JPH0372330B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、配電盤内を除湿する配電盤用除湿
装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、電子冷却素子により水分を凝縮させて除
湿する配電盤用除湿装置は、たとえば第１図およ
び第２図に示すように構成されている。それらの
図面において、１は除湿装置本体、２は本体１内
に設けられたポンプ、３は本体１内に設けられ電
子冷却素子４が収納された冷却用の筺体、５は配
電盤（図示せず）とポンプ２とを接続して設けら
れた多湿空気の吸入用パイプ、６はポンプ２と筺
体３とを接続して設けられた多湿空気の送出用パ
イプであり、ポンプ２の作動により、配電盤内の
多湿空気が吸入用パイプ５内を流通してポンプ２
内に吸入されるとともに、送出用パイプ６内を流
通して筺体３内に送り込まれる。７は筺体３と配
電板とを接続して設けられた乾燥空気の排出用パ
イプ、８は筺体３の内部と本体１の外部とを連通
して設けられた排水用パイプ、９は本体１の背壁
に設けられた電子冷却素子４の放熱用フインであ
る。

そして、ポンプ２の作動により、配電盤内の多
湿空気が吸入用、送出用パイプ５，６を経て筺体
３内に送り込まれ、電子冷却素子４により、多湿
空気に含まれた水蒸気が冷却され、凝縮して水と
なり、排水用パイプ８より本体１の外部に排出さ
れる。一方、水分が取り除かれた多湿空気は、乾
燥空気となつて排出用パイプ７より配電盤の内部
に送り込まれ、これらの動作の繰り返しにより、
配電盤内の除湿が行なわれる。

しかし、この場合、配電盤内の多湿空気を筺体
３内に送り込むため、ポンプ２および吸入用、送
出用パイプ５，６が必要であり、装置が大型化す
るという欠点がある。

そこで、第３図に示すように、小型化を図るこ
とが行なわれている。すなわち、除湿装置本体１
０の内部を、仕切板１１により冷却室１２と放熱
室１３とに仕切るとともに、電子冷却素子１４を
仕切板１１に取付け、素子１４の冷却面側の冷却
フイン１５を冷却室１２に配設するとともに、素
子１４の発熱面側の放熱板１６および放熱板１６
に一体に形成された放熱フイン１７を放熱室１３
に配設し、冷却室１２の前壁の上部および下部に
それぞれ冷却用の第１吸気口１８および第１排気
口１９を透設し、放熱室１３の底壁および背壁の
上部にそれぞれ放熱用の第２吸気口２０および第
２排気口２１を透設し、第１吸気口１８および第
２排気口２１にそれぞれ吸気用フアン２２および
排気用フアン２３を設けるとともに、冷却室１２
の底壁に排水用パイプ２４の端部を接続して設け
る。

そして、吸気用フアン２２を作動して配電盤内
の多湿空気を冷却室１２の内部に吸収し、かつ、
電子冷却素子１４を作動すると、冷却フイン１５
により冷却室１２内の多湿空気が冷却され、空気
中の水蒸気が凝縮し、排水用パイプ２４より本体
１０の外部に排水されるとともに、水分が取り除
かれた多湿空気が乾燥空気となつて第１排気口１
９より配電盤内に送り込まれ、配電盤内の除湿が
行なわれる。一方、排気用フアン２３の作動によ
り、第２吸気口２０より放熱室１３の内部に外気
が吸入されて放熱フイン１７を冷却するととも
に、第２排気口２１より本体１０の外部に排出さ
れ、電子冷却素子１４の放熱板１６の熱が効率よ
く放熱される。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、第３図に示したものの場合、第１図
および第２図に示すポンプ２および吸入用、送出
用パイプ５，６がないため、装置は小型になる
が、配電盤内の多湿空気および放熱フイン１７の
冷却用の外気をそれぞれ冷却室１２および放熱室
１３内に強制的に吸入するために吸気用フアン２
２および排気用フアン２３を必要とし、コストが
高くなる。

