JPH0367217A - コンタクトレンズ用クリーナー - Google Patents

コンタクトレンズ用クリーナー

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JPH0367217A
JPH0367217A JP2139768A JP13976890A JPH0367217A JP H0367217 A JPH0367217 A JP H0367217A JP 2139768 A JP2139768 A JP 2139768A JP 13976890 A JP13976890 A JP 13976890A JP H0367217 A JPH0367217 A JP H0367217A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、コンタクトレンズ表面を清浄にするためのコ
ンタクトレンズ用クリーナーに係り、特に、コンタクト
レンズの表面に付けて擦り洗いすることにより、そのレ
ンズ表面に付着または固着した汚れを除去するためのコ
ンタクトレンズ用クリーナーに関する。
[従来の技術] 従来、コンタクトレンズに付着(固着)した汚れを除去
するために、有機ポリマー(ポリエチレン、ナイロン1
2等)、ポリシロキサンポリマー等の粒状ポリマーを含
有するクリーナー(特開昭57−192922号公報)
、及びアルミナ等の無機質そのものからなる無機質研磨
剤を含有するクリーナー(特開昭56−6215号公報
)が提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記の特開昭57−192922号公報
に開示されているクリーナーは、粒状ポリマーの研磨力
が微弱なものであるため、コンタクトレンズ表面に付着
または固着した汚れを除去するには不十分なものであっ
た。
一方、特開昭56−62↓5号公報に開示されているク
リーナーは、強い研磨力を有する無機質そのものからな
る無機質研磨剤(平均粒径10μm)を含有しているた
め、コンタクトレンズ自体をも削り落としてしまい、そ
の結果、レンズ表面に傷を生じさせたり、レンズ形状を
変化させてしまうという重大な問題点を有している。ま
た、このクリーナーにおいて、前記問題点を軽減するた
めに無機質研磨剤の粒径を細かくすることが考えられる
が、粒径を細かくする(例えば平均粒径0、 1μm)
と、レンズ表面に無機質研磨剤自体が残存しやすくなり
、研磨剤自体を洗浄により除去するのが困難になるとい
う問題点を有している。
本発明は前記問題点を除去するためになされたものであ
り、本発明の目的は、コンタクトレンズ表面の汚れに対
して顕著な洗浄能力を有する上に、コンタクトレンズ自
体には傷等の発生や形状変化を生じさせないコンタクト
レンズ用クリーナーであって、かつコンタクトレンズ洗
浄後の水洗等の処理により極めて容易にクリーナーを洗
い落すこと(以下「クリーナー除去」という)ができる
コンタクトレンズ用クリーナーを提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上述の従来技術の問題点を解決するため
に鋭意検討の結果、弾性力を有する内体である芯材の表
面上に無機質研磨剤からなる壁材を積層したマイクロカ
プセルを用いることにより、レンズ自体を傷つけること
なく、コンタクトレンズ表面の汚れを効果的に除去する
ことができ、なおかつ水洗等によって容易にクリーナー
除去ができるコンタクトレンズ用クリーナーが得られる
ことを見い出し、本発明を完成するに到った。
従って、本発明は、弾性力を有する内体である芯材の表
面上に無機質研磨剤からなる壁材を積層したマイクロカ
プセルが、所望する液体または半固体中に含有されてい
ることを特徴とするコンタクトレンズ用クリーナーであ
る。
以下、本発明を更に具体的に説明する。
本発明を構成する、弾性力を有する肉体である芯材の表
面上に、無機質研磨剤からなる壁材を積層したマイクロ
