JPH0376670B2 - - Google Patents

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JPH0376670B2
JPH0376670B2 JP13171584A JP13171584A JPH0376670B2 JP H0376670 B2 JPH0376670 B2 JP H0376670B2 JP 13171584 A JP13171584 A JP 13171584A JP 13171584 A JP13171584 A JP 13171584A JP H0376670 B2 JPH0376670 B2 JP H0376670B2
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weight
copolymer
layer
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ethylene
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JP13171584A
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Kenji Sato
Kyoichiro Igari
Takuji Okaya
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
A 本発明の技術分野 本発明はきわめてはげしい屈曲疲労にも気体遮
断性の低下のないフレキシブル積層材、とくに包
装用積層材に関する。詳しくは酸素、炭酸ガスな
どの気体遮断性を優れるエチレン−酢酸ビニル共
重合体けん化物(以下EVOHと記す)の薄膜を
中間層とし、該中間層の両側に特定の、エチレン
性不飽和カルボン酸またはその無水物(X)変性
のエチレン−アクリル酸エステル共重合体(以下
EEAと記す)と特定のEEAとのブレンド物から
なる接着性樹脂を介して表面層を積層することに
よつて、該包装材で包装された変質し易い物品の
気密包装体が輸送、取扱い時に該包装材が受ける
きわめてはげしい屈曲疲労に対しても、すぐれた
気体遮断性を保持することができる被包装物の変
質を防止するために有効な積層フレキシブル包装
材を提供するものである。 B 従来技術 フレキシブル積層包装材の機能は、基本的には
被包装物の保存性、すなわち変質防止であり、そ
のために、該包装材にあつては、特に輸送振動強
度、耐屈曲疲労性が要求され、就中、所謂バツグ
インボツクス−折り畳み可能なプラスチツクの薄
肉内容器と積み重ね性、持ち運び性、印刷適性を
有する外装段ボール箱とを組合せた容器−の内容
器として用いられる場合には、高度の該特性が要
求される。該包装材は、各種プラスチツク・フイ
ルムがそれぞれの素材の特性を活かして積層され
て用いられるが、たとえば機械的強度を保持する
ための基材フイルムと熱シール可能な素材との組
合せが最も一般的であり、被包装物の要請に応じ
て、素材が選択される。就中、基材フイルムの酸
素等のガス遮断性では、不満足な用途について
は、さらに高度なガス遮断性を有するバリヤー層
を基材層上に設け、このバリヤー層を中間層とし
てヒートシール可能な素材を、少くとも一外層と
なる如く熱可塑性樹脂層を積層する方法が採用さ
れる。たとえば従来のバツグインボツクスの内容
器の材質の基本は、必ずヒートシール部分がある
ので、ヒートシール可能なポリエチレン、特に軟
質ポリエチレンを主体としているが、バツグイン
ボツクスの特徴である折り畳み可能であること、
内容物が液体であること、等から物理的強度、前
述の如く、特に輸送振動強度、耐屈曲疲労性が求
められ、このために耐ストレスクラツク性が良好
であること等と相俟つて、スチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂がより好ましく用いられている。さ
らに要求性能の高度化に伴つて酸素等のガス遮断
性が要求される場合には、ナイロンフイルム、サ
ランコートナイロンフイルム、アルミ蒸着ナイロ
ンフイルム、アルミ蒸着ポリエステルフイルム等
を組合せた該内容器が実用化され始めている。高
度なガス遮断性を付与するためには、エチレン−
酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリ塩化ビニリデ
ン、アルミ箔、金属などの蒸着フイルムなどが用
いられる。しかしこれらはガス遮断性については
優れるが、機械的強度は一般的に低く、特に屈曲
疲労に耐えられるものではない。従つて機械的強
度の優れた基材層とヒートシール可能な素材の間
に積層されて用いられるが、なおたとえばバツグ
インボツクス内容器の構成材として用いた場合、
該構成材にピンホールを生じたり、該構成材にピ
ンボールを生じない段階においてさえ、中間層と
して用いた該バリヤー層に生ずるクラツクやピン
ホール等に起因してバリヤー性の低下を生ずるな
どのため、きわめてはげしい屈曲疲労に対して、
すぐれた気体遮断性を保持することができず、実
用的に満足なものは見出されていない。ポリ塩化
ビニリデン樹脂を主体とする層、アルミ箔、金属
などの蒸着樹脂層などをバリヤー層とする積層包
