JPH0372980B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は複写装置、フアクシミリ、静電プリン
ターなどの静電記録装置を用いる現像装置に関す
る。

従来例の構成とその問題点 従来の静電記録装置で記録体に形成した静電潜
像を、トナー等の現像剤で顕像化し、紙などの転
写材に画像を転写する間接記録式の静電記録装置
では、転写後に静電記録体上に残留する現像剤を
クリーニング装置で除去した後、送りネジ等で現
像装置内へ送りこんで再使用するように構成した
ものがあつた。しかし、クリーニング装置で静電
記録体から除去し回収した回収現像剤中には、転
写材にあつた塵埃や紙の繊維等が混入しており、
送りネジ等で強制的に現像装置内へ送りこむと、
上記の塵埃や紙の繊維が回収現像剤とともに現像
装置内へ入つてしまう。現像装置によつて、静電
記録体の静電潜像を顕像化するのは、トナー等の
現像剤が静電電力によつて静電記録体に吸着する
現像を利用しているので、トナー等の現像剤だけ
が静電潜像と逆の極性の静電気を十分に帯びるこ
とが良好な画像を得る要件である。塵埃や紙の繊
維は、帯電系列の違う異物として現像装置内で現
像剤とともに摩擦帯電し、あるものは、現像剤と
同極性に、また、あるものは逆極性に帯電する。
現像剤と同極性のものは現像剤と共に静電記録体
に付着してついには転写材に転写されて画質を低
下させてしまう欠点となつた。また、塵埃や紙の
繊維などが現像剤とともに静電記録体に吸着した
時は、一部が転写後も静電記録体に残留し、クリ
ーニング装置で除去される際、特に、ゴムブレー
ドで静電記録体表面をかきとる方式のクリーニン
グ装置を用いている場合は、ゴムブレードと静電
記録体表面間に前記塵埃や紙の繊維等がかみこん
で、ゴムブレードのクリーニング能力を低下させ
て十分なクリーニングができなくなつてしまうと
いう欠点を生じた。

また、送りネジ等でトナー等の現像剤を現像装
置内に送りこむ際に現像剤が圧縮されて塊とな
り、塊のまま現像装置に送りこまれ、現像装置内
で攪拌混合されても、完全に塊がくずれず、静電
記録体を現像する際に塊が静電記録体の表面に衝
突して機械的に付着し、静電潜像のない非画像部
にも汚れを生じるという欠点があつた。また比較
的小さな塊は、そのまま静電記録体に現像剤とと
もに移り、転写材にも転写されて、定着器の定着
ローラでつぶされて、転写材に定着し、異常な斑
点画像を生じてしまうという欠点を有していた。

発明の目的 本発明は上記従来例の欠点を除去し、回収現像
剤中に塵埃や紙の繊維があつても、静電記録体に
吸着させず、更に回収途中で回収現像剤の塊を生
じても静電記録体に吸着させないようにした現像
装置を提供することを目的とする。

発明の構成 本発明は、上記目的を達成するために、現像装
置の筐体に一部又は全面にフイルターを設けたフ
イルター手段によつて連通する回収現像剤混合室
を設け、前記筐体から現像剤を前記回収現像剤混
合室内へ流入させると共に、静電記録体から回収
した回収現像剤を回収現像剤混合室名内へ送りこ
み、回収現像剤混合室内で回収現像剤混合手段に
より、前記筐体から流入した現像剤と回収現像剤
とを混合し、前記回収現像剤混合室から前記筐体
内へ前記フイルター手段を経て流出させるように
構成したものである。

