JP2621408B2 - 酸化亜鉛形バリスタの製造方法 - Google Patents
酸化亜鉛形バリスタの製造方法Info
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- JP2621408B2 JP2621408B2 JP63210293A JP21029388A JP2621408B2 JP 2621408 B2 JP2621408 B2 JP 2621408B2 JP 63210293 A JP63210293 A JP 63210293A JP 21029388 A JP21029388 A JP 21029388A JP 2621408 B2 JP2621408 B2 JP 2621408B2
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- magnesium
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- type varistor
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は酸化亜鉛を主成分とし、焼結体自身が電圧非
直線性を有する酸化亜鉛形バリスタの製造方法に関する
ものである。
直線性を有する酸化亜鉛形バリスタの製造方法に関する
ものである。
従来の技術 電圧非直線抵抗体は一般にバリスタと呼ばれ、電圧安
定化やサージ吸収用の素子として用いられている。
定化やサージ吸収用の素子として用いられている。
中でも、酸化亜鉛を主成分としてこれに少量のビスマ
ス,コバルト,マンガン,アンチモン,クロムなどを添
加した酸化亜鉛形バリスタは、その大きなサージ電流耐
量と優れた電圧非直線性から近年ギャップレスアレスタ
として従来のシリコンカーバイトバリスタにとって代わ
り広く利用されている。
ス,コバルト,マンガン,アンチモン,クロムなどを添
加した酸化亜鉛形バリスタは、その大きなサージ電流耐
量と優れた電圧非直線性から近年ギャップレスアレスタ
として従来のシリコンカーバイトバリスタにとって代わ
り広く利用されている。
酸化亜鉛形バリスタをアレスタとして用いる場合、放
電耐量特性,課電寿命特性がきわめて重要な特性要素と
なる。ここで、放電耐量特性は4/10μsの衝撃電流を5
分間隔で同一方向に2回印加したピーク電流の限界値で
ある。また、課電寿命特性は酸化亜鉛形バリスタ素子に
定格電圧を印加して使用した場合に推定されるバリスタ
素子の寿命で、通常温度および課電率を上げる加速試験
が行われる。従来より、これらの特性の向上のため、Bi
2O3,Sb2O3,SiO2などからなるペースト状側面剤を750
℃以上の温度で仮焼した仮焼体側面に塗布し、焼結体側
面に高抵抗層を形成する方法が一般に実施されていた。
しかし、このような反応を用いた製造方法の場合、側面
剤と仮焼体の反応を均一に行うことが難しく、その結
果、放電耐量特性,外観などに課題があった。さらに、
仮焼工程が必要なため、時間的,エネルギー的ロスが大
きいという課題も同時に有していた。近年、非反応系で
焼結体側面に高抵抗層を形成するため、焼結体にAl2O3
などの微粉末をプラズマ溶射により溶着させたり、ポリ
イミドなどの樹脂や結晶化ガラスなどをコーティングす
る試みがなされている。
電耐量特性,課電寿命特性がきわめて重要な特性要素と
なる。ここで、放電耐量特性は4/10μsの衝撃電流を5
分間隔で同一方向に2回印加したピーク電流の限界値で
ある。また、課電寿命特性は酸化亜鉛形バリスタ素子に
定格電圧を印加して使用した場合に推定されるバリスタ
素子の寿命で、通常温度および課電率を上げる加速試験
が行われる。従来より、これらの特性の向上のため、Bi
2O3,Sb2O3,SiO2などからなるペースト状側面剤を750
℃以上の温度で仮焼した仮焼体側面に塗布し、焼結体側
面に高抵抗層を形成する方法が一般に実施されていた。
しかし、このような反応を用いた製造方法の場合、側面
剤と仮焼体の反応を均一に行うことが難しく、その結
果、放電耐量特性,外観などに課題があった。さらに、
仮焼工程が必要なため、時間的,エネルギー的ロスが大
きいという課題も同時に有していた。近年、非反応系で
焼結体側面に高抵抗層を形成するため、焼結体にAl2O3
などの微粉末をプラズマ溶射により溶着させたり、ポリ
イミドなどの樹脂や結晶化ガラスなどをコーティングす
る試みがなされている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、以上のように焼結体側面に高抵抗層を
非反応系で形成した場合、電圧非直線性が低く、課電寿
命特性が悪いという課題を有していた。
非反応系で形成した場合、電圧非直線性が低く、課電寿
命特性が悪いという課題を有していた。
課題を解決するための手段 本発明では上記従来の課題を解決するため、成形体あ
るいは仮焼体の側面にマグネシウムをMgOの形に換算し
て0.1〜10mg/cm2塗布し、焼結することを特徴としてい
る。
るいは仮焼体の側面にマグネシウムをMgOの形に換算し
て0.1〜10mg/cm2塗布し、焼結することを特徴としてい
る。
作用 本発明の酸化亜鉛形バリスタの製造方法によれば、素
子側面からマグネシウムが拡散するため、電圧非直線性
が向上し、課電寿命特性の優れた酸化亜鉛形バリスタを
得ることができる。
子側面からマグネシウムが拡散するため、電圧非直線性
が向上し、課電寿命特性の優れた酸化亜鉛形バリスタを
得ることができる。
実施例 以下、本発明の製造方法およびそれにより得られたれ
た酸化亜鉛形バリスタについて実施例に基づき詳細に説
明する。
た酸化亜鉛形バリスタについて実施例に基づき詳細に説
明する。
まず、酸化亜鉛の粉末に合計量に対して酸化ビスマス
0.5モル%,酸化アンチモン1.0モル%,酸化コバルト0.