装材についての挙動は、たとえば特開昭55−7477
号公報に示されている。すなわち実際に該包装材
を使用し、包装された包装体の輸送、取扱い後の
ガス遮断性が必ずしも満足できるものでなく、最
も必要性の高い一次流通後の実用保存性がしばし
ば裏切られるのは、中間層に位置する該バリヤー
層の損傷に起因する。ガス遮断性向上のために設
ける中間層の素材としては、EVOH樹脂が最も
優れており各種の多層フイルム、多層構造をもつ
容器のバリヤー材として好んで用いられる。これ
はこの樹脂が抜群のガスバリヤー性を有するだけ
でなく、透明性、耐油性、印刷性、成形性などに
もすぐれていて、基材樹脂の特性を損うことがな
いというきわめて有利な性質を持をもつからであ
る。しかるに耐屈曲疲労性を特に要求される分野
には、積層包装材のバリヤー層としてEVOH樹
脂が満足に用いられる例はみられない。就中前述
の如く輸送振動による屈曲疲労に耐えることが強
く求められている酸素等の気体遮断性を有するバ
ツグインボツクスの内容器にEVOH樹脂が用い
られて、該要求を満足するものは見出されておら
ず、EVOH層をバリヤー層とする優れたバリヤ
ー性と輸送振動に耐える屈曲疲労強度をもつたフ
レキシブル積層包装材の開発は重要課題の一つで
あつた。 C 本発明の目的、構成および作用効果 本発明者等はEVOHフイルムは前記優れた諸
特性をもつている反面、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ナイロン、熱可塑性ポリエステルなどの
熱可塑性樹脂のフイルムに比べ、耐屈曲疲労性に
著しく劣るという大きな欠点を有するのみなら
ず、前記屈曲疲労に強い樹脂層と積層し中間層と
してEVOH樹脂層を用いた被層フレキシブル積
層材において、予想外にも、EVOHの剛性等の
物理的特性とも関連があるものとみられるが、該
積層材の耐屈曲疲労性は前記屈曲疲労に強い熱可
塑性樹脂が単体で示す耐屈曲疲労性より顕著に低
下し、より少い屈曲疲労で積層材にピンホールを
生ずるようになること、さらに驚くべきことに該
ピンホールの発生に至るまでは該EVOH層が単
独で耐え得る屈曲疲労をこえても、なお屈曲疲労
によるクラツク、ピンホール等が該EVOH層に
発生しないことに起因するとみられるが、バリヤ
ー性の低下が殆んど認められない点で前記塩化ビ
ニリデン樹脂等をバリヤー層として中間層に用い
た従来の積層材の挙動と著しく異つていること、
さらに従来全く見出されていなかつた接着性樹脂
の特性が、耐屈曲疲労性に極めて大きく関連して
いる事実を見出し、該観点からEVOH層をバリ
ヤー層とする耐屈曲疲労に優れたフレキシブルな
気体遮断性積層材に関し、鋭意検討を進めて、本
発明を完成するに至つた。 すなわち本発明はエチレン−酢酸ビニル共重合
体けん化物の薄膜を中間層とし、該中間層の両側
に表面層を有し、該各層が接着性樹脂を介して配
されてなるフレキシブル積層材において該接着性
樹脂が(A)アクリル酸エステル含量20〜35重量%の
エチレン−アクリル酸エステル共重合体にエチレ
ン性不飽和カルボン酸もしくは、その無水物
(X)をX成分によるカルボキシル基含有率が
0.03〜3meq/gとなるように化学的に結合させ
て得られる少くとも1種の変性エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体と、(B)アクリル酸エステル
含量20〜35重量%の少くとも1種のエチレン−ア
クリル酸エステル共重合体とのブレンド物からな
り、しかも下記式(I)及び()を満足する樹
脂である高度な耐屈曲疲労性を有する気体遮断性
フレキシブル積層材を提供せんとするものであ
る。 0.03<oi=1 CAiWAi<1 () 0.05<oi=1 WAinj=1 WBj<10 () 但し i;1〜nの整数 j;1〜mの整数 n,m;正の整数 CAi;共重合体(Ai)に含有される、化学的に結
合されたエチレン性不飽和カルボン酸もしくは
該カルボン酸無水物成分によるカルボキシル基
含有率(meq/g) WAi;共重合体(Ai)のブレンド率(重量分率) WBj;共重合体(Bj)のブレンド率(重量分率) 種々の素材または種々の素材からなる積層材の
耐屈曲疲労性の優劣は、所謂ゲルボフレツクステ
スターを用いて行う評価テストにおけるガスバリ
ヤー性低下の屈曲回数依存性、ピンホール発生に
至るまでの屈曲回数等のデーターから判断するこ
とができる。本発明者らは、各種熱可塑性樹脂の
単体フイルム、各種樹脂からなる多層構成のラミ
ネートフイルムについて、就中該各層間に用いら
れる接着性樹脂が異なるラミネートフイルムにつ
いて、ゲルボフレツクステスターを用いて屈曲回
数とピンホール発生数との関係、ピンホール発生
に至る屈曲回数、さらに多層構成のラミネート物
についてはピンホール発生に至るまでの過程にお
ける屈曲回数とバリヤー性(たとえば酸素透過
量)との関係を多岐に亘つて測定した結果いくつ
かの事実を見出した。すなわち(1)EVOH樹脂フ
イルムはいづれも耐屈曲疲労性は極めて不良であ
り、実用に耐える輸送振動強度水準に遥かに及ば
ないこと、(2)従来一般的に使用されている高圧法
低密度ポリエチレン、低圧法高密度ポリエチレ
