JPS6023637Y2 - 給湯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、縦長の器体の内部上方に貯湯槽を設けてその
下方に燃焼室を形成し、かつこの燃焼室内に前記貯湯槽
の底部から下方に延びる縦長の熱交換器を配置してなる
給湯器に関する。

一般に給湯器においては、熱効率の向上および火傷等熱
的危険性の防止等の見地から、燃焼室から器体外への熱
の散逸を防止することが要求されている。

これに対処するために、器体周壁の外周に給水管を巻回
する手段、器体周壁の内周に断熱材を張設する手段等が
採られている。

しかしながら、器体周壁の外周に給水管を巻回する場合
には、実開昭５３−３７９３峰公報に見られるように給
水管を高密度に巻回しなければならず、長尺の給水管が
必要になってその巻回取付は作業に多大の時間、費用を
必要とし、またかかる手段で熱の散逸が防止されたとし
ても給水時の圧損が非常に大きいという欠点を備えてい
る。

また、器体周壁の内周に断熱材を張設する場合には、実
公昭５３−４３５８７号公報に見られるように、器体周
壁と燃焼室との間に大きな環状空間を形成しなければな
らない。

上記公告公報の給湯器（湯水ボイラ）においては、器体
周壁と燃焼室との間に環状の空気通路と環状の貯湯槽を
形成している。

従って、この場合には、器体の外径が非常に大きくなっ
て占有面積が大きくなるという不都合がある。

本考案は、縦長の器体の内部上方に貯湯槽を設けてその
下方に燃焼室を形成し、かつこの燃焼室内に前記貯湯槽
の底部から下方に延びる熱交換器を配置してなる所謂ス
リム型給湯器において上記した種々の問題に対処して、
燃焼室から器体外への熱の散逸を有効に防止した給湯器
を提供しようとするもので、以下本考案を図面に基づい
て説明するに、図面には本考案に係る給湯器の一例であ
るスリム型のガス湯沸器が示されている。

このガス湯沸器においては、縦長の器体１０の内底部に
ガスバーナ２１が配設されてその上部に燃焼室Ｒが形成
されていて、燃焼室Ｒの上部には、熱交換器４０を取付
けた貯湯槽３０が配設されている。

器体１０は、内筒１１および外筒１２からなるもので、
内外両筒１１．１２を所定の間隙を保って同心的に配置
することにより形成されている。

貯湯槽３０は、内筒１１とその内周壁に固着した天板３
１および底板３２によって樹皮されていて、貯湯槽３０
の内外筒１１．１２の間隙部には、グラスウール等の保
熱材１３が介挿されている。

また、天板３１および底板３２には、貯湯槽３０を貫通
して燃焼室Ｒの上部および器体１０の上端部に開口する
複数の排気管３３が固着されており、さらに天板３１の
略中央部には、貯湯槽３０に連通する給湯管３４が固着
されている。

熱交換器４０は、外管４１と、その内部に略同心的に配
設した内管４２と、外管４１の外周に固着した多数の吸
熱フィン４３とによって構成されている。

外管４１は、貯湯槽３０の底板３２略中央部に固着され
、その上端は貯湯槽３０の中央部に延びて上方に開口し
、かつその底部は燃焼室Ｒの下方部に延びている。

また、内管４２の上端は側方に屈曲し、外管４１の周壁
を貫通して貯湯槽３０の底部近傍に開口腰かつその下端
は外管４１の底部近傍に延びて開口している。

一方、外管４１の燃焼室Ｒに露呈する外周には、多数の
吸熱フィン４３が積層状に嵌挿されてロウ付は等により
固着されている。

しかして、燃焼室Ｒを形成する内筒１１の外周には、給
水源に接続される給水管３５が巻回されて内外両筒１１
．１２の間隙に位置し、この給水管３５は巻回部３５ａ
から内外両筒１１，１２の間隙を上方に延び、貯湯槽３
０の底板３２を貫通して貯湯槽３０の底部にて開口して
いる。

