JPH026321B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は皮膚にうるおいをあたえ、かつ皮膚を
ととのえるための改良された皮膚手入れ用（スキ
ンケア）組成物に関するものである。特に、乳化
したペトロラタムや鉱油をベースにした化粧用ス
キンコンデイシヨナーローシヨンまたはクリーム
に関するものである。 塗布したときに、化粧上満足な触感性を与えて
くれるハンドローシヨンおよびボデイローシヨン
あるいはクリームといつた形で、うるおいを与え
てととのえる調製品を消費者は長いこと望んでき
た。鉱油とペトロラタムの望ましい特性は、主に
肌に対して有利な効果があるので認められてき
た。これら含有成分は中性で、安定で、無臭で、
且つ大気条件下でほぼ不揮発性である。 特にペトロラタムは単独にでも、また皮膚手入
れ製品中の含有成分としての両方で50年以上にわ
たつて用いられてきた。それは吸湿性があり、そ
して角質層に湿分を蓄わえせしめるので、皮膚の
手入れに役立つものと信ぜられている。尊敬され
ている皮膚科学の研究者エー・エム・クリグマン
氏が最近コスメテイツク・アンド・トイレタリー
ズ誌の第93巻、27〜35頁、1978年４月１日で、
“保湿剤の効力査定のための回帰法”との表題の
科学論文の中で、効力ということになればワセリ
ンは競争相手のない保湿剤であるといつている。
ペトロラタムは長時間に亘つて適切な位置にとど
まつて（皮膚の）デコボコ部を埋め、且つ（皮膚
の）表面をなめらかにするしつかりついて離れな
い物質であるとグリグマンは報告している。ペト
ロラタムや、その他の有効なグリース類は耐摩耗
性であり、摩耗とあれとを減少させ、そして多分
何よりも大切なことは角質層の障壁を通り抜ける
物質を含有していて、表皮を変質させその結果露
点が低い場合には、異常に剥離することがない
と、クリグマンが仮説をたてている。 クリグマンは、保湿剤は表皮生理機能に未公開
の医薬効果を持つていると信じた。彼は更に次の
ようなことを観察した。 「保湿剤を創り出すことは、今尚、貧弱な科学
上の基礎の上にたつ技術であり、試行錯誤的努力
である。当然美学的問題を無視しないかぎり、机
の前に坐つて論理的原理に基づいて優れた保湿剤
を組み立てることは不可能である。」 ペトロラタムは満足な美学的状態に調合するこ
とは非常に難かしいことであることは長い間知ら
れていることであり、そしてそのために、数多く
の市販で入手可能な皮膚手入れ用製品の中に入つ
ていない。ペトロラタムないしは石油ゼリーは皮
膚に塗布したとき、べとべとし不愉快で美容上受
け入れ難い。皮膚に塗布したときのべとべとした
状態や、ふさわしくない触感性を減ずるために、
ペトロラタムを乳化してクリーム形態やローシヨ
ン形態にする試みがなされてきた。ローシヨンの
形態のペトロラタムそれ自体は本質的に不安定で
ある。一般に、ペトロラタムないしは鉱油を安定
化するために通常の水溶性洗浄乳化剤を加えるこ
とにより、ペトロラタムの保湿性は減少してしま
い不満足となる。 本明細書中で用いる“ととのえる”または“調
整する（conditioning）”の語は皮膚上への手ざ
わりのしなやかな膜の付着に関することであり、
この膜が表皮からの水分の損失を遅らせ、且つ皮
膚表面の柔らかさとなめらかさとを維持したら取
り戻したりする働きをする。本明細書中で用いる
“うるおいを与える”、あるいは“保湿する
（moisturizing）”の語は皮膚上への化粧上ふさわ
しい膜の形成に関するものであり、これが表皮を
通つての水分損失（TEWL）を減少させる。普
通なら空気中に失なわれる水分が角質層に蓄積さ
れるとき、製品は“保湿する”という。この蓄積
によつて皮膚を保湿せしめるのである。 美容上ふさわしい手ざわり特性を持つた、優れ
た保湿特性と調整特性を有する満足できる皮膚手
入れ用組成物は皮膚へ塗布したとき、満足できる
感覚、なめらかさおよび吸収性を示すべきであ
