JPH0375002B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は合板製造の分野に於て取扱われる横は
ぎ単板、特に小巾のベニヤ単板の前端縁に溶融ホ
ツトメルト樹脂等の接着剤を塗布してなる後続ベ
ニヤ単板を先行ベニヤ単板の後端縁に衝突させな
がら一体に後方に押出すと共に、その表面に溶融
ホツトメルト樹脂等を糸に含浸した接着糸を貼着
してすだれ状に連なつた横はぎ単板を得るように
構成した押出方式の単板横はぎ機に於ける端縁衝
合時の押出制動方法及び装置の改良に関するもの
である。

(ロ) 従来技術 この種の押出方式の単板横はぎ機に於ける端縁
衝合時の押出制動方法及び装置に類似する従来技
術としては、例えば特許第1057528号（特公昭55
−47562号）単板の連続切断接合装置や特開昭59
−54504号単板横はぎ機に於ける強制搬出装置等
に開示されており、その何れの従来装置も前端縁
に溶融ホツトメルト樹脂等の接着剤を塗布した小
巾のベニヤ単板を前段工程から搬入自在に水平に
懸架した下段コンベアーと、該下段コンベアーの
上方に並行に対峙した上段コンベアーと、該上段
コンベアーの前半部に押圧自在に内設した後続ベ
ニヤ単板に押出力を付与するレール部材等からな
る第１の可動シユーと、前記上段コンベアーの後
半部の列間に摺動自在に架設した先行及び後続ベ
ニヤ単板に摺動摩擦による若干の制動力を付与す
る制動レール部材等からなる第２の可動シユーと
によつてこの種の押出方式の単板横はぎ機に於け
る端縁衝合時の押出制動方法及び装置が構成され
ていたものである。

更にまたこの種の押出方式の単板横はぎ機に於
ける応動搬出装置としては、例えば特開昭60−
83801号、特開昭60−129203号等があるが、何れ
もトルクモータや押圧ローラを単独に装備するも
のであつた。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 叙上のように従来技術の方法及び装置には、レ
ール部材等からなる第２の可動シユーの摺動摩擦
による若干の制動力しか先行及び後続ベニヤ単板
の板面に作用しないので、その制動力を過大に失
すれば端縁衝合時の衝突力が過大となつて材質の
挫屈や板詰りを惹起し、またこれが先行及び後続
ベニヤ単板の端縁衝合動作に適当と思われる若干
の制動力の範囲内であつても、所定の端縁衝合場
所に都度制止される後続ベニヤ単板の板面上を常
に前記上下段コンベアーが回動しているので、そ
の摺動摩擦による僅かな押出作用によつて、前記
端縁衝合場所に都度制止されて後続ベニヤ単板が
先行ベニヤ単板となつたものの後端縁が不安定に
移動し、次回の後続ベニヤ単板との端縁衝合動作
時に相互の衝合部に隙間を形成することとなつ
て、接合不良の最大の原因となつていた難点や、
これらの摺動摩擦による障害を軽減するために従
来装置が装備していたトルクモータや押圧ローラ
による応動搬出装置も、これを総て単独に装備し
ていたので逆に制動位置が不安定に変動する等の
難点があつたものを払拭すべく、これら第２の可
動シユーからなる摺動摩擦を利用した制動レール
部材とは別個に、単板面に直接作用する制御可能
な単板制動シユーとトルクモータにより回動する
押圧ローラをそれぞれ関連して架設することによ
つて従来装置の難点を解決しようとしたものであ
る。

(ロ) 問題を解決するための手段 本発明は従来方法及び装置のように、制動レー
ル部材等からなる第２の可動シユーの摺動摩擦に
よる制動力と次回の後続ベニヤ単板の押出力のみ
に依存することなく、先行ベニヤ単板と後続ベニ
ヤ単板の端縁衝合押出動作の作動時期には前記第
２の可動シユーの摺動摩擦制動力とトルクモータ
の回動による押圧ロールの繰出回転力を利用する
も、その端縁衝合押出動作の休止時期には独立し
て架設した単板制動シユーを都度発動させること
によつてその単板面を強制制動自在に構成したも
のであつて、即ち本発明の方法発明の構成は (1‐a) 先行ベニヤ単板と後続ベニヤ単板の端縁
衝合押出動作の休止時期に独立した単板制動シ
ユーにより単板面に強制制動力を作用するよう
にしたこと。

