JPH0427941B2 - - Google Patents

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JPH0427941B2
JPH0427941B2 JP59025657A JP2565784A JPH0427941B2 JP H0427941 B2 JPH0427941 B2 JP H0427941B2 JP 59025657 A JP59025657 A JP 59025657A JP 2565784 A JP2565784 A JP 2565784A JP H0427941 B2 JPH0427941 B2 JP H0427941B2
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layer
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laminated packaging
ethylene
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Yasuo Motoishi
Kenji Sato
Kyoichiro Igari
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
A 本発明の技術分野 本発明は屈曲疲労によつても高度の気体遮断性
が低下することのないフレキシブル積層包装材に
関する。詳しくはガス遮断性を有する薄膜を中間
層とし、該中間層の両側に熱可塑性樹脂層を接着
性樹脂層を介して積層した積層包装材であつて該
中間層を厚さ15μ以下の少くとも2層のエチレン
−酢酸ビニル共重合体けん化物層を含む複層構成
とすることにより、該包装材で包装された変質し
易い物品の気密包装体が輸送、取扱い時に該包装
材が、きわめて強い屈曲疲労に対しても気体遮断
性の低下のない、被包装物の変質を防止するため
に有効な気体遮断性積層フレキシブル包装材、就
中バツグインボツクス内容器の構成材として好適
な包装材を提供するものである。 B 従来技術 フレキシブル積層包装材の機能は、基本的には
保存性、すなわち変質防止であり、そのために該
包装材にあつては特に輸送振動強度、耐屈曲疲労
性が要求され、就中所謂バツグインボツクス−折
り畳み可能なプラスチツクの薄肉内容器と積み重
ね性、持ち運び性、印刷適性を有する外装段ボー
ル箱とを組合せた容器−の内容器として用いられ
る場合には高度の該特性が要求される。該包装材
は、各種プラスチツクフイルムがそれぞれの素材
の特性を活かして積層されて用いられるが、たと
えば機械的強度を保持するための基材フイルムと
熱シール可能な素材との組合せが最も一般的であ
り、被包装物の要請に応じて素材が選択される。
就中基材フイルムの酸素等のガス遮断性では、不
満足な用途についてはさらに高度なガス遮断性を
有するバリヤー層を基材層上に設け、このバリヤ
ー層を中間層としてヒートシール可能な素材を少
くとも一外層となる如く熱可塑性樹脂層を積層す
る方法が採用される。たとえば従来のバツグイン
ボツクスの内容器の材質の基本は必ずヒートシー
ル部分があるのでヒートシール可能なポリエチレ
ン、特に軟質ポリエチレンを主体としているがバ
ツグインボツクスの特徴である折り畳み可能であ
ること、内容物が液体であること等から物理的強
度、特に前述の如く輸送振動強度、耐屈曲疲労性
が求められ、このために耐ストレスクラツク性が
良好であること等を相俟つてエチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂が好ましく用いられている。さらに
要求性能の高度化に伴つて酸素等のガス遮断性が
要求される場合には、ナイロンフイルム、サラン
コートナイロンフイルム、アルミ蒸着ナイロンフ
イルム、アルミ蒸着ポリエステルフイルム等を組
合せた該内容器が実用化され始めている。高度な
ガス遮断性を付与するためには、エチレン−酢酸
ビニル共重合体けん化物、ポリ塩化ビニリデン、
アルミ箔、金属などの蒸着樹脂フイルムなどが用
いられる。しかしこれらはガス遮断性については
優れるが、機械的強度は一般に低く、特に屈曲疲
労に耐えられるものではない。従つて機械的強度
の優れた基材層とヒートシール可能な素材の間に
積層されて用いられるが、なお、たとえばバツグ
インボツクス内容器の構成材として用いた場合、
バリヤー層に生じるクラツク、ピンホール等の発
生に起因してバリヤー性の低下を生じ、満足なも
のは見出されていない。たとえばポリ塩化ビニリ
デン樹脂を主体とする層、アルミ箔、金属などを
バリヤー層とする積層包装材についての挙動は特
開昭55−7477号公報に示されている。すなわち実
際に該包装材を使用し、包装された包装体の輸
送、取扱い後の実用保存性が必ずしも満足できる
ものでなく、最も必要性の高い一次流通後の実用
保存性がしばしば裏切られるのは、中間層に位置
する該バリヤー層の損傷に起因する。ガス遮断性
向上のために設ける中間層の素材としては、
EVOH樹脂が最も優れており、各種の多層フイ
ルム、多層構造をもつ容器のバリヤー材として好
んで用いられる。これはこの樹脂が抜群のガスバ
リヤー性を有するだけでなく、透明性、耐油性、
印刷性、成形性などにもすぐれていて基材樹脂の
特性を損うことがないという、きわめて有利な性
質をもつからである。しかるに耐屈曲疲労性を特
に要求される分野には、積層包装材のバリヤー層
としてEVOH樹脂が満足に用いられている例は
みられない。就中前述の如く輸送振動による屈曲
疲労に耐えることが強く求められている酸素等の