る。特に、その組成物は良好なコンシステンシー
を示すべきであり、皮膚に一様に塗布されるべき
であり、急速に吸収されるべきであり、そして迅
速に乾燥すべきである。塗布後、皮膚は滑らかさ
と清潔さとを感ずべきである。その組成物は、乾
燥した皮膚の固い感じを軽くするのに助けとなる
べきであり、また刺激された皮膚を和らげるべき
である。 今日まで、先行技術並びに市販の入手可能な化
粧用調整品は、上記の所望されている諸性質のす
べてを達成することには失敗してきた。米国特許
第3818105号には、皮膚をなめらかにする処方物
にセチルアルコール、脂肪族アルキルジメチルベ
ンジルアンモニウム化合物および鉱油を含有する
組成物が開示されている。場合によつては任意成
分として、有機エステルの分散媒体、フメクタン
ト、白油およびペトロラタムを含有する。 米国特許第4137302号はセチルアルコール、イ
ソプロピルパルミテートおよびペトロラタムから
成る軟化剤を含有する化粧用組成物を開示してい
る。種々の陽イオン乳化剤もまた開示されてい
る。 米国特許第3829563号は発泡性清浄剤における
ペトロラタムと脂肪族アルコールを開示してい
る。米国特許第3666690号は、鉱油、特定のカチ
オン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、フメ
クタントおよびシツクナーを含有する皮膚クレン
ジング組成物を教示している。通常の化粧品用含
有成分と組合わせた石油ゼリーを含有する化粧用
組成物は米国特許第3392040号、第3609102号並び
に3981990号に開示せられている。 近年、ウオンドラ（Wondra）の、“ワセリン”
インテンシブケアローシヨン（“Vaseline”
Intensive Care Lotion）およびシニアスリーシ
ルキー（Senuouly Silky）のような製品の導入
と共に、皮膚手入れ用組成物を改良する試みがな
されてきた。これらの製品は種々の欠点を持つて
いる。概して、この組成物は塗布のとき手ざわり
が明らかに油つぽくべとべとした膜をつくる。そ
の塗布した膜は、特に抵抗もなしに水で除かれて
しまいがちであり、使用者に化粧をするうえで満
足であるとみなされる保湿レベルをあたえてはい
ない。 従つて、本発明の目的は先行技術の欠点と欠陥
を持たない皮膚手入れ組成物を提供することにあ
り、それは美容上ふさわしい触感性を示すと同時
に、向上した保湿特性と調整特性を提供する。 本発明によれば、美容上ふさわしい触感性を有
する肌にうるおいを与え且つととのえるための皮
膚手入れ用組成物は、肌を保湿させそしてととの
えるのに充分な量のペトロラタム、炭化水素物質
の混合物と部分的に置換したペトロラタムまたは
鉱油；次の式、 を有し、ペトロラタムまたは鉱油を乳化し、そし
て皮膚をととのえるのに充分な量の第四アンモニ
ウム化合物（式中、R₁とR₂は、それぞれ約16か
ら22の炭素原子を有する長鎖のほぼ線状のアルキ
ル基であり、R₃とR₄はそれぞれ約１から３の炭
素原子を有する低級アルキル基であり、そしてＸ
は塩形成陰イオンである）；エマルジヨンを安定
化するのに充分な且つ美容上にふさわしい粘性を
与えるのに充分な量の脂肪族アルコール；および
組成物の触感性を向上させるのに充分な量の脂肪
族エステル軟化剤から成る撥水性（water−out）
エマルジヨンから成る。 本発明の意義ある特徴は、ジ−低級アルキル、
ジ−高級アルキル、本発明に用いる油のためのア
ンモニウム乳化剤を用いることにある。この陽イ
オン性界面活性剤は主要な乳化剤であり、また肌
を柔らかくし、保護するともまた信じられてい
る。陽イオン性界面活性剤は油を水中に乳化して
製品をつくるが、皮膚へ塗布するときに水性相が
揮発するとき、この陽イオン性界面活性剤が皮膚
上へ撥水性層を形成するのを助ける。 本発明の組成物は製品に対して全体的につり合
いのとれた特性を出すよう調製された。本発明の