実施例の説明 以下、本発明の実施例を図面とともに詳述す
る。第１図に本発明の一実施例に係る現像装置の
要部断面図を示す。同図において、１は感光ドラ
ム、２は現像装置の筐体で、前記感光ドラム１に
開口部を対向させている。３は蓋で前記筐体２上
に設けている。筐体２内には、筐体の側壁２ａに
固定軸４を固設し、前記固定軸４には複数の磁石
５を所定の間隔をあけて固定し、更に、前記磁石
５を包囲する非磁性の回転スリーブ６を回転自在
に支承している。回転スリーブ６は図示されない
駆動装置により、矢印Ａ方向に回転させている。
７は磁性粉とトナーとからなる二成分の現像剤
で、磁石５の磁力によつて回転スリーブ６の表面
に吸着し、回転スリーブ６の回転につれて筐体２
の底部に突設したドクターブレード８で回転スリ
ーブ６の表面に吸着する現像剤７の量が規制され
た後、感光ドラム１に向けて搬送される。現像剤
７は感光ドラム１に対向する磁石５によつて回転
スリーブ６上で穂立ちし、感光ドラム１の表面を
摺擦して、静電潜像に現像剤７中のトナーを静電
気力で吸着させて現像する。感光ドラム１を現像
した後の現像剤７は矢印Ｂの方向へ搬送される。
９はスクレーパーであつて、現像剤７を回転スリ
ーブ６上からかきとり、矢印Ｃ方向へ現像剤７を
導く。１０，１０ａは攪拌スクリユウであつて、
上方の攪拌スクリユウ１０は現像剤７を紙面の奥
から手前へ送りつつ攪拌する。下方の攪拌スクリ
ユウ１０ａは現像剤７を紙面の手前から奥へ送り
つつ攪拌する。１１は回収現像剤混合室外壁であ
つて、回収現像剤混合室１２を形成している。１
３はフイルター手段であつて、筐体２と回収現像
剤混合室１２を隔てるとともに、フイルター手段
１３の穴１４によつて筐体２と回収現像剤混合室
１２を連通させている。本実施例では、穴１４の
大きさを磁性粉やトナーを通過させ得る大きさに
して、特に上方の穴は大きく、下方の穴は上方の
穴に比べて小さくしている。

現像剤７はスクレーパー９によつて矢印Ｃ方向
へ流されるため、フイルター手段１３に衝突し、
フイルター手段１３の穴１４を通過して回収現像
剤混合室１２中に流入する。

第２図は、蓋３を外して内部を示した本実施例
の斜視図で、回収現像剤は、第２図に示す回収現
像剤受入口１６へ矢印Ｄ方向に図示しない送りネ
ジなどの回収手段によつて落下させられる。回収
現像剤受入口１６は、回収現像剤混合室１２に連
通しており、回収現像剤は、回収現像剤混合手段
１５によつて回収現像剤混合室１２の内部へ運ば
れる。回収現像剤混合手段１５は前記攪拌スクリ
ユウ１０，１０ａと同じく、つるまき状の攪拌翼
を有する部材で構成し、回収現像剤を紙面の奥か
ら手前へ送りつつ攪拌、混合するように構成して
いる。回収現像剤混合室１２において、筐体２か
ら流入してきた現像剤７と、回収現像剤は前記回
収現像剤混合手段１５で混合される。

第３図は、回収現像剤混合室１２付近を拡大し
て示した要部断面図である。筐体２から回収現像
剤混合室１２へ流入した現像剤７は、感光ドラム
１を現像し終えて、トナーを失なつた後の、ほと
んどが磁性粉であるトナーの少ない現像剤であ
り、一方、回収現像剤は、感光ドラム１からクリ
ーニング装置によつてかきとられて回収された、
ほとんどがトナーである現像剤である。トナーと
磁性粉の混合比、いわゆるトナー濃度の異なる筐
体２から流入した現像剤７と回収現像剤は、回収
現像剤混合室１２中で混合され、回収現像剤混合
室内でトナー濃度が均一化される。このことは、
トナー磁性粉が均一に混じることであり、トナー
と磁性粉は互いに摩擦帯電して、本実施例ではト
ナーは負に、磁性粉は正に帯電することから、感
光ドラム１を現像し終えてトナーを失つていた磁
性粉は、回収現像剤のトナーを表面に吸着するこ
とになる。混合されトナー濃度が均一化された現
像剤は、フイルター手段１３の穴１４から矢印Ｅ
の如く筐体２中へ流出する。第３図の１７は回収
現像剤とともに回収されてきた紙の繊維、１８は
クリーニング装置から回収する回収手段によつて
生じた現像剤の塊である。紙の繊維１７及び現像
剤の塊１８は回収現像剤混合室１２内で現像剤と
混合、攪拌されるが、大きさが磁性粉やトナーの
数十倍もあるのでフイルター手段１３の穴１４を
通過できずに、回収現像剤混合室１２内に残留す
る。なお、現像剤の塊１８は回収現像剤混合手段
１５で混合されるうちに、わずかずつくずれて、
トナーは磁性粉に吸着され、フイルター手段１３
の穴１４から筐体２中へ流出する。回収現像剤混
合室１２から筐体２中へ流出した現像剤は、筐体
２内に元々あつた現像剤７とともに攪拌スクリユ
ツ１０，１０ａによつて攪拌、混合され、再び回
転スリーブ６に磁力で吸着されて、感光ドラム１
に向けて搬送されてゆく。