ガス遮断性を有するバツグインボツクスの内容器
にEVOH樹脂が用いられて該要求を満足するも
のは見出されておらず、EVOH層をバリヤー層
とする優れた高度のバリヤー性と輸送振動に耐え
る屈曲疲労強度をもつたフレキシブル積層包装材
の開発は重要課題の一つであつた。 C 本発明の目的、構成および作用効果 本発明者らは、EVOHフイルムは前記優れた
諸特性をもつている反面、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ナイロン、熱可塑性ポリエステルなど
の樹脂のフイルムに比べ、耐屈曲疲労性に著しく
劣るという大きな欠点を有するのみならず、前記
屈曲疲労に強い樹脂層と積層し、中間層として
EVOH層を用いた複層フレキシブル包装材にお
いて、予想外にもEVOHの剛性等の物理的特性
とも関連があるものとみられるが、該複層包装材
の耐屈曲疲労性は、前記屈曲疲労に強い樹脂が単
体で示す耐屈曲疲労性より顕著に低下し、より少
い疲労で積層包装材にピンホールを生ずるように
なること、さらに驚くべきことに該ピンホールの
発生に至るまでは、該EVOH層が単独で耐え得
る屈曲疲労をこえてもなお該疲労に起因するバリ
ヤー性の低下が殆んど認められない点で前記塩化
ビニリデン樹脂等をバリヤー層として、中間層に
用いた従来の積層包装材の挙動と著しく異つてい
ることを見出し、該観点からEVOH層をバリヤ
ー層とする耐屈曲疲労に優れたフレキシブルなガ
ス遮断性積層包装材に関し鋭意検討を進めて、本
発明を完成するに至つた。すなわち本発明は、ガ
ス遮断性を有する薄膜を中間層とし、該中間層の
両側に表面層を有し、該表面層の少くとも片方が
熱シール可能な熱可塑性樹脂層であり、該各層が
接着性樹脂層を介して配されてなるフレキシブル
積層包装材において、該中間層がエチレン含有量
25〜60モル%、けん化度95%以上のエチレン−酢
酸ビニル共重合体けん化物からなる、厚さ15μ以
下の少くとも2層を含む複層構成であることを特
徴とする耐屈曲疲労に優れ、かつ高度な気体遮断
性を有するフレキシブル積層包装材を提供するも
のである。 耐屈曲疲労性は、所謂ゲルボフレツクステスタ
ーを用いて行う評価テストにおけるガスバリヤー
性低下の屈曲回数依存性、ピンホール発生に至る
までの屈曲回数等のデーターから種々の素材、ま
たは種々の素材からなる積層包装材の耐屈曲疲労
性の優劣を判断することができる。本発明者らは
各種熱可塑性樹脂の単体フイルム及び各種樹脂か
らなる多層構成のラミネートフイルムについてゲ
ルボフレツクステスターを用い、屈曲回数とピン
ホール発生数との関係、ピンホール発生に至る屈
曲回数、さらに多層構成のラミネート物について
はピンホール発生に至るまでの過程における屈曲
回数とバリヤー性(たとえば酸素透過量)との関
係を多岐に亘つて測定し、いくつかの事実を見出
した。すなわち、(1)EVOH樹脂フイルムはいづ
れも耐屈曲疲労性は、極めて不良であり、実用に
耐える輸送振動強度水準に遥かに及ばないこと、
(2)従来一般的に使用されているポリエチレン、ナ
イロン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル
などの各樹脂フイルムは該EVOH樹脂フイルム
に比し、耐屈曲疲労性は顕著に優れているけれど
も、該樹脂フイルムを、EVOHを中間層として
積層して積層したラミネートフイルムの耐屈曲疲
労性は該EVOH層の厚みに強く依存し、15μを越
えると顕著な低下つまり該熱可塑性樹脂単体フイ
ルムの優れた耐屈曲疲労性に比し、該積層フイル
ムの耐屈曲疲労性は顕著に悪化すること、(3)更に
驚くべきことにEVOHを中間層とした該積層物
にピンホールの発生を見るに至るまではガスバリ
ヤー性の低下の殆んどないこと、を思い出した。
さらに積層包装材に高度のガスバリヤー性を持た
せるためには、中間層に設けるEVOH層の厚さ
を10μより厚くすることが必要であり、特に充填
包装物が水性混合物、含水物等であり、該積層包
装材で構成された容器内の相対湿度が100%また
はそれに近い雰囲気にある場合には、該EVOH
層の厚さを15μより厚くすることが必要となるこ
とが多い。かかる場合10μより厚い就中15μより
厚いEVOHの単層を中間層とした積層包装材で
は、バリヤー性に対する要求は高度の耐屈曲性が
必要とされていない用途分野においては満足させ
うるが高度の耐屈曲性を要求されるフレキシブル
包装材としては、たとえはバツグインボツクス内
容器の構成材としては輸送振動による屈曲疲労に
該積層包装材が耐え得ず、実用に供することがで
きない。かかる場合において高度のバリヤー性と
高度の耐屈曲疲労性を併せもつたフレキシブルな
積層包装材は、層厚さ15μ以下、より好ましくは
10μ以下のEVOH層を少くとも2層設けた中間層
をもつ複層構成とすることによつて得られること
などの事実を認めた。すなわち該屈曲疲労により
該積層包装材にピンホールの発生をみるに至る屈
曲回数のEVOH層厚依存性は大きく、該層厚さ
が15μより大きいと実用に耐える輸送振動強度を
もつた該積層包装材は得られない。 高度に優れた耐屈曲疲労性を付与するために
は、EVOHの各層は15μ以下、より好ましくは
10μ以下であることが好ましく、さらに該層厚さ
が小さい方がより好ましい。従つて該各層の厚さ
合計が同じ場合、該層数の増加と共に耐屈曲疲労
性は向上するが、加工技術の高度化が要求され、
各層の厚さが減少するにつれて該技術面からの困
難性も増加するので、実用的には2μ以上が好ま
しく、5μ以上がより好適である。2μ以下では、