組成物は向上した美容特性、潤滑性、迅速吸収性
を与え、且つ同様に塗布した後皮膚上に残存する
全残存層の撥水性に役にたつ。本発明の組成物
は、本来なら受け入れ難いペトロラタムと鉱油の
べとべとした感じを克服し、保湿と調整の特性が
向上した製品を提供する。 トリエタノールアミンステアレート、ポリエチ
レングリコール（100）ステアレートなどの如き
乳化剤としての水溶性清浄界面活性剤を用いる先
行技術のスキンコンデイシヨニングローシヨン
は、効果的な皮膚の保湿作用を与えない。これら
の従来の水溶性界面活性剤は一般に、塗布後の感
触では受け入れ難いほど油つぽく、且つべとべと
した感じである。その上、この製品の膜は水をつ
けると簡単にとれてしまう。 本発明を更に良く理解するために、好ましい実
施例を更に詳細にここに記載する。 本発明に用いるに適切なペトロラタムは白ペト
ロラタムか黄色ペトロラタムの任意の等級からな
り、人間の皮膚に塗布しても安全であると認めら
れているものである。好ましいタイプはペトロラ
タムU.S.P.XVIIIかNFXIIである。一般に、当技
術で認められているペトロラタムの粘性ないしは
コンシステンシーの任意の程度を本発明で用いる
ことができる。外観とコンシステンシーの点で類
似のペトロラタムに形成され得る炭化水素物材料
の混合物で、ペトロラタムを部分的に置換するこ
とは本発明の範囲内である。例えば、そのような
混合物は、微細結晶性ワツクス、パラフインワツ
クスなどの如き物質との種々の比率で鉱油を溶融
することによつて形成することができる。 本発明中で用いられる鉱油は、USP級または
NF級の白色鉱油であるべきであり、また40℃で
6.7〜69cstの粘度、0.828〜0.890の比重（SG15.6
℃／15.6℃）、および−18〜−７℃の最大流動点
を有するべきである。好ましい鉱油は、40℃で
6.7から17.0cstの粘度、0.828から0.860の比重、約
−７℃から10℃の最大流動点を有するべきであ
る。 本発明の第四アンモニウム乳化剤は次の一般式
を有している。 ここで、R₁とR₂はそれぞれ約16から22までの
炭素原子を有する長鎖のほぼ線状のアルキル基で
あり、R₃とR₄とはそれぞれ約１から３までの炭
素原子を有する低級アルキル基であり、そしてＸ
は塩形成陰イオンである。好ましくは、塩形成陰
イオンは塩化物、臭化物もしくは沃化物である。
陽イオン性乳化剤は好ましくは固くワツクス状で
非粘着性の特性を示すものである。 一般に、C₁₆未満の長鎖アルキル基、エトキシ
レート化した陽イオン性のもの、あるいはモノ長
鎖アルキル基が用いられるときには生ずる処方物
の粘度は受け入れられないレベルにまで減少す
る。乳化特性、肌を柔らかくする性質および肌を
保護する特性の他に、この第四級化合物は、皮膚
へ塗布するときに、更にその他のユニークな特徴
を提供するものと信じられる。 陽イオン界面活性剤として、この第四級乳化剤
は正の電荷を運ぶ。一般に、清浄剤と石けんは陰
イオン性であり、負の電荷を運ぶ。陽イオン乳化
剤が皮膚上に残存する石けん並びに清浄剤と接触
すると、不溶性の錯塩が形成される。錯塩となら
ないときには、残存する石けんと洗浄剤は刺激を
ひき起こすことができる。陽イオン乳化剤の適用
はこの残存刺激が発生するのを防止するにちがい
ない。 最も好ましい第四級乳化剤はジメチルジステア
リルアンモニウムクロライドである。 本発明に用いられる脂肪族アルコールは、エマ
ルジヨンを安定化する助けとなり、且つ本組成物
が美容上容認できる粘性を支えるのに助けとな
る。一般に、C₁₄からC₂₂のほぼ飽和したアルカノ
ールを用いる。適切な脂肪族アルコールの典型的
な例には、ステアリルアルコール、ミリスチルア
ルコール、ベヘニルアルコール、アラキデイツク
アルコール、イソステアリルアルコール、および
イソセチルアルコールがある。向上した成果が得
られて、従つて好ましいのはセチルアルコールの
