JPH036801A - 電圧非直線抵抗体 - Google Patents

電圧非直線抵抗体

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JPH036801A
JPH036801A JP1141246A JP14124689A JPH036801A JP H036801 A JPH036801 A JP H036801A JP 1141246 A JP1141246 A JP 1141246A JP 14124689 A JP14124689 A JP 14124689A JP H036801 A JPH036801 A JP H036801A
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良雄 高田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、例えば酸化亜鉛避雷器等に使用する電圧非
直線抵抗体に関するものである。
[従来の技術] 従来、避雷器等に使用される酸化亜鉛電圧非直線抵抗体
には、その具備すべき能力として電圧非直線性に優れ、
サージ吸収能力が大きく、かつ課電劣化を起しにくく長
寿命である等が要求されている。さらに、装置の小型化
、簡略化を目的とし、種々の電気機器に内蔵される。避
雷器も増加している。この場合、さらに耐環境性(高湿
度下、腐蝕性雰囲気下、油中での使用など)に優れるこ
とも必須である。
この内、サージ吸収能力を制限するものとして酸化亜鉛
電圧非直線抵抗体の側面部における外部閃絡がある。す
なわち5電圧非直線抵抗体素子端面での微小放電をトリ
ガとする場合が多く、このため、通常第10図に示すよ
うに、電極(2)を持つ電圧非直線抵抗体本体(1)の
側面部に高抵抗層(3)を形成し′てこれを防止する方
法がとられている。
電圧非直線抵抗体に使用する高抵抗層(3)の形成法に
は、従来3つの方法が知られている。
第1番目の方法は、例えば特公昭53−21516号公
報に述べられているように、酸化ケイ素(SiO□)、
酸化アンチモン(SbzO3> 、酸化ビスマス(81
20,)の混合粉末を有機バインダと混練してペースト
状とし、これを電圧非直線抵抗体本体(1)となる成形
体の側面に塗布した後、電圧非直線抵抗体本体(1)と
同時に焼結して高抵抗層(3)を有する電圧非直線抵抗
体を形成するものである(第10図参照)、この高抵抗
層(3)の微l1lI構造は、数μm〜数十μ鴫程度の
大きさのケイ酸亜鉛(Zn2SiO4)とアンチモン酸
亜鉛(Zn、Sb、0.2)の微結晶集合体からなる多
結晶体であり、この多結晶体の周囲を埋めるように所々
に酸化ビスマス(BLL>が散見される。
インパルス電流通電時に、どの程度の大きさの電流まで
外部閃絡せずに電圧非直線抵抗体を安定して動作させる
か、いわゆるインパルス耐量であるが、これを向上させ
るために、混合粉末組成の最適化と高抵抗層(3)の厚
さを厚くするなどの手段が講じられている。この高抵抗
層(3)の構造は、高抵抗層(3)の厚さを厚くすると
、電圧非直線抵抗体本体(1)に近い方にケイ酸亜鉛(
Zn2SiO<)が比較的多い層、その外側にアンチモ
ン酸亜鉛(Zn7SbzOti)が多い層が生じるなど
完全な混合層ではなく、層別化する傾向がみられる。ま
たこの時、ケイ酸亜鉛層と電圧非直線抵抗体本体(1)
の間には、空隙〈ボイド)が生じ易いことなども判明し
てきている。
次に、第2の方法は、例えば特公昭55−2882号公
報に記載されたように、−視焼成した電圧非直線抵抗体
本体(1)の側面に、ガラスフリットを有機バインダと
共にペースト状として塗布し、これを加熱しガラス化し
て高抵抗層く4)とするものである〈第11図参照)、