(1‐b) 前記先行ベニヤ単板と後続ベニヤ単板の
端縁衝合押出動作の作動時期には前記単板制動
シユーによる強制制動力の単板面への作用を休
止すると共に、トルクモータの回動による押圧
ロールの繰出回転力を作用するようにしたこ
と。

からなる単板横はぎ機に於ける端縁衝合時の押出
制動方法である。

また本発明の装置発明の構成は (2-a) 第２の可動シユーの列間にエアーシリ
ンダー等の昇降機構を装着した単板制動シユー
とトルクモータにより回動する押圧ローラを架
設したことと。

(2‐b) 前記昇降機構の昇降を制御可能に前記第
２の可動シユーの直前に光電スイツチ等の単板
検知器を架設したことと。

からなる単板横はぎ機に於ける端縁衝合時の押出
制動装置である。

(ホ) 作 用 本発明の方法発明について、添付の第３Ａ，３
Ｂ図の作動態様に従つてその作用を説明すれば、
先ず第３Ａ図に於て前段工程から搬入されてくる
前端縁に溶融ホツトメルト樹脂等の接着剤１を塗
布した小巾のベニヤ単板からなる後続ベニヤ単板
２は、固定シユー３上に水平に懸架した下段コン
ベアー４と該下段コンベアー４に対峙した上段コ
ンベアー５の前半部に押出自在に内設された第１
の可動シユー６により引続き圧送されて、先に搬
出側に押出されている先行ベニヤ単板８の後端縁
にその先端縁を衝合させて相互の端縁に所望の側
圧を作用し得るように、前記上段コンベアー５の
列間に第２の可動シユー７を架設して単板面との
摺動摩擦によつて若干の制動力が付与されるよう
に構成されているのである。また前記の端縁衝合
押出動作に先だつて、前記第２の可動シユー７の
直前に架設されている光電スイツチ等の単板検知
器９の直下に未だ後続ベニヤ単板２が到来してい
ない時には、該単板検知器９に接続されたエアー
シリンダー等の第１の昇降機構１０ａが上昇側
に、また第２の昇降機構１０ｂが下降側に発動さ
れたままになつており、従つて前記第１の昇降機
構１０ａに接続された単板制動シユー１１は先行
ベニヤ単板８の後端縁付近の板面を強制的に制動
し、また前記第２の昇降機構１０ｂに接続された
トルクモータ１９により回動される押圧ローラ２
０は板面から浮き上つて空転を続け、前記上下段
コンベアー５，４の摺動摩擦による僅かな移動力
をも完全に制止するように構成されているのであ
る。次にまた第３Ｂ図は前記後続ベニヤ単板２の
搬送が進んで、その先端縁が端縁衝合場所に先に
制止している先行ベニヤ単板８の後端縁に衝突し
た状態を示すものであつて、その時前記単板検知
器９は後続ベニヤ単板２の先端縁を検知すること
になるのでこれに接続された第１の昇降機構１０
ａは上昇側に、また第２の昇降機構１０ｂが下降
側に発動されて前記単板制動シユー１１とトルク
モータ１９を装着した押圧ロール２０を矢印の方
向に作動させてその単板面に対する強制制動力を
解除し、及びその繰出回転力を付与して助走を開
始させることになる。従つて後続ベニヤ単板２と
先行ベニヤ単板８に作用する制動時の衝突力は前
記第２の可動シユー７の摺動摩擦による若干の制
動力に打ち勝つた押圧ロール２０の助走作用によ
つて最初の慣性による衝突力を排除出来るから、
前記第２の可動シユー７の自重や加圧力を調整し
て軽く上方から押えた程度の摺動摩擦作用だけに
なつて、端縁に塗布した接着剤１の良好な端縁接
着に必要な側圧にこれを制限して作用し得るよう
に構成されているのである。また、前記第２の可
動シユー７の直前に架設されている単板検知器９
の直下を後続ベニヤ単板２の後端縁が通過して行
くとその後端検知信号によつて再び前記第１の昇
降機構１０ａは下降側に、また前記第２の昇降機
構１０ｂは上昇側に発動することとなるので、前
記単板制動シユー１１と押圧ローラ２０は矢印の
ように下降及び上昇して先行ベニヤ単板８の後端
縁付近の板面を再び強制制動してこれを制止し、
押圧ローラ２０は空転を続けたまま次回の後続ベ
ニヤ単板２の到来に待機するように構成されてい
るものである。