蓋３に設けた開口部３ａは、新トナー受入口で
あつて、図示していないホツパー等のトナー補給
装置から矢印Ｆの如く上方から新しいトナーが落
下補給される。矢印Ｆの如く補給された新しいト
ナーは筐体２内の現像剤７とともに筐体２内で、
また一部は、現像剤７とともに回収現像剤混合室
１２内に流入した上で混合され、現像剤中の磁性
粉と摩擦帯電する。

また、第２図に示した１９，１９ａ，１９ｂ，
１９ｃは歯車であつて、それぞれ回転スリーブ６
の軸端６ａ、攪拌スクリユウ１０，１０ａ及び回
収現像剤混合手段１５に固着されているとともに
互いに連動するように構成されている。

第４図は、現像剤をぬいて内部構造を示した本
実施例の斜視図で、フイルター手段１３を上方へ
抜いた状態を示したものであり、フイルター手段
１３は現像装置の筐体の側壁２ａに設けた溝２０
に出し入れ自在に構成し、蓋３を装着することに
よつて、蓋３でフイルター手段１３を上方より押
圧して抜けないように構成している。

なお、第１図乃至第４図において同一部分には
同一の符号を付して示している。

第５図は本発明の他の実施例の要部断面図であ
つて、攪拌スクリユウ１０，１０ａの代りに平板
状の２枚の翼を突設した攪拌部材２１，２１ａを
用い、回収現像剤混合手段１５の形状を変えて、
平板状の翼２枚を突設した回収現像剤混合手段１
５ａとする一方、筐体２の内部には仕切部材２２
を固設して、仕切部材２２の上方の空間を現像剤
７が筐体２から回収現像剤混合室１２へ流入する
経路とし、仕切部材２２の下方の空間を回収現像
剤混合室１２内で混合された現像剤が筐体２内へ
流出する経路となしている。フイルター手段１２
は、前記上方の空間と回収現像剤混合室１２を連
通する部分は、開口のままとして、現像剤７の流
れを防げず、前記下方の空間と回収現像剤混合室
１２と連通する部分にのみフイルター機能を果す
穴１４を設けて、紙の繊維１７や現像剤の塊１８
の筐体２への流出を防止している。なお、フイル
ター手段１３は先述の本発明の実施例と同様に、
筐体の側壁２ａに設けた溝２０に沿つて上下方向
に着脱自在に構成したものである。なお、本実施
例中で、先述の実施例と同一部品には同一の符号
を付して示している。

第６図に本発明の更に別の実施例の要部断面図
を示す。これは、攪拌スクリユウ１０の一部に突
起２３を設けて、フイルター手段１３の表面を間
欠的に振動させるように構成したものであつて、
回収現像剤混合室１２中に入つた現像剤と回収現
像剤は、回収現像剤混合手段１５によつて混合さ
れるとともに振動されて、フイルター手段１３の
穴１４より、現像装置の筐体２の中へ流出するよ
うになつている。