また、内筒１１の内周面には、燃焼室Ｒの下方から貯湯
槽３０の底部近傍にわたって板状のガラスウール、石綿
等からなる断熱材１４が張設されている。

このように構成した当該ガス湯沸器においては、冷水が
給水管３５を通して貯湯槽３０内に供給され、一方ガス
バーナ２１に供給された可燃ガスは燃焼室Ｒ内にて燃焼
し、生じた燃焼ガスは各排気管３３を通って屋外へ排出
される。

この間、熱交換器４０においては、外管４１の外周にロ
ウ付は等により固着された多数の吸熱フィン４３を介し
て、燃焼室Ｒ内の熱気と外管４１内の水との間で極めて
効率よく熱交換が行なわれ、水は貯湯槽３０内を図示矢
印にて示すように円滑に循環対流して熱水となる。

この熱水は、給湯管３４を通して所要の場所へ給湯され
る。

ところで、当該ガス湯沸器においては、燃焼室Ｒを形成
する内筒１１の内周には燃焼室Ｒの下方から貯湯槽３０
の底部近傍にわたって断熱材１４が張設されておりかつ
その外周には給水管３５が巻回されているため、断熱材
１４および給水管３５中の冷水によって外筒１２への熱
の散逸を防止し得るとともに燃焼室Ｒ内の熱気の略全部
を熱交器４０側へ供給して熱効率を高めることができる
。

しかして、当該ガス湯沸器においては、熱の散逸防止の
一部材として断熱材１４を使用しているため、給水管３
５を高密度に巻回する必要がなく、長尺の給水管３５を
要しない上その巻回取付は作業の時間、費用等を節減す
ることができる。

さらに、内筒１１の内周は断熱材１４により燃焼室Ｒ内
の熱気に直接曝されることがなく、非常に低温に保たれ
るので内筒１１延いては器体１０の耐久性が向上する。

なお、以上の実施例においては、本考案の代表的な例で
あるスリム型のガス湯沸器について説明したが、本考案
は縦長の器体の内部上方に貯湯槽を設けてその下方に燃
焼室を形威し、かつこの燃焼室内に前記貯湯槽の底部か
ら下方に延びる縦長の熱交換器を配置してなる所謂スリ
ム型のガス、石油燃焼式の各種の給湯器に実施しうるも
のである。

以上説明したように、本考案は上記した各種の給湯器に
おいて、前記燃焼室を形成する周壁の外周に給水管を巻
回するとともにその内周に下方から前記貯湯槽の底部近
傍にわたって断熱材を張設したことにその構成上の特徴
がある。

従って、本考案によれば給水管を高密度に巻回すること
なく燃焼室から器体外への熱の散逸を防止でき、かつ給
水時の圧損の少ない熱効率のよい給湯器を提出すること
ができる。

また、本考案によれば、かかる給湯器を給水管の巻回取
付は作業に多大の時間、費用を要することなく提供する
ことができる。

さらにまた、本考案によれば、給湯器の占有床面積を小
さくして、床面積の有効利用を図って縦長の所謂スリム
型給湯器を提供するのに極めて有利である。

【図面の簡単な説明】 図面は、本考案に係る給湯器の一例を示すガス湯沸器の
縦断面図である。 符号の説明、１０・・・・・・器体、１１・・・・・・
内筒、１２・・・・・・外筒、１４・・・・・・断熱材
、３０・・・・・・貯湯槽、３５・・・・・・給水管、
４０・・・・・・熱交換器、Ｒ・・・・・・燃焼室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦長の器体の内部上方に貯湯槽を設けてその下方に燃焼
   室を形成し、かつこの燃焼室内に前記貯湯槽の底部から
   下方に延びる縦長の熱交換器を配置してなる給湯器にお
   いて、前記燃焼室を形成する周壁の外周に給水管を巻回
   するとともにその内周に下方から前記貯湯槽の底部近傍
   にわたって断熱材を張設したことを特徴とする給湯器。