しばしばピンホールの発生がEVOH層に生じ、
良品の歩留りが低下する。 本発明の他の効果の一つは、該EVOH層の各
層に異つた種類のEVOH樹脂を用いることによ
つて各用途に最適なバリヤー値をもたせた耐屈曲
疲労性が極めて良好な積層包装材を得ることが出
来る点にある。すなわちエチレン含有量の異なる
2種のEVOH層、就中少くとも5モル%エチレ
ン含有量の異なる2種のEVOH層、たとえばエ
チレン含有量31モル%と45モル%の2種の
EVOH層を中間層として設け、後者を内表面層
側に、前者を外表面層側に配した該積層材は該積
層材によつて構成された、たとえばバツグインボ
ツクス内容器の如き容器内にワイン等の水性混合
物が充填される場合などにおいて、該EVOH層
のバリヤー性の湿度感受性を軽減させることがで
きて好適である。前述の如く輸送振動強度、耐ス
トレスクラツク性、更には良好なヒートシール性
から好ましく用いられるが、ポリエチレンに比し
透湿性が大きい点で劣るエチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂を該表面に用いた水性混合物充填容器
用の本発明の積層構成材の場合などにおいて該構
成がより好適に用いられる。該エチレン含有量の
差が5モル%より小さいと同じEVOHを用いた
場合に比し、該構成を採つたことによる、より有
意義な効果は期待できない。 D 本発明のより詳細な説明 本発明の効果を享受しうるEVOHは、エチレ
ン含有量25〜60モル%、けん化度95%以上の特性
値を有するものである。エチレン含有量が25モル
%より少い該含有量領域のEVOHは成形性に劣
り、また本発明の積層包装材において、本発明の
効果が減殺されるので好ましくなく、また60モル
%より多い該含有量領域にあつては該EVOHの
バリヤー性が低下し、耐屈曲性は向上するもの
の、該積層包装材のバリヤー性が不満足なものと
なり好ましくない。けん化度95%未満のEVOH
は、耐屈曲性は向上するものの該バリヤー性が低
下し、好ましくない。また本発明のエチレン含有
量領域の相溶性のある、少くとも2種の異なるエ
チレン含有量をブレンドしたEVOHを中間層の
少くとも1層に用いても本発明の効果を享受する
ことができる。 さらに本発明者らは、本発明に係るEVOH特
にけん化度98%以上のEVOHの耐屈曲疲労性は、
該EVOHが20℃における相対湿度が65%以上で
ある雰囲気に曝されていることによつて著しく改
善され、その改善の程度は該相対湿度領域におい
て相対湿度の増加と共に顕著となることを認め
た。さらに特にこの効果は予想外にも本発明の積
層包装材において、極めて顕著に増幅された効果
をもつて該包装材の耐屈曲疲労性を著しく向上さ
せることを見出した。すなわち本発明の積層包装
材の表面層にある程度の透湿性を有する素材を選
定し、EVOHを該相対湿度下にあるのと同等の
湿分状態に保持することによつて該積層包装材の
耐屈曲疲労性を著しく向上させることができる。
この場合該バリヤー性は、EVOH層中に含まれ
る定常水分に依存して低下するので、中間層の層
数、層厚さ等を選定して要求されるバリヤー性を
保持することが好ましい。しかし該相対湿度が95
%を越えると、急激に該バリヤー性が低下するの
でEVOH層の湿分が、95%以下、より好ましく
は90%以下の相対湿度下にEVOHが曝されたと
きの湿分と同等の湿分以下となる如く層構成を選
定することが好ましい。該屈曲疲労性の向上効果
は該相対湿度70%以上の場合における該湿分を
EVOH層にもたせることによりより好適に享受
することができる。該効果は充填包装物がワイン
等の水性混合物または含水物などである場合など
において、特に高度な耐屈曲疲労性が要求される
際に好適に享受することができる。この場合該構
成材の内外両表面層の透湿速度に関しては該積層
材の外表面が曝される雰囲気が、相対湿度65%前
後とみなされる通常使用状態において外表面層の
該速度が内表面層の該速度の少くとも3/7倍よ
り大きくなるように層厚さ、層の構成素材を選定
することが好適であり、また該選定によつて
EVOH層の湿分を相対湿度90%雰囲気に曝され
たときの湿分と同等の湿分以下の領域で望む湿分
状態に保持することができる。 本発明に係る積層包装材は、たとえばバツクイ
ンボツクスの内容物の構成材として用いる場合の
如く熱シールして各種フレキシブル包装材として
用いることを目的とするものであり、該表面層の
少くとも片方が熱シール可能な熱可塑性樹脂であ
る必要があるが、該表面層の他の一つは熱シール
不能な樹脂層であつてもよい。該表面層を構成す
る樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、低
圧法高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、各種ナイロンの如きポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂などがある。また二軸延伸され
たポリプロピレン、ナイロンなどの如く延伸され
た樹脂層もまた該表面の片方に用いることができ
る。これらの該表面層を構成する樹脂の中で熱シ
ール可能な熱可塑性樹脂としては直鎖状低密度ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好
適に用いられ、また該表面の片方の層として二軸
延伸ポリプロピレンまたはナイロンが好ましく用
いられる。直鎖状低密度ポリエチレンを該表面層
の少くとも片方に用いた場合、特に両表面層に用