発明の効果 以上詳述したように本発明によれば、回収現像
剤中に含まれる塵埃や紙の繊維や、現像剤の塊が
回収現像剤混合室内に残留し現像装置の筐体内に
入つて行かないので、静電記録体、ひいては転写
材に塵埃や紙の繊維や現像剤の塊が付くことがな
く、その結果、良質な画像を得ることができると
いう利点がある。また、塵埃や紙の繊維がクリー
ニング装置のゴムブレードと感光ドラムなどの静
電記録体間にはさまれてクリーニング不足を生じ
るということも防止できる利点が有る。

また、感光ドラムなどの静電記録体を現像し終
えた、ほとんどが磁性粉で、トナーの少ない現像
剤が回収現像剤混合室に流入し、ほとんどがトナ
ーからなる回収現像剤と混合するので、すでに表
面にトナーを吸着している磁性粉とトナーを混ぜ
る場合に比べて、回収現像剤中のトナーを早急に
磁性粉に吸着させ現像装置の筐体中に流出させ静
電記録体の現像に供することができる利点があ
る。

また、トナーの少なくなつた現像剤が、ほとん
どがトナーである回収現像剤と混じるので、トナ
ーが少ないまま回転スリーブに吸着し、静電記録
体に向かつて搬送されて行くことがなくなり、部
分的にトナーの少ない、いわゆる濃淡のある画像
が形成されるのを防止できる利点がある。

また、トナーのみではかたまり易く、フイルタ
ー手段の穴を通過しにくいのであるが、磁性粉は
流動性が良く、比重も大きいため、フイルター手
段の穴を通過し易い。回収現像剤混合室中で磁性
粉はトナーと摩擦帯電してトナーを表面に吸着し
てフイルター手段の穴を通過して筐体中に流出し
てしまい、トナーがフイルター手段の穴につまつ
て流れないということをも防止できる利点があ
る。

また、本発明では、フイルター手段を着脱自在
に構成することで、定期的にとり出して清掃し、
フイルターとしての性能を維持できる利点があ
る。

また、本発明ではフイルター手段の上方の穴を
下方の穴に比べて大きくするか、又は完全な開口
とすることによつて、現像装置の筐体から回収現
像剤混合室への現像剤を流入を容易にし得る利点
がある。

また、本発明で、回収現像剤混合部材をつるま
き状の攪拌翼を有する部材とした場合には、現像
剤を送りつつ混合するので、フイルター手段の一
部の穴が閉塞しても、他の穴より混合ずみの現像
剤を流出できる利点を有する。

また、本発明でフイルター手段又は、フイルタ
ー手段のフイルター部分を振動させるようにした
場合には、現像剤の流入、流出速度が大きくなる
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の要部断面図、第２
図は同実施例の斜視図、第３図は同実施例の内部
構造を示した要部拡大断面図、第４図は同本発明
の実施例の斜視図、第５図および第６図はそれぞ
れ本発明の他の実施例の要部断面図である。 ２……現像装置の筐体、６……回転スリーブ、
７……現像剤、１０，１０ａ…攪拌スクリユウ、
１２……回収現像剤混合室、１３……フイルター
手段、１４……穴、１５……回収現像剤混合手
段、１６ｃ…回収現像剤受入口、１７……紙の繊
維、１８……現像剤の塊、１９，１９ａ〜１９ｃ
……歯車、２０……溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 現像装置の筐体と、回収現像剤混合室と、回
   収現像剤混合手段と、フイルター手段とを有し、
   前記現像装置の筐体と前記現像剤混合室を前記フ
   イルター手段によつて連通させ、前記現像装置の
   筐体から現像剤を前記回収現像剤混合室内へ流入
   させるとともに、静電記録体から回収した回収現
   像剤を前記回収現像剤混合室内へ送りこみ、前記
   現像装置の筐体から流入した現像剤と前記回収現
   像剤とを前記回収現像剤混合手段で混合した上で
   前記回収現像剤混合室から前記現像装置の筐体内
   へ、前記フイルター手段を経て流出させるように
   構成したことを特徴とする現像装置。 ２ フイルター手段を現像装置に対して着脱自在
   に構成したことを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の現像装置。 ３ フイルター手段と、そのフイルター手段に設
   けたフイルター部分の少なくとも一方を振動させ
   るように構成したことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の現像装置。