ン、ナイロン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエ
ステルなどの各樹脂のフイルムは該EVOH樹脂
フイルムに比し、耐屈曲疲労性は顕著に優れてい
るけれども、該樹脂フイルムをEVOHを中間層
として積層したラミネートフイルムの耐屈曲疲労
性は詳細は明かでないが、EVOH層が存在する
ことに起因するとみられる顕著な低下、つまり該
樹脂単体フイルムの優れた耐屈曲疲労性に比し顕
著な低下がみられること、(3)更に驚くべきことに
EVOH層を中間層とした該積層物にピンホール
発生を見るに至るまでは、ガスバリヤー性の低下
の殆んどないこと、(4)就中、EVOH層を中間層
に、両表面層を接着性樹脂を介して設けるが特定
のエチレン−アクリル酸エステル共重合体系の接
着樹脂を用いて積層された該積層物はEVOHを
中間層とするときに発現する耐屈曲疲労性の著し
い低下を緩和し、該積層物の耐屈曲疲労性の改善
が顕著であることを認めた。従来からエチレン性
不飽和カルボン酸またはその無水物を化学的に結
合させて得られる変性EEAは、知られていると
はいえ、それはかかる用途を目指したものではな
く該現象は極めて特異的であり、前記特定の変性
EEA系接着性樹脂を用いて始めてその顕著な改
善効果を享受できるのであつて該変性EEAの組
成、変性度、未変性EEAの組成、該変性EEAと
未変性EEAのブレンド割合該ブレンド物中に占
めるX成分によるカルボキシル基含有率等を特定
化することによつてはじめて本発明の効果を発揮
し得て、該目的が達成されたものである。 D 本発明のより詳細な説明 本発明の骨子は、接着性樹脂にある。本発明に
使用される接着性樹脂は、(1)エチレン性不飽和カ
ルボン酸もしくはその無水物(X)成分を含む変
性EEAと、未変性EEAのそれぞれの少くとも1
種からなるブレンド物であり、(2)それぞれのアク
リル酸エステル含量は20〜35重量%であり、(3)該
変性EEAのそれぞれがX成分によるカルボキシ
ル基含有率0.03〜3meqの領域にあるものでなけ
ればならない。該変性EEA単独からなる接着性
樹脂用いた場合には接着性の観点からは満足しう
る領域はあるが、充分な接着力を付与できるX成
分による変性度領域に至ると前記改善効果は顕著
なものとなり得ず、また低い該変性度領域では接
着性の観点から満足なものとはなり得ず、前記の
如く特定のブレンド物であつてはじめて本発明の
目的を達し得る。該特定のブレンド物に関する要
件の一つは、該変性EEAのアクリル酸エステル
含量および未変性の該含量のいづれもが20〜35重
量%の領域にあることである。EVOHおよび他
の熱可塑性樹脂、就中、ポリエチレン、ポリプロ
レン等のポリオレフイン系樹脂に対する該変性
EEAの該改善性に寄与する一要素とみられる柔
軟性等との関連を加味した接着性において、アク
リル酸エステル含量が20〜35重量%該共重合体が
接着性の観点から最も好適である。20重量%未満
では該柔軟性の観点から好ましくなく、また35重
量%以上では特にポリオレフイン系樹脂への接着
性が次第に低下するので好ましくない。該変性
EEAと未変性のEEAのブレンド物の該接着性に
ついては詳しくは未だ明かでないが、両者のアク
リル酸アステル含量の差が15重量%以下、好まし
くは10重量%以下が好適である。特定の該変性度
の変性EEAの接着性は該含量差が15重量%を越
えると、未変性EEAをブレンドすることにより
接着性が低下するので好ましくない。さらに前記
耐屈曲疲労性の改善効果は該ブレント物であるこ
とにより顕著に発現され、その接着性、柔軟性と
強靭さとのバランス等に起因するとみられるもの
の未だ明かでないが、該変性EEAおよび未変性
EEAのいづれものアクリル酸エステル含量が20
〜35重量%の領域にある場合に該効果は最も顕著
である。本発明の耐屈曲疲労の改善効果を享受し
得るための接着性を有するためには、該変性
EEAのそれぞれがX成分によるカルボキシル基
含有率0.03〜3meq/gの領域にあることを要
し、該含有率が0.03meq/g未満であるときには
該屈曲疲労に耐える接着性を示すものとはなり得
ず、また3meq/g以上の該含有率に至ると柔
軟性の低下と関連があるものとみられるものの未
だ明かでないが、該改善効果は減殺されたものと
なるので好ましくない。さらに少くとも1種の該
変性EEAのそれぞれのX成分によるカルボキシ
ル基含有率をCAi(meq/g)、ブレンド物中の重
量分率をWAiとするとき前記(1)式を満たし、かつ
少くとも1種の該未変性EEAのそれぞれのブレ
ンド物中の重量分率をWBjとするとき前記()
式を満足するように配合されたブレンド物でなけ
れば本発明の効果は顕著に発現するものとはなり
得ない。未だ詳しくは明かでないが、特に接着
性、柔軟性、強靭さ等のバランスと関連があるも
のとみられる。 既述のように該変性EEAは、アクリル酸エス
テル含量または/および前記X成分によるカルボ
キシル基含有率に関して1種である単独物であつ
ても2種以上のブレンド物から成つていてもよ
く、また未変性EEAはアクリル酸エステル含量
に関して、1種の単独物であつても2種以上のブ
レンド物から成つていてもよい。 該変性EEAを得るための手法としては、前記