いたときには該構成材の耐屈曲疲労性の改善がよ
り顕著である。就中詳細は未だ明かでないが、該
改善の効果は直鎖状低密度ポリエチレンの中でも
共重合成分であるα−オレフインの炭素数、示差
走査型熱量計の熱分析に基づく融解熱20℃におけ
るヤング率等に深くかかわつており、これらが選
定された特定の領域にある直鎖状低密度ポリエチ
レン採用したときにより一層顕著である。本発明
に使用される直鎖状低密度ポリエチレンとは、実
質的に長鎖分岐を持たない直鎖状の低密度ポリエ
チレンである。一般には長鎖分岐数の定量的な尺
度G=〔η〕b/〔η〕l(〔η〕bは分岐ポリエチレン
の極限粘度、〔η〕lは分岐ポリエチレンと同じ分
子量をもつ直鎖状ポリエチレンの極限粘度)がほ
ぼ1であり(一般的には0.9〜1の範囲にあり1
に近い場合が多い。)、密度が0.910〜0.945のもの
である。なお従来の通常の高圧法低密度ポリエチ
レンのG値は0.1〜0.6である。直鎖状低密度ポリ
エチレンの製造法は特に制限されない。代表的な
製造方法を例示すれば、7〜45Kg/cm2の圧力(高
圧法低密度ポリエチレンの場合は、通常2000〜
3000Kg/cm2)、75〜100℃の温度(高圧法低密度ポ
リエチレンの場合は、120〜250℃)でクロム系触
媒またはチーグラー触媒を用いて、炭素数3以
上、好ましくは4以上、さらに好ましくは5〜10
のα−オレフイン、たとえばプロピレン、ブテン
−1、メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1等のα−オレフインを共重合成分として
エチレンの共重合を行う方法がある。重合方法と
しては、溶液法液相法、スラリー法液相法、流動
床気相法、攪拌床気相法等が用いられる。本発明
の効果は、該α−オレフインの炭素数と該直鎖状
低密度ポリエチレンの示差走査型量計の熱分析に
基づく融解熱、さらにヤング率とに深くかかわつ
ていることは前述の通りであるが、より具体的に
述べれば次の通りである。直鎖状低密度ポリエチ
レンは、本発明に好適に用いられるが該融解熱が
25cal/g以下であるか、または20℃におけるヤ
ング率が22Kg/mm2以下である該ポリエチレンにつ
いて本発明の効果はより顕著であり、特に両者が
前記領域にあることがより好ましい。該融解熱ま
たは/およびヤング率が前記領域にあるものは重
合方法、重合条件によつて多少異るが、概してい
えば共重合成分である該α−オレフイン含有量が
約2モル%以上の領域で得られる場合が多い。共
重合成分がプテン−1である直鎖状低密度ポリエ
チレンについては、該融解熱が15cal/g以下で
あるか、または20℃におけるヤング率が12Kg/mm2
以下である場合に本発明の効果は顕著であり、特
に該両者が前記領域にある場合に最も顕著に該効
果を享受することができる。該融解熱または/お
よびヤング率が前記領域にある該直鎖状低密度ポ
リエチレンは、概していえばプテン−1の含有量
が約4モル%以上の領域で得られる場合が多い。
該含有量が多くなり過ぎると該ポリエチレンのも
つ他の物理的特性が不満足なものとなり、好まし
くなく、該含有量は高々数モル%であることが望
ましい。また本発明の効果は、前述の如く該融解
熱または/およびヤング率が前記特定の領域にあ
る直鎖状低密度ポリエチレンについて享受するこ
とができるが、特に炭素数5以上のα−オレフイ
ンを共重合成分とする該ポリエチレンについてよ
り顕著に該効果を享受することができる。この場
合前述と同様の理由から該α−オレフインの含有
量は数モル%以下、より具体的には約6モル%以
下が好ましく、また融解熱は、前記の如く該α−
オレフイン含有量等と関連しているが、就中該融
解熱が少くとも5cal/gであることが好ましい。
該α−オレフインの中でも本発明の効果がより顕
著であり、工業的にも容易に得られる4−メチル
−1−ペンテンを共重合成分とする直鎖状低密度
ポリエチレンは、最も好適なものの一つである。 他のより好適な該表面層を構成する樹脂として
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体がある。就中
酢酸ビニル含有量が少くとも7重量%である該共
重合体は、より顕著に本発明の効果を享受するこ
とができる。該含有量があまりに多きに過ぎると
該樹脂表面が粘着性を示すようになり好ましくな
く、12重量%以下であることが好ましい。本発明
の積層包装材からなる包装容器などへの充填物が
水性混合物または含水食品などの場合には、内外
両表面層の透湿速度とも関連して該共重合体を外
表面層に、前記直鎖状低密度ポリエチレンを内表
面層に用いる態様は、該積層包装材の好ましい構
成の一つである。さらに該包装充填物の場合に、
さらに優れた耐屈曲疲労性が要求されるときに
は、該バリヤー性の要求を満たす限度内において
内外両表面層に前記ポリエチレンより透湿度の大
きい該共重合体を用い、内表面層厚さ、外表面層
厚さを前記透湿速度についての条件を満たすよう
に選定してEVOHの定常湿分を好適な領域に保
持するように構成して好適に用いることができ
る。さらに好適な一表面層として用いることがで
きる層として、二軸延伸されたポリプロピレン層
およびナイロン層がある。ポリプロピレン層およ
びナイロン層(6−ナイロン、6,6−ナイロン
など)は、二軸延伸された状態で本発明の積層包
装材の表面層として用いられて始めて、未延伸時
に予測し得ないほど飛躍的に該積層包装材の耐屈
曲性が向上する点で特異的である。この場合、ポ
リプロピレンについては少くとも10倍以上の面積
倍率の延伸倍率をもつた二軸延伸された層である
