JPH037064Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 (1) 産業上の利用分野 本考案は主としてダイカスト等の加圧鋳造用の
成形金型組立体の一部を構成する可動成形金型を
開閉作動するための作動装置に関する。

(2) 従来の技術 従来ダイカスト等の加圧鋳造に用いられる成形
金型組立体は、固定金型と、これに対して進退可
能な可動金型の組立せにより構成されており、た
とえば、第３図に示すように固定の下金型Mb′に
対して開閉自在な側金型Ms′を備えたものでは、
該側金型Ms′に作動シリンダCy′を連結し、この
作動シリンダCy′の作動により側金型Ms′を下金
型Mb′に対して進退作動するように構成される
が、前記作動シリンダCy′にはジヨイントJ′を介
して油圧ホースH₁′，H₂′が接続され、これらの
ホースを介して作動油を作動シリンダCy′に供給
するようにしている。

(3) 考案が解決しようとする課題 上記従来装置では、油圧ホースや各ジヨイント
が作動シリンダの周囲外側に剥き出しの状態で配
設されるため、成形金型の脱着時等に邪魔となる
ばかりでなく、他物に引つ掛けて外れたり破損し
たりし易く、また作動シリンダを支持ブロツクに
取付ける作業と、上記油圧ホース等の配管作業と
を別々に行う必要があつて作業が面倒であるし、
誤配管の虞れもある。

本考案は上記実情に鑑みてなされたもので、従
来装置の上記問題をすべて解消することができ
る、構成簡単な可動成形金型の作動装置を提供す
ることを目的とする。

Ｂ 考案の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案は、成形金型
組立体の一部を構成する可動金型に作動シリンダ
を連結し、この作動シリンダの作動により前記可
動金型を開閉作動するようにした可動成形金型の
作動装置において、前記成形金型組立体を支持す
る支持ブロツクに、前記作動シリンダが一体的に
接合されるブラケツトを取付け、前記支持ブロツ
ク及びブラケツトの各内部には、それらに跨がつ
て送油路を形成し、該送油路と、前記作動シリン
ダに形成した作動油路とを、該作動シリンダ及び
ブラケツト間の接合面において直接連通させたこ
とを特徴とする。

(2) 作用 上記構成によれば、支持ブロツクにブラケツト
を介して作動シリンダを単に装着するだけで、該
支持ブロツク及びブラケツト内の送油路を作動シ
リンダ内の作動油路に直接に連通接続することが
できるから、作動シリンダに油圧ホース等の導管
を特別に配管する必要がなくなり、またその導管
が作動シリンダの周囲外側に剥き出しになること
もない。

(3) 実施例 以下、第１，２図により本考案の一実施例につ
いて説明する。

本実施例による組立成形金型Ｍは、内燃機関の
シリンダブロツクを成形するためのものであつ
て、支持ブロツクＢ上に固設される固定下金型
Mb、この固定下金型Mbの上方を昇降作動され
る可動上金型Muおよび前記上，下金型Mu，Mb
間を左，右方向に開閉自在な一対の可動側金型
Ms（図において一方省略）とより構成され、それ
らによつてキヤビテイ１と、このキヤビテイ１に
連なる湯道２が形成されるようになつている。

前記支持ブロツクＢは基台３上に据付けられた
下部ブロツク４上に、上部ブロツク５を一体に結
合し、さらに該上部ブロツク５上にガイドブロツ
ク６を固設して構成される。ガイドブロツク６上
には前記可動側金型Msが開閉できるように摺動
自在に支持されている。そして側金型Msが閉じ
位置にあるとき、可動上金型Muの下降によりそ
れらが一体に楔合される。

前記ガイドブロツク６の外端面にはブラケツト
７が固設され、このブラケツト７に前記可動側金
型Msを開閉作動する作動シリンダCyが支持され
る。この作動シリンダCyは離型用シリンダ８と、
型移動用シリンダ９とより構成される。

離型用シリンダ８は、前記ブラケツト７に一体
的に接合される両端壁８ａと、この前端壁８ａに
一体的に接合される後端壁８ｂとを備えておりそ
の後端壁８ｂに貫通孔１０が形成され、この貫通
孔１０には前記型移動用シリンダ９が摺動自在か
つ油密に貫通している。この型移動用シリンダ９
の内端には、大径ピストン１１が一体に設けら
れ、このピストン１１は型移動用シリンダ９とと
もに離型用シリンダ８に対して摺動可能であり、
その前後に油室ａ，ｂが画成される。

