JPH036322A - 600°cにおける耐火性の優れた建築用低降伏比鋼材及びその製造方法並びにその鋼材を用いた建築用鋼材料 - Google Patents

600°cにおける耐火性の優れた建築用低降伏比鋼材及びその製造方法並びにその鋼材を用いた建築用鋼材料

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JPH036322A
JPH036322A JP13932989A JP13932989A JPH036322A JP H036322 A JPH036322 A JP H036322A JP 13932989 A JP13932989 A JP 13932989A JP 13932989 A JP13932989 A JP 13932989A JP H036322 A JPH036322 A JP H036322A
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    • E04BUILDING
    • E04CSTRUCTURAL ELEMENTS; BUILDING MATERIALS
    • E04C3/00Structural elongated elements designed for load-supporting
    • E04C3/02Joists; Girders, trusses, or trusslike structures, e.g. prefabricated; Lintels; Transoms; Braces
    • E04C3/04Joists; Girders, trusses, or trusslike structures, e.g. prefabricated; Lintels; Transoms; Braces of metal
    • E04C3/08Joists; Girders, trusses, or trusslike structures, e.g. prefabricated; Lintels; Transoms; Braces of metal with apertured web, e.g. with a web consisting of bar-like components; Honeycomb girders
    • E04C3/083Honeycomb girders; Girders with apertured solid web
    • E04C3/086Honeycomb girders; Girders with apertured solid web of the castellated type

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築、土木および海洋構造物等の分野において
、各種建造物に用いる耐火性の優れた低降伏比鋼材の製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
周知の通り建築、土木および海洋構造物などの分野にお
ける各種建造物用構築材として.一般構造用圧延鋼材(
JIS G 3101) 、溶接構造用圧延鋼材(、r
Is c 3106) 、溶接構造用耐候性熱間圧延鋼
材(JIS G 3114) 、高耐候性圧延鋼材(J
IS G3125)および一般構造用炭素鋼鋼管(JI
S G 3444)、一般構造用角形鋼管(JIS c
 3466)などが広く利用されている。これらの鋼材
は、通常高炉によって得られた溶銑を、脱S、脱Pした
のち転炉精練を行ない、連続鋳造もしくは分塊工程にお
いて鋼片とし、ついで熱間塑性加工することにより、所
望の特性を備えたものとして製品化される。
ところで、各種建造物のうち、特に生活に密着(3) (4) したビルや事務所および住居などの建造物に前記鋼材を
用いる場合、火災における安全性を確保するため、十分
な耐火被覆を施すことが義務ずけられており、建築関係
諸法令では、火災時に鋼材温度が350℃以上にならぬ
よう規定している。つまり、前記e鋼材は、建造物に使
用する場合350℃程度で耐力(降伏強度)が常温時の
60〜70%になり、建造物の倒壊を引き起こす恐れが
あるため、火災時における熱的損傷により該鋼材が載荷
力を失うことのないようにして利用しなければならない
。たとえば.一般構造用圧延鋼材(JIS G 310
1)に規定される形鋼を柱材とする建造物の例では、そ
の表面にスラグウール、ロックウール、ガラスウール、
アスベストなどを基材とする吹き付は材やフェルトを展
着するほか、防火モルタルで包被する方法および前記断
熱材層の上に、さらに金属薄板即ちアルミニュウムやス
テンレススチール薄板で保護する方法など耐火被覆を入
念に施す必要がある。そのため、鋼材費用に比し耐火被
覆施工費が高額になり、建設コストが大幅に上昇するこ
とを避けることが出来ない。そこで、構築材として丸あ
るいは角鋼管を用い、冷却水がWi環するように構成し
、火災時における温度上昇を防止し載荷力を低下させな
い技術が提案され、ビルの建設コストの引き下げと利用
空間の拡大が図られている。たとえば、実公昭52−1
6021号公報には、建築物の上部に水タンクを置き、
中空鋼管からなる柱材に冷却水を供給する耐火構造建造
物が開示されている。また、特願昭63−143740
では、鋼材の基本成分として、適当量のMoとNbを複
合添加し、高温加熱−高温圧延法により600℃の高温
耐力が常温耐力の70%以上確保出来ることが示されて
いる。しかしながら、この発明の鋼板製造法は圧延まま
のため、常温と600’Cの耐力確保はMo。
Nb等の合金元素の添加に頼らざるを得す、合金添加量
が多(なり、建築用鋼材として重要な溶接性、溶接熱影
響部(HAZ)靭性などの特性が阻害されるという問題
を有していた。
(5) (6) 〔発明が解決しようとする課題〕 前述のように建造物に従来の鋼材を利用する場合、価格
は安いが、高温特性が低いため無被覆や軽液層で利用す
ることが出来ず、割高な耐火被覆を施さねばならない。
このため建設コストが高くなると共に建造物の利用空間
が狭くなり、経済効率を低下させると云う課題がある。
一方耐火性能の向上をねらいとして、中空鋼材を用いて
強制冷却する方法は、構造が複雑になるため設計、施工
費に加えて設備費が嵩むことと、保守整備費も高額にな
ると云う課題がある。
また、ステンレススチールに代表されるような耐熱鋼材
は価格が非常に高いため、高温特性は良好であるが、生
産技術や施工技術面に加えて経済的な面で構築材として
の利用は非常に困難である。
而して、近年建築物の高層化が進展し、設計技術の向上
とその信頼性の高さから、耐火設計について見直しが行
われ、昭和62年建築物の新耐火設計法が法定されるに
至った。その結果前述の350℃の温度制限によること
なく、鋼材の高温強被覆の能力を決定出来るようになり
、場合によっては無被覆で鋼材を使用することも可能に
なった。
しかしながら、耐火性の優れた建築用鋼材として、経済
的価格で市場に供給できるような鋼材は現在存在しない
本発明の目的は、高温特性が優れ、かつ経済的価格で市
場に供給しうる耐火性の優れた鋼材の製造方法及び耐火
性能を付与した鋼材料を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前述の課題を克服し、目的を達成するもので、
その具体的手段を次に示す。すなわち本発明は重量比で
C0,04〜0.15%、Si0.6%以下、Mn 0
.5〜1.6%、Mo 0.2〜0.7%、l!0.1
%以下、N 0.006%以下、又は必要によりさらに
、Nb 0.005〜0.04% Ti 0.005〜
0.10% Zr0.005〜0.03% V 0.0
05〜0.10% Ni0.05〜0.5% Cu 0
.05〜1.0% Cr 0.05〜1.0%B  0
.0003〜0.002% Ca 0.0005〜0.