使用である。所望であれば、セチルアルコールを
単独で用いてもよいし、他の脂肪族アルコール、
特にイソステアリルアルコールと組合わせて用い
てもよい。 本発明の脂肪族エステル軟化剤を、本組成物の
触感性向上のために充分な量で用いる。特に、脂
肪族エステルはペトロラタム、第四級乳化剤およ
び脂肪族アルコールのベース処方物を軟化するの
を助ける。本発明で用いられる典型的な脂肪族エ
ステルには、イソプロピルミリステート、イソプ
ロピルパルミテート、イソプロピルイソステアレ
ート、イソステアリルイソステアレート、ジイソ
プロピルセバケート、プロピレングリコールジペ
ラルゴナート、２−エチルヘキシルイソノノアー
ト、２−エチルヘキシルステアラート、C₁₂〜C₁₆
脂肪族アルコールラクテート、イソプロピルラノ
ラート、２−エチル−ヘキシルサリシレート並び
にこれらの混合物が含まれる。好ましい脂肪族エ
ステルはイソプロピルパルミテートである。 本発明組成物中に含有されるべき水分ないしは
水性賦形剤の量は、最終製品の所望の固さに依つ
て変る。本発明組成物は水中油のエマルジヨンで
あるので、存在する水分量を変えることにより、
例えば濃厚な流動液やローシヨン、半液状の濃厚
クリーム、ペーストなどを形成することが可能で
ある。脱イオン水を水性賦形剤として用いるのが
好ましい。 所望であれば、フメクタントが本発明の組成物
中に存在してもよい。フメクタントは表面の角質
層のすき間に捕獲され、そこで吸湿剤として作用
し、この領域に保持される水分量を増加させると
考えられる。水分は要求通りフメクタントによつ
て引き渡されるので、皮膚表面のしなやかさに貢
献することになる。本発明に用いられる典型的フ
メクタントは、プロピレングリコール、ソルビト
ール、ポリエチレングリコールなどおよびそれら
の混合物である。そのようなフメクタントは、脱
イオン水に加えて、あるいは脱イオン水と部分的
に置換して用いることができる。 特に好ましいフメクタントはグリセリンであ
り、これはその水結合特性を別にしても、乾燥し
た皮膚の表面を目にみえてよくするとも考えられ
る。 塗布中の組成物の潤滑性を改良するために、シ
リコーン油かジメチルポリシロキサンまたはその
他の従来技術のポリシロキサンのような液体を用
いることが望ましい。一般に25℃の温度における
シリコン油の粘度は約５センチストークから
12500センチストークである。本発明に用いる典
型的なポリシロキサンには、ジメチルポリシロキ
サン（CTFA名はジメチコーン、トリメチルユニ
ツトで端末ブロツクしたジメチルポリシロキサ
ン）、ジエチルポリシロキサン、ジメチルポリシ
ロキサン−ジフエニルポリシロキサン、シクロメ
チコーン、トリメチルポリシロキサン、ジフエニ
ルポリシロキサンおよびそれらの混合物が含まれ
る。 最良の結果は10と1000センチストークの間の粘
度を有するジメチルポリシロキサンで得られる。 化粧用組成物に典型的に用いられるその他の従
来技術の添加物を用いることもできる。ベースの
臭いを陰ぺいして美容上の魅力をもたらす香油を
用いることができる。無毒性で相溶性のよい色素
を所望の場合には、この組成物を色づけするため
に用いてもよい。メチルパラベンまたはパラヒド
ロキシ安息香酸のその他のエステルのような防腐
剤を用いることができる。所望であれば、ホルム
アルデヒドなどのような防腐剤もまた用いること
ができる。更に、その他の従来技術の軟化剤、乳
化剤、シツクナーンはその他の化粧用添加物など
を少量用いることができる。 加えて、その他の成分を特に注文に合わせて化
粧用組成物を有利に提供するために用いることが
できる。例えば、オクチルジメチルパラ−アミノ
安息香酸の如き陽やけどめ添加物を、全組成の約
１重量％から８重量％までの量で、本発明の組成
物に用いることができる。皮膚保護用組成物を作
るために、酸化亜鉛などの含有成分を組成の約
0.5重量％から３重量％までの量で与えることが
できる。医薬として、メントールなどの如き種々
