 10.0 乳酸ソーダ 2.0 キサンタンガム（ケルトロール商品名） 0.05 メチルパラベン 0.1 エチルパラベン 0.2 苛性カリ 0.01 EDTA−3Na 0.01 香料 0.2 イオン交換水 残余 実施例２ 軟膏 尿素 10.0％ グリセリン 8.0 １，３−ブチレングリコール 4.0 ヒアルロン酸ナトリウム 0.02 白色ワセリン 25.0 ステアリルアルコール 10.0 酢酸トコフエロール 0.5 ポリオキシエチレン（60モル）硬化ヒマシ油
0.4 モノステアリン酸グリセリン 0.1 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 パラオキシ安息香酸プロピル 0.1 イオン交換水 残余 実施例３ 乳剤性ローシヨン剤 尿素 20.0％ グリセリン 5.0 １，３−ブチレングリコール 5.0 ヒアルロン酸ナトリウム 0.2 ステアリン酸 1.5 セタノール 0.5 ミリスチン酸イソプロピル 2.0 軽質流動パラフイン 8.0 ポリオキシエチレン（60モル）硬化ヒマシ油
0.4 ポリオキシエチレン（40モル）ステアレート
1.0 モノステアリン酸グリセリン 2.5 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 イオン交換水 残余 実施例４ パツク １，３−ブチレングリコール 20.0 ポリエチレングリコール4000 3.0 グリセリン 15.0 エタノール 10.0 ヒアルロン酸 2.0 ポリビニルアルコール 10.0 オリーブ油 3.0 ピロリドンカルボン酸 9.0 乳酸 1.0 尿素 10.0 カルボキシメチルセルロース 0.07 メチルパラベン 0.1 エチルパラベン 0.1 苛性カリ 0.02 EDTA−3Na 0.01 香料 0.1 イオン交換水 残余 実施例１〜３の作用効果につき、使用テストに
より試験を行つた。使用テストは、10名の女性を
各３群に分けパネルとした、第１群には実施例１
のクリームを、第２群には実施例２の軟膏を、第
３群には実施例３の乳剤性ローシヨン剤を使用テ
ストさせた。毎日朝と夜の２回、洗顔後皮膚外用
組成物を適量顔面に、２週間にわたつて、塗布す
ることにより、行つた。評価は、下記の３項目に
つきその有効性を判定した。結果は表１〜表３に
示すとおりである。

【表】

【表】

【表】 表１〜３の結果から明らかなように、本発明の
皮膚外用組成物は、肌のうるおい、肌のハリ、翌
朝のうるおいが感じられるようになつた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 尿素を0.5〜30重量％、ヒアルロン酸及び／
   又はその塩を0.001〜3.0重量％、ポリオール類を
   1.0〜40.0重量％及び油分を1.0〜50.0重量％配合
   することを特徴とする皮膚外用組成物。