005%REM 0.001〜0.02%のうち1種ま
たは2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物
からなる鋼片を1100〜1300″Cの温度域で加熱
し、熱間圧延を800℃〜1000℃の温度範囲で終了
した後、鋼板をAr+  20℃〜^r、 −100℃
まで空冷し、続いてこの温度から3〜40℃/秒の冷却
速度で550℃以下の任意の温度まで水冷し、その後放
冷することにより耐火性の優れた建築用低降伏比鋼材を
提供するものであり、さらに該鋼材を使用した建築用鋼
材料を提供するものである。
〔作 用〕
さて、本発明者らは、火災時における鋼材強度について
研究の結果、無被覆使用を目標とした場合、火災時の最
高到達温度が1000℃であることから、鋼材が該温度
で常温耐力の70%以上の耐力を備えるためには、やは
り高価な金属元素を多量に添加せねばならず、経済性を
失することを知った。つまり、従来の鋼材費とそれに加
え耐火被覆を施工する費用以上に鋼材単価が高くなり、
そのような鋼材は実際的に利用することが出来ない。
そこで、さらに研究を進めた結果、600℃での高温耐
力が常温時の70%(略々2/3)以上となる鋼材が最
も経済的であることをつきとめ、高価な添加元素の量を
少なくし、かつ耐火被覆を薄くすることが可能で、火災
荷重が小さい場合は、無被覆で使用することが出来る鋼
材の製造方法及び耐火性能を付与した鋼材料を開発した
。さて、本発明の特徴は、低C−低Mn鋼にMoを添加
した成分組成の鋼片を、高温で加熱したのち、比較的高
温で圧延を終了し、その後空冷過程でオーステナイトか
らフェライトへの変態途中であるフェライト分率20〜
50%(Ar3 20℃−Ar3−   100’Cの
温度範囲)まで空冷し、この温度域から550℃以下の
任意の温度(550℃から室温までの温度範囲)まで水
冷して、その後、放冷する方法で、本発明法によって製
造した鋼材は、適当な常温耐力を有するとともに、高温
耐力が高いという特性を備えている。つまり、常温耐力
に対し600℃の温度域に(9)(9) (10) おける耐力の割合が大きい。この理由は適当量のMoを
添加した鋼のミクロ組織が比較的大きなフェライトとベ
イナイトの混合組織とするためである。これに対しベイ
ナイI・主体鋼では、600℃の温度域における耐力に
比して常温耐力が高くなり常温での規格を満足させるこ
とが出来ない。また、フェライト主体鋼では、常温と高
温の耐カバランスは比較的良好であるが、本発明鋼に比
較してM。
など強度を高める元素の添加量を多くしなければならな
いという欠点がある。すなわち、本発明者らはミクロ組
織のフェライト−ベイナイト化が高温耐力の向上に役立
つことを見い出した。本発明にかかる鋼は常温における
降伏比が低く、耐震性に優れているが、これもミクロ組
織が20〜50%の比較的大きなフェライトとベイナイ
トの混合組織からなるためである。つぎに、本発明にか
かる特徴的な成分元素とその添加量について説明する。
Moは微細な炭化物による析出硬化と固溶強化によって
高温耐力を増加させる。必要な高温耐力を得るためのM
o量は他のベース成分やミクロ組織によって異なるが、
本発明鋼の合金成分やプロセスを前提とすると、0.2
%未満ではその効果は小さく、Moの下限は0.2%以
下である。しかしながら、Mo量が高すぎると、溶接性
が悪くなり、さらにHAZの靭性が劣化するので、Mo
量の上限は0.7%とする必要がある。
つぎに、本発明におけるMo以外の成分限定理由につい
て詳細に説明する。Cは母材および溶接部の強度確保な
らびにMOの添加効果を発揮させるために必要であり、
0.04%未満では効果が薄れるので下限を0.04%
とする。さらにC量が多過ぎると)IAZの低温靭性に
悪影響をおよぼすだけでなく、母材靭性、溶接性をも劣
化させるので、0.15%が上限となる。
Siは脱酸上鋼に含まれる元素で、Siが多くなると溶
接性、HAZ靭性が劣化するため、その上限を0.6%
とした。
本発明鋼ではAβ脱酸で十分であり、さらにTi脱酸で
も良い。StについてHAZ靭性の点からは含有量を0
.15%とすることが望ましい。
(11) (12) つぎに、Mnは強度、靭性を確保する上で不可欠の元素
であり、その下限は0.5%である。しかしMn量が多
過ぎると焼入性が増加して溶接性、HAZ靭性が劣化す
るだけでなく、目標とする規格に適合する母材強度を得
ることが出来ない。このためMnの上限を1.6%とし
た。
AAは一般に脱酸上鋼に含まれる元素であるが、Siお
よびTiによっても脱酸は行なわれるので、本発明鋼で
はAlについて下限を限定しない。しかしAl量が多く
なると鋼の清浄度が悪くなり、溶接部の靭性が劣化する
ので上限を0.1%とした。