カプセルは、トポ化学反応あるいはメカノケミカル反応
と呼ばれる反応を利用する公知の技術により調製される
。すなわち、マイクロカプセルの内体となる弾性力を有
する芯材(例えばプラスチック等)および前記マイクロ
カプセルの内体表面上に積層され壁材となる無機質研磨
剤とをボールミル等を用いて攪拌混合することにより、
芯材と無機質研磨剤との間で摩擦が起こり、その摩擦帯
電効果のために芯材が電荷をもつ結果、その芯材の表面
に無機質研磨剤が単粒子または凝集体の形で付着する現
象を利用して調製される。
なお、本発明に用いられるマイクロカプセルは、上述の
製造方法により調製されるマイクロカプセルに限定され
るものではない。
前記マイクロカプセルの内体となる芯材としては種々の
プラスチック材料が用いられる。弾性力を有するプラス
チック材料であればいずれも使用可能であり、それら数
種を組み合わせて用いることも可能である。好ましくは
、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエ
チレン、ナイロン(例えばナイロン12)等であり、0
.1〜40μmの範囲の平均粒径を有する粒状物質が適
当であるが、これらに特に限定されるものではない。
また、前記マイクロカプセルの壁材として用いられる無
機質研磨剤としては、各種のシリカ、アルミナ、二酸化
チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸カ
ルシウムおよびカオリン等が挙げられるが、研磨力を有
し、かつ水に不溶性の物質であれば特に限定されない。
平均粒径0、 1〜9μmの研磨粒子を用いるのが好ま
しく、特にアルミナ及び二酸化チタンが好適である。ま
た、壁材(無機質研磨剤)の平均粒径は、芯材の平均粒
径よりも小さい方が好ましい。
本発明のコンタクトレンズ用クリーナーに含有されるマ
イクロカプセルは、前述の芯材および壁材を用いて調製
されるが、芯材および壁材を重量比9対■〜1対8の比
率ではかりとり、ボールミル等(50〜25 Or p
m)で15〜240分間攪拌混合することにより、本発
明のコンタクトレンズ用クリーナーに使用可能なマイク
ロカプセルの一例を得ることができる。該マイクロカプ
セルの調製条件は、所望のコンタクトレンズ用クリーナ
ーの物性値に応じて、任意の設定が可能である。
また、ボールミルと同様に攪拌混合できるものであれば
、他の装置を用いても差しつかえない。
本発明は、所望の液体中に前述のマイクロカプセルを含
有することを特徴とするコンタクトレンズ用クリーナー
であるが、このマイクロカプセルを使用する際に所望の
液体中に分散させて使用する態様も、本発明は除外して
はいない。
また本発明のコンタクトレンズ用クリーナーは、懸濁状
のクリーナーに留まらず、軟膏剤等の半固体形状のクリ
ーナーへの応用も可能である。
さらに本発明のクリーナーに含有されるマイクロカプセ
ルの別の態様として、弾性力を有する肉体が中空の構造
であるマイクロカプセルも存在する。すなわち、該マイ
クロカプセルは、外層が無機質研磨剤、中間層がプラス
チック材料、内層が中空という構造である。
本発明のコンタクトレンズ用クリーナーに含有されるマ
イクロカプセルの平均粒径は、0.3〜50μmが適当
である。06−3μm未満では洗浄力が不足し、逆に5
0μmを超えると洗浄効率が低下し、長時間の擦り洗い
が必要となるだけでなく、擦り洗いの際の異和感を感じ
させる。
クリーナー中に含有されるマイクロカプセルの層として
は、5〜20W/V%が適当である。
5W/V%未満の濃度では洗浄力が不足し、逆に20W
/V%を超える量を添加しても顕著な効果の上昇は認め
られない。より好ましい添加量は、10〜15W/v%
である。
本発明は、その洗浄効果を一層高めるために、分散剤と
して結晶セルロース(この結晶セルロースはパルプを一
定の条件下で鉱酸によって加水分解して非結晶領域を洗
浄、除去した後、磨砕、精製、乾燥して得られるもので