Xをグラフト重合させる方法が好適に用いられ
る。グラフト重合させる方法としてはグラフト用
前記Xおよび触媒を押出機中で溶融混練する方
法、キシレン等の適当な溶媒中に溶解し、グラフ
ト用前記Xおよび触媒を添加し、加熱撹拌する方
法、適当な溶媒中に懸濁しているEEA粒子にグ
ラフト用前記Xおよび触媒を添加し加熱撹拌する
方法、適当な溶媒中に懸濁しているEEA粒子に
グラフト用前記Xおよび触媒を添加して加熱撹拌
する方法等それ自体公知の方法が採用される。 接着性樹脂層の厚さは、本発明の積層材、とく
に積層包装材の耐屈曲疲労性と関連しており、し
かも剛性の大きいEVOHの影響を伝播を防止す
るためには柔軟性のある接着性樹脂層の厚さが、
大きい方が有利であるとの予期に反し、該耐屈曲
疲労性は該層厚さの増加とともに低下する。本発
明の効果をより顕著に発現させるためには該層の
厚さは15μ以下、より好ましくは10μ以下が好適
である。また接着性樹脂層が余りに薄きに過ぎる
と、該層を切れ目なく均一な厚さで設ける技術上
と困難さが増加するので実用的には該層厚さは
1μ以上、より好ましくは2μ以上が好適である。 本発明の積層材は、少くとも該ゲルボフレツク
ステスターにより耐屈曲疲労テスト時にデラミネ
ーシヨンを起すものであつてはならないが、本発
明の接着性樹脂はEVOHおよび各種ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフイン樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、各種ナイロン
などのポリアミド樹脂、各種の熱可塑性ポリエス
テル樹脂などの熱可塑性樹脂に対し優れた接着性
を示めし、極めてはげしい屈曲疲労に耐え得て全
くデラミネーシヨンを起さず、前記改善効果を顕
著に発揮する。 本発明に用いられるEVOH樹脂はエチレン含
有量25〜60モル%、けん化度95%以上のものが好
適に用いられる。エチレ含有量が25モル%以下で
は成形性が低下するのみならず、該EVOHの剛
性が増加することと関連があるとみられるが、本
発明の効果が減殺され、またエチレン含有量が60
モル%を超えると剛性は減少するものの該樹脂の
最も特徴とする酸素等のガスバリヤー性が低下し
て不満足なものとなる。該EVOH樹脂は25〜60
モル%の領域内のエチレン含有量をもつ2種また
はそれ以上のエチレン含有量の異なる該樹脂のブ
レンド物であつても相溶性を示す範囲内のもので
あれば本発明の効果を享受することができる。該
樹脂のけん化度は95%以上が好適であり、95%未
満では該バリヤー性が低下するので好ましくな
い。さらにホウ酸などのホウ素化合物で処理した
EVOH、ケイ素含有オレフイン性不飽和単量体
など第3成分をエチレン及び酢酸ビニルとともに
共重合し、けん化して得られる変性EVOHにつ
いても溶融成形が可能でバリヤー性を害しない範
囲の変性度のものであれば本発明の効果を享受す
ることができる。 本発明の積層材の構成における該改善効果への
EVOHの層厚依存性は極めて顕著であり、
EVOH層の厚さが20μを越えると該改善の効果は
減殺されるので好ましくない。本発明の効果を充
分に享受するためにはEVOH層の厚さは20μ以下
が好適であり、15μ以下がより好ましい。該改善
の効果の観点からのみでは特に10μ以下が一層好
適である。他方、酸素等のガスバリヤー性に関し
て、より高度な要求がある場合、20μ以下の該中
間層の厚さでは該要求を満足できない場合がしば
しば生じる。耐屈曲疲労性及び該バリヤー性に関
し、より高度な要求を満足させる本発明の、よい
一層好適な態様は該EVOH層の厚さを20μ以下、
好ましくは15μ以下、より好ましくは10μ以下に
選定して、該バリヤー性についての高度の要求の
程度に応じて該EVOH層を2またはそれ以上の
複数設ける構成であり、これは中間層が、
EVOH層をK、接着性樹脂層をTとするとき、
K/T/K、K/T/K/T/K等の複合構成で
あることを意味し、本構成をも本発明は包含する
ものである。 耐屈曲疲労性の観点からはEVOH層の厚さは
出来る限り、小さい方が好ましいが、成形加工の
技術の面からの困難性は、それだけ増加する。実
用的には2μ以上が好ましく、5μ以上が該観点か
ら比較的困難性も少くより好適である。2μ以下
では、しばしばピンホールの発生がEVOH層に
生じ、良品の歩留りが低下する。複数の該バリヤ
ー層を設けるに当つては、該層のすべてにエチレ
ン含有量の同じEVOHを用いてもよく、また容
器等の内部の相対湿度が該容器の外部の相対湿度
より大きい場合、たとえば被包装物がワインなど
の水性混合物である場合などEVOHのバリヤー
性の湿度依存性とも関連して該複数のバリヤー層
の各層の位置関係は、よりエチレン含有量の小さ
いEVOH層を外側に配し、よりエチレン含有量
の大きいEVOH層を内側に配するのがより好適
であり、該相対湿度の関係が逆の場合には該
EVOH層の位置関係は逆に配するのが好ましい
など、それぞれの目的に応じて最適の構成を選定
することができる。この場合該構成を採つた効果
を得るためには該バリヤー層の少くとも2層が、
5モル%以上エチレン含有量を異にするEVOH
で構成されることが好ましい。 本発明に係る積層材は、たとえばバツグインボ