この方法は、一般に第1番目の方法に比較して緻密な層
を形成することができるため、水、油、反応性ガスに対
して電圧非直線抵抗体本体(1)を保護する効果は大き
い。
第3の方法による電圧非直線抵抗体は、上記2つの高抵
抗層(3)、(4)を同時に有する第12図に示したよ
うな構造のもので、例えば特公昭第53−29375号
公報に詳しく記載されている。この方法は、インパルス
電流通電時の外部閃絡防止、周囲の雰囲気に対する諸特
性の安定化すなわち耐環境性の向上を、2つの異る高抵
抗層を形成によって図るものである。特に、極めて苛酷
な条件下、例えば高湿下で課電される電圧非直線抵抗体
素子の場合には、最外表面部を緻密化した第3番目の方
法は、ある条件下では耐湿性、閃絡防止に奏効した0例
えば、室温(約30℃)、高湿下(95%RH)に放置
した後の■lo□(10μAの電流を流すのに要する電
圧)の経時変化を第2図に示す。
図中、曲線Bは第1の方法によるもので、その変化率は
30%以上と大きい、なお、多結晶集合体の形成による
平均層厚が100μmの場合には層厚が厚いため、イン
パルス耐量は100KA以上を確保できる0次に曲線C
は、第3番目の方法を適用したものである。すなわち、
第1層の多結晶集合体が100μm程度の厚さを有する
曲線Bの電圧非直線抵抗体素子の上に、第2層としてガ
ラス層を形成したものである。この場合、短期的には有
効性を示すが、極めて長期放置後には、やはり低電流側
でのもれ電流の増大がみられることが明らかになった。
[発明が解決しようとする課題] 上述したような電圧非直線抵抗体では、これを第3番目
の方法により製造した場合、緻密な第2層が存在しても
第1層の層厚が電圧非直線抵抗体素子の側面層の安定性
に重大な影響を与えることが確められた。すなわち、こ
の原因は第1層目の高抵抗層と電圧非直線抵抗体本体と
の界面付近の低抵抗化によるもれ電流の増大のためであ
ると判明した。しかし、このような傾向は、当然苛酷な
環境下での電圧非直線抵抗体素子の使用を考えると望ま
しいものではなく、例えば電圧非直線抵抗体素子自体の
短寿命化をまねく可能性があるなどという問題点があっ
た。また、逆の極端な場合、例えば第1層をなくしてし
まうなどの場合には、短波尾耐量が小さくなるという問
題点があった。
すなわち、第1層の層厚にはある範囲の最適値が存在す
ることが判明した。
この発明はこのような問題点を解決するためになされた
もので、第1層および第2層の形成条件を最適化するこ
とにより、長寿命で耐環境性の向上した短波尾耐量を有
する電圧非直線抵抗体を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る電圧非直線抵抗体は、酸化亜鉛を主成分
とし少なくとも酸化ビスマスを含む原料を成形後焼成し
た電圧非直線抵抗体本体の側面に、平均値として5μm
〜30μmの厚さを持ち、ケイ酸亜鉛(Zn2SiO<
)、アンチモン酸亜鉛〈Zn7Sb20I2)及び酸化
ビスマス(Bi20x)からなる多結晶混合高抵抗層(
第1層)を形成し、さらにこの多結晶混合高抵抗層の外
側に20μm以上の厚さでガラス層(第2層)を形成し
たものである。
[作 用] この発明においては、電圧非直線抵抗体本体の側面に、
所定厚さの多結晶混合高抵抗層(第1層)及びガラス層
(第2層)を形成したので、電圧非直線抵抗体の表面が
緻密化され、電圧非直線抵抗体の耐量が増大され、さら
にその耐湿性の向上が図られる。
[実施例] 第1図はこの発明の一実施例による電圧非直線抵抗体を
概晧的に示す断面図であり、電圧非直線抵抗体本体(1
)は、酸化亜鉛を主成分とし少なくとも酸化ビスマスを
含む原料を成形後焼成したものであり、この電圧非直線