(ヘ) 実施例 本発明の装置発明を例示する第１〜２図につい
てその構成を説明すれば、前段工程に配設された
ベニヤクリツパー、スポツトノズル等によりその
両端縁が整形切断され、その前端縁に溶融ホツト
メルト樹脂等の接着剤１を塗布した小巾のベニヤ
単板からなる後続ベニヤ単板２を横はぎ工程へ搬
入自在に、レール部材等からなる固定シユー３上
にチエンコンベアー等からなる下段コンベアー４
が水平に懸架されている。該下段コンベアー４の
上方にはこれに並行にチエンコンベアー等からな
る上段コンベアー５が対峙され、且つ該上段コン
ベアー５の前半部には搬入過程の後続ベニヤ単板
２を押圧搬送自在に、レール部材等からなる第１
の可動シユー６が内設されており、また該上段コ
ンベアー５の後半部の列間には押出過程の先行ベ
ニヤ単板８に若干の摺動摩擦による制動力を付与
して相互の端縁に所望の側圧を作用し得るよう
に、制動レール部材等からなる第２の可動シユー
７が架設されている。更にまた該第２の可動シユ
ー７の列間には該第２の可動シユー７による前記
押出過程の先行ベニヤ単板８への若干の制動力の
付与の外に、独立した強制制動力を単板面に自在
に付与可能に、エアーシリンダー等の第１の昇降
機構１０ａを装着した単板制動シユー１１が独立
して架設されている。次にまた先行ベニヤ単板８
の板面に接着糸１５を貼着する水付ローラ１６に
相対峙して、エアーシリンダー等の第２の昇降機
構１０ｂを装着した押圧ローラ２０を昇降自在に
架設すると共に、該押圧ローラ２０にトルクモー
タ１９を軸装して前記先行ベニヤ単板８の板面に
繰出回転力を付与して端縁衝合以前に助走を開始
可能に構成されている。一方前記第２の可動シユ
ー７の直前には光電スイツチ等からなる単板検知
器９が架設されていて、直下を搬送される後続ベ
ニヤ単板２の先端縁を検知すれば、その先端検知
信号が直ちに前記第１及び第２の昇降機構１０
ａ，１０ｂに伝えられてこれを上昇及び下降側に
発動するので前記単板制動シユー１１による先行
ベニヤ単板８の板面に対する強制制動作用が解除
されるのを待つて直ちに先行ベニヤ単板８の助走
が開始されてその最初の慣性による衝突力が排除
され、また後続ベニヤ単板２の搬送が進んでその
後端縁を単板検知器９が検知すれば、その後端検
知信号も直ちに前記第１及び第２の昇降機構１０
ａ，１０ｂに伝えられてこれを再び下降及び上昇
側に発動してその後端縁付近の板面を強力に制動
すると共に前記押圧ローラ２０を空転させるよう
にして所定の衝合位置にこれを制止するように構
成されているのである。従つて搬送及び押出過程
の後続ベニヤ単板２と先行ベニヤ単板８の端縁衝
合時の側圧は、その材質に許容される範囲の若干
の制動作用に第２の可動シユー７によりその摺動
摩擦制動力が常時保持されたまま先行ベニヤ単板
８がもつ慣性による衝突力が迴避され、また全体
の押出動作が終了した時には、先行ベニヤ単板８
となつたものの後端縁が所定の衝合位置から移動
しないように、単板制動シユー１１による強力な
制動力が独立して付与されたまま次回の端縁衝合
押出動作までこれを保持するように制御自在に構
成されているのである。