ツクスの内容器の構成材として用いる場合の如く
熱シールして各種フレキシブル包装材として用い
ることを目的の一つとするものであり、該熱可塑
性樹脂の少くとも一つは熱シール可能な熱可塑性
樹脂である必要があるが、の他の一つは熱シール
にあまり適さない樹脂であつてもよい。該熱可塑
性樹脂としては前出の各種熱可塑性樹脂が用いら
れるが、これらの樹脂の中でも直鎖状低密度ポリ
エチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体がより
好適に用いられる。直鎖状低密度ポリエチレンを
該表面層の少くとも一つに用いた場合、就中、両
方に用いたときには本発明の接着性樹脂を用いる
ことによる該改善の効果がよりり顕著である。こ
こで直鎖状低密度ポリエチレンとは実質的に長鎖
分岐を持たない直鎖上の低密度ポリエチレンであ
る。一般には長鎖分岐の定量的な尺度G=〔η〕
/〔η〕(〔η〕bは分岐ポリエチレンの極限粘
度、〔η〕は分岐ポリエチレンと同じ分子量を
持つ直鎖状ポリエチレンの極限粘度)がほぼ1
(一般的には0.9〜1の範囲にあり1に近い場合が
多い)であり、密度が0.910〜0.945のものであ
る。(なお従来の通常の高圧法低密度ポリエチレ
ンのG値は0.1〜0.6である。)直鎖状低密度ポリ
エチレンの製造法は特に制限されない。代表的な
製造方法を例示すれば7〜45Kg/cm2の圧力(高圧
法低密度ポリエチレンの場合は通常2000〜3000
Kg/cm2)、75〜100℃の温度(高圧法低密度ポリエ
チレンの場合は120〜250℃)で、クロム系触媒ま
たはチーグラー触媒を用いて炭素数3以上、好ま
しくは4以上、さらに好ましくは5〜10のα−オ
レフイン、たとえばプロピレン、ブテン−1、メ
チルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1
等のα−オレフインを共重合成分として、エチレ
ンの共重合を行う方法がある、重合方法としては
溶液法液相法、スラリー法液相法、流動床気相
法、撹拌床気相法等が用いられる。 本発明の効果と該α−オレフインの炭素数と該
直鎖状低密度ポリエチレンの示差走査型熱量計の
熱分析による融解熱、さらにヤング率とに深くか
かわつていることは前述の通りであるが、より具
体的に述べれば次の通りである。直鎖状低密度ポ
リエチレンは本発明に好適に用いられるが、該融
解熱が25cal/g以下、好ましくは25〜5cal/g
であるか、または20℃におけるヤング率が22Kg/
mm2以下、好ましくは22〜3Kg/mm2、さらに好まし
くは22〜5Kg/mm2である該ポリエチレンについて
本発明の効果がより顕著であり、特に両者が前記
領域にある場合に最も顕著である。該融解熱、ヤ
ング率が前記領域にあるものは重合法、重合条件
によつて多少異るが、概していえば共重合成分で
ある該α−オレフインの含有量が約2モル%以
上、好ましくは約2〜7モル%の領域で得られる
場合が多い。共重合成分がブテン−1である直鎖
状低密度ポリエチレンについては該融解熱が
15cal/g以下であるか、または20℃におけるヤ
ング率が12Kg/mm2以下である場合に本発明の効果
はより顕著であり、特に該両者が前記領域にある
場合に最も顕著に該効果を享受することができ
る。該融解熱、ヤング率が前記領域にある該低密
度ポリエチレンは、概していえばブテン−1の含
有量が約4モル%以上の領域で得られる場合が多
い。該含有量が多くなり過ぎると、該ポリエチレ
ンのもつ他の物理的特性が不満足なものとなり、
好ましくなく、該含有量は高々数モル%、たとえ
ば7モル%であることが望ましい。また本発明の
効果は前述の如く該融解熱または/およびヤング
率が前記特定の領域にある直鎖状低密度ポリエチ
レンについて享受し得るが、特に炭素数5以上、
たとえば5〜10のα−オレフインを共重合成分と
する該ポリエチレンについてより顕著に該効果を
享受することができる。この場合前述と同様の理
由から、該α−オレフインの含有量は2〜7モル
%、より具体的には2〜6モル%が好ましく、ま
た該融解熱は前記の如く該α−オレフイン含有量
等と関連しているが、就中該融解熱は25〜5cal/
gであることが好ましく、またヤング率は22Kg/
mm2以下、好ましくは22〜3Kg/mm2、さらに好まし
くは22〜5Kg/mm2である。該オレフインの中でも
本発明の効果がより顕著であり、工業的にも容易
に得られる4−メチル−1−ペンテンを共重合成
分とする直鎖状低密度ポリエチレンは最も好適な
ものの一つである。 本発明の表面層に用いられる他の熱可塑性樹脂
としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体があ
る。就中、酢酸ビニル含量が少くとも7重量%で
ある該共重合体はより顕著に本発明の効果を享受
することができる。該含量があまりに多きに過ぎ
ると、該樹脂表面が粘着性を示すようになり好ま
しくなく、12重量%以下であることが好ましい。
本発明の積層材からなる包装容器などへの充填物
が水性混合物または含水食品などの場合には内外
両表面層の透湿速度とも関連して、該共重合体を
外表面層に、前記直鎖状低密度ポリエチレンを内
表面層に用いる態様は中間層として配された