5モル%,酸化マンガン0.5モル%,酸化クロム0.5モル
%,酸化ケイ素0.5モル%,酸化ニッケル0.5モル%を添
加し、水とバインダーを加え、ボールミルにて充分に混
合し、乾燥・造粒した原料粉を直径40mm,厚さ30mmの大
きさに圧縮成形し、成形体を得た。そして、マグネシウ
ムペーストはエチルセルロース10重量%,酢酸nブチル
20重量%,ブチルカルビトール70重量%からなる有機バ
インダー1000gにMgOを300g混合して作成した。このマグ
ネシウムペーストに上記成形体をディップすることによ
り、所定量塗布した。ここで、塗布重量のコントロール
は、マグネシウムペーストに酢酸nブチルを添加し粘度
を調整した。また、塗布量はマグネシウムペーストを塗
布,乾燥後,重量差を測定し、単位面積当りのMgO塗布
量に換算した。このようにして得た成形体を空気中にて
1200℃で焼結させ焼結体を得た。次いで、この焼結体を
450℃〜700℃の温度範囲で熱処理し、側面Al2O3をプラ
ズマ溶射した後、両端面を研磨しアルミニウムの溶射電
極を設け試料とした。
0.5モル%,酸化アンチモン1.0モル%,酸化コバルト0.
5モル%,酸化マンガン0.5モル%,酸化クロム0.5モル
%,酸化ケイ素0.5モル%,酸化ニッケル0.5モル%を添
加し、水とバインダーを加え、ボールミルにて充分に混
合し、乾燥・造粒した原料粉を直径40mm,厚さ30mmの大
きさに圧縮成形し、成形体を得た。そして、マグネシウ
ムペーストはエチルセルロース10重量%,酢酸nブチル
20重量%,ブチルカルビトール70重量%からなる有機バ
インダー1000gにMgOを300g混合して作成した。このマグ
ネシウムペーストに上記成形体をディップすることによ
り、所定量塗布した。ここで、塗布重量のコントロール
は、マグネシウムペーストに酢酸nブチルを添加し粘度
を調整した。また、塗布量はマグネシウムペーストを塗
布,乾燥後,重量差を測定し、単位面積当りのMgO塗布
量に換算した。このようにして得た成形体を空気中にて
1200℃で焼結させ焼結体を得た。次いで、この焼結体を
450℃〜700℃の温度範囲で熱処理し、側面Al2O3をプラ
ズマ溶射した後、両端面を研磨しアルミニウムの溶射電
極を設け試料とした。
第1図はこのようにして得られた酸化亜鉛形バリスタ
の断面図であり、1は酸化亜鉛を主成分とする焼結体、
2はマグネシウムの拡散層、3はAl2O3プラズマ溶射に
よる側面高抵抗層、4はアルミニウムの溶射電極であ
る。
の断面図であり、1は酸化亜鉛を主成分とする焼結体、
2はマグネシウムの拡散層、3はAl2O3プラズマ溶射に
よる側面高抵抗層、4はアルミニウムの溶射電極であ
る。
第2図に本発明の製造方法による酸化亜鉛形バリスタ
のV1mA/mm(単位厚み当りのバリスタ電圧)および電圧
非直線性(V1mA/V10μA)を示す。ここで、試料数は
各10個である。第2図に示すようにV1mA/mmはマグネシ
ウムペーストを塗布してもほとんど変化しないのに対
し、電圧非直線性は単位表面積当り0.1〜10mg/cm2のマ
グネシウムを塗布し、焼結した場合、著しく向上してい
ることがわかる。次に、この試料の課電寿命特性につい
て評価した。この結果を第3図に示す。
のV1mA/mm(単位厚み当りのバリスタ電圧)および電圧
非直線性(V1mA/V10μA)を示す。ここで、試料数は
各10個である。第2図に示すようにV1mA/mmはマグネシ
ウムペーストを塗布してもほとんど変化しないのに対
し、電圧非直線性は単位表面積当り0.1〜10mg/cm2のマ
グネシウムを塗布し、焼結した場合、著しく向上してい
ることがわかる。次に、この試料の課電寿命特性につい
て評価した。この結果を第3図に示す。
ここで、試験条件は、周囲温度130℃,課電率95%(A
C,ピーク値)で行い、漏れ電流が2.5mAに至るまでの時
間を測定した。第3図より、MgO塗布量が0.1〜10mg/cm2
の範囲で課電寿命特性が向上していることがわかる。第
4図に螢光X線分析装置にてマグネシウムペーストを5m
g/cm2塗布した試料および無処理の試料について、焼結
体表面から中心方向にかけてのMgの濃度分布を測定した
結果を示す。この結果から、本発明において電圧非直線
性および課電寿命特性が向上した原因は、マグネシウム
を素子周辺部から拡散したためであると考えられる。
C,ピーク値)で行い、漏れ電流が2.5mAに至るまでの時
間を測定した。第3図より、MgO塗布量が0.1〜10mg/cm2
の範囲で課電寿命特性が向上していることがわかる。第
4図に螢光X線分析装置にてマグネシウムペーストを5m
g/cm2塗布した試料および無処理の試料について、焼結
体表面から中心方向にかけてのMgの濃度分布を測定した
結果を示す。この結果から、本発明において電圧非直線