Nは一般に不可避的不純物として鋼中に含まれるもので
あるが、N量が多くなるとHAZ靭性の劣化や連続鋳造
スラブの表面疵の発生などを助長するので、その上限を
0.006%とした。なお、本発明鋼材は、不可避的不
純物としてPおよびSを含有する。P、Sは高温強度に
与える影響は小さいので、その量について特に限定はし
ないが、般に靭性、板厚方向強度などに関する鋼の特性
は、P、S量が少ないほど向上する。望ましいP、S量
はそれぞれ0.02%、0.005%以下である。
本発明鋼の基本成分は以上のとおりであり、十分に目的
を達成出来るが、さらに以下に述べる元素即ちNb  
、Ti  、Zr  、V、Ni  、Cr  、B。
REMを選択的に添加すると強度、靭性の向上について
、さらに好ましい結果が得られる。
つぎに、前記添加元素とその添加量について説明する。
NbはNと結合して炭窒化物Nb (CN)を形成し高
温耐力の向上に効果を発揮する。しかしながら0.00
5%未満では、その効果は認められず、0.04%超で
は溶接性などに害をおよぼすため0.005〜0.04
%の範囲とした。
Tiは前述のNbとほぼ同じ効果を持つ元素であり、0
.005〜0.02%においてAI!、量が少ない場合
Tiの酸化物、炭窒化物を形成し、HAZ靭性を向上さ
せるが、0.005%未満では効果がなく、0.10%
を超えると溶接性などで悪影響がでて好ましくない。
VもNb、Ti とほぼ同じ効果を持つ元素であり、高
温耐力に対する効果はNb、Tiに比較しく13) (14) て小さいが0.005〜0.10%の範囲において強度
を向上させる。しかし0.005%未満では効果が無く
0.10%を超えるとHAZ靭性に好ましくない影響が
ある。
つぎに、Niは溶接性、HAZ靭性に悪影響をおよぼす
ことなく、母材の強度、靭性を向上させるが、0.05
%未満では効果が薄く、0.5%超の添加は建築用鋼と
して、極めて高価になるため経済性を失うので、0.0
5〜0.5%の範囲とした。
CuはNi とほぼ同様な効果を持つほか、Cu析出物
による高温耐力の増加や耐食性、耐候性の向上にも効果
を有する。しかし、Cu量が1.0%を超えると熱間圧
延時にCu割れが発生し製造が困難になり、また0、0
5%未満では効果がないのでCu量は0.05〜1.0
%に限定する。
Crは母材および溶接部の強度を高める元素であり、C
r量が0.5%以上で耐候性も向上させるが1.0%を
超えると溶接性やHAZ靭性を劣化させ、また0、05
%未満では効果が薄い。したがってCr量は0.05〜
1.0%とする。
本発明者等の知見ではCrはMoと同様に高温耐力を増
加させる元素であるが、Moと異なり常温耐力の増加の
割に比し、600℃での高温@力の増加効果は比較的少
ない。
Bは鋼の焼入性を増大させ強度を大きくする元素であり
、Nと結合したBNはフェライト発生核として作用し、
HAZ組織を微細化する。このようなりの効果を得るた
めには、最小限0.0003%のB量が必要で、それ未
満では効果が無く、またB量が多過ぎると粗大なり−c
onsti tuentがHAZの旧オーステナイト粒
界に析出して低温靭性を劣化させるのでB量の上限は0
.002%に制限する。
Ca、 REMは硫化物(MnS)の形態を制御し、シ
ャルピー吸収エネルギーを増加させ低温靭性を向上させ
るほか、耐水素誘起割れ性の改善にも効果を発揮する。
しかしCa量は0.0005%未満では実用上効果がな
く、また、0.005%を超えるとCab。
CaSが多量に生成して大形介在物となり、鋼の靭性の
みならず清浄度も害し、さらに溶接性にも悪影響を与え
るので、Ca添加量の範囲を0.0005〜0.005
%とする。また、REMについてもCaと同様な効果が
あり、添加量を多くするとCaと同様な問題が生じ、さ
らに、経済性も悪くなるので、REM量の下限を0.0
01%、上限を0.02%とした。
さて、常温において、溶接構造用圧延鋼材(JIS c
 3106)に規定する性能を満足し、かつ600゛C
の高温において高い耐力を維持せしめるためには、鋼成
分と共に鋼の贋功■熱および圧延、冷却条件が重要であ
る。特に前述のMoの添加による高温耐力の増大を図る
には、加熱時にMoを十分溶体化させる必要があり、こ
のため前述した成分よりなる鋼片を加熱するときの温度
の下限を1100℃とする。また、加熱温度が高すぎる
と結晶粒が大きくなって低温靭性が劣化するので、その
上限は1300℃にせねばならない。次に、熱間圧延を
施すが、圧延終了温度を800℃以上の高温とする。そ
の理由は、圧延中にMoの炭窒化物を析出させないため
であり、T域で、Moが析出すると、析出物サイズが大
きくなり、高温耐力が著しく低下する。
前記温度の上限は1000℃であり、これを越える温度