EVOH層の定常湿分をより低く保持し得て、外
積層包装材の好ましい構成の一つである。さらに
該包装充填物の場合に、さらに優れた耐屈曲疲労
性が要求されるときには、該バリヤー性の要求を
満たす限度内において、内外両表面層に前記ポリ
エチレンより透湿度の大い該共重合体を用い内外
表面層の厚さを前記透湿度についての条件を満た
すように選定して、EVOH層の定常湿分を好適
な領域に保持するように構成して、好適に用いる
ことができる。 本発明では、EVOH単体フイルムの耐ピンホ
ール性が極めて不良であるにも拘らず、本発明の
構成をもつ積層フイルムの耐ピンホール性が顕著
に向上した時点において、つまりEVOH単体フ
イルムの特性に鑑みて判断すれば、当然に中間層
であるEVOH層にクラツクないしピンホールが
発生し、該積層材のバリヤー性が低下することが
予想される段階において、該積層材のバリヤー性
の低下が認められない点は前記塩化ビニリデン等
のバリヤー材を用いた前記従来の積層材と異な
り、極めて特徴的である。 本発明の該積層材にあつては、該表面層があま
り薄すぎると、たとえば10μ以下に至ると他の物
理的特性が低下するので、10μ以上であることが
好ましく、20μ以上であることがより好適であ
る。またあまり厚さが増加しすぎると本発明の効
果が減殺されるので、該表面層の各層は60μ以下
で用いることがより好ましい。特にバツグインボ
ツクス内容器の構成材には通常25〜60μの厚さ領
域から内容量に応じて選定し好適に用いることが
できる。 本発明に係る積層材は、それ自体公知の方法、
就中、多層用ダイを用いた共押出法で好適に得ら
れる。またたとえば該積層材を用いた、バツグイ
ンボツクス内容器は該積層構成のフイルムを公知
の方法で得た後、ヒートシールし、口部を装着す
るフイルム・シール方式、製品の形状に合せて、
あらかじめ成膜し得た該積層構成のシートより成
形した後、口金を物理的に固定する真空成形方
式、多層溶融押出成形で本発明の素材の組合せか
らなる多層パリソンを口金を挿入した金型ではさ
み、圧縮空気で成形し、この時のパリソンの熱と
空気圧力で本体と口金を熱接着するブロー成形方
式など公知の方法で得ることができる。 このようにして得られた本発明の積層材は食
品、とくに液状食品、たとえばワイン、酒などの
アルコール類、しよう油を運搬する際の包装材
料、とくに容器材料として好適である。 以下実施例により、本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例 1 エチレン含量31モル%、けん化度99.4%の
EVOH樹脂からなる厚さ12μの中間層と、該中間
層の両側に厚さ各35μの4−メチル−1−ペンテ
ンを共重合成分とし、該共重合成分を3.2モル%
含み、190℃、2160g荷重の条件下にASTM D
−1238−65Tに準じて測定したメルトインデツク
ス(以下MI値と記す)2.1、示差走査型熱量計に
よる融解熱が19cal/gの直鎖状低密度ポリエチ
レン(以下LLDPEと記す)からなる表面層を有
し、各層間に厚さ5μの接着性樹脂層を介して配
された積層フイルムを3基の押出後、3種5層用
多層ヘツドを用いて共押出法により得た。接着性
樹脂は次のようにして得た。アクリル酸エチル成
分の含有率が25重量%、MI(190℃、2160g)が
6g/10分のエチレン−アクリル酸エチル共重合
体100重量部及び無水マレイン酸20重量部を精製
したキシレン1000重量部に溶解し140℃に保つた。
この溶液にベンゾイルパーオキサイド0.8重量部
をキシレン100重量部に溶解した溶液を撹拌下に
140℃、3時間に亘つて滴下し、続いて20分間撹
拌を続けた。冷却後大量の精製アセトン中に反応
液を投入しポリマーを析出させた。得られたポリ
マーを精製したキシレンを溶剤とし、精製したア
セトンを非溶剤として再沈精製を行つた。得られ
たポリマーはアクリル酸エチル成分を24.5重量
%、カルボキシル基を0.57meq/g含有してい
た。MIは3.2g/10分であつた。該ポリマー(A)と
アクリル酸エチル成分を25重量%含有しMIが6
g/10分であるエチレン−アクリル酸エチル共重
合体(B)とをA/B=52/48(重量比)に配合して、
接着性樹脂として用いた。得られた積層フイルム
について屈曲疲労テストを該積層フイルムにピン
ホールの発生を認めるまで行うとともに該ピンホ
ール発生に至るまでの各段階での酸素ガス透過量
を測定した。 屈曲疲労テストは、ゲルボフレツクステスター
(理学工業(株)製)を用い、12in×8inの試料片を直
径3 1/2inの円筒状となし、両端を把持し、初期
把持間隔7in、最大屈曲時の把持間隔1in、ストロ
ークの最初の3 1/2inで、440°の角度のひねりを
加え、その後の21/2inは直線水平動である動作
のくり返し往復動を40回/分の速さで、20℃、相
対湿度65%の条件下に行うものである。 酸素ガス透過量の測定は、Modern Control社
製OX−TRAN100を使用し、20℃相対湿度(RH
と記す)65%および20℃、80%RHで測定した。
各段階の屈曲疲労テスト後の試料については12in
×8inの平面となし、その中央部で測定した。ま
たヤング率はASTM D−882−67に準じて20℃、