の精油を組成の0.1重量％から２重量％までの量
で用いることができる。 本明細書中に用いられている含有成分のパーセ
ンテージは、特に示さない限り全組成の重量によ
るものである。一般に本発明の組成物は、約１％
から10％、好ましくは約１％から６％のペトロラ
タムまたは鉱油；約２％から12％の、好ましくは
約２％から７％の陽イオン性乳化剤；約1.5％か
ら５％の、好ましくは約1.5％から3.0％の脂肪族
アルコール；約１％から８％の、好ましくは約１
％から５％の脂肪族エステル；および残余の水性
賦形剤、好ましくは脱イオン水から成る。 一般に、本発明の組成物は、クリーム状組成物
が所望の場合には、約25％より少なくない、且つ
約50％より多くない水を含有すべきであり、ロー
シヨンないしは液状の組成物が所望であれば約75
％より少なくなく、且つ約95％より多くない水を
含有すべきである。好ましい形態は約75％から85
％の水を有するローシヨンである。 一般に用いられるフメクタントの量は約０から
10％であり、好ましくは約２％から７％であり；
用いられるシリコーン油の量は約０から５％であ
つて、且つ好ましくは約0.1から１％であり；用
いられる香料の量は約0.005％から２％であり、
好ましくは約0.01％から0.2％であり；そして防
腐剤の量は好ましくは約0.1％から0.2％である。 一般に、本発明の組成物における不揮発性成分
の総量は約８％から50％までさまざまであること
ができ、そして好ましくは組成の約15重量％から
25重量％である。 本発明の組成物は一般に、脂肪族アルコールと
陽イオン性乳化剤とをペトロラタムないしは鉱油
の中に分散させることにより調製する。その結果
生じた分散系を、撹拌しながら約170〓（77℃か
ら88℃）の温度に加熱し、ホツトオイル相を形成
する。水性賦形剤、着色剤および防腐剤を混合
し、撹拌しながら約170〓から190〓（77℃から88
℃）の温度に加熱し、熱水相を形成する。次い
で、ホツトオイル相を熱水相に加え、そしてその
結果生じた分散系を均質な混合物が得られるまで
撹拌する。 この混合物を約90〓の温度に冷却し、そして均
質な製品が得られるまで撹拌しながら香料を加え
る。用いた水性賦形剤の量に応じて、均質なロー
シヨンあるいはクリームが製せられる。 本発明の皮膚手入れ用組成物は、通常の方法で
局所的に塗布する。一般には、本組成物を容器か
ら流し出しておだやかに皮膚につける。組成物は
すみやかに吸収され、そしてやわらかくなめらか
な外観の皮膚とする。 下記の実施例は、本発明の好ましい実施例を更
に例示するのに役立たせるものである。 実施例 １ 本発明の皮膚手入れ用組成物は、次のようにし
て調製する： ジヤケツトでおおつた釜の中に、調製に用いる
脱イオン水の25％を入れる。その後でジメチルジ
ステアリルアンモニウムクロライド、ペトロラタ
ム、セチルアルコール、イソプロピルパルミテー
ト、ジメチコーン（ジメチルポリシロキサン液
体、ダウコーニング−DC225液体として供給され
ている）、メチルおよびプロピルパラベン保存料
およびグリセリンを加える。混合物を約180〓
（82℃）と190〓（88℃）の間の温度までゆつくり
と加熱する。その間、この混合物を、均質な混合
物を得るのに充分なズリ（shear）と回転で撹拌
する。撹拌は約30分間つづける。 その後に、残余の水を約50〓から70〓（10℃か
ら21℃）の添加温度で、続けてますます撹拌しな
がらゆつくりと添加する。水を全部加えた後、こ
の混合物は90〓から110〓（32℃から43℃）の温
度を有する結果となる。香料を、その後、均質な
ローシヨンが生成するまで、撹拌しながら加え
る。 その結果生じた皮膚手入れ用製品を、乾性皮膚
症候群を軽くするのに必要な時、皮膚に塗布す
る。 このようにして形成した皮膚手入れ用組成物は
次の成分を有する。

【表】

【表】 実施例 ２ 下記の組成を有する皮膚手入れ用ローシヨン