この発明は、従来の技術の有するこのような問
題点に留意してなされたものであり、その目的と
するところは、小型化およびコストの低減を図る
ことのできる配電盤用除湿装置を提供することに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、この発明の配電盤
用除湿装置においては、縦長の除湿装置本体の下
部および上部にそれぞれ吸気口および排気口を形
成し、吸気口および排気口により本体内に縦方向
の通風路を形成し、電子冷却素子の吸熱面および
発熱面にそれぞれ冷却フインおよび放熱フインを
接触して取付け、両フインの電子冷却素子との反
対側の面が通風路の内壁面と対向しかつ両フイン
のそれぞれのひれが縦方向となるように電子冷却
素子および両フインを通風路に配設し、通風路を
吸気口および排気口にそれぞれ連通した冷却フイ
ン側の冷却路と放熱フイン側の放熱路とから構成
する。

この場合、フアンを吸気口または排気口の近傍
に設けたり、排気口の近傍の通風路に発熱体を設
けることが望ましい。

〔作用〕

前述のように構成された配電盤用除湿装置にあ
つては、縦長の除湿装置本体内に縦方向の通風路
が形成され、この通風路に電子冷却素子を介して
取付けられた冷却フインおよび放熱フインがそれ
ぞれのひれを縦方向にして配設されるため、放熱
フインの熱によつて放熱フイン側の放熱路の上部
に負圧の状態を作り、この部分に上昇気流を生じ
させて通風路全体に上昇気流を発生させることが
できる。

したがつて、吸気口より通風路内に流入した空
気が冷却フイン側の冷却路と放熱路とに分流し、
冷却路を流れる空気が冷却フインで冷却されて水
分が取り除かれ、乾燥空気となつて通風路の上部
に達し、放熱路で上昇気流となつた空気と合流し
て排気口より吐出され、除湿が行われる。

〔実施例〕

実施例につき、第４図以下の図面を用いて説明
する。

まず、１実施例を示した第４図について説明す
る。

同図において、２５は除湿装置本体、２６，２
７は本体２５の側面の下部および上部にそれぞれ
形成された吸気口および排気口、２８，２９は吸
気口２６および排気口２７のそれぞれの周縁の本
体２５に一体に形成された配電盤（図示せず）へ
の接続用の筒状体、３０は吸気口２６および排気
口２７により本体２５内に縦方向に形成された通
風路、３１はペルチエ効果を応用した電子冷却素
子、３２は電子冷却素子３１の冷却面に接続して
取付けられた冷却フイン、３３は電子冷却素子３
１の発熱面に接続して取付けられた放熱フインで
あり、冷却フイン３２および放熱フイン３３の電
子冷却素子３１との反対側の面が通風路３０の内
壁面に対向しかつ両フイン３２，３３のそれぞれ
のひれが縦方向となるように、電子冷却素子３１
および両フイン３２，３３が通風路３０に配設さ
れ、冷却フイン３２側の冷却路３４と、放熱フイ
ン３３側の放熱路３５とから通風路３０が構成さ
れている。３６は排気口２７の近傍の通風路３０
に設けられたフアン、３７は通風路３０の本体２
５の底壁に設けられた排水パイプである。

つぎに、前記実施例の動作について説明する。

いま、本体２５を筒状体２８，２９を介して配
電盤に接続し、電子冷却素子３１およびフアン３
６を駆動すると、フアン３６の回転により、通風
路３０の上部の空気が、排気口２７より配電盤内
に吐出されるとともに、配電盤内の多湿空気が吸
気口２６より通風路３０に流入する。

そして、通風路３０に流入した多湿空気は、冷
却路３４および放熱路３５に分流し、冷却路３４
を流れる多湿空気は冷却フイン３２により冷却さ
れ、多湿空気に含まれた水蒸気が凝縮して水とな
り、該水が排水パイプ３７より外部に排出される
とともに、水分が取り除かれた多湿空気が乾燥空
気となり、通風路３０の上部に昇流する。

つぎに、放熱路３５を流れる多湿空気は、放熱
フイン３３と熱交換を行ない、高温になるととも
に、通風路３０の上部に昇流して冷却路３４から
の乾燥空気と合流し、排気口２７より配電盤内に
吐出される。一方、放熱フイン３３は多湿空気に
より冷却され、電子冷却素子３１の温度上昇が防
止される。

