JPH037704Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は鋼板により内張りを施した煙突ある
いは給排気筒に関するものである。

〔従来の技術〕

煙突などの本体を断熱材で製作し、その内側に
鋼板による内張りを施す場合、従来では鋼板の溶
接により内張りを行なつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

煙突などの本体内の内張りを溶接により行なつ
た場合、熱による膨脹収縮が本体と内張りでは異
なつているので膨脹収縮のさいの対応が困難であ
るという問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は断
熱材からなる筒状本体内に、ステンレス鋼板をハ
ゼ継目により接続してスパイラル状に巻いた内張
り筒を挿入したものである。

〔実施例〕

図面に示す実施例において、１は筒状本体であ
つて、断熱材により円筒状に形成したものであ
る。この断熱材としては、ゾノトライト系珪酸カ
ルシユーム（珪酸カルシユーム水和物の中でも最
も熱収縮の小さいもので、断熱性、耐熱性、耐酸
性、耐摩耗性が抜群に優れている）を用いる。し
かし、他の断熱材を用いてもよい。

上記のような断熱性材料からなる本体の内側に
内張り筒２を挿入する。この内張り筒２は帯状の
ステンレス鋼板３をスパイラル状に巻いたもの
で、螺旋状の継目はハゼ継目４とする。

また、上記ハゼ継目４は第３図の拡大断面図の
ように、上位の鋼板３の下縁を外側へＵ字状に折
り曲げ、下位の鋼板３の上縁は上位の鋼板３の外
側へ折り曲げてＵ字状とした下縁の外側を下部か
ら上方へ巻いて、内側へ倒立Ｕ字状に屈曲して、
上向きＵ字状の下縁の内側へ巻き込むことにより
内張り筒２の内面に発生する水滴を継目４の部分
で外側へ漏らせることなく下部へ導くような方向
性をもたせる。

上記の実施例の場合、本体１の下部をボイラの
燃焼室などに通じる煙道に連通させることにより
燃焼室で発生した高温の排ガスが内張り筒２に接
触しつつ上昇する。

〔効果〕

この考案は上記のように、本体の内側に挿入す
る内張り筒として、ステンレス鋼板をハゼ継目に
より接続してスパイラル状に巻いたものを用いた
から、その内部を高温の排ガスなどが通過して内
張り筒を構成するステンレス鋼板が膨脹しても、
ハゼ継目の部分で鋼板の伸びが吸収され、内張り
筒全体としての本体に対する伸びは殆んどなく、
冷却時の収縮の場合も同様である。従つて熱によ
る内張り筒の膨脹、収縮による不都合は殆んどな
くなるのである。

また、ハゼ継目は上位の鋼板の下縁が外上向き
にＵ字状に屈曲し、下位の鋼板の上縁が上記Ｕ字
状に屈曲した下縁の外側を下部から上方へ巻いて
内側へ倒立Ｕ字形に屈曲して、上向きＵ字状の下
縁の内側へ巻き込むことにより構成してあるか
ら、ハゼ継目の部分の内面に通じる鋼板の合せ目
は下向きとなる。従つて、内張り筒の内面に発生
した水滴がハゼ継目の部分を流下しても、継目の
鋼板の合せ目が下向きになつているため、水滴が
鋼板の合せ目に流入して内張筒の外側に洩れるよ
うなおそれがないなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す一部切欠斜
視図、第２図は同上の横断平面図、第３図はハゼ
継目部の拡大縦断側面図である。 １……筒状本体、２……内張り筒、３……ステ
ンレス鋼板、４……ハゼ継目。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断熱材からなる筒状本体内に、ステンレス鋼板
   をハゼ継目により接続してスパイラル状に巻いた
   内張り筒を挿入した構造において、上記ハゼ継目
   部において、上位の鋼板の下縁が外上向きにＵ字
   状に屈曲し、下位の鋼板の上縁が上記Ｕ字状に屈
   曲した下縁の外側を下部から上方へ巻いて内側へ
   倒立Ｕ字形に屈曲して、上向きＵ字状の下縁の内
   側へ巻き込むことにより、内張り筒内を流下する
   水分がハゼ継目の隙間に流入しないようにした煙
   突などの給排気筒。