JPH0377437B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本発明は焼結機における原料装入装置に関する
ものである。 （従来の技術） 製鉄所において広く用いられているドワイトロ
イド式焼結機は、パレツトと呼ばれる容器を連結
して無端状となし、低速回転するスプロケツトホ
イールによりパレツトを移動させ、焼結用配合原
料（以下単に原料と言う）を一端から連続的に供
給すると共に、原料表層に順次点火し、下方から
吸気することによつて原料上層から下層に向けて
焼結を行い、他端の排鉱部に到達した時点で全層
にわたつて焼結を完了させるように焼結鉱を連続
的に製造する装置である。 焼結鉱を製造するにあたり、得られる製品の品
質、製品歩留、生産能率、製造原価の面で総合的
に最も有利な条件で焼結鉱を製造しなければなら
ないが、原料配合から原料装入、点火、焼結、排
鉱に至る各工程においてそれぞれ解決しなければ
ならない技術的課題は多く、なかでも原料をパレ
ツトへ装入する際に生じさせる原料の粒度偏析及
びコークス粉のパレツト高さ方向の偏析と点火後
排鉱までの間に生じる漏風防止の問題は焼結鉱製
造上極めて重要な課題であつて、これらの問題を
有利に解決する為に日夜関係者の努力が続けられ
ている。 （発明が解決しようとする問題点） 原料をパレツトへ装入する際、第１２図に示す
ようにホツパー１５からドラムフイーダー１６を
経て切り出した原料９をパレツトの進行方向１０
Ａに対して逆の傾斜を有するスローピングプレー
ト８を介してパレツト１０へ装入するが、スロー
ピングプレート８はこの上で原料９を転動させる
際粗粒原料をパレツトの下層へ、細粒原料を上層
へ装入するように分級を行い、且つ予め細粒とし
ておくコークス粉を上層部に多く堆積させるとい
う目的で設けられているものである。しかしなが
らスローピングプレート８による分級は転動によ
る自然分級である為、その機能には限度があり、
パレツト上における原料の粒度分布及びコークス
含有率の分布を理想的なものとする為にはスロー
ピングプレートの機能のみではその効果は十分と
は言えないものであつた。 この問題を解決する為の方法として特公昭59−
30776号公報にスローピングプレートを特定の開
口部を有する複数のシユートで構成するという技
術が開示されている。この技術によればスローピ
ングプレートによる分級作用を強めるという効果
を奏するがスローピングプレートを数段に設ける
必要があり、その為設備費がかさむ他、作業性や
メンテナンスの点で不利であるという問題があつ
た。又、焼結におけるベツトの漏風防止の課題に
対してはこれまで数多くの提案がなされておりな
がら今だに完全解決には至つていない。漏風を焼
結過程で見ると、原料が焼結される際の焼締りに
起因して焼結の進行と共に焼結ベツト内に引張応
力が生じ、パレツトサイドウオールの内側に空隙
が発生したり、焼結ベツト表面に大亀裂が生じ
て、これらの空隙や亀裂から大量の漏風が生じ焼
結に何等寄与しない大量の空気が吸引されてしま
うのでこの漏風を吸引する分だけ無駄な電力を消
費する。漏風の問題を解決する為の方法の一つと
して、原料装入後点火するまでの間に原料層表面
に燃焼抑止部分を設けて焼結するという方法が特
公昭59−50749号公報に開示されている。この方
法は、点火前の原料表面に線状に散水しておくこ
とにより線状の末着火部分を多数設けることによ
つてベツト表層に小亀裂を生じさせて焼結での焼
締りによる引張応力をこの部分で吸収させ、結果
として焼結ベツトに漏風を伴う大亀裂を発生させ
ないという技術である。この方法によつて焼結ベ
ツトの大亀裂発生を抑止することが可能となつた
が、しかし原料表層に焼焼抑止部を設けるという
手段は熱的にみれば不利な手段であつて省エネル
ギーがさけばれている現在その効果は十分なもの
とは言えない面があつた。 （問題点を解決するための手段） 本発明は、前記従来技術の問題点を有利に解決
する為になされたものであつてその要旨は以下の
とおりである。 １） スローピングプレートの表面に原料の流れ
る方向と平行に複数個のセパレーターを設ける
ことを特徴とする焼結機における原料装入装
置。 ２） 複数個のセパレーターをフレームに固設し
該フレームをスローピングプレートの長さ方向
に移動可能に固定することを特徴とする前記第
１項記載の焼結機における原料装入装置。 ３） セパレーターはスローピングプレートの幅
方向に等間隔に設けることを特徴とする前記第
１項又は第２項記載の装置。 ４） フレームに加振装置を設けることを特徴と
する前記第２項又は第３項記載の焼結機におけ
る原料装入装置。 ５） セパレーターは長さ方向に個々に移動可能
に設けるものであることを特徴とする特許請求
の範囲第１項、第２項、第３項又は第４項記載
の焼結機における原料装入装置。 ６） スローピングプレートの表面に原料の流れ
る方向と平行に複数個のセパレーターを設ける
と共に原料が落下する部位のパレツト上にパレ
ツトの進行方向と平行に複数個の仕切板をのぞ