では圧延に支障をきたす。800℃以上で圧延を終了し
、空冷する方法を採用すると、常温耐力と600℃での
高温耐力のバランスは良好である。
しかしながら、圧延後に空冷する方法では、強度の絶対
値がやや不十分となる。このためMo添加量を増加する
必要があり、過度のMo添加による溶接性などの問題が
あった。この問題を解決するため、本発明者らは種々研
究した結果、圧延終了後、Ar3 20℃〜Ar3−1
00″Cまで空冷し、続いてこの温度から3〜40℃/
秒の冷却速度で550℃以下の任意の温度まで水冷し、
その後放冷する方法が有効であることを見出したのであ
・る。すなわち、圧延直後に冷却すると高強度は得られ
るが常温耐力と600″Cでの高温耐力のバランスが不
十分となり、600″Cの強度を確保しようとすれば、
常温の耐力が規格値をオーバする。圧延終了後にAr、
、  20℃−Ar+   100℃まで冷却すると、
オーステナイトからフェライトが析出し20〜50%に
達する。この温度より水冷を開始し、550℃以下の任
意の温度で水冷を停止することにより、ミクロ(17) (18) 組織が20〜50%のフェライトとベイナイトの混合組
織となり、常温と600’Cの耐カバランスを良好とし
ながら高耐力を達成し、かつ降伏比も低く抑えることが
出来ることを見い出した。
なお、本発明鋼材を製造後、脱水素などの目的でAct
変態点以下の温度に再加熱しても、本発明鋼材の特徴は
何等損なわれることは無い。
また、本発明では、前述のように鋼片を加熱し、ついで
熱間圧延することにより製品とするが、その後さらに所
望の鋼材を製造するため、前記製品を熱間又は冷間でさ
らに塑性加工してもよい。
たとえば、鋼材をブルーム、ビレットとしたのち熱間で
形鋼とするほか、前記製品を素材とし、冷間加工して所
望の鋼材たとえば形鋼や鋼管を製造しても良い。その際
、必要に応じて、熱処理を適宜に実施する。
さて、次に本発明鋼の機械的性質を周知鋼材と比較して
詳細に説明する。
第1表は本発明鋼材とJIS G 3106溶接構造用
圧延鋼材(3M50A )との成分比較を示す。
なお、本発明の鋼材は上記表に示す成分の鋼片を115
0℃に加熱し、熱間圧延を仕上圧延温度836℃で終了
した後、760℃まで空冷し、次いでこの温度より冷却
速度27℃/seeで急冷して454℃で冷却を停止し
て製造された。
以下余白 第1図は、縦軸に応力度(kgf 7mm”)、横軸に
温度(℃)をとったもので、実線で示す折線1が本発明
鋼材、破線で示す折線2が比較鋼材(3M50A)の変
化を示す。なお、TSは引張強さ、YPは降伏点を示す
第1図から明らかなように、800℃を超える温度では
、差がなくなるが、本発明鋼は600℃〜700℃にお
いて5M50Aの2倍の耐力を保持しており、建築用鋼
材として優れた特性を備えていることが判る。
第2図は、縦軸に弾性係数(kgf 7mm”)、横軸
に温度(“C)をとったもので、実線で示す折線1が本
発明鋼、破線で示す折線2が5M50Aの変化を示す。
また、第3図は、縦軸にクリープ歪(%)、横軸に時間
(分)をとり、試験片に加わる600℃における応力度
(kgf 7mm2)をパラメーターとしており本発明
鋼材の変化を折線で示し、第4図は、同様に5M50A
の変化を折線で示している。
第2図から明らかなように、本発明鋼材は、700℃を
超える温度で弾性係数が急激に低下するのに対して、5
M50Aは、600℃近辺で弾性係数が急激に低下して
いる。また、第3図および第4図から明らかなように、
本発明鋼材は、600℃の温度で通常建物の柱・はりな
ど構造部材に作用する応力度15 kgf 7mm2に
対し、通常の火災の最大継続時間である3時間において
もクリープ歪の進行は著しく少ないが、5M50Aは、
600℃の温度で応力度10kgf/mm”が加わると
クリープ歪の進行が著しく大きい。弾性係数が高温まで
低下しないこと、クリープ歪の進行が少ないことは、火
災時に建物の変形を少なくするため、本発明鋼材は、 5M50Aと比較して、建築用鋼材として優れた特性を
備えていることが判る。
本発明者らは、比較鋼材5S41との比較においても同
様な結果を得た。
このことから、本発明鋼材は、5M50Aや5S41に
比し火災荷重が等しい場合、耐火被覆がより薄いもので
よいことが明らかであり、火災荷重が大きくないときに
は、無被覆で済むことも、また明らかである。
つぎに、本発明鋼材に無機系繊維質耐火薄層材を展着し
た例について説明する。
第2表は耐火被覆厚さに関する実施例で、JISA 1
304で規定される実験において、鋼材温度が350℃
を超えないようにするため、必要な耐火相別の被覆厚さ
を示す。
ところで、本発明鋼材の場合は、600℃を超えるまで
鋼材温度が上昇しても良いので、前述のとおりその耐火