ことが好ましく、通常5×5倍〜10×10倍の延伸
倍率のものがより好適に用いることができる。ま
たナイロン層については、少くとも5倍以上の面
積延伸倍率をもつことが好ましく、通常3×3倍
〜4×4倍の延伸倍率のものがより好的に用いら
れる。二軸延伸されたポリプロピレン層およびナ
イロン層は、熱シール性は概して良好でないの
で、熱シール性を要求されない側の表面層にのみ
用いることが好ましい。EVOH単体フイルムの
耐ピンホール性が極めて不良であるにも拘らず、
本発明の構成をもつ積層フイルムの耐ピンホール
性が顕著に向上した時点において、つまり
EVOH単体フイルムの特性に鑑みて判断すれば、
当然に中間層であるEVOH層にクラツクないし
はピンホールが発生し、該積層包装材のバリヤー
性が低下することが予想される段階において、該
積層包装材のバリヤー性の低下が認められない点
は前記塩化ビニリデン等のバリヤー材を用いた従
来の積層包装材と異なり、極めて特異的である。 該表面層に用いる樹脂の溶融粘性については適
宜選択し得るが、特に共押出法により該積層材を
得る場合には用いるEVOH樹脂等との溶融粘性
整合性の見地から比較的類似の溶融粘性を有する
ものを選定し、用いるのがより好ましい。 本発明の積層包装材にあつては、該表面層の各
層があまりに薄すぎるとたとえば10μ以下に至る
と、強度などの他の物理的特性が低下するので
10μ以上であることが好ましく、20μ以上である
ことがより好適である。またあまりに厚さが増加
しすぎると、本発明の効果が減殺されるので、該
表面層の各層は60μ以下で用いることがより好ま
しい。特にバツグインボツクスの内容器の構成材
には、通常25〜60μの厚さ領域から内容量に応じ
て選定し、好適に用いることができる。 本発明の積層包装材は、各層が接着性樹脂層を
介して配されて成るものであることが必要であ
り、該ゲルボフレツクステスターによる耐屈曲疲
労性テスト時にデラミネーシヨンを起すものであ
つてはならない。該デラミネーシヨンを起す場合
には、中間層に位置するEVOH層の耐屈曲疲労
性の向上は認められず、該EVOH層の損傷に起
因するバリヤー性の低下現象が、該積層フイルム
にピンホールの発生が認められない段階で既に認
められるので、本発明の効果を享受することがで
きない。少くとも2層設けられたEVOHからな
る各層は、接着性樹脂層を介してまた他の熱可塑
性樹脂層及び接着性樹脂層の両者を介して設ける
ことが出来るが、前者はコスト的観点等から最も
好適な態様の一つである。また該熱可塑性樹脂は
該表面層により好適に用いられる前記樹脂の中か
ら選定して用いることにより好ましい。本発明に
用いる接着性樹脂は実用段階で該デラミネーシヨ
ンを起さないものであればよく、特に限定されな
いが強いて言えば柔軟性に富んだ接着性樹脂がよ
り好適であり、就中EVOH層と該表面層との接
着性がよいエチレン−酢酸ビニル共重合体のカル
ボキシル基含有変性物およびエチレン−アクリル
酸エチルエステル共重合体のカルボキシル基含有
変性物が好ましい。該カルボキシル基含有変性物
が無水マレイン酸変性物であることが特に好適で
ある。またエチレン−酢酸ビニル共重合体が少く
とも8重量%以上の酢酸ビニルを含有するもので
あることがより好ましい。 本発明に係る積層包装材は、共押出法、押出ラ
ミネーシヨン法、ドライラミネーシヨン法などの
公知の方法により得られ、本発明は積層方法を限
定するものではない。またたとえば該積層包装材
を用いたバツグインボツクス内容器は該積層構成
のフイルムを公知の方法で得た後、ヒートシール
し、口部を装着するフイルムシール方式、製品の
形状に合せてあらかじめ成膜して得た該積層構成
のシートより成形した後口金を物理的に固定する
真空成形方式、多層溶融押出成形方式で本発明の
素材の組合せからなる多層パリソンを口金を挿入
した金型ではさみ、圧縮空気で成形し、この時の
パリソンの熱と空気圧力で本体と口金を熱接着す
るブロー成形方式など公知の方法で得ることがで
きる。 以下実施例にもとづいて本発明を詳細に説明す
るがその範囲を限定するものではない。 実施例 1 エチレン含有量38モル%、けん化度99.4%の
EVOH樹脂からなる厚さが各々12μの2層が下記
接着剤層を介して配されてなる複層の中間層と、
該中間層の片側に厚さ35μの4−メチル−1−ペ
ンテンを共重合成分とし、該共重合成分を3.2モ
ル%含み、190℃、2160gの荷重の条件下に
ASTMD−1238−65Tに準じて測定したメルトイ
ンデツクス(以下MI値と記す)2.1g/10分、示
差走査型熱量計の熱分析にもとづく融解熱が
19cal/gの直鎖状低密度ポリエチレン(以下
LLDPEと記す)からなる表面層を、該中間層の
他の片側に酢酸ビニル含有量8重量%のエチレン
−酢酸ビニル共重合体からなる厚さ40μの表面層
を有し、各層間に6μの酢酸ビニル含有量33重量
%、無水マレイン酸変性度1.5重量%の変性エチ
レン−酢酸ビニル共重合体からなる接着性樹脂層
を介して配された積層フイルムを4基の押出機、
4種7層用多層ダイヘツドを用いて共押出法によ
り得た。得らた積層フイルムについて屈曲疲労テ
ストを該積層フイルムにピンホールの発生を認め
るまで行うとともに該ピンホール発生に至るまで
の各段階での酸素ガス透過量を測定した。屈曲疲
労テストは、ゲルボフレツクスタ−(理学工業(株)
製)を用いて、12in×8inの試料片を直径3・
1/2inの円筒状となし、両端を把持し、初期把
持間隔7in、最大屈曲時の把持間隔1in、ストロー
クの最初の3.1/2inで440゜の角度のひねりを加え、