あり、例えば、旭化成工業■よりアビセルとして商業的
に入手可能である)を添加することができる。結晶セル
ロースは、本発明に用いられる他成分とともに攪拌混合
することにより、本発明のコンタクトレンズ用クリーナ
ーの懸濁安定性(分散性)を向上させる。
また、分散剤としての働きを有する結晶セルロース自体
のソフトな研磨作用がマイクロカプセルの有する洗浄効
果と相乗的に作用することにより、本発明のクリーナー
の洗浄能力を一段と上昇させる。加えて、結晶セルロー
スは、水洗等によるクリーナー除去において、クリーナ
ー成分を除去することを容易にする働きを有する。従っ
て、結晶セルロースは、本発明のクリーナーをより効果
的なコンタクトレンズ用クリーナーとならしめるもので
ある。結晶セルロースの上記の効果を奏するには、5〜
20W/V%の量を添加するのが適当である。5W/V
%未満では研磨作用は発揮されず、また懸濁安定性にも
寄与しない。逆に添加量が20W/V%を超える場合に
は、流動性が低下し本発明のクリーナー本来の目的であ
るコンタクトレンズの擦り洗いそのものが行い難くなる
。より好ましい添加量としては、7〜15W/V%であ
る。
本発明のコンタクトレンズ用クリーナーには界面活性剤
を添加することができる。この界面活性剤としては特に
限定はされないが、非イオン系界面活性剤が適当であり
、分子量1,000〜20.000の高分子界面活性剤
、例えばポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロ
ックコポリマー等が用いられる。これらの界面活性剤の
有する化学的洗浄力は、マイクロカプセルの有する洗浄
効果と相乗的に作用し、本発明のクリーナーの洗浄力を
向上させる。特に脂質の汚れが多量に付着しているレン
ズに対しては、界面活性剤を添加した本発明のクリーナ
ーは極めて有効に作用する。界面活性剤の含有量として
は0.5〜5W/V%が適当である。界面活性剤が0.
5W/V%未満では前述した界面活性剤の作用が発揮さ
れず、逆に5W/V%を超える量を添加しても界面活性
剤の化学的洗浄力の顕著な上昇は認められない。
更に、本発明のコンタクトレンズ用クリーナーには、増
粘剤、防腐剤、キレート化剤、等張化剤及び緩衝化剤を
適宜配合してもよい。増粘剤としては、例えばヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、メチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム等が用いられ、本発明のクリーナーに適当な
粘性および流動性を付与することができる。防腐剤とし
ては、例えばソルビン酸、グルコン酸クロルヘキシジン
、塩化ベンザルコニウム、メチル又はプロピルパラベン
、チメロサール等があり、これらを含有することにより
、多成分系であっても長期保存が可能なコンタクトレン
ズ用クリーナーが得られる。緩衝化剤はpH安定性の優
れたクリーナーとするために効果があるとともに、等張
化剤と合わせて使用すれば、pHが中性で浸透圧が涙液
と等張なりリーナーを作る際に有用となり、ソフトコン
タクトレンズに対しても安心して使用できるクリーナー
を得ることが可能となる。
緩衝化剤、等張化剤、キレート化剤としては、公知のも
のが用いられる。
本発明のコンタクトレンズ用クリーナーは、例えば次の
ようにして使用する。すなわち、レンズを眼から脱した
後、直ちに本発明のクリーナー1〜2滴をレンズにたら
し、手指により20〜30秒間擦り洗いをする。擦り洗
いの後、速やかにレンズを軽く水洗し、所定の方法で保
管あるいは再び装用する。
[実施例] 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 芯材となる球体状のポリエチレン粒子(平均粒径10μ
m)3.0gと壁材であるアルミナ粒子(平均粒径1μ
m)15.0gとをボールミルを用いて60分間攪拌混
合することによりマイクロカプセル(平均粒径15μm