抵抗体本体(1)の上面及び下面には電極(2)が設け
られている。また、電圧非直線抵抗体本体(1)の両側
面には、ケイ酸亜鉛(Zn2SiO<)、アンチモン酸
亜鉛(Zn7SbzO+z)および酸化ビスマス(Bi
2(h)からなる多結晶混合高抵抗層(第1層)(3A
>が、平均値として5μ輪以上、30μ鴎以下の厚さで
形成されている。さらに、この多結晶混合高抵抗層(3
A)(以下、高抵抗層(3A)とする)の外側には、ガ
ラス層(第2層)(4A)が20μm以上の厚さで形成
されている。
本発明において、第1層である高抵抗層(3A)の厚さ
が上記の範囲に限定されるのは、多結晶質高抵抗層の微
細構造に依る。すなわち、この高抵抗層(3A)は、実
質的には数μm〜数十μm程度のZn25iO,,2n
、5b20.2などの微結晶体の集合である。
ところが、形成される高抵抗層(3A)の厚さが厚くな
るに従い、例えば100μm以上の厚さの場合、高抵抗
層(3A)内部でボイドが発生したり、微結晶の剥離、
外部粒子のはげ落ちなどにより、その高抵抗層(3A)
の付着状況の悪化が顕著となることが判明した。このよ
うな場合、例えば第2図の曲線Bで示すようにV l0
sAの変化率が低下する。なお、第2図中、曲線Aは第
1層及び第2層の平均厚さがそれぞれ20μm及び40
μm、曲線Bは第1層の平均厚さが120μ陶、曲線C
は第1層及び第2層の平均厚さがそれぞれ100μ鴎及
び30μmの層を側面に形成した電圧非直線抵抗体につ
いて■1゜0の変化率を測定したものである。
上記の高抵抗層(3A)が厚い場合における付着状況の
悪化は、第3図によっても示される。第3図は、100
μ石程度に厚く形成した高抵抗層(3A)の断面構造の
模式図であり、電圧非直線抵抗体本体(1)の部分には
酸化亜鉛粒子(5)及び電圧非直線抵抗体本体内スピネ
ル(Zn7Sb201□)(6)が散在し、高抵抗層(
3A)の部分には多結晶高抵抗層内スピネル(Zn7S
b20.2 ) (7)及び多結晶高抵抗層内酸化ケイ
素(8)が散在する。ところが、高抵抗層(3A)及び
電圧非直線抵抗体本体(1)の境界付近には、数十μ蹟
ものボイド(10)が集中して存在している。このボイ
ド(10)によって、電圧非直線抵抗体本体(1)の内
部を保護すべき高抵抗層(3A)部分に水分等の浸入を
許し、電圧非直線抵抗体素子の表面劣化を引き起すと考
えられる。
この様子は第4図に詳しく述べた。すわなち、高抵抗層
(3A)の原料となるペーストの乾燥塗布量を変え、こ
れを焼成した後、95%RHの高湿度環境下に約200
時間放置し、この焼成体を高湿度環境下からとり出した
後、■1゜#、の変化率を調べたところ、10 xg/
 cm2付近を境にV、。□の変化率は大きくなる。こ
れは表面劣化を起こしているためである。つまり、高抵
抗層(3A)がある程度薄い場合には、電圧非直線抵抗
体本体(1)と高抵抗層(3A)との密着はよく湿度の
影響は小さいが、その厚さが厚くなると湿度の影響をう
け易くなる。しかし、高抵抗層(3A)が全く存在しな
くなると、熱論この場合は電圧非直線抵抗体の特性が大
きく劣化し、問題にならない。なお、第4図において、
ペーストは、酸化ビスマス:8モル%、酸化アンチモン
=20モル%、酸化ケイ素ニア2モル%を含み、ペース
ト乾燥重量で表したものであり、95%RH130℃に
約200時間保存した結果を示したものである。
一方、短波尾パルス電流の通電テストの結果は、高抵抗
層(3A)が同一であっても、その層が厚い程大電流領
域まで外部閃絡を起さないことも分かつて来た。例えば
第5図に示すように、高抵抗物質である高抵抗層(3A
)の塗布量が増える程耐量は増加するが、最終的には飽
和する。なお、第5図中、縦軸のインパルス耐量は、S