その後の2・1/2inは直線水平動である動作の
繰り返し往復動を40回/分の速さで20℃、相対湿
度65%の条件下に行うものである。酸素ガス透過
量の測定はModern Control社製OX−TRAN100
を使用し、20℃で相対湿度(以下RHと記す)65
%および80%で測定した。各段階の屈曲疲労テス
ト後の試料については、12in×8inの平面となし、
その中央部で測定した。測定結果を第1表に示
す。ピンホール発生に至るまでの屈曲疲労テスト
過程においては、酸素透過量の変化は殆んどなか
つた。またピンンホールの発生は、該屈曲疲労テ
スト3500往復を経過するまで認められず、3600往
復経過後ピンホールの有無を検査に付した時点で
ピンホール1ケが既に発生しているのを認めた。
また各層間のラミネーシヨンは全く認められなか
つた。なお該LLDPE単体フイルムで20℃、65%
RH下で測定したヤング率は13Kg/mm2であつた。
【表】 実施例 2 実施例1において、該表面層の片側に用いたエ
チレン−酢酸ビニル共重合体にかえて、該表面層
の他の片側に用いたLLDPEを用い、該表面層が
同種のLLDPEからなる構成となる如くして行つ
た以外は、実施例1と同様に行つた。 結果を第2表に示す。ピンホール発生に至るま
での屈曲疲労テスト過程においては、酸素透過量
の変化は殆んどなかつた。またピンホールの発生
は、該屈曲疲労テスト4000往復を経過するまで認
められず、4100往復経過後ピンホールの有無を検
査に付した時点でピンホール1ケが既に発生して
いるのを認めた。また各層間のデラミネーシヨン
は全く認められなかつた。
【表】 実施例 3 実施例1においてEVOH層をエチレン含有量
46モル%、けん化度99.3%のEVOH樹脂からなる
厚さが各々14μの2層とし、該表面層の片方に用
いるエチレン−酢酸ビニル共重合体の層を酢酸ビ
ニル含有量が9重量%の該共重合体からなる、厚
さ35μの層とした以外は実施例1に準じて行つ
た。該屈曲疲労テスト4000往復経過するまでピン
ホールは認められず、4500往復経過後ピンホール
1ケが発生しているのがみられた。4000往復経過
後までの各段階で酸素透過量を測定したが、いづ
れも20℃、65%RHおよび80%RHの条件下でそ
れぞれ1.0cc/m2.24hr、1.8cc/m2.24hrで殆ん
ど変化が認められなかつた。また各層間のデラミ
ネーシヨンは全く認められなかつた。 実施例 4 D/Ad/E/Ad/F/Ad/Gなる構成の積
層フイルムを4種7層用多層ダイヘツドを有する
多層ダイヘツドを有する共押出設備を用いて得
た。各層はそれぞれ次に示す各樹脂及び層厚さか
らなる。 Ad;酢酸ビニル含有量35重量%、無水マレイン
酸変性度1.0重量%の変性エチレン−酢酸
ビニル共重合体からなる厚さ5μの接着樹
脂層。 D;4−メチル−1−ペンテン4.1モル%を共重
合成分として含有するメルトインデツクス
2.3g/10分、示差走査型熱量計による融
解熱15cal/gの厚さ39μのLLDPE層 E,F;エチレン含有量31モル%、けん化度99.3
モル%、厚さ6μのEVOH樹脂層 G;酢酸ビニル含有量9重量%のエチレン−酢酸
ビニル共重合体からなる厚さ35μの層 実施例1に準じて屈曲疲労テストを行つた。該
屈曲疲労テスト5000往復経過後も該積層包装材に
ピンホールの発生を認めなかつた。該5000往復に
至る各段階における酸素透過量の測定値を第3表
に示す。また各層のデラミネーシヨンは全く認め
られなかつた。なお該LLDPEのフイルムを別に
得て測定した20℃におけるヤング率は7.5Kg/mm2
であつた。
【表】 実施例 5 実施例4において、E層の厚さを8μ、Fを実
施例3と同じEVOH樹脂からなる、厚さ7μの層
とした以外は実施例4と同様に行つた。該屈曲疲
労テスト5000往復経過後もピンホールの発生を認
めなかつた。5000往復に至るまでの各段階におけ
る酸素透過量の測定値を第4表に示す。なお各層
間のデラミネーシヨンは認められなかつた。
【表】 実施例 6 実施例4において、Gを1−オクテン3.5モル
%を共重合成分として含有する示差走査型熱量計
による融解熱が17cal/gの厚さ30μの層とし、接
着性樹脂層Adをアクリル酸エチル含有量25重量
%、無水マレイン酸変性度0.5モル%の変性エチ
レン−アクリル酸エチル共重合体からなる、厚さ
5μの層とした以外は実施例4と同様に行つた。
該屈曲疲労テスト6000往復経過後もピンホールの
発生を認めなかつた。6000往復に至るまでの各段
階で酸素透過量を測定したが、20℃、65%RHで
0.9cc/m2.24hr、20℃、80%RHで1.8cc/m2
24hrで6000往復に至るまでほとんど変化がなかつ
た。なお各層間のデラミネーシヨンは認められな
かつた。 実施例 7 実施例5において、LLDPE層を酢酸ビニル含
有量10重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体か
らなる30μの層とし、接着性樹脂としてアドマー
NF500(三井石油化学製)を用いた以外は実施例
5と同様に行つた。該屈曲疲労テスト5000往復経
過後も該積層包装材にピンホールの発生を認めな
かつた。5100往復経過後検査に付したところ、1
ケのピンホールを認めた。該5000往復に至る各段
階における酸素透過量は1.8cc/m2.24hr(20℃、
80%RH)で殆んど変化がなかつた。 実施例 8 実施例1において、ブテン−1を共重合成分と
し、該成分含有量5.1モル%、示差走査型熱量計
の熱分析に基づく融解熱が12cal/g、フイルム