相当湿度65%で測定した。測定結果を第1表に示
す。ピンホール発生に至るまでの屈曲疲労テスト
過程においては、酸素透過量の変化は殆んどなか
つた。またピンホール発生は該屈曲疲労テスト
4800往復を経過するまで認められず、4900往復経
過後、ピンホールの有無を検査に付した時点でピ
ンホール1ヶが既に発生しているのを認めた。ま
た各層間のデラミネーシヨンは、全くみられなか
つた。なお該LLDPEのフイルムを別に得て20℃
においてヤング率を測定した結果13Kg/mm2であつ
た。
【表】 実施例 2 エチレン含有量45モル%、けん化度99.2%の
EVOH樹脂を中間層とし、また該中間層の両側
に配される表面層(LLDPE)の厚さを一方を
40μ、他方を30μとした以外は実施例1と同様に
行つた。該屈曲疲労テスト5000往復経過するまで
ピンホールは認められず、5100往復経過後ピンホ
ール2ヶ発生しているのを認めた。酸素透過量の
測定値を第2表に示す。各層間のデラミネーシヨ
ンは認められなかつた。
【表】 実施例 3 D/Ad/E/Ad/F/Ad/Gなる構成の積
層フイルムを3種7層用多層ダイヘツドを有する
共押出設備を用いて得た。各層はそれぞれ次に示
めす各樹脂及び層厚さからなる。 Ad:次のようにして得た接着性樹脂からなる5μ
の層 アクリル酸エチル含量27重量%、MI200g/
10分のエチレン−アクリル酸共重合体150重量
部及び無水マレイン酸40重量部を精製したキシ
レン1000重量部に溶解し、150℃に保つた。こ
の溶液にベンゾイルパーオキサイド0.6重量部
をキシレン50重量部に溶解した溶液を撹拌下に
150℃に2時間にわたつて滴下し、続いて20分
間撹拌を続けた。冷却後、大量の精製アセトン
中に反応液を投入し、ポリマーを析出させた。
得られたポリマーを精製したキシレンを溶剤と
し、精製したアセトンを非溶剤として最沈精製
をおこなつた。このものは、アクリル酸エチル
成分を25.9重量%、カルボキシル基を0.84m
eq/g含有していた。MIは、120g/10分であ
つた。該得たポリマー(C)とアクリル酸エチル含
量20重量%、MIが6g/10分のエチレン−ア
クリル酸エチル共重合体(H)とをC/H=20/80
(重量比)に配合して接着性樹脂として用いた。 D、G:4−メチル−1−ペンテン4.1モル%を
共重合成分として含有するメルトインデツクス
2.3示差走査型熱量計による融解熱15cal/gの
厚さ38μのLLDPE層 E、F:エチレン含有量38モル%、けん化度99.4
%、厚さ6μのEVOH樹脂層 実施例1に準じて屈曲疲労テストを行つた。該
屈曲疲労テスト5500往復経過後もピンホールの発
生を認めなかつた。該5500往復に至る各段階にお
ける酸素透過量の測定値を第3表に示す。各層間
のデラミネーシヨンは認められなかつた。なお該
LLDPEのフイルムを別に得て20℃で測定したヤ
ング率は7.5Kg/mm2であつた。
【表】 実施例 4 Eを実施例1と同じEVOH樹脂からなる厚さ
8μの層、Fを実施例2と同じEVOH樹脂からな
る厚さ6μの層とした以外は実施例3と同様に行
つた。該屈曲疲労テスト5500往復経過後もピンホ
ールの発生を認めなかつた。該5500往復に至る各
段階における酸素透過量の測定値を第4表に示
す。なお各層間のデラミネーシヨンは認められな
かつた。
【表】 実施例 5 実施例1において、両表面層に共重合成分を1
−ヘプテンとし、該含有量が2.9モル%、示差走
査型熱量計による融解熱が21cal/gのフイルム
を別に得て、20℃で測定したヤング率が15Kg/mm2
のLLDPEを用いた以外は実施例1と同様に行つ
た。該屈曲疲労テスト5000往復経過するもピンホ
ールの発性は認められず、酸素透過量の値は殆ん
ど変化がなく、ほぼ1.4c.c./m2・24hr(20℃、80%
RH)であつた。 実施例 6 実施例1において、ブテン−1を共重合成分と
し、該成分含有量5.1モル%、示差走査型熱量計
による融解熱が12cal/gのフイルムを別に得て、
20℃で測定したヤング率が8Kg/mm2のLLDPEで
両表面層を構成した以外は実施例1と同様に行つ
た。該屈曲疲労テスト4500往復を経過するもピン
ホールの発生は認められず、また酸素透過量の値
にも殆んど変化がなく、1.5c.c./m2・24hr(20℃、
80%RH)であつた。 実施例 7 エチレン含量31モル%、けん化度99.3%の
EVOH樹脂からなる、厚さ12μの中間層、該中間
層の両側に位置する表面層の片方に厚さ35μの実
施例1で用いたLLDPEからなる表面層及びの他
の片方に、酢酸ビニル含量8重量%のエチレン−
酢酸ビニル共重合体からなる厚さ35μの表面層を
有し各層間に厚さ6μの接着性樹脂層を介して配
された積層フイルムを4基の押出機、4種5層用
多層ダイヘツドを用いて共押出法により得て屈曲
疲労テストに付した。結果を第5表に示す。接着
樹脂は、次のようにして得た樹脂配合物を用い
た。すなわち、アクリル酸エチル含量34.8重量
%、MI20g/10分のエチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体100重量部及び無水マレイン酸100重量