を、実施例１に記載した工程にほぼ従つて調製し
た。

【表】 実施例 ３ 本発明の組成物の保湿効果を評価するために、
三種のローシヨン調剤を、実施例１に記載の手順
にほぼ従つて調製した。調合は次の通りである。

【表】 ール

【表】 Ａ、Ｂ、Ｃと名付けた組成物を、ペトロラタム
そのものならびに市販のスキンローシヨン−以下
でPGとして示し、ほぼ下記のごとき調合組成を
有するもの−と対比してテストした。 PG トリエタノールアミンステアレート（乳化剤）、
エトキシレート化した脂肪族エステル、カルボポ
ル（シツクナー）、鉱油、脂肪族アルコール、ソ
ルビトール（フメクタント）、イソプロピル飽和
脂肪族エステル、グリセリルステアレート、防腐
剤、二酸化チタン、水ならびにシリコーン油。 加えて、未処置の皮膚にテスト手順を通過さ
せ、結果を測定してコントロールした。種々の処
方品の保湿効果を評価するために、各組成物の
0.02ミリリツトルを９人の女性被験者のそれぞれ
の前腕部位に塗布した。各部位の表皮を通しての
水分損失（transepidermal water loss、
“TEWL”）を、各組成の塗布1/2時間後にサーボ
−メツド（Servo−med）蒸発計で測定した。そ
の組成物をその後、キムワイプ（kimwipe）で
二度ぬぐい、その部位から部分的に取り除いた。
そして、その後測定を行なつた。皮膚の温度もま
た記録した。変動のランダム化したブロツク分析
を、化合物が皮膚上に存在するところでテスト調
合処方品によつて生じたデータのすべてについて
実施した。 TEWLの有意義な差が、変動のランダム化し
たブロツク分析を用いたときに認められた。多範
囲の分析は、処方品Ａ、Ｂ、Ｃとペトロラタム
は、吸収物質として一括することができるが、対
照に類似している処方品PGは、何ら吸収を生じ
ないようであることを示した。 ｇm^-2hr^-1で測定したTEWLを示すニユーマン
−キユールス（Newman−Keuls）の多重範囲分
析は下記の第１表に表示する。 第１表 TEWL値 処方品 ｇm^-2hr^-1 Ａ 2.2 Ｂ 2.7 Ｃ 2.9 ペトロラタム 3.0 PG 3.8 対照 4.1 このデータは、本発明の組成物の優秀性と、市
販の組成物と比して本発明組成物が予期し得ない
優れた保湿性を反映している。発明の組成物は乳
化された形でペトロラタムを含有してはいるけれ
ども、表皮を通しての水分損失はペトロラタム単
独と同様のレベルにまで本発明の組成物によつて
有意義に減少したことをこの結果は示している。
ペトロラタムの代りに鉱油を用いた組成物が用い
られる場合には、単独で用いたペトロラタムと比
べてさえも、満足し得る保湿性を示す処方組成物
を与えることもまたこの結果は呈示している。 実施例 ４ 本発明によつて皮膚に与えられた保湿性を更に
示すために、本発明の下記の処方組成物を実施例
１に記述した手順に従つて調製した。

【表】 三種の市販の処方組成物を同様にこのテストに
用いた。テストした第一の市販処方組成物はスキ
ンローシヨン−以下これをCPと呼ぶ−であつた。
第二の処方組成物はスキンクリームであり、そし
て以下これをNr.La469／４で示す。最後の処方
組成物は実施例３に記述のPGであつた。市販組
成物の処方は次の通りである。

【表】

【表】 半透明ないしはメングレンを通つての膜貫通水
分損失（transfilm moisture loss）を減ずる能
力について膜の特徴を調べるために試験管内試験
を実施した。 テストのシステムは、改良型フランツ拡散セル
において透析膜を横切る加熱された乾燥窒素ガス
の温度と相対湿度とを記録するための容量型セン
サーを用いた。10psiの桁の低ガス圧、および１
分あたり約50立方センチメータより小さい低い流
量率が、皮膚の膜表面を横切る、ほぼ薄板状の流
れに対して用いられた。メングレンの両側に均一
な温度を、拡散セル上に水のジヤケツトを循環さ
せることによつて維持した。製品は、全部、透析