KAずつ印加電圧をステップアップして4×10μsで
外聞又は絶縁破壊した時の電流値を表している。ペース
トは第4図に示したものと同一のものを使用した。
また、10071n程度の厚さの高抵抗層(3A)を得
るには、大むね30 H/cx”程度のペースト塗布が
必要である。
第1層の厚さの効果は、背反する2つの事象を含む。す
わなち、従来の第1層のいわゆるビスマス、アンチモン
、ケイ素の酸化物の混合物の塗布焼成のみで、大電流に
よる閃絡を防止しようとすると、第1層の厚さを厚くし
なければならない。
その結果、全体的には厚いものの、詳細にその微細構造
を見れば、上述した欠陥の多い高抵抗層(3A)が形成
されることになる。これに対し、第1層の厚さを適度に
薄くすれば、第4図にみられるように耐湿性は安定し、
第6図に示すように高抵抗層(3A)は比較的緻密なも
のとなるが、耐量不足となる(第5図参照)。また、高
抵抗層(3A)を構成する3つの酸化物の割合は、すで
に特公昭53−21516号公報に示される範囲であれ
ば、そう大きく耐量の変化はなく、むしろ厚みの効果の
方が支配的であった。
そこで、第2層であるガラス層(4A)を上述の比較的
薄く形成した高抵抗層(3A)上に更にオーバーコート
し、全体の厚みをかせぐとともに、表面を緻密化し、耐
量を大きくするとともに、耐湿性の向上も図れるように
した。
ここで注意する必要があるのは、第11である高抵抗1
1(3A)を厚く形成した上に、第2層のガラス層(4
A)を形成したとしても、ガラス層(4A)の存在にも
かかわらずもともとの第1層のみの耐湿性との差異はそ
うみられない(第2図、曲線C)、逆に、第1層をなく
し、第2層のみの構造にした場合、第7図に示すように
、厚みを十分にとっているにもかかわらず、耐量は低下
する。
なお、第7図において、’OJ、「×」は4×10μs
における「良好」及び「外聞」をそれぞれ示す、すなわ
ち、第1層及び第2層両者が相いまって良好な複合高抵
抗層を形成し、夫々の役割を演じながら素子特性が改善
されるのである。以上の諸点から、第1Mである高抵抗
層(3A)の厚さは5μm〜30μ面の範囲とし、第2
層であるガラス層(4A)の厚さは2 Q 4 m以上
とするのが望ましい、これらの原因についてはあらため
て後述するが、簡単に言えば電圧非直線抵抗体本体、高
抵抗層、高抵抗層の界面及びガラス層の界面がそれぞれ
関与するものと考えられる。
この発明の第2Nであるガラス層に使用できるガラスと
しては、酸化物ガラスフリット例えばPbO−5in□
−B、0.、ZnO−5in2−820.系などである
これらのガラスは、作業温度の点だけでなく、その膨張
係数が電圧非直線抵抗体の焼結体の膨張係数に近い値(
±10%以内)のものが市販されているため、適宜選択
して好適に使用できる。膨張係数の差が110%を越え
ると、ガラスの付着が困難になったり、電圧非直線抵抗
体が変形するため好ましくない。
以下実施例に基づきこの発明をさらに詳細に説明する。
実施例 酸化亜鈴を主成分とし、添加物としてそれぞれ05モル
%の酸化クロム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マ
ンガン、酸化ケイ素、酸化ビスマス、及び1.0モル%
の酸化アンチモンを加えたものを十分混合し、造粒後成
形する。この成形体を950℃で焼成して電圧非直線抵
抗体本体とする。次いで、酸化ビスマス(8モル%)、
酸化アンチモン(20モル%)、酸化ケイ素(72モル
%)の割合で十分よく混合した酸化物粉末を、ニトロセ
ルロース、エチルセルロース等をバインダとし、これら
を溶解した溶剤とともに混合、混練してペースト作成す
る。このペーストを上記電圧非直線抵抗体本体の側面に
塗布する。ここで重要なのはその塗布量であって、平均