)を調製する。このマイクロカプセル15重量部に精製
水を加えて100体積部としたものを通常の攪拌機で2
0分間攪拌混合して、本例のクリーナーを得た。
本例のクリーナーは、使用に際して本例のクリーナーを
内在させる容器をよく振る等の操作により、クリーナー
を充分な分散状態にしてから用いる。
実施例2 実施例1において調製したマイクロカプセル15重量部
、非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンブロックコポリマー)3重量部に精製水を
加えて100体積部としたものを、実施例1と同様にし
て本例のクリーナーを得た。
本例のクリーナーも実施例1と同様にして用いる。
実施例3 結晶セルロース(旭化成工業■製アビセルPH−MO6
)10重量部に精製水を加えて約50体積部としたもの
を、ホモジナイザー(又はホモミキサー)を用いて約1
2.00Orpmで15分間攪拌し、なめらかな懸濁液
を得る。この懸濁液に、実施例1において調製したマイ
クロカプセル10重量部及び非イオン系界面活性剤(ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリ
マー)3重量部を加え、さらに精製水を加えて100体
積部としたものを、通常の攪拌機で30分間ゆっくり攪
拌混合して、本例のクリーナーを得た。
実施例4 結晶セルロース(旭化或工業■製アビセルTG−102
L)8重量部及び結晶セルロース(旭化成工業■製アビ
セルRC−591)0.4重量部に精製水を加え、実施
例3と同様にして懸濁液を得る。この懸濁液に、実施例
1において調製したマイクロカプセル10重量部及び陰
イオン系界面活性剤(トリエタノールアミンラウリルサ
ルフェート)2重量部を加え、実施例3と同様にして本
例のクリーナーを得た。
実施例5 実施例4において得られた懸濁液に、実施例1において
調製したマイクロカプセル10重量部、非イオン系界面
活性剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロ
ックコポリマー)3重量部、ソルビン酸O81重量部及
びヒドロキシプロピルメチルセルロース1.3重量部を
加え、実施例3と同様にして本例のクリーナーを得た。
実施例6〜8 実施例5において、実施例1において調製したマイクロ
カプセルの量を5重量部、15重量部、20重量部とし
、同様にしてコンタクトレンズ用クリーナーを得た。
実施例9〜10 実施例5において非イオン系界面活性剤(ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)の量
を1重量部、5重量部とし、同様にしてコンタクトレン
ズ用クリーナーを得た。
実施例11−12 実施例5において、結晶セルロース(アビセルTG−↓
02L)の量を6重量部、工5重量部とし、同様にして
コンタクトレンズ用クリーナーを得た。
実施例13〜15 ポリエチレン粒子(平均粒径5μm)3.0gと二酸化
チタン粒子(平均粒径0.3μm)12.0gを用いて
調製したマイクロカプセル(平均粒径7μm)をそれぞ
れ5重量部、10重量部及び15重量部とし、実施例5
におけるマイクロカプセルと置き換え、他は実施例5と
同様にしてコンタクトレンズ用クリーナーを得た。
実施例16〜18 ポリエチレン粒子(平均粒径10μno、) 7. 0
gとアルミナ粒子(平均粒径1μm)3.0gを用いて
調製したマイクロカプセル(平均粒径13μm)をそれ
ぞれ5重量部、10重量部及び15重量部とし、実施例
5におけるマイクロカプセルと置き換え、他は実施例5
と同様にしてコンタクトレンズ用クリーナーを得た。
比較例1〜3 実施例4において得られた懸濁液に、非イオン系界面活
性剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロッ
クコポリマー)3重量部、ソルビン酸0. 1重量部及
びヒドロキシプロピルメチルセルロース1.3重量部を