ませたことを特徴とする焼結機における原料装
入装置。 以下、図面に基づいて本発明を説明する。 第１図は、本発明を例示する斜視図、第２図は
本発明に係るセパレーター及びフレームを例示す
る正面図であり、第３図はその側面図である。 本発明は第１図〜第３図に示すように、焼結機
におけるスローピングプレート８の表面に原料の
流れる方向、即ちスローピングプレート８の長さ
方向と平行に複数個のセパレーター１を設けたこ
とを特徴とする。 このセパレーター１はスローピングプレート８
に固設するものであつてよいが、望ましくはフレ
ーム２にほぼ等間隔に固設し、このフレーム２を
スローピングプレート８の上端に前後進可能に設
置する。具体的には、フレーム２の上端に複数個
のセツトピン穴４を設けたスライドアーム３を複
数個固設し、これらのスライドアーム３をスロー
ピングプレート８に固設した固定支持アーム５に
ロツクピン７により固定する構造とする。図中６
は固定支持アーム５に設けたロツクピン穴であ
る。この固定方法は、これに限るものでなくコツ
ターで固定する等他のいかなる手段で行つてもよ
い。 セパレーターは等間隔に設けるほかに、パレツ
ト幅方向中央部で間隔を狭く、両サイドで広く設
けることも有効である。つまり一般にパレツト幅
方向では通気性が中央部で小、両サイドで大とな
る傾向が認められるので、本発明に係るセパレー
ターの間隔を前記の如く調整することによつてパ
レツトの幅方向において火の落ちを揃えることが
可能となる。このセパレーターの間隔を焼結操業
条件にあわせて予めいくつかのパターンとして設
定しておくのが望ましい。 又、第４図に示すようにフレーム２に加振装置
１１を設置し、この加振装置１１によつて振動さ
せるようにすることは有効でセパレーター１に原
料が付着しこれが成長してセパレーター１の機能
を損うようになる前に該加振装置１１により各セ
パレーターに振動を与えこれを防止できる。 又、第５図のようにセパレーターが個々に上、
下可動し原料装入面に対しての長さを調整し、原
料偏析のコントロールが可能とすることも出来
る。７はロツクピンである。 第６図に示す如くパレツト１０上の原料９が落
下する位置にパレツト１０の進行方向１０Ａと平
行に複数個の仕切板１２をのぞませて設けるのは
有効である。この仕切板１２はドラムフイーダー
架台１３から支持部材１４を吊設し、この支持部
材１４に固設するものであつてよい。図中１５は
ホツパー、１６はドラムフイダーである。 第７図は本発明に係る仕切板１２を例示する平
面図であり仕切板１２はパレツトの幅方向にほぼ
等間隔に扇形に設ける。これらの仕切板１２は高
さ20mm以上とし、その上限はパレツトの原料層高
さまでとする。又設ける間隔は本発明に係るセパ
レーター１，１−の間隔と同等であつてよく、セ
パレーター１と仕切板１２との位置関係はセパレ
ーター１の延長線上にそれぞれの仕切板１２が位
置する如く設けるか、或はセパレーター１の延長
線が仕切板１２のそれぞれの中間に位置するよう
に設けるのが望ましく仕切板の数は該セパレータ
ー１の数と同数かそれより多く設けるのが有効で
ある。 本発明に係るセパレーター１は高さＨを20m/
ｍ〜300m/m、間隔Ｗを50m/m〜500m/mの範囲
とするのが望ましく、又その形状は第８図イに示
す如く板状を基本とするがロのように波型も可能
であり、ハに示す如く断面が十字形の板状体とす
れば摩耗を抑制できるという点で優れており、更
にはニに示すようにフアインセラミツクス等表面
円滑素材からなる棒状体とすることもできる。 又原料付着による転動面積を拡張し偏析効果を
向上させる為ホに示す如く半円形とすることも出
来る。 （作 用） 第９図は、本発明装置により原料をパレツト１
０上へ装入する状況を示す側面図であり、第１０
図は、本発明装置上を流下する原料粒を模式的に
示す平面図である。 第９図及び第１０図に示すようにホツパー１５
から切り出されドラムフイダー１６を介してスロ
ーピングプレート８へ流下した原料９は本発明に
係るセパレーター１，１…間を転動しつつパレツ
ト１０へ装入される。この時の原料粒の転動状況
を説明すると、所定の粒度分布を持つ原料９がス
ローピングプレート８上を転動する際粗粒原料９
Ａの方が転動速度が大で細粒原料９Ｂの速度は小
さい。この為スローピングプレート８上に複数個
のセパレーター１，１…間を転動する原料はスロ
ーピングプレート８の幅方向でみるとセパレータ
ー１，１間で断面が谷状を呈しつつ転動すること
となる。この為に各セパレーター１，１間を転動
する原料は、左右から中央へ向う原料流の影響が
加わる為に各セパレーター１，１…間では粗粒原
料９Ａが中央に集まるような分級が生じ、更にス
ローピングプレート全体では複数個のセパレータ
ー１，１…が原料９の流れに対して抵抗としての
作用をする為にスローピングプレート８本来の原
料粒分級作用を増強することになり、その結果パ
レツト１０内へ装入された原料９は第１１図に示
す如く理想的な粒度構成となる。即ち同図に示す
如く原料９は本発明に係るスローピングプレート