そして、これらの動作の繰り返しにより、配電
盤内の多湿空気が順次通風路３０に流入し、冷却
路３４において乾燥され、配電盤内の除湿が行な
われる。

したがつて、前記実施例によると、従来の場合
のように、ポンプ、パイプが不要であるととも
に、フアンが１台でよく、構造が簡単になり、小
型化およびコストの低減を図ることができる。

また、第５図に示すように、吸気口２６の近傍
にフアン３８を設けてもよい。

つぎに、他の実施例を示した第６図について説
明する。

同図において、第４図と異なる点は、フアン３
６に代えて、抵抗等の発熱体３９を排気口２７の
近傍の通風路３０の上部に設けた点である。

そして、通風路３０の上部の空気が発熱体３９
により暖められて膨張し、排気口２７より配電盤
内に吐出され、通風路３０の圧力の低下により、
配電盤内の多湿空気が吸気口２６より通風路３０
に流入するとともに、前記と同様に冷却路３４お
よび放熱路３５に分流したのち合流し、再び発熱
体３９により暖められて配電盤内に吐出され、こ
れらの動作の繰り返しにより、配電盤の内部と通
風路３０との間に空気の対流が生じ、当該対流に
より配電盤内の多湿空気が順次通風路３０に流入
し、冷却路３４において乾燥され、配電盤内が除
湿される。

したがつて、安価な発熱体３９を設けることに
より、安価な装置で、効率よく配電盤の除湿を行
なうことができる。

なお、高い除湿能力を必要としない場合、フア
ン３６，３８、発熱体３９等を設けることなく、
放熱フイン３３の加熱による空気の対流により、
配電盤内の多湿空気を順次乾燥するようにしても
よい。

〔発明の効果〕

この発明は、以上説明したように構成されてい
るため、つぎに記載する効果を奏する。

縦長の除湿装置本体内に形成された縦方向の通
風路に電子冷却素子およびこの吸熱面、発熱面に
それぞれ取り付けた冷却フイン、放熱フインを、
両フインのそれぞれのひれを通風路の内壁面に向
けかつこのひれが縦方向となるように配設したた
め、放熱フイン側の放熱路で上昇気流を生じさせ
て通風路全体に上昇気流を発生させ、自然対流に
より除湿することが可能となり、簡単な構成で効
率的に除湿が行なえ、しかも、両フインを電子冷
却素子を挟んで同一高さに配置できるため、通風
路の縦寸法を短くすることができ、小型化および
コストの低減を図ることができるものである。

また、吸気口または排気口の近傍にフアンを設
けることにより、通風路における空気量を増すこ
とができ、さらに、排気口の近傍に発熱体を設け
ることにより、やはり通風路における空気量を増
すことができ、除湿効果を大幅に高めることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の配電盤用除湿装置の切断正面
図、第２図は第１図の切断右側面図、第３図は他
の従来例の切断右側面図、第４図ないし第６図は
この発明の配電盤用除湿装置の実施例を示し、第
４図は１実施例の断面図、第５図は他の実施例の
断面図、第６図はさらに他の実施例の断面図であ
る。 ２５……除湿装置本体、２６……吸気口、２７
……排気口、３０……通風路、３１……電子冷却
素子、３２……冷却フイン、３３……放熱フイ
ン、３４，３５……冷却路、放熱路、３６，３８
……フアン、３９……発熱体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 縦長の除湿装置本体の下部および上部にそれ
   ぞれ吸気口および排気口を形成し、前記吸気口お
   よび排気口により前記本体内に縦方向の通風路を
   形成し、電子冷却素子の吸熱面および発熱面にそ
   れぞれ冷却フインおよび放熱フインを接触して取
   付け、前記両フインの前記電子冷却素子との反対
   側の面が前記通風路の内壁面と対向しかつ前記両
   フインのそれぞれのひれが縦方向となるように前
   記電子冷却素子および前記両フインを前記通風路
   に配設し、前記通風路を前記吸気口および排気口
   にそれぞれ連通した前記冷却フイン側の冷却路と
   前記放熱フイン側の放熱路とから構成したことを
   特徴とする配電盤用除湿装置。 ２ フアンを吸気口または排気口の近傍に設けた
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   配電盤用除湿装置。 ３ 発熱体を排気口の近傍の通風路に設けたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の配電
   盤用除湿装置。