前記型移動用シリンダ９内には、小径ピストン
１２が摺動自在に嵌合されており、このピストン
１２の前後に油室ｃ，ｄが画成される。前記小径
ピストン１２と一体のピストンロツド１３は型移
動用シリンダ９、大径ピストン１１および離型用
シリンダ８内を通つて前記ブラケツト７に設けた
軸受１４を摺動自在かつ油密に貫通しており、こ
の前端（第１図左端）はブラケツト７よりも外方
に突出していてその突出端に一方の金型結合部１
５が一体に設けられている。この一方の金型結合
部１５は、前記可動側金型Msに一体に設けられ
た他方の金型結合部１６と衝合され、それらの結
合部１５，１６は分割型カツプリング１７によつ
て一体に結合される。したがつてピストンロツド
１３が前後に摺動するとき、可動側金型Msは前
後に開閉作動される。

前記支持ブロツクＢ，ブラケツト７および作動
シリンダCyには、それらにわたつて該作動シリ
ンダCyに作動油を供給する油圧回路が設けられ
る。以下この油圧を回路について説明する。

前記上、下部ブロツク４，５の左右両側には、
それらに跨がつて対をなす略鉛直な送油路１８
ｌ，１８ｒが穿設され、該左，右送油路１８ｌ，
１８ｒの下端にはそれぞれカプラ１９，１９が設
けられ、これらのカプラ１９，１９は基台３に設
けた給油ポート２０，２０に着脱自在に接続され
る。前記給油ポート２０，２０は図示しないが通
常のように切換弁を介して油圧ポンプ、もしくは
油溜に連通される。

前記一対の鉛直な左、右油路１８ｌ，１８ｒの
開口上端は、前記ガイドブロツク６に穿設した対
をなす略水平な左，右油路２１ｌ，２１ｒにそれ
ぞれ連通され、さらにそれらの油路２１ｌ，２１
ｒは前記ブラケツト７に穿設した対をなす左，右
短油路２２ｌ，２２ｒにそれぞれ連通される。そ
して前記左油路１８ｌ，２１ｌおよび２２ｌは左
側送油路Llを構成し、また右油路１８ｒ，２１ｒ
および２２ｒは右側送油路Lrを構成する。

左側送油路Llと作動シリンダCyに穿設した油
路２３とは、ブラケツト７及び作動シリンダCy
間の接合面において直接連通している。そして前
記油路２３は前記大径ピストン１１の後面側の前
記油室ｂに連通されると共に、型移動用シリンダ
９に穿設した油路２４を介して前記小径ピストン
１２の後面側の前記油室ｄに連通される。

また右側送油路Lrと作動シリンダCyに穿設し
た油路２５とは、ブラケツト７及び作動シリンダ
Cy間の接合面において直接連通している。そし
て前記油路２５は大径ピストン１１の前面側の油
室ａに連通されるとともに大径ピストン１１とピ
ストンロツド１３間の間隙２６を介して小径ピス
トン１２の前面側の油室ｃに連通される。

次に本考案の実施例の作用について説明する。

第２図に示すように、大径ピストン１１および
小径ピストン１２が何れも後退位置に保持されピ
ストンロツド１３前端の金型結合部１５と可動側
金型Msの金型結合部１６とがカツプリング１７
によつて結合されている状態において、左側の送
油路Llに油圧ポンプからの圧油を供給すれば、こ
の圧油は油路２３を通つて油室ｂに供給されると
同時に油路２４を通つて油室ｄにも供給される。
これにより大，小径ピストン１１，１２は何れも
前方への押圧力をうけるが大径ピストン１１の方
が受圧面積が大きいので先ず大径ピストン１１が
前進する。このとき大径ピストン１１と一体の型
移動用シリンダ９が一体に前進し、これにともな
つて型移動用シリンダ９の後端壁に当接していた
小径ピストン１２も一体に前進する。

大径ピストン１１が前進して離型用シリンダ８
の前端壁８ａに当接し、停止してからは小径ピス
トン１２が型移動用シリンダ９内を摺動して前進
する。小径ピストン１２が前進するときは、ピス
トンロツド１３も前進するので、その前端に結合
された可動側金型Msはガイドブロツク６もスラ
イドしながら第１図に示すようにセツト位置まで
前進する。