値として5μm以上、30μm以下の厚さの多結晶混合
高抵抗層(第1層)を得るには、IJIIF/CI”〜
8Mg/cm”の範囲(ただし乾燥重量)で塗布するこ
と、及びこれらの塗布乾燥物を酸化亜鉛を主成分とする
粗粉体中に完全に埋設し焼成することである。例えば1
200℃で5時間焼成し、焼成完了後電圧非直線抵抗体
を粗粉体中より取り出し、側面を切断観察すると、主に
ZnzSiO<粒子及びZntSbzO+ 2粒子から
なる多結晶層が所望の範囲の厚さで得られる。
なお、その多結晶層形成の反応過程において、粗粉体中
の酸化亜鉛が深く関与するようで、酸化亜鉛を主成分と
する租粉中に電圧非直線抵抗体を完全に埋設しないと必
ずしも指定厚みにはならない。
すなわち、3つの酸化物混合粉のペースト塗布乾燥後単
に大気中で焼成しただけでは、多結晶高抵抗層は所定の
厚さにはならず薄くなってしまい、また、特に均一性に
極めて欠ける。さらに、乾燥重量で表現した塗布量と多
結晶高抵抗層厚さは、敷粉埋設焼成法と強く関連してお
り、均一厚で指定厚さを有する多結晶高抵抗層を得るに
はこの方法は不可欠である。このような酸化亜鉛、その
他酸化ビスマス等を含む敷粉中に埋設し焼成する技術は
すでに公知であり、焼成工程で安定した特性を有する製
品を得るには必須の技術であり、両者を同時に実現する
意味でこの方法は勝っている。
このように、第1層についてはそのペースト塗布量と焼
成方法を規定することが重要である。
次に、このようにして所定の厚さの第1層を形成した後
、線膨張係数が焼成体の線膨張係数(約70 X 10
−’1 /”C)の±10%以内で、作業温度域が55
0℃付近のガラスフリットを選び、この粉末をニトロセ
ルロースなどのバインダを含む溶剤と混合塗布し、これ
を大気中、十分酸化性な雰囲気のもとで加熱することに
よって、ガラス層すなわち第2層が第1層上に形成され
る。
このガラス層の厚さは20μ鎗以上とし、下限のみを規
定するが、これはサージ耐量を最低限保証する厚さで、
不必要に厚くするのは経済性、ガラスのクラック発生な
どがあり、得策ではない。
実験的には100μm以下が望ましく、さらに望ましく
は50μ輪付近の厚さとする。熱論、塗布方法(スクリ
ーン印刷、テープ法)との兼ねおいて適度な厚さを選択
すればよい。テープ法の場合(ガラスを薄い樹脂内に分
散させテープ状にして素子にローラ等により熱融着させ
、これら全体を加熱し、樹脂を除いてからガラスとする
方法)には特に有機物の残存しないよう、ガラスの軟化
点と分解温度には注意する必要があるが、溶剤を使わな
いため塗布時の雰囲気がクリーンとなる点有利である。
このようにして形成された側面層を持つ電圧非直線抵抗
体の交流課電劣化を高湿度中で調べたのが第8区であり
、この図において第1層の厚さが20μ転第2層の厚さ
が50μ艷の場合を曲線りで示した。なお、比較例とし
て第1層のみ(約100μm厚)で構成した場合を曲線
Eで示し、第2層のガラスのみ(50μm厚)で構成し
た場合を曲線Fで示した。測定は周囲温度80℃、周囲
湿度80%RH1誘電率0.6で行った。この第8図か
ら、ガラス層のみの場合〈曲線F)と、本発明による2
層構造(曲線D)の特性が勝っていることがわかる。
次に、耐量を調べてその側面層の保護機能を見たところ
、通常の大気中では第7図と同様であり、ガラス層のみ
の場合耐量不足は明らかであり、限定厚を持つ第1層、
第2Nが形成された電圧非直線抵抗体の場合は、優れた
素子特性を示すのは明白である。
なお、これらの2つの層を備えた電圧非直線抵抗体(第
8図曲線りの特性を持つもの)の断面構造の模式図を第
9図に示した。この模式図から判るように、酸化亜鉛粒
子〈5)及び電圧非直線抵抗体本体内スピネル(Zn7