加え、それにさらに比較例1〜3として、ポリエチレン
粒子(平均粒径40μm)、アルミナ粒子(平均粒径0
.1ttm)およびアルミナ粒子(平均粒径10μm)
を各々加え、実施例3と同様にして比較例1〜3の各ク
リーナーを得た。
[性能試験コ 上記の実施例および比較例により得られたコンタクトレ
ンズ用クリーナーについて、後述の(1)〜(4)の性
能試験を行った。これらの結果は、表1に示す。
(以下余白) [表1における略号について] MAE−1:ポリエチレン粒子(平均粒径10μm)3
.0gと、アルミナ粒子 (平均粒径1μm)15.0gとを 用いて調製したマイクロカプセル (平均粒径1.5μm) MAE−2+ポリ工チレン粒子(平均粒径10μm)7
.0gと、アルミナ粒子 (平均粒径1μm)3.0gとを 用いて調製したマイクロカプセル (平均粒径13μm) MTE:ポリエチレン粒子と二酸化チタン粒子とを用い
て調製したマイクロカプセル 0EOP :ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
ブロックコポリマー TR8:hリエタノールアミンラウリルサルフ工−ト HPMC:ヒドロキシプロビルメチルセルロース(1)
汚れ除去効果 (1−a)人工汚れレンズに対する汚れ除去効果ソフト
コンタクトレンズ[ホヤソフト(ホーヤ株式会社・商品
名)コ、ハードコンタクトレンズ[ホヤハード(ホーヤ
株式会社・商品名)コおよび酸素透過性ハードコンタク
トレンズ[ホヤハード158(ホーヤ株式会社・商品名
)コの3種類のコンタクトレンズに人工的に汚れを付着
させた。
なお、人工的汚れ付着は以下の方法で行なった。
塩化リゾチーム1.Og、アルブミン1.0gを生理食
塩水で溶解し全量を100m1とし汚れ液とした。この
汚れ液中にレンズを浸漬し800Cで30分間加熱処理
した後、水洗した。この操作を5回繰り返しレンズに汚
れを付着させた。
これらのコンタクトレンズに、各々のコンタクトレンズ
用クリーナーを2〜3滴たらし、約20秒間手指による
擦り洗いを行なった。
次いでレンズを水でクリーナー除去した後、汚れの除去
状態を拡大鏡で観察し、洗浄効果の程度により、次の6
段階の表示を用いて評価した。
A・・・完全に除去、B・・・はぼ完全に除去、C・・
・大部分除去、D・・・除去不十分、E・・・はとんど
除去されていない、F・・・全熱除去されていない表1
より明らかなように、実施例1〜18および比較例2.
3の各クリーナーは、人工汚れレンズの汚れ除去に関し
て有効であった。
(1−b)実装用汚れレンズに対する汚れ除去効果(1
−a)で用いた3種類のコンタクトレンズを用い、実際
に装用してレンズ表面に汚れが付着したレンズについて
、(1−a)  と同様に試験した。
表1より明らかなように、実施例1〜18および比較例
2.3の各クリーナーは、実装用によりレンズ表面に付
着した汚れに対して優れた除去効果を有することが判っ
た。
(2)コンタクトレンズ自体に対する影響(レンズの表
面状態およびレンズに形状に関する変化)前述した(1
)汚れ除去効果の試験で用いた3種のコンタクトレンズ
を用い、それらの新品レンズに対し、各々のコンタクト
レンズ用クリーナーを2〜3滴たらして約20秒間擦り
洗いし、その後クリーナー除去である水洗処理を行う操
作を1.000回繰り返した。
このコンタクトレンズ表面の状態を20倍の実体顕微鏡
で観察し、更に各々のレンズ形状変化をレンズパラメー
ター[ベースカーブ(曲率)、ダイアメーター(直径)
および中心肉厚(中心部の厚み)コを測定することによ
り、各々のクリーナーによるコンタクトレンズ自体に対
する影響を調べた。
比較例3のクリーナーは、レンズ表面に傷を発生させて
しまい、更にクリーナーの使用前後ではレンズパラメー
ターの変化をも生じていた。
これに対して、実施例1〜18および比較例1〜2のク
リーナーを用いた場合は、クリーナーを使用する前の状
態と比較して傷、くもり等の異常は発生せず、レンズパ
ラメーターの変化も生じなかった。