前記作動において油室ａ，ｃ内の油は右側送油
路Lrを通つて油溜に戻される。

そしてこの可動側金型Msが前記固定下金型
Mb、および可動上金型Muと組合されて鋳造用
キヤビテイ１に形成され、このキヤビテイ１に鋳
造用の溶湯を注湯し、これを冷却、凝固させ鋳造
品を製造する。

次に第１図において前記右側送油路Lrに油圧
ポンプからの圧油を供給すると、この圧油は油路
２５を通つて大径ピストン１１前面の油室ａに供
給されると同時に間隙２６を通つて小径ピストン
１２の前面の油室ｃにも供給される。この際両ピ
ストン１１，１２とも後方への押圧力をうけるが
大径ピストン１１の受圧面積の方が大きいので、
まず大径ピストン１１が後退する。このとき大径
ピストン１１と一体の型移動用シリンダ９および
小径ピストン１２も一体となつて後退する。大径
ピストン１１は離型用シリンダ８の後端壁８ｂに
当接するまで短いストロークだけ後退するが、こ
のとき大径ピストン１１の大きな受圧面積に大き
な押圧力が作用するので、可動側金型Msは鋳造
品から容易に離型する。大径ピストン１１が停止
した後では、今後は小径ピストン１２がその前面
の小さな受止面積に作用する油圧力により型移動
用シリンダ９内を摺動して後退する。このとき少
ない送油量により小径ピストン１２は長いストロ
ークを以て高速で後退するので、可動側金型Ms
も高速で後退させることができる。

前記大径および小径ピストン１１，１２の後進
時には油室ｂ，ｄ内の油は左側送油路Llを通つて
油溜Ｔに戻される。

而して前記離型用シリンダ８および型移動用シ
リンダ９よりなる作動シリンダCyに圧油を給排
する油圧回路は下部および上部ブロツク４，５お
よびガイドブロツク６よりなる支持ブロツクＢ、
およびブラケツト７内に形成されており、作動シ
リンダCyの外側には油圧ホース等の配管が一切
存在しない。

Ｃ 考案の効果 以上の実施例により明らかなように本考案によ
れば、成形金型組立体の一部を構成する可動金型
に作動シリンダを連結し、この作動シリンダの作
動により前記可動金型を開閉作動するようにした
可動成形金型の作動装置において、前記成形金型
組立体を支持する支持ブロツクに、前記作動シリ
ンダが一体的に接合されるブラケツトを取付け、
前記支持ブロツク及びブラケツトの各内部には、
それらに跨がつて送油路を形成し、該送油路と、
前記作動シリンダに形成した作動油路とを、該作
動シリンダ及びブラケツト間の接合面において直
接連通させたので、上記支持ブロツクにブラケツ
トを介して作動シリンダを単に装着するだけで、
該支持ブロツク及びブラケツト内の送油路を作動
シリンダ内の作動油路に直接に連通接続すること
ができ、従つて作動シリンダに油圧ホース等の導
管を特別に配管する必要がなくなる上、導管を他
物に引つ掛けることもないから、作動シリンダの
脱着作業を頗る簡単且つ迅速に行うことができて
作業能率向上に大いに寄与することができ、また
導管の外れ、誤配管等の虞れもなくなる。さらに
上記作動シリンダの周囲外側に油圧配管がなくな
ることから、それだけ装置全体の占有空間を小さ
くできてその小型化に寄与し得る上、その外観体
裁も良好となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は本考案装置の、可動側金型前進時の縦断面図、
第２図は本考案装置の可動側金型後退時の平面
図、第３図は従来装置の側面図である。 Ｍ……成形金型組立体、Ms……可動側金型、
Cy……作動シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 成形金型組立体Ｍの一部を構成する可動金型
   Msに作動シリンダCyを連結し、この作動シリン
   ダCyの作動により前記可動金型Msを開閉作動す
   るようにした可動成形金型の作動装置において、
   前記成形金型組立体Ｍを支持する支持ブロツクＢ
   に、前記作動シリンダCyが一体的に接合される
   ブラケツト７を取付け、前記支持ブロツクＢ及び
   ブラケツト７の各内部には、それらに跨がつて送
   油路Ll，Lrを形成し、該送油路Ll，Lrと、前記
   作動シリンダCyに形成した作動油路２３，２５
   とを、該作動シリンダCy及びブラケツト７間の
   接合面において直接連通させたことを特徴とする
   可動成形金型の作動装置。