尚、図中１２は合繊糸等の糸、１３は該糸１２
に溶融ホツトメルト樹脂等の接着剤を含浸する糸
ノズル、１４は該糸ノズル１３に接着剤を導入す
る配管、１５は該糸ノズル１３により糸１２に接
着剤を含浸したものをベニヤ単板に水付ローラー
１６で貼着した接着糸、１７は第１の可動シユー
６に装着されたリンク、１８は第２の可動シユー
７に装着されたリンクである。

(ト) 発明の効果 本発明は叙上のように従来装置に見られた第２
の可動シユーの単板面に対する摺動摩擦による若
干の制動作用のみに依存することなく、制御可能
な独立した単板制動シユーとトルクモータにより
回動する押出ローラの強制制動作用と助走作用を
これに重畳するように、その端縁衝合押出動作の
休止時期には前記単板制動シユーとトルクモータ
ーにより回動する押圧ローラを交互に発動し、そ
れによりその端縁部に作用する若干の押出力があ
つてもこれを相殺しつつ適時に助走力を付与し得
るようにその移動を強力に制止及び助走出来るよ
うにしたものであるから、従来装置に惹起されて
いた先行ベニヤ単板の慣性による過大な衝突力
や、前記第２の可動シユーの過大に失した摺動摩
擦制動力による材質の挫屈や板詰りを完全に回避
し得、またこれが端縁衝合動作に適当と思われる
若干の摺動摩擦制動力の範囲内であつても、その
端縁衝合押出動作の休止時期には独立して架設さ
れた単板制動シユーからの強制制動力が作用して
いるので、この休止時期の不安定な端縁移動現象
によつて衝合部に隙間を形成し接合不良となる事
態をも完全に迴避し得た、横はぎ工程に於ける歩
留りと作業能率と製品品質を格段に向上すること
ができた実施効果の極めて顕著な発明である。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施の一例を示すものであつて、
第１図は側面図、第２図は平面図、第３Ａ，３Ｂ
図は動作順序の説明図である。 １……接着剤、２……後続ベニヤ単板、３……
固定シユー、４……下段コンベアー、５……上段
コンベアー、６……第１の可動シユー、７……第
２の可動シユー、８……先行ベニヤ単板、９……
単板検知器、１０ａ，１０ｂ……昇降機構、１１
……単板制動シユー、１９……トルクモータ、２
０……押圧ロール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 先行ベニヤ単板と後続ベニヤ単板の端縁衝合
   押出動作の作動時期を除くそれ以外の休止時期に
   独立した単板制動シユーにより単板面に強制制動
   力を作用すると共に前記先行ベニヤ単板と後続ベ
   ニヤ単板の端縁衝合押出動作の作動時期にトルク
   モータにより単板面に繰出回転力を作用するよう
   にしたことを特徴とする単板横はぎ機に於ける端
   縁衝合時の押出制動方法。 ２ 前端縁に溶融ホツトメルト樹脂等の接着剤を
   塗布した小巾のベニヤ単板を前段工程から搬入自
   在に固定シユー上に水平に懸架した下段コンベア
   ーと、該下段コンベアーの上方に並行に対峙した
   上段コンベアーと、該上段コンベアーの前半部に
   押圧自在に内設した後続ベニヤ単板に押出力を付
   与する第１の可動シユーと、前記上段コンベアー
   の後半部の列間に摺動自在に架設した先行ベニヤ
   単板に摺動摩擦による若干の制動力を付与する第
   ２の可動シユーとからなる押出方式の単板横はぎ
   機に於て、前記第２の可動シユーの列間にエアー
   シリンダー等の昇降機構を装着した単板制動シユ
   ーとトルクモータにより回動する押圧ローラを架
   設すると共に、該昇降機構の昇降を制御可能に前
   記第２の可動シユーの直前に光電スイツチ等の単
   板検知器を架設したことを特徴とする単板横はぎ
   機に於ける端縁衝合時の押出制動装置。