被覆の厚さは第3表のように薄くて済む。
第2表、第3表の比較から明らかなように本発明鋼を利
用する場合、耐火被覆の材料費、施工費が大幅に軽減で
きる。
以下余白 第2表 (24) (25) 第3表 つぎに、第5図は本発明にかかるH形鋼1 (300x
3QOxlox15)に第3表における吹き付はロック
ウール(湿式)2を展着した柱の概略立面図およびA−
A断面図である。
第6図は、前記H形鋼柱に、JISΔ1304で規定さ
れる加熱を行い、通常建物の柱が支持する荷重を加えて
、破壊する時間を求めた試験結果であり、縦軸に温度(
”CL横軸に時間(分)をとったもので、実線で示す折
線1は柱の鋼材温度、破線で示す折線2は加熱温度の変
化を示す。また、第7図は、縦軸に変形(cm)、横軸
に温度(℃)及び時間(分)をとったもので、実線で示
す折線は柱の変形を示す。第6図および第7図から明ら
かなように、10mmの厚さの吹き付はロックウール(
湿式)を施すことで、本発明鋼材で製造した柱は600
℃を超えるまで破壊を起こさず、1時間耐火以上の性能
を発揮していることが判る。
同様に、第8図は、本発明にかかる11形鋼はり3 (
400X200 X 8 X13)に、第3表における
吹き付はロックウール(湿式)4を展着したはりの概略
立面図およびA−A断面図である。
第9図は、前記H形鋼はりに、JIS A 1304で
規定される加熱を行い、通常建物のはりが支持する荷重
を加えて、破壊する時間を求めた試験結果であり、縦軸
に温度(”C)、横軸に時間(分)をとったもので、実
線で示す折線1ははり上側フランジ5、折線2ははり下
側フランジ6、折線3はつ(26) (27) ニブ7の各温度を、破線で示す折線4は加熱温度の変化
を示す。また、第10図は、縦軸に変形(鉛直たわみ)
(cm)、横軸に温度(℃)及び時間(分)をとったも
ので、実線で示す折線は、はり各点の変形を示す。第8
図および第9図から明らかなように、10+n+nの厚
さの吹き付はロックウール(湿式)施すことで、本発明
鋼材で製造したはりは、600℃を超えるまで破壊を起
こさず、1時間耐火以上の性能を発揮していることが判
る。又、600℃における変形量も変形許容値以下であ
ることが判る。
本発明者らは、他の耐火材についても試験を行ったが同
様な結果を得た。
つぎに、本発明鋼材について高耐熱性塗料を被着し、試
験した結果を第4表に示す。
以下余白 第4表 塗料1、塗料2は発泡性高耐熱性塗料(西独デシパック
社製、商品名パイロテクト、種別s3oおよびF2O)
で、試験鋼板は厚さ16mm、220mm角の本発明鋼
板を用いた。
従来の鋼材は、鋼材温度が350’C以下とされていた
ため、第4表に示す従来の塗料1、塗料2の塗装によっ
ても30分、60分しか耐火時間が確保できなかったが
、上記表に示すように本発明の綱材では600℃まで降
伏強度が確保できるため、(28) (29) 塗料1、塗料2による塗装によっても60分、120分
の耐火時間が確保される。言い換えれば従来の耐火時間
を確保するのであれば塗装を簡略化しうるメリットがあ
る。
即ち本発明鋼に高耐熱性塗料を被着した鋼材は、経済性
が高く建設費を低減出来る。
つぎに、第11図は本発明にかかるH形鋼8を薄鋼板(
SS41又はステンレス)9で囲んだ梁10の概略断面
図で前記薄鋼板9は取付金具11により、H形1i18
から10〜50mmの間隔を隔てて固定されており、梁
10はコンクリート床12を支承している。
第12図は、第11図に示す試験体にJIS A130
4に規定する加熱を行った場合の鋼材温度の変化を示し
、縦軸に温度(”CL横軸に時間(分)をとったもので
ある。破線で示す折線1は加熱温度を、折線2は818
4板(SS41)を取付けていないH形鋼の鋼材温度を
、折線3は薄鋼板(SS41)で囲んだH形鋼の鋼材温
度を、折線4は薄鋼板(SS41)の内側に軽微な耐火
被覆を施した場合のH形鋼の鋼材温度を、折線5はTi
ttHA板(ステンレス)の内側に軽微な耐火被覆を施
した場合のH形鋼の鋼材温度を示す。
第12図から明らかなように、Volta板(SS41
)で囲んだH形鋼の鋼材温度は、薄鋼板(SS41)を
取付けていない■1形鋼の鋼材温度と比較して、時間3
0分までの温度上昇が少なく、本発明鋼が600℃を超
える温度の上昇まで強度を保持することから、火災荷重
が少なく耐火時間の短い火災に対しては、薄鋼板(ss
41)で囲むことにより、無被覆が可能である。また、
火災荷重が多く耐火時間が長い場合も、薄鋼板(SS4
1)の内側に軽微な耐火被覆を施すことで、H形鋼は無
被覆とすることができる。なお、前述の薄鋼板9を含み
、防熱効果のある金属板たとえばステンレス薄鋼板、チ
タン薄板、アルミニウム板を防熱盾板と総称する。