性および課電寿命特性が向上した原因は、マグネシウム
を素子周辺部から拡散したためであると考えられる。
なお、本実施例においては成形体にマグネシウムを塗
布した場合についてのみ記載したが、成形体を適当な温
度範囲(750℃〜1100℃)で仮焼し、その仮焼体にマグ
ネシウムを塗布した場合についても全く同様の効果が得
られることを確認した。また、マグネシウムは有機バイ
ンダーとともにペースト状態でディップ法により塗布を
行ったが、素子側面に所定量塗布が可能な他の方法、例
えばハケ塗り,ローラー転写,印刷,スプレーなど、い
ずれの方法であっても本発明の効果に変わりはない。
布した場合についてのみ記載したが、成形体を適当な温
度範囲(750℃〜1100℃)で仮焼し、その仮焼体にマグ
ネシウムを塗布した場合についても全く同様の効果が得
られることを確認した。また、マグネシウムは有機バイ
ンダーとともにペースト状態でディップ法により塗布を
行ったが、素子側面に所定量塗布が可能な他の方法、例
えばハケ塗り,ローラー転写,印刷,スプレーなど、い
ずれの方法であっても本発明の効果に変わりはない。
発明の効果 以上のように本発明によれば、酸化亜鉛形バリスタ素
子の成形体あるいは仮焼体の側面にマグネシウムを塗布
した後、焼結させることにより、電圧非直線性および課
電寿命特性の優れた酸化亜鉛形バリスタを製造すること
ができる。
子の成形体あるいは仮焼体の側面にマグネシウムを塗布
した後、焼結させることにより、電圧非直線性および課
電寿命特性の優れた酸化亜鉛形バリスタを製造すること
ができる。
第1図は本発明の製造方法により得られた酸化亜鉛形バ
リスタの断面図、第2図は本発明の製造方法による酸化
亜鉛形バリスタのV1mA/mmおよび電圧非直線性の特性を
示す図、第3図は同じく課電寿命特性を示す図、第4図
は本発明の実施例および従来例による酸化亜鉛形バリス
タの焼結体表面からのMgの濃度分布を示す図である。 1……焼結体、2……拡散層、3……側面高抵抗層、4
……電極。
リスタの断面図、第2図は本発明の製造方法による酸化
亜鉛形バリスタのV1mA/mmおよび電圧非直線性の特性を
示す図、第3図は同じく課電寿命特性を示す図、第4図
は本発明の実施例および従来例による酸化亜鉛形バリス
タの焼結体表面からのMgの濃度分布を示す図である。 1……焼結体、2……拡散層、3……側面高抵抗層、4
……電極。
Claims (2)
- 【請求項1】酸化亜鉛を主成分とし、焼結体自身が電圧
非直線性を示すよう添加物を加えた原料粉を圧縮成形
し、得られた成形体の側面にマグネシウムをMgOの形に
換算して0.1〜10mg/cm2塗布した後、焼結したことを特
徴とする酸化亜鉛形バリスタの製造方法。 - 【請求項2】酸化亜鉛を主成分とし、焼結体自身が電圧
非直線性を示すよう添加物を加えた原料粉を圧縮成形
し、得られた成形体を仮焼し、この仮焼体の側面にマグ
ネシウムをMgOの形に換算して0.1〜10mg/cm2塗布した
後、焼結したことを特徴とする酸化亜鉛形バリスタの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63210293A JP2621408B2 (ja) | 1988-08-24 | 1988-08-24 | 酸化亜鉛形バリスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63210293A JP2621408B2 (ja) | 1988-08-24 | 1988-08-24 | 酸化亜鉛形バリスタの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0258307A JPH0258307A (ja) | 1990-02-27 |
JP2621408B2 true JP2621408B2 (ja) | 1997-06-18 |
Family
ID=16587000
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63210293A Expired - Fee Related JP2621408B2 (ja) | 1988-08-24 | 1988-08-24 | 酸化亜鉛形バリスタの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2621408B2 (ja) |
-
1988
- 1988-08-24 JP JP63210293A patent/JP2621408B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0258307A (ja) | 1990-02-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |