JPH0225089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本願は石油給湯機に係る考案に関するものであ
る。

（従来の技術とその問題点） 現在、石油給湯機は設置場所の制約やアフター
メンテナンススペースの確保という点でよりコン
パクトなものが望まれている。

ところが、従来のジヤケツト式の給湯機をコン
パクトにすると燃焼室が狭くなるためバーナーと
ジヤケツト内壁との距離が短くなり炎が温度の低
いジヤケツト内壁に直接接してCO及び煤の発生
が増加する。さらに伝熱面積が小さくなるため、
その伝熱効率が低下するという問題があつた。

そのため、フインタイプの給湯機が考えられた
が、これは伝熱面積が広いと共に熱交換部が小さ
く、かつ燃焼室も広く、さらに全体的にコンパク
トにであるという利点を有するが、燃焼騒音が大
きいという問題があつた。

そこで、以上の問題を解決し、かつ全体をコン
パクトにするために、本願出願人は第３図に示す
如く、熱交換器a′内部に形成された燃焼室４′の
上にバーナー５′を下側に臨ませて設けると共に
排気筒９′内に補助熱交換器b′を内設した給湯機
Ｂを開発した。

しかし、このようにバーナー５′を下向きの燃
焼としても燃焼室４′の径が小さくなるため該室
内の圧力が上昇してバーナー５′の構造によつて
は燃焼が不安定となつたり、或は炎が燃焼室４′
内壁に直接触れ、CO及び煤の発生が増加すると
いう問題が残つた。

（考案が解決しようとする技術的課題） 以上の問題を解決するための本考案の技術的課
題は、燃焼室の上部にバーナーを下側に臨ませて
設けた給湯機において、該バーナーを下向きに燃
焼させた場合、安定した燃焼が得られ、かつその
炎が熱交換器の内壁、すなわち内筒の内壁に接し
ないようにすることである。

（技術的課題を達成するための技術的手段） 以上の技術的課題を達成するための本考案の技
術的手段は内筒と外筒よりなり両筒間に貯水部を
形成した熱交換器に内部に燃焼室を形成し、その
上部にバーナーを下側に臨ませて設けると共に該
バーナーの下側の燃焼室中間部に通気性を有する
輻射体を架設し、かつ燃焼室の下部側面から引き
出して設けた排気筒内に一端を給水管に接続し他
端を貯水部に連絡する熱交換パイプに多数の熱交
換フインを装備して形成した補助熱交換器を内設
するものである。

（作用） 而して、上記構成によれば、燃焼室上部のバー
ナーが下向きに燃焼すると、その熱が輻射体によ
りバーナー側へ輻射されてバーナー側の上部側燃
焼室は極めて高温となり、燃料の気化を促進する
と共に該燃焼室上部における熱交換器を効果的に
加熱する。

また、バーナーの燃焼により発生する燃焼排気
ガスは輻射体及びその他の間隙を通つて下部側燃
焼室へ移動し、さらに、そこから排気筒を通つて
外部へ排気される。この際、該排気ガス熱により
下部側燃焼室における熱交換器が加熱されると共
に補助熱交換器も加熱される。

（実施例） 本考案の一実施例を図面により説明する。

第１図中Ａは石油給湯機であり、該給湯機Ａは
熱交換器ａと補助熱交換器ｂとにより構成され
る。

熱交換器ａは内筒１と外筒２よりなり、その両
筒１，２の上下両端が固着されて両筒１，２間に
水を貯水する貯水部３が形成される。

熱交換器ａの内部には燃焼室４が形成され、該
燃焼室４の上部に下側に臨んだバーナー５が設置
されると共に該バーナー５の下部に輻射体６が取
り付けられ、さらにその下に熱交換バツフル７が
支持部材８により多数取り付けられている。