前記防熱盾板を装着した本発明にかかる鋼材は、建築現
場における耐火物の吹き付けのような困難な作業の必要
がなく、容易に取り付けができるので、経済的な使用が
可能である。
つぎに、第13図のグラフは、本発明にかかる角鋼管に
コンクリートを充填し、表面に湿式吹き付けによってロ
ックウールを基材とする繊維質耐火材を5肛厚に被着せ
しめ、1時間耐火試験(JISA 1304準拠)を行
なって得られた角鋼管の温度変化を示すもので、かかる
耐火薄層でも、本発明の鋼材は充分その目的を達成でき
る。
さらに、第14図のグラフは、本発明の鋼板をデツキプ
レートに加工し、裏面に7.5 mm厚にロックウール
を基材とする繊維質耐火材を湿式法によって吹き付けた
ものを、1時間耐火試験(JIS A1304準拠)し
て得られた結果を示すもので、デツキプレート自体の温
度は600’Cを超えないので、有効な耐火鋼材として
本発明鋼材が使用できることが確認された。
つぎに、第15図、第16図は無被覆鉄骨の火災試験に
おいて放射率が0.7および0.4の場合の昇温曲線を
示すグラフで、Tは板厚である。
第15図、第16図から明らかなように、板厚が100
 mmであれば本発明の鋼材は無被覆で1時間耐火にお
いて、まったく問題が無い。
さらに、本発明者らの研究では、放射率が0.7でも板
厚が70mm以上あれば1時間耐火で問題が無く、アル
ミニウム箔などの極薄金属を展着した本発明鋼材であれ
ば、板厚40mmまでは断熱耐火材を被覆すること無く
使用出来ることが判った。
また、本発明鋼材を建築用鋼材料の一例としてビルドア
ップ形鋼の構造部材の一部に用いると、設計要求に対し
、圧延形鋼のような寸法制限が無く、寸法裕度が広く柔
軟な対応が可能なうえに、加えて耐火性能が優れ、経済
性に富む建築用鋼材料を得ることができる。以下その実
施例について説明する。
第17図(a)〜(f)は、本発明にががるビルドアッ
プ耐熱形鋼の実施例にかかる概略断面図で、(a)はI
形鋼13の断面図で、フランジ14は本発明鋼材、フラ
ンジ15a、およびウェブ15bはJIS G 310
1にかかる一般構造用圧延鋼材から構成されている。
(b)は溝形鋼16の断面図で、フランジ17(32) (33) は本発明鋼材、フランジ18a、ウェブ18bはJIS
 G 3106にかかる溶接構造用圧延鋼材から構成さ
れている。
(C)は山形鋼19の断面図で、フランジ20は本発明
鋼材、フランジ21は溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材J
IS G 3114から構成されている。
(d)は角鋼管22の断面図で、溝形鋼23は本発明鋼
材、溝形鋼24は高耐候性圧延鋼材JIS G 312
5から構成されている。
(e)は柱材25の断面図で、リップ溝形鋼26は本発
明鋼材、リップ溝形鋼27は一般構造用鋼材JIS G
 3101から構成されている。
(f)はH形鋼28の断面図で、フランジ29a、ウェ
ブ29bは本発明鋼材、フランジ30は一般構造用鋼材
JIS G 3101から構成されている。
さて、第18図は、前記H形鋼28を梁に用いて、コン
クリート床版31を支承した実施例にかかる部分断面図
で、フランジ29a、ウェブ29bは本発明鋼材で構成
され火災荷重が小さい場合は、耐火被覆を施す必要がな
いため、耐火断熱層32の厚さT2は該耐火断熱層32
の表面を示す破線33で示すようにフランジ30を覆う
にたる保護厚さで充分であり、火災荷重の大きい場合で
も、その耐火断熱層の厚さは従来の半分以下で済む。
従来のH形鋼では一点鎖線34で囲われた厚さT1の耐
火被覆が必要であったが、本発明にか〜る鋼材の場合節
減出来る耐火被覆量は前述の差となるため、その経費節
減量は多大である。
次に、第19図は柱材35に外壁コンクリート36を取
付けた実施例にかかる概略断面図で、37は内装ボード
、38は支持梁を示す。前記柱材35は本発明鋼材から
なるリップ溝形鋼39と一般構造用鋼材JIS G 3
101からなるリップ溝形鋼40から構成されている。
従来であれば一点鎖線41で示す耐火被覆厚さが必要で
あるが、前記柱材35の露出表面39aは本発明鋼材な
ので、耐火被覆材42は符号T3で示す如く、最大の厚
さでも前記露出表面39aと同一で済み、火災荷重が大
きい場合でも、符号T4で示すようにやや厚い耐火被覆
層でよいため、耐火被覆材の節減量は多大である。
次に、第20図は下側フランジ43のみが本発明鋼材か
らなるH形鋼44を用いて床版45を支承し、コンクリ
ート充填材46を前記1−I形tIA44のフランジ間
に充填した部分断面図で、従来はH形鋼全体をコンクリ
ートで厚く包む必要があったが、本発明では、図に示す
ように簡略化することが可能になる。