従って、本発明のクリーナーは、コンタクトレンズ自体
に対する影響は皆無である。
(3)水洗後の残留クリーナー ソフトコンタクトレンズ(ホヤソフト)を用い、その新
品レンズに対し、各コンタクトレンズ用クリーナーを2
〜3滴たらして約20秒間擦り洗いした後、クリーナー
除去である水洗を行なう。このレンズを拡大鏡を用いて
観察し、クリーナーの残留の有無を調べた。なお、表1
において、「○は残留クリーナーが無いこと、×は残留
クリーナーが有ること」を意味する。
実施例1〜18および比較例1,3の各クリーナーは、
擦り洗い後の水洗により、クリーナーを容易に洗い流す
ことができることが判った。
(4)分散安定性 各々のコンタクトレンズ用クリーナーについて、約15
m1を試験管にとり、室温にて6か月間放置して、懸濁
状態の経時的変化を観察し、分散安定性を評価した。(
表1において、10は懸濁状態の変化がない」ことを示
す。なお、実施例1および2は「使用時に振盪して用い
る」ことを前提としているため、ここでは分散安定性に
関する確認は行わない。) 実施例3〜18のクリーナーは、6か月経退役において
も、分離、沈殿等の懸濁状態の変化は全く発生せず、安
定した分散状態を維持していた。
以上、各クリーナーの性能試験より明らかなように、有
機ポリマーであるポリエチレン粒子を含有し、その研磨
力によりレンズを洗浄する比較例1のクリーナーでは、
汚れ除去効果が不充分である。また、無機質研磨剤であ
るアルミナを含有するクリーナーに関しては、汚れ除去
効果は得られているが、比較例3のようにアルミナ粒子
の粒径が大きい(平均粒径10μm)クリーナーではレ
ンズ表面に傷を生じさせ、レンズ形状をも変化させてし
まう。これを防ぐためアルミナ粒子の粒径を小さくした
(平均粒径0. 1μm)比較例2のクリーナーでは、
水洗によるレンズからのクリーナー除去が難しい。
これに対して、実施例1〜18のクリーナーは、弾性力
を有するポリエチレン粒子を芯材とし、粒径が小さ(で
も充分な研磨力を有する無機質研磨剤であるアルミナ粒
子あるいは二酸化チタン粒子を壁材とするマイクロカプ
セルを含有しているため、無機質研磨剤自体の研磨力を
充分に保持しながら、マイクロカプセル全体の弾性力に
よりレンズ自体には傷等の悪影響は及ぼさない。
また、マイクロカプセル全体では水洗に適当な粒度を有
しているため、レンズ洗浄後の水洗によりクリーナー除
去は簡単に行うことができる。
優れた汚れ除去効果を有する点、レンズへの悪影響の少
ない点、使用後の水洗によるクリーナー除去が容易な点
、以上の3点全てを満足する比較例は存在していない。
従って、上記3点全てを満足する本実施例のクリーナー
は極めて有用である。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明のコンタクトレンズ用クリ
ーナーによれば、コンタクトレンズ自体に全く悪影響を
及ぼすことなく、コンタクトレンズ表面に付着した汚れ
を効果的に除去することができる。また、本発明のクリ
ーナーによれば、クリーナー使用後は、水洗により極め
て容易にクリーナー除去をすることができる。従って、
本発明のコンタクトレンズ用クリーナーは、極めて有用
なりリーナーである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)弾性力を有する内体である芯材の表面上に無機質
    研磨剤からなる壁材を積層したマイクロカプセルが、所
    望する液体または半固体中に含有されていることを特徴
    とするコンタクトレンズ用クリーナー。
  2. (2)弾性力を有する内体である芯材の表面上に無機質
    研磨剤からなる壁材を積層してなり、所望する液体また
    は半固体中に含有させることにより、コンタクトレンズ
    用クリーナーを形成するマイクロカプセル。
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