また、燃焼室４の下部側面には、バーナー５の
燃焼により発生する燃焼排気ガスを外部に排気す
るための排気筒９が熱交換器ａに沿つて装備され
る。

排気筒９はその内側に補助熱交換器ｂが内設さ
れ、該熱交換器が位置する周面に多数の吸音孔９
ａが開穿され、その吸音孔９ａを覆うように吸音
材１０が被覆されることによりバーナー５の燃焼
騒音が吸収緩和される。

補助熱交換器ｂは、排気筒９内に配設された熱
交換パイプ１１に多数の熱交換フイン１２を備え
て形成され、その一端が熱交換器ａに貯水部３に
接続されると共に他端が給水管１３に連結され
る。

依つて、燃焼排気ガス熱で補助熱交換器ｂが加
熱されて給水管１３から給水される水が温められ
て前記貯水部３へ供給され、熱交換器ａ上部に設
けた給湯器具と連結された出湯管１４から出湯さ
れる。

輻射体６は内部に燃焼ガスを積極的に通過させ
ると共にバーナー５の燃焼熱をバーナー５側へ輻
射させてバーナー５側の燃焼室４をさらに高温に
するためのものであり、多数の通気孔を有するセ
ラミツク、或いは複数枚積層された金属メツシユ
で平面円形状に形成され、バーナー５下側の燃焼
室４中途部に放射状に設けた支持部材１５により
架設状に取り付けられる。

また、バーナー５の燃焼排気ガスは、セラミツ
ク及び金属メツシユの通気口を通つて燃焼室４の
下部側へ移動し、下部側面に装備した排気筒９に
より外部へ排気される。

第２図は他の実施例であり、バーナー５の炎が
内筒１の内壁に直接接しないように断熱材１５で
形成した有底状の保護筒１６をバーナー５の直下
に設けると共にその底面に輻射体６を取り付け
る。

依つて、バーナー５の燃焼熱がバーナー５側の
上部燃焼室４に輻射されると共に輻射体６を通過
しない燃焼排気ガスが内筒１内壁と保護筒１６側
面との間を通つて燃焼室４下部へ移動するため伝
熱効率が高まり、さらに輻射体６により燃焼炎が
整えられて燃焼が安定する。

（考案の効果） 本考案は以上の様な構成にしたことより下記の
効果を有する。

給湯機全体をコンパクトにするために燃焼室
の径を小さくしたとしても、バーナーの燃焼に
より熱が輻射体によつてバーナー側に輻射され
てバーナー側の燃焼室全体を高温に保つため、
燃料の気化が促進されて燃焼速度が速められる
ことによりその燃焼が安定してCO及び煤の発
生を少なく押えることができる。

熱交換器内部に形成される燃焼室が水を貯水
せる貯水部で囲まれているためバーナーの燃焼
音がさえぎられて外部へ通過しにくく、燃焼騒
音を低く押えることができる。

排気筒内に補助熱交換器を設けたことによ
り、伝熱面積を広くとることができるので伝熱
効率を高めることができる。

補助熱交換器に吸音材を吸音孔を介して被覆
して燃焼騒音を吸収緩和できる。

上記に記載した性能を落すことなく給
湯機の大きさを全体的にコンパクトにすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の石油給湯機の縦断正面図、第
２図は同他の実施例を示す縦断正面図、第３図は
燃焼室の上部にバーナーを下側に臨ませて設ける
と共に排気筒内に補助熱交換器を内設した給湯機
の縦断正面図である。 尚、図中、Ａ…石油給湯機、１…内筒、２…外
筒、４…燃焼室、５…バーナー、６…輻射体、９
…排気筒、ａ…熱交換器、ｂ…補助熱交換器、を
夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内筒と外筒よりなり両筒間に貯水部を形成した
   熱交換器の内部に燃焼室を形成し、その上部にバ
   ーナーを下側に臨ませて設けると共に該バーナー
   の下側の燃焼室中間部に通気性を有する輻射体を
   架設し、かつ燃焼室の下部側面から引き出して設
   けた排気筒内に一端を給水管に接続し他端を貯水
   部に連絡する熱交換パイプに多数の熱交換フイン
   を装備して形成した補助熱交換器を内設した石油
   給湯機。