を別に得て、20℃において測定したヤング率が8
Kg/mm2のLLDPEで両表面層を構成した以外は実
施例1と同様に実施した。該屈曲疲労テスト4000
往復経過するも、ピンホールの発生は認められ
ず、また酸素透過量の値にも殆んど変化がなく、
1.5cc/m2.24hr(20℃、80%RH)であつた。 実施例 9 実施例4において、Gを設けないD/Ad/
E/Ad/Fの構成の積層フイルムを実施例4に
準じて得た。次に厚さ20μの二軸延伸ポリプロピ
レンフイルム(延伸倍率:8×8倍)を該表面の
表面張力が30〜40dyne/cmとなるようにコロナ
処理した後、ドライラミ用接着剤(ウレタン系の
東洋モートン社製AD−335を用いた)を3.5g/
m2となるように該表面に塗布し、該積層フイルム
のF面に該二軸延伸ポリプロピレンフイルムをド
ライラミネートした。得られたD/Ad/E/
Ad/F/二軸延伸ポリプロピレンの複合構成の
フイルムを該屈曲疲労テストに供した。該屈曲疲
労テスト5000往復経過後も該積層包装材にピンホ
ールの発生を認めなかつた。また酸素透過量の値
にも殆んど変化がなく、1.6cc/m2.24hr(20℃、
80%RH)であつた。 実施例 10 実施例5において、用いたLLDPEに代えてヘ
プテン−1共重合成分とし、該含有量が2.9モル
%示差走査型熱量計の熱分析に基づく融解熱が
21cal/g、20℃のヤング率が13Kg/mm2のLLDPE
を用いエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層
を設けない複層フイルムを実施例5に準じて共押
出し、厚さ25μの二軸延伸ナイロンフイルム(ユ
ニチカ(株)製、商品名:エンプレム)に該複層フイ
ルムの接着性樹脂層が該ナイロンフイルムに接す
るようにして押出ラミネートし、得た積層包装材
を該屈曲疲労テストに供した。該屈曲疲労テスト
5000往復数経過後も該積層包装材にピンホールの
発生を認めなかつた。該屈曲疲労テストの各段階
における酸素透過量は殆んど変化がなく1.6cc/
m2.24hr(20℃、80%RH)であつた。 実施例 11 実施例1において、EVOHを実施例4に用い
たEVOHに代え、また該LLDPEに代えて密度が
0.920、メルトインデツクスが1.9g/10分の高圧
法低密度ポリエチレンを用いた以外は実施例1と
同様に行つた。該屈曲テスト2000往復経過するま
では該積層フイルムにピンホールの発生を認め
ず、また酸素透過量の値も1.4cc/m2.24hr(20
℃、80%RH)で殆んど変化がなかつた。2500往
復経過後、ピンホール発生の有無の検査に付した
ところ、ピンホール2ケの発生を認めたが、各層
間のデラミネーシヨンは全くみられなかつた。 実施例 12 実施例7において、該積層体を20℃、87%RH
の雰囲気に5日間放置した後、該雰囲気下に該屈
曲疲労テストを行つた以外は実施例7と同様に行
つた。該屈曲疲労テスト6000往復経過後において
も該積層包装材にピンホールの発生を認めなかつ
た。また、6000往復経過後の該酸素透過量は、該
屈曲疲労テスト開始前に比し殆んど変化なく、
3.2cc/m2.24hr(20℃、87%RH)であつた。 実施例 13 実施例1において、該積層材を20℃、90%RH
の雰囲気に6日間放置した後、該雰囲気下に該屈
曲疲労テストを行つた以外は実施例1と同様に行
つた。該屈曲疲労テスト5000往復経過後も該積層
包装材にピンホールの発生は認められなかつた。
また、5000往復経過後の該酸素透過量は、該屈曲
疲労テスト開始前に比し殆んど変化なく、
4.0cc/m2.24hr(20℃、90%RH)であつた。 比較例 1 エチレン含有量27モル%、けん化度99.4モル%
のEVOH樹脂からなる厚さ18μmの中間層と、該
中間層の両側に厚さ各35μmの4−メチル−ペン
テンを共重合成分とし、該共重合成分を3.2重量
%含み、190℃、2,160g荷重下の条件下に
ASTMD−1238−65Tに準じて測定したMI値2.1
g/10分、示差走査型熱量計による融解熱が
19cal/gのLLDPEからなる表面層を有し、各層
間に厚さ5μmのアクリル酸エチルエステル含有量
25重量%、無水マレイン酸変性度1.7重量%の変
性エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体
からなる装着性樹脂層を介して配された積層フイ
ルムを3基の押出機、3種5層用多層ダイヘツド
を用いて共押出法により得た。得られた積層フイ
ルムについて屈曲疲労テストを該積層フイルムに
ピンホールの発生を認めるまで行うとともに、該
ピンホール発生に至までの各段階での酸素ガス透
過量を測定した。該屈曲疲労テスト3000往復を経
過するまではピンホールの発生を認められなかつ
た。3200往復経過後3個のピンホールの発生を認
めた。
【表】 比較例 2 エチレン含有量38モル%、けん化度99.5モル%
のEVOH樹脂からなる厚さ15μmの中間層と該中
間層の両側に厚さ各24μmのフタル酸:イソフタ
ル酸:エチレングリコール:ジエチレングリコー
を共重合成分とし、該共重合成分を各々43:7:
48:2モル%含み、20℃でのヤング率200Kg/mm2
示差走査型熱量計による融解熱ピークが観測され
ない、非晶性であり熱シール可能なポリエステル
からなる表面層を有し、各層間に厚さ5μmの無水
マレイン酸変性度1.7重量%の変性エチレン−ブ
テン共重合体からなる接着性樹脂層を介して配さ
れた積層フイルムを3基の押出機、3種5層用多
