JPH0243009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は石油小形給湯機等の給湯機に関す
る。

(ロ) 従来の技術 従来、この種の給湯機は特公昭55−36899号公
報に開示されているように、バーナを燃焼室の横
に設置する横焚式のものと、実公昭55−18768号
公報に開示されているように、バーナを燃焼室の
上部に下向きにして臨ませる上焚式のものとが使
用されている。

前者の横焚式のものは燃焼室を広く活用できる
ので、燃焼騒音を低減させるための吸音器を燃焼
室に内蔵させることが可能である。しかし、バー
ナが横に突出するため、設置面積が大きくなる欠
点があつた。これに対し、後者の上焚式のものは
バーナを外装箱内の上部空間に収容できるため、
設置面積が小さくなる利点を有する。しかしなが
ら、燃焼室には燃焼ガスと水との熱交換が良好に
行なわれるように筒状のバツフル筒が設けられて
いるので、吸音器の設置スペースがない。しか
も、外装箱内の上部空間にはバーナが収容されて
いるので、吸音器を外装箱外部の煙突につけなけ
ればならず、外観を損う心配があつた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 この考案の課題は外装箱内の空間を有効に活用
して十分な容量の吸音器が設置できるようにし、
燃焼騒音を低減させるようにした上焚式の給湯機
を提供することである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 上記の課題を解決するため、この考案では、筒
状の水罐と、この水罐の内側に設けられた燃焼室
と、この燃焼室の上方を覆う耐火材と、この耐火
材を上から下へ貫通して前記燃焼室に臨ませたバ
ーナと、前記燃焼室から前記耐火材を貫通して立
ち上げられた排気管と、これらの水罐、バーナ、
排気管等を収納した直方体の外装箱とを備えた給
湯機において、外装箱の上部空間にはバーナと排
気管とが外装箱の相対する２側面間に並べられ、
この排気管には長軸が外装箱の他の２側面と直交
する長円形の吸音器が取付けられている構成であ
る。

(ホ) 作用 上焚式の給湯機では、排気管をバーナよりも背
面側にして外装箱を壁面設置した場合、排気管か
らの燃焼音はバーナを介して前面から外へ漏れる
ものより、直接、外装箱の両側面から外へ漏れる
ものの方が大きくなる。そこで、上記のようにバ
ーナ及び排気管を外装箱内に設置し、かつ、排気
管に取付けられる吸音器の断面を長円形にするこ
とにより、外装箱の上部空間に、バーナを避けな
がら十分な容量の吸音器を設置できるばかりでな
く、外装箱の両側面から外へ漏れる燃焼音が大幅
に減衰され、燃焼騒音が効率よく低減される。

(ヘ) 実施例 以下、この考案を図面に示す実施例について説
明する。

第１図および第２図はこの考案の一実施例の石
油小形給湯機を示すものである。

第１図および第２図において、１は有底筒状の
外筒２と内筒３との間に水室４を形成した水罐
で、外筒２の側部に給水口５を、上側部に給湯口
６をそれぞれ設けてある。７は水罐１の内側に形
成された燃焼室８の上方を被覆する耐火材、９は
耐火材７を貫通して燃焼室８の上部に臨ませたバ
ーナ、１０は耐火材７からバーナ９を囲繞するよ
うに垂下させるとともに、水罐１との間に燃焼ガ
ス流通路１１を形成する筒状のバツフル板、１２
は燃焼ガス流通路１１の上部と連通し、耐火材７
を貫通して立設させた排気管、１３はバーナフア
ン、１４はバーナモータ、１５は点火トランス、
１６は電磁ポンプ、１７は直方体の外装箱であ
る。

外装箱１７の上部空間には、第２図に示すよう
に、バーナ９と排気管１２とが外装箱１７の相対
する２側面間に並べて設けられている。この排気
管１２には長軸が外装箱１７の他の２側面と直交
する長円形の吸音器１８が取付けられ、この吸音
器１８の下部が耐火材７に埋設されている。ま
た、吸音器１８は煙道を形成する内周壁１９と外
周壁２０との間に岩綿等の吸音材２１が収容さ
れ、内周壁１９に多数の穴２２が穿設されてい
る。

以上のように構成された石油小形給湯機はバー
ナ９にて燃焼を行なわせると、燃焼ガスが水罐１
の底面で反転し、バツフル板１０と水罐１との間
の燃焼ガス流通路１１を上昇する。そして、水罐
１と接触して水室４の水を加熱した後、排気管１
２を通つて外装箱１７の外部へと排気される。排
気管１２には吸音器１８が装設されているため、
排気管１２を通過する燃焼音が吸音器１８で吸収
され、燃焼騒音が小さくなる。

本実施例によれば、燃焼室８から耐火材７を貫
通して立設した排気管１２に断面が長円形の吸音
器１８を装設したので、バーナ９が外装箱１７内
の上部空間に収納されているにも拘らず、吸音器
１８の断面積を外装箱の相対する２側面と平行
（他の２側面と垂直）にして、換言すれば、燃焼
音が漏れやすい外装箱の２側面と直交する方向に
大きくして吸音器１８に十分な容量を持たせるこ
とができる。また、吸音器１８の下部を耐火材７
に埋設したので、外装箱１７を必要以上に高くす
ることなく、吸音器１８の軸方向の長さを大きく
とり、吸音器１８の容量を増大させることができ
る。このため、排気管１２を通過する燃焼音、特
に外装箱１７の両側面から外へ漏れる燃焼音が吸
音器１８で大幅に減衰され、効率よく燃焼騒音を
低減させることができる。もちろん、吸音器１８
は外装箱１７に内蔵されているので、外観を損う
心配がなく、外装箱内部を無駄なく有効に活用す
ることができる。なお、本実施例のものは吸音器
のない従来の上焚式のものに比べ、燃焼騒音が数
dB低下した。

(ト) 考案の効果 この考案は以上のように構成されているので、
外装箱内のバーナが収容される上部空間を無駄な
く利用して吸音器を設置できるばかりでなく、吸
音器の容量を燃焼音が漏れやすい外装箱の２側面
と直交する方向に大きくして効率よく燃焼騒音を
大幅に低減させることができる。また、吸音器が
外装箱に内蔵されるので、外観を損う心配もな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す石油小形給
湯機の断面図、第２図は同じく外装箱の天板を外
して示す平面図である。 １……水罐、７……耐火材、８……燃焼室、９
……バーナ、１２……排気管、１７……外装箱、
１８……吸音器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 筒状の水罐と、この水罐の内側に設けられた
   燃焼室と、この燃焼室の上方を覆う耐火材と、
   この耐火材を上から下へ貫通して前記燃焼室に
   臨ませたバーナと、前記燃焼室から前記耐火材
   を貫通して立ち上げられた排気管と、これらの
   水罐、バーナ、排気管等を収納した直方体の外
   装箱とを備えた給湯機において、外装箱の上部
   空間にはバーナと排気管とが外装箱の相対する
   ２側面間に並べられ、この排気管には長軸が外
   装箱の他の２側面と直交する長円形の吸音器が
   取付けられていることを特徴とする給湯機。 (2) 吸音器は下端が耐火材に埋設されているもの
   とした実用新案登録請求の範囲第１項記載の給
   湯機。