第21図は、H形鋼を建築物の柱材に用いた例にかかり
、内側フランジ47のみが本発明鋼材であるH形鋼48
を用いて外壁材49を支持している部分断面図で、両フ
ランジ間には第20図のコンクリートの代りに繊維質耐
熱材50の充填を行なうが、従来のように、H形鋼4日
を厚く繊維質耐熱材もしくはコンクリートで包み込む必
要は無い。
第22図は同様に、H形鋼を建築物の柱材に用いた例に
かかり、内側フランジ51のみが本発明鋼材であるH形
鋼52を用いてブロック壁材53を支持している部分断
面図で、前記ブロック壁材53と内側フランジ51間に
コンクリートもしくは繊維質耐熱材54を充填する。従
来では内側フランジ51を含めて厚くコンクリートで包
み込んでいたが、本発明では図のように、簡単な耐火構
造とすることが可能である。
勿論、この例でも火災荷重が大きい場合には、内側フラ
ンジ51を露出しないように、耐火被覆することは当然
であるが、その場合も従来に比して、大幅に薄くたとえ
ば半分の厚さにしても良い。
次に、第23図(a)、(b)は一般構造用鋼材JIS
 G 3401からなるH形1iI55と本発明鋼材か
らなるH形鋼56の概略断面図で、それぞれのウェブを
鋸歯状に切断し、第24図に示すようにそれぞれの半裁
体55a、56aを互いに溶接57a、57bし、ハニ
カムウェブ形鋼58を形成すると、耐力の優れた有用な
梁材が得られる。
前記ハニカムウェブ形鋼58は、従来のものと異なり、
下側が本発明鋼材なので、前述の如く耐火被覆を軽減も
しくは無くすことが可能であり、また貫通孔59 、6
0 、61は配管用として利用度が高(36) (37) く、したがって高層建築物用の構造材として空間容積を
大きくすることが出来、前記各種配管の設備費を低減出
来るため経済効率の良い部材として、広い範囲で活用出
来る。
第25図は、前記ハニカムウェブ形鋼58を第20図の
例のように梁材として用いる例にかかり、コンクリート
62の充填を実施する際には、前記貫通孔59 、60
 、61があるため、コンクリート充填作業を非常に高
能率に実施することが出来る。
この場合、前記ハニカムウェブ形鋼58について前述の
とおり耐火被覆を軽減もしくは無くすことが可能なので
、その経済効果は多大である。
〔実施例〕
周知の転炉、連続鋳造、厚板工程で種々の鋼成分の銅板
(厚み15を75m+n)を製造し、常温耐力(降伏強
度)、高温耐力(降伏強度)などを調査した。第1表の
N091〜No、30に本発明鋼を、No、31〜No
、40に比較鋼の化学成分を示す。続いて第2表に本発
明鋼と比較鋼について、加熱、圧延、冷却条件別に機械
的特性を示す。第2表の本発明例No。
1〜No、30の例では、すべて良好な常温及び高温耐
力を有している。これに対し、比較例のN014では、
圧延後の水冷開始温度がAr3温度以上であるため常温
耐力が高く、600℃の耐力との比が70%を満足出来
ず、No、 6では、加熱温度が低く、圧延温度も低い
ため常温耐力が高くなり、600℃の耐力との比(以下
耐力比)が70%を満足出来ず、N08は圧延ままで製
造し、且つ800℃を切る温度で圧延したため、常温の
耐力は高いが600℃での耐力が低く、耐力比を満足出
来なかった。また、No。
9では、No、 4と同様に水冷開始温度が高いため耐
力比を満足出来ず、No、 10の焼入、焼き戻しのプ
ロセスでも同様で耐力比が満足出来ず、No、13では
No。
8と同様に圧延ままのため耐力比が満足出来ず、No、
 16では、水冷開始温度がAr3以下であるが、本発
明例の温度範囲より高いため耐力比を満足出来ず、No
、17ではNo、 6と同様の理由で耐力比が満足出来
ず、No、 19では水冷開始温度が低く過ぎ耐力比が
満足出来ず、No、20では、加熱温度が低く過ぎのた
め耐力比が満足出来なかった。さらに、比較例のNo、
31〜No、40は化学成分がいずれも本発明鋼の範囲
から外れているため耐力比を満足出来なかった。
すなわち、No、31では、Moが低く、No、32で
は、Mnが低く、No、33では、Moが無添加である
ため、No。
34では、Mo量が多過ぎ且つ水冷開始温度が高層ぎの
ため、No、35〜No、40では、Moが少なく、耐
力比が満足出来なかった。
以下余白 (40) 特開平3 6322 (14) 特開平3 6322 (18) 〔発明の効果〕 本発明にかかる化学成分および製造法で製造した鋼材は
、600℃の高温耐力(降伏強度)が常温耐力(降伏強
度)の70%(略々2/3)以上で、常温の降伏比(降
伏点/引張強)も低く、溶接性も良好である等の特徴を
備えており、無被覆もしくは従来の耐火被覆の20〜5
0%の被覆厚さで耐火目的を達成できるので、耐火施工
にかかるコストを大幅に引き下げることが可能である。