層ダイヘツドを用いて共押出法により得た。得ら
れた積層フイルムについて屈曲疲労テストを該積
層フイルムにピンホールの発生を認めるまで行う
とともに、該ピンホール発生に至るまでの各段階
での酸素ガス透過量を測定した。該屈曲疲労テス
ト50往復を経過するまではピンールの発生は認め
られなかつた。100往復経過後の10個のピンホー
ルの発生を認めた。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ガス遮断性を有する薄膜を中間層とし、該中
    間層の両側に表面層を有し、該表面層の少くとも
    片方が熱シール可能な熱可塑性樹脂層であり、該
    各層が接着性樹脂層を介して配されてなるフレキ
    シブル積層包装材において、該中間層がエチレン
    含有量25〜60モル%、けん化度95%以上のエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体けん化物からなる層を少
    くとも2層を含み、かつ各層の厚さが15μ以下の
    複層構成であることを特徴とする耐屈曲疲労に優
    れ、かつ高度な気体遮断性を有するフレキシブル
    積層包装材。 2 中間層の各層の厚さが10μ以下である特許請
    求の範囲第1項記載の積層包装材。 3 中間層が少くとも2種の異なるエチレン含有
    量のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物の複
    層構成である特許請求の範囲第1項または第2項
    記載の積層包装材。 4 表面層が直鎖状低密度ポリエチレン層、エチ
    レン−酢酸ビニル共重合体層、二軸延伸されたナ
    イロン層および二軸延伸されたポリプロピレン層
    から選ばれた少くとも1種の層を含む特許請求の
    範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の積層
    包装材。 5 表面層の少なくとも片方が炭素数4以上のα
    −オレフインを共重合成分とする直鎖状低密度ポ
    リエチレンからなる層である特許請求の範囲第1
    項ないし第4項のいづれかに記載の積層包装材。 6 表面層の少くとも片方が示差走査型熱量計の
    熱分析に基づく融解熱が25cal/g以下である直
    鎖状低密度ポリエチレンからなる層である特許請
    求の範囲第1項ないし第5項のいづれかに記載の
    積層包装材。 7 表面層の少なくとも片方がブテン−1を共重
    合成分とし、示差走査型熱量計の熱分析に基づく
    融解熱が15cal/g以下である直鎖状低密度ポリ
    エチレンからなる層である特許請求の範囲第1項
    ないし第4項のいづれかに記載の積層包装材。 8 表面層の少くとも片方が20℃におけるヤング
    率が22Kg/mm2以下である直鎖状低密度ポリエチレ
    ンからなる層である特許請求の範囲第1項ないし
    第6項のいづれかに記載の積層包装材。 9 表面層の少くとも片方がブテン−1を共重合
    成分とし、20℃におけるヤング率が12Kg/mm2以下
    である直鎖状低密度ポリエチレンからなる層であ
    る特許請求の範囲第1項ないし第4項、第6項及
    び第7項のいづれかに記載の積層包装材。 10 表面層の少くとも片方が炭素数5以上のα
    −オレフインを共重合成分とする直鎖状低密度ポ
    リエチレンからなる層である特許請求の範囲第1
    項ないし第4項、第6項及び第8項のいづれかに
    記載の積層包装材。 11 表面層の少くとも片方が4−メチル−1−
    ペンテンを共重合成分とする直鎖状低密度ポリエ
    チレンから成る層である特許請求の範囲第1項な
    いし第4項、第6項及び第8項のいづれかに記載
    の積層包装材。 12 表面層の少くとも片方が酢酸ビニルを7重
    量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体
    からなる層である特許請求の範囲第1項ないし第
    4項のいずれかに記載の積層包装材。 13 接着性樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合
    体のカルボキシル基含有変性物である特許請求の
    範囲第1項ないし第12項のいずれかに記載の積
    層包装材。 14 接着性樹脂がエチレン−アクリル酸エチル
    エステル共重合体のカルボキシル基含有変性物で
    ある特許請求の範囲第1項ないし第12項のいづ
    れかに記載の積層包装材。 15 接着性樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合
    体またはエチレン−アクリル酸エチルエステル共
    重合体の無水マレイン酸変性物である特許請求の
    範囲第1項ないし第12項のいづれかに記載の積
    層包装材。 16 該積層包装材が包装充填物が水性混合物ま
    たは含水物である、包装容器の構成材であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第15
    項のいづれかに記載の積層包装材。 17 該包装材がバツグインボツクス内容器の構
    成材である特許請求の範囲第1項ないし第16項
    のいづれかに記載の積層包装材。
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