８による分級作用によつて下層には粗粒原料９Ａ
上層には細料原料９Ｂが多い、焼結にとつては望
ましい粒度分布になると同時に本発明に係るセパ
レーター１，１…の分級作用によつて、パレツト
１０の幅方向の複数箇所に上下に伸びる線状の粗
粒部９Ｃが形成される。 この様な本発明特有の粒度構成とした原料を焼
結すると、細粒のコークス粉が上層に多く集まる
こと、又粒度分布が理想的であることからパレツ
ト上層部の焼結鉱の品質が改善されることとなり
更に線状の粗粒部９Ｃは通気性が良好なるがゆえ
にパレツト幅方向における通気が望ましいものと
なり、焼締りによつて焼結ベツト内に生じる引張
応力を粗粒部９Ｃにおいて吸収することとなつて
焼結過程における漏風の問題を著しく改善する。 （実施例） 実施例 １ 長さ1300m/m、幅5200m/mのスローピングプ
レート表面に、高さ50m/m、幅５m/m、長さ
1350m/mの本発明に係るセパレーターを等間隔
に24本設置し、このスローピングプレートを用い
てパレツトへ原料を装入し焼結鉱を製造した。そ
の結果をセパレーターを設けない従来技術による
比較例と共に表に示す。 実施例 ２ 上記実施例１で使用したスローピングプレート
をそのまま用いると共に高さ40m/m、幅９m/m
の板状仕切板を扇形に長さ900〜1300m/mとし
て、前記スローピングプレートに設けたセパレー
ターの数と同数だけパレツト上に原料が落下する
部にのぞませて設けた。 それらセパレーターと仕切板の位置関係は、各
セパレーターの延長線が各仕切板の中間に位置す
るように設けた。 この様な装置を使用して原料の装入を行い、焼
結鉱を製造した。その結果を表にまとめて示し
た。

【表】 表に示すとおり、本発明の実施例１、及び２は
共に焼結歩留が向上し、焼結鉱のFeO値が改善さ
れ、通気性が良好となつてメインブロワーの負圧
が著しく減少した。 （発明の効果） 以上述べたように本発明によれば原料をパレツ
ト上へ装入する過程で原料の粒度構成を理想的な
ものとすることができるので焼結に際しては通気
性が向上することによりメインブロワーの負荷を
軽減でき、得られる焼結鉱の品質を向上させ、更
に焼結歩留を向上できる等顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のスローピングセパレーターの
一例を示す斜視図、第２図は上記第１図の正面
図、第３図は第１図のスローピングセパレーター
をスローピングプレートに固定支持アームを介し
固定した側面図、第４図はフレームに加振装置を
設けた時の斜視図、第５図は独立型セパレーター
の装着を示す斜視図、第６図は本発明のスローピ
ングセパレーターと仕切板の併用の側面図、第７
図は上記第６図の平面図、第８図イ，ロ，ハ，
ニ，ホはスローピングセパレーターの各種形状
図、第９図はパレツトへの原料装入状況側面図、
第１０図はスローピングセパレーターの付着状況
と原料流の概念図、第１１図はパレツトへの装入
原料断面図、第１２図は従来の方法による原料装
入状況側面図である。 １はスローピングセパレーター、２はフレー
ム、３はスライドアーム、４はセツトピン穴、５
は固定支持アーム、６はロツクピン穴、７はロツ
クピン、８はスローピングプレート、９は原料、
９Ａは粗粒、９Ｂは細粒、９Ｃは線状の粗粒部、
１０はパレツト、１１は加振装置、１２は仕切
板、１３はドラムフイダー架台、１４は支持部
材、１５はホツパー、１６はドラムフイダー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スローピングプレートの表面に原料の流れる
   方向と平行に複数個のセパレーターを設けること
   を特徴とする焼結機における原料装入装置。 ２ 複数個のセパレーターをフレームに固設し、
   該フレームをスローピングプレートの長さ方向に
   移動可能に固定することを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の焼結機における原料装入装置。 ３ セパレーターはスローピングプレートの幅方
   向に等間隔に設けることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項又は第２項記載の焼結機における原料
   装入装置。 ４ フレームに加振装置を設けることを特徴とす
   る特許請求の範囲第２項又は第３項記載の焼結機
   における原料装入装置。 ５ セパレーターは長さ方向に個々に移動可能に
   設けるものであることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項、第２項、第３項又は第４項記載の焼結
   機における原料装入装置。 ６ スローピングプレートの表面に原料の流れる
   方向と平行に複数個のセパレーターを設けると共
   に、原料が落下する部位のパレツト上にパレツト
   の進行方向と平行に複数個の仕切板をのぞませた
   ことを特徴とする焼結機における原料装入装置。