部を精製したキシレン1000重量部に溶解し、150
℃に保つた。この溶液にベンゾイルパーオキサイ
ド1.5重量部をキシレン100重量部に溶解した溶液
を撹拌下に150℃で2時間にわたつて滴下し、続
いて20分間撹拌を続けた。冷却後大量の精製アセ
トン中に反応液を投入し、ポリマーを析出させ
た。得られたポリマーを精製したキシレンを溶剤
とし精製したアセトンを非溶剤として再沈精製を
行つた。このものはアクリル酸エチル成分を32.5
%、カボキシル基を1.27meq/g含有していた。
MIは14g/10分であつた。該得られた共重合体
(G)とアクリル酸エチル含量25重量%、MIが6の
エチレン−アクリル酸エチル共重合体(H)とをG/
H=1.5/10に配合し、接着性樹脂として用いた。 ピンホールの発生に至るまでの屈曲疲労テスト
過程においては、酸素透過量の変化は殆んどなか
つた。またピンホールの発生は、該屈曲疲労テス
ト4500往復を経過するまで認められず、4600往復
経過後ピンホールの発生の有無を検査に付したと
ころ、ピンホール1個が既に発生しているのを認
めた。また各層間のデラミネーシヨンは、全くみ
られなかつた。
【表】 実施例 8 実施例7においてEVOH層をエチレン含量46
モル%、けん化度99.3%のEVOH樹脂からなる厚
さ14μの層とし、該表面層の片方に用いるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体の層を酢酸ビニル含量が
9重量%の該共重合体からなる厚さ40μとし、接
着性樹脂としては、下記に示す如く行つて得た樹
脂を用いた以外は実施例7に準じて行つた。接着
性樹脂は次のようにして得たアクリル酸エチル含
量21.5重量%、MI4.5g/10分のエチレン−アク
リル酸エチル共重合体100重量部及び無水マレイ
ン酸20重量部を精製したキシレン1000重量部に溶
解し、150℃に保つた。この溶液にベンゾイルパ
ーオキサイド0.2重量部をキシレン100重量部に溶
解した溶液を撹拌下に150℃で2時間にわたつて
滴下し、続いて20分間撹拌を続けた。冷却後大量
の精製アセトン中に反応液を投入しポリマーを析
出させた。得られたポリマーを精製したキシレン
を溶剤とし、精製したアセトンを非溶剤として再
沈精製をおこなつた。得られたポリマーはアクリ
ル酸エチル成分を21.2重量%、カルボキシル基を
0.303meq/g含有していた。MIは、3.0g/10分
であつた。該得られた共重合体(J)とアクリル酸エ
チル含量25重量%、MI5.のエチレン−アクリル
酸エチル共重合体(K)とをJ/K=20/80(重量比)
に配合し、接着性樹脂として用いた。 該屈曲疲労テスト5400往復経過するまでピンホ
ールの発生は認められず、5800往復経過後ピンホ
ール1個が発生しているのがみられた。5400往復
経過後までの各段階で酸素透過量を測定したが、
いづれも20℃、65%RH及び80%RHの条件下で
それぞれ2.0c.c./m2・24hr、3.5c.c./m2・24hrで殆
んど変化が認められなかつた。また各層間のデラ
ミネーシヨンは全く認められなかつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物の薄
    膜を中間層とし、該中間層の両側に表面層を有
    し、該各層が接着性樹脂を介して配されてなるフ
    レキシブル積層材において、該接着性樹脂が(A)ア
    クリル酸エステル含量20〜35重量%のエチレン−
    アクリル酸エステル共重合体にエチレン性不飽和
    カルボン酸もしくはその無水物(X)を、X成分
    によるカルボキル基含有率が0.03〜3meq/gと
    なるように化学的に結合させて得られる少くとも
    1種の変性エチレン−アクリル酸エステル共重合
    体と(B)アクリル酸エステル含量20〜35重量%の少
    くとも1種のエチレン−アクリル酸エステル共重
    合体とのブレンド物からなり、しかも下記式
    (I)及び()を満足する樹脂である高度な耐
    屈曲疲労性を有する気体遮断性フレキシブル積層
    材。 0.03<oi=1 CAiWAi<1 () 0.05<oi=1 WAinj=1 WBj<10 () 但し i;1〜nの整数 j;1〜mの整数 n,m;正の整数 CAi;共重合体(Ai)に含有される化学的に結合
    されたエチレン性不飽和カルボン酸もしくは該
    カルボン酸無水物成分によるカルボキシル基含
    有率(meq/g) WAi;共重合体(Ai)のブレンド率(重量分率) WBj;共重合体(Bj)のブレンド率(重量分率)。 2 接着性樹脂の厚さが2〜10μである特許請求
    の範囲第1項に記載の積層材。 3 積層材が包装用積層材である特許請求の範囲
    第1項または第2項に記載の積層材。 4 包装用積層材が、包装充填物が水性混合物ま
    たは含水物である包装容器の構成材である特許請
    求の範囲第3項に記載の積層材。 5 包装用積層材がバツグインボツクス内容器の
    構成材である特許請求の範囲第3項または第4項
    に記載の積層材。
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