SbzO,2) (6)が散在する電圧非直線抵抗体本
体(1)と高抵抗層(3A)との界面には、第3図に見
られたようなボイド(9)は存在せず、Zn、SiO,
結晶すなわち多結晶高抵抗層内酸化ケイ素(8)を主体
とし、Zn、5b20.、結晶すなわち多結晶高抵抗層
内スピネル(Zn7SbzO+ 2 )(7)が散在す
るような形態で第1層である多結晶混合高抵抗層を形成
しており、その密着色も良好である。
別の実験で950℃で一担粗焼成した電圧非直線抵抗体
本体に、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化珪素の混
合物をペースト状としたものを3011/cx”程度塗
布し、これを種々の温度で反応させ、電圧非直線抵抗体
本体との反応状況を調べた。
その結果、中間体として酸化ビスマスと酸化アンチモン
との化合物(BiSbO4)が生成し、これが次第にZ
n7SbzO+zやZn、SiO,を形成し始める温度
域約1000°C付近で、電圧非直線抵抗体本体と高抵
抗層間に亀裂を生じさせる。この亀裂の発生は、高抵抗
層内部で反応が起るための収縮現象によるものと思われ
る。引き続き温度を上昇していくと、高抵抗層と電圧非
直線抵抗体本体自身および敷粉から供給される亜鉛イオ
ンとの反応が活発となり、生成したこれらの多結晶物質
Zn=Sb20..、Zn25iO1は再び電圧非直線
抵抗体本体との密着を起し始めるが、上記の亀裂部分は
とり残され、大きなボイドを形成してしまうようである
。この亀裂の発生は、ペースト厚の厚い場合が顕著であ
るのは当然で、ペーストの厚さが薄い程これらの亀裂は
起りにくい。
第9図に示すように、第2層であるガラス層(4A)は
、第1層の表面の凹凸を完全に濡らし、凹凸部分を完全
に埋めて取り囲むように形成され、高抵抗層(3A)と
ガラス層〈4A)との境界は明瞭ではない、熱論、目だ
ったボイドは無い。なお、第9図ではガラス層(4A)
を簡略化して示したがフィラーを含む結晶部分を有する
ガラス層でもよいし、完全な非結晶質系ガラスでもよく
、要は、ガラス化して電圧非直線抵抗体本体(1)及び
高抵抗層(3A)と密着性の良いもの(すなわち膨張検
数の相当するもの)であればよく、同様に使用できる。
この第2層のみを形成した場合の耐量が小さいことは第
7図で示したが、これはガラス層と電圧非直線抵抗体本
体の密着性は、この第1層を介した場合の方が良いこと
を示し、恐らくは第1層、第2層の2つの層の界面が、
ガラスの濡れによりアンカ効果を示し強固となったため
だと考えられる。
ここでは高湿度中の課電劣化をもってその対環境指標と
したが、もれ電流および寿命の絶対値にこそ差はあれ、
油、腐蝕性ガス中での経時変化の傾向はほぼ同一で、側
面の2重構造が効を奏していることはすでに確認してい
る。
また、本実施例ではガラスの封着温度には触れなかった
が、すでに特開昭61−204902号公報において本
発明者らが示したように、酸化ビスマスの結晶相がある
特定の結晶m造を特定量有する場合、その電圧非直線抵
抗体の寿命はく雰囲気には関連なくその素子自体の本来
の通電安定性)長期化して望ましい。このような結晶構
造は、通常体心立方晶を含む立方晶、正方晶の混晶状態
であり、この体心立方晶を含ませるためには幾つかの方
法がある。最も制御しやすいのは、立方晶、正方晶又は
いずれかの状態の酸化ビスマスを有する1200℃付近
で焼成したあとの電圧非直線抵抗体本体を、500℃以
上の適当な温度で加熱処理することである。この温度と
、時間を適宜変化させることによってその体心立方晶酸
化ビスマスの量も変化させ得る。交流課電および直流課
電の寿命に対する体心立方晶の存在比は、必ずしも同じ
でないことを上記特開昭61−204902号公報では