膜の半分に流れ被覆した。メングレーンの残り半
分は対照として使つた。 測定はすべて安定した状態の水分損失が認めら
れるまで行なつた。減少率パーセントは次の式 減少％＝（未処理水分損失−処理ずみ水分損失）／（
未処理水分損失）×100 によつて計算する。 実験の結果は、以下にあるように第２表に示
す。 第２表 処方 減少％ 組成物 Ｄ 34 組成物 Ｅ 23 Nr.La469／４ 1 CP 27 PG 16 Nr.La469／４処方組成物セチルアルコールの
ような脂肪族アルコールを含有していない。PG
処方組成物は、本発明の陽イオン乳化剤と比べる
と、乳化剤として水溶性清浄剤を使用している。
CP処方組成物は本発明の処方組成物よりも緩慢
に吸収され、そして塗布後、美容的に不愉快なべ
とべとした感じを示した。そのうえ、CP処方組
成物は水にふれると、本発明の処方組成物よりも
簡単に取れてしまう。加えて、CP処方組成物は
本発明の陽イオン性乳化剤と比較すると、清浄剤
乳化剤を使用している。 実施例 ５ 触感性についての美容的な比較を、実施例１の
手順にほぼ従つて調製した本発明の皮膚手入れ用
組成物と、市販のスキンコンデイシヨナーとの間
で行なつた。市販のコンデイシヨナーのラベルに
ある処方組成は次の通りである。 処方組成 鉱油、クアツト（Quat）18、クアツト19、イ
ソプロピルパルミテート、セチルアルコール、プ
ロピレングリコール、ジメチコーン、PEG（100）
ステアレート、ラノリンアルコール、グリセロー
ルステアレート、乳酸ナトリウム、水、防腐剤、
香料、TiO₂ 市販のスキンコンデイシヨナー用の第一の乳化
剤、ポリエチレングリコール（100）ステアレー
トは、水溶性界面活性剤である。約1.5パーセン
トの第四アンモニウム界面活性剤、クアツト18も
同じく存在すると信じられる。 皮膚へ塗布した後、市販のコンデイシヨナー
は、油つぽく、べとべとした残渣を残し、これは
使用者に美容上受け入れ難い。そのうえ一次乳化
剤として水溶性界面活性剤を使用するせいで、被
膜は本発明の組成物に比較するともつと容易に分
散する。対照的に、本発明の組成物は容易に吸収
され、べとべとした美容上受け入れ難い残渣を残
すことなく、乾燥した皮膚にうるおいを与える。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 皮膚にうるおいを与え且つととのえるのに充
   分な量の、ペトロラタム、炭化水素材料の混合物
   と一部分が置換されているペトロラタム、または
   鉱油； 式； （式中、R₁とR₂は各々約16から22の炭素原子を
   有する長鎖のほぼ線状のアルキル基であり、R₃
   とR₄は各々約１から３の炭素原子を有する低級
   アルキル基であり、そしてＸは塩形成陰イオンで
   ある）を有する第四アンモニウム化合物で、該第
   四アンモニウム化合物は該ペトロラタムもしくは
   鉱油を乳化するのにまた皮膚をととのえるのに充
   分な量であるもの； エマルジヨンを安定化し且つ化粧上受け入れら
   れる粘性を与えるのに充分な量の脂肪族アルコー
   ル；並びに、 組成物の触感性を向上させるのに充分な量の脂
   肪族エステル軟化剤を含有する撥水性エマルジヨ
   ンから成り、化粧上容認できる触感性を有する、
   皮膚にうるおいを与え且つととのえるための皮膚
   手入れ用組成物。 ２ 約75％から85％の水性賦形剤；約１％から６
   ％のペトロラタム；約２％から７％のジメチルジ
   ステアリルアンモニウムクロライド；約1.5％か
   ら５％のセチルアルコール；約１％から５％のイ
   ソプロピルパルミテート；および約0.1％から約
   1.0％の、約10から1000センチストークスの粘度
   を有するジメチルポリシロキサン液体を含有する
   撥水性エマルジヨンから成るローシヨンである特
   許請求の範囲第１項記載の組成物。