述べた。いずれにしても、電圧非直線抵抗体の用途に対
応し最適熱処理温度と、同一とガラス封着温度を有しか
つ熱膨張係数の適切なガラスフリットを使用すれば、1
回の加熱で、結晶転移と、ガラス化が実施でき、工程省
略の観点から非常に有意義である。
また第1層の多結晶層に対しその外側の第2層は緻密で
あり、このため電圧非直線抵抗体を素手で扱っても特性
の変化などは生じることはなく、丈な電圧非直線抵抗体
保管に対しても細い配慮(湿度コントロール、防塵)が
簡易化される利点もある。
[発明の効果] この発明は以上説明したように、酸化亜鉛を主成分とし
少なくとも酸化ビスマスを含む原料を成形後焼成した電
圧非直線抵抗体本体と、この電圧非直線抵抗体本体の側
面に平均値として5μ輪以上、30μm以下の厚さで形
成され、ケイ酸亜鉛(ZnzSiO<)、アンチモン酸
亜鉛(ZntSb201z)及び酸化ビスマス(Biz
O3)からなる多結晶混合高抵抗層(第1層)と、この
多結晶混合高抵抗層の外側に20μ輪以上の厚さで形成
されたガラス層(第2層)とを備えたので、耐環境性(
耐湿、耐油、耐ガスなど)に優れ、長寿命かつ、インパ
ルス電流の通電に対して、側面閃絡を起しにくい優れた
電圧非直線抵抗体素子が得られることが判明し、素子特
性の著しい改良がなされるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による電圧非直線抵抗体の
概略断面図、第2図はこの発明の一実施例及び従来例に
よる高抵抗層及びガラス層を形成した電圧非直線抵抗体
におけるV l0IIIAの変化率の経時変化を示す線
区、第3図は厚い高抵抗層を形成した電圧非直線抵抗体
の断面構造を示す模式図、第4図はペースト乾燥塗布量
と高湿度下で保管された電圧非直線抵抗体の■、。□の
変化率との関係を示す線図、第5図はペースト塗布量と
4×10μSのインパルス耐量との関係を示す線図、第
6図は適度に薄い高抵抗層を形成した電圧非直線抵抗体
の断面構造を示す模式図、第7図は種々の高抵抗層及び
ガラス層を形成した電圧非直線抵抗体の短波尾耐量試験
の結果を示す図、第8図は種々の高抵抗層及びガラス層
を形成した電圧非直線抵抗体の高湿度下における課電劣
化特性を示す線図、第9図は高抵抗層及びガラス層を形
成した電圧非直線抵抗体の断面構造を示す模式図、第1
0図〜第12図は従来の電圧非直線抵抗体の概略断面図
である。 図において、(1)は電圧非直線抵抗体本体、(2)は
電極、(3A)は高抵抗層、(4A)はガラス層である
。 なお、各図中、同一符号は同−又は相当部分を示す。 第1図 2二電極 3A: 千括晶隈含高狐状層(第1層)4A: 方゛ヲ
ス層(第24) VIOμAの変化率 (γ・) 10.υ、A のメきイヒ率 (ツζ)第 図 第 図 0 2030   町 乾虐塗千量(臀元−) 第 6 図 第 9 図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1.  酸化亜鉛を主成分とし少なくとも酸化ビスマスを含む
    原料を成形後焼成した電圧非直線抵抗体本体と、この電
    圧非直線抵抗体本体の側面に平均値として5μm以上、
    30μm以下の厚さで形成され、ケイ酸亜鉛(Zn_2
    SiO_4)、アンチモン酸亜鉛(Zn_7Sb_2O
    _1_2)及び酸化ビスマス(Bi_2O_3)からな
    る多結晶混合高抵抗層(第1層)と、この多結晶混合高
    抵抗層の外側に20μm以上の厚さで形成されたガラス
    層(第2層)とを備えたことを特徴とする電圧非直線抵
    抗体。
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