また、大量生産が可能で、しかも価格も安く、溶接など
施工も用意で、建設工期を短縮でき、 全体として建築費が低兼で済む。
また、製造方法についても、特に難しい操業の必要がな
いので、経済的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明鋼と比較鋼にかかる耐力の比較グラフ、
第2図は弾性係数の比較グラフ、第3図は本発明鋼にか
かるクリープ特性グラフ、第4図は、比較鋼にかかるク
リープ特性グラフ、第5図は本発明にかかるH形鋼に吹
き付はロックウール(湿式)を展着した柱の概略立面図
(a)およびA−A断面図(b)、第6図は前記柱の昇
温曲線を示すグラフ、第7図は前記柱の変形を示すグラ
フ、第8図は本発明にかかるH形鋼に吹き付はロックウ
ール(湿式)を展着したはりの概略立面図(a)および
A−A断面図(b)、第9図は前記はりの昇温曲線を示
すグラフ、第10図は前記はりの変形を示すグラフ、第
11図は防熱盾板を装着した鋼材の概略横断面図、第1
2図は、前記鋼材の昇温曲線を示すグラフ、第13図お
よび第14図はコンクリート充填鋼管およびデツキプレ
ートの昇温曲線を示すグラフ、第15図および第16図
は、それぞれ放射率の異なった無被覆鉄骨昇温曲線を示
すグラフ、第17図(a)〜(f)は本発明にかかるビ
ルドアップ耐熱形鋼の概略断面図、第18図〜第22図
は本発明にかかるビルドアップ耐熱形鋼の実施例概略断
面図、第23図(a)、(b)はH形鋼の概略断面図、
第24図はハニカムウェブ耐熱形鋼の概略側面図、第2
5図は本発明にかかるハニカムウェブ耐熱形鋼の実施例
概略断面図である。 1・・・H形鋼、 3・・・H形鋼、 5・・・はり上側フランジ、 7・・・ウェブ、 9・・・薄鋼板、 11・・・取付金具、 13・・弓形鋼、 15a・・・フランジ、 16・・・溝形鋼、 18a・・・フランジ、 19・・・山形鋼、 21・・・フランジ、 23・・・溝形鋼、 25・・・柱材、 27・・・リップ溝形鋼、 29a・・・フランジ、 30・・・フランジ、 31・・・コンクリ−1・床板、 32・・・耐火断熱層、  33・・・破線、2・・・
耐火材、 4・・・耐火材、 6・・・はり下側フランジ、 8・・・H形鋼、 10・・・梁、 12・・・コンクリート床、 14・・・フランジ、 15b・・・ウェブ、 17・・・フランジ、 18b・・・ウェブ、 20・・・フランジ、 22・・・角鋼管、 24・・・溝形鋼、 26・・・リップ溝形鋼、 28・・・H形鋼、 29b・・・ウェブ、 36・・・外壁コンクリート、 37・・・内装ボード、  38・・・支持梁、39’
、40・・・リップ溝形鋼、42・・・耐火被覆材、4
3・・・下側フランジ、 44・・・H形鋼、45・・
・床版、 46・・・コンクリート充填材、 47・・・内側フランジ、 48・・・H形鋼、49・
・・外壁材、    50・・・繊維質耐熱材、51・
・・内側フランジ、 52・・・IJ形鋼、53・・・
ブロック壁材、 54・・・繊維質耐熱材、55・・・
H形鋼、    55a・・・H形鋼半裁材、56・・
・H形鋼、    56b・・・H形鋼半裁材、57 
a 、 57 b −溶接、 58・・・ハニカムウェブ形鋼、 59 、60 、61・・・貫通孔、  62・・・コ
ンクリート。 (50) (51) 第 2 図 第 図 137− 8 2 ]0 第11図 (0,)if票 (Oo)筆票 第19■ 29a 第21図 第22図

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.重量比でC0.04〜0.15%、Si0.6%以
    下、Mn0.5〜1.6%、Mo0.2〜0.7%、A
    l0.1%以下、N0.006%以下、残部がFe及び
    不可避的不純物からなる鋼片を1100〜1300℃の
    温度域で加熱し、熱間圧延を800℃〜1000℃の温
    度範囲で終了した後、鋼板をAr_3−20℃〜Ar_
    3−100℃まで空冷し、続いてこの温度から3〜40
    ℃/秒の冷却速度で550℃以下の任意の温度まで水冷
    し、その後放冷することを特徴とする耐火性の優れた建
    築用低降伏比鋼材の製造方法。
  2. 2.重量比でC0.04〜0.15%、Si0.6%以
    下、Mn0.5〜1.6%、Mo0.2〜0.7%、A
    l0.1%以下、N0.006%以下に更にNb0.0
    05〜0.04%、Ti0.005〜0.10%、Zr
    0.005〜0.03%、V0.005〜0.10%、
    Ni0.05〜0.5%、Cu0.05〜1.0%、C
    r0.05〜1.0%、B0.0003〜0.002%
    、Ca0.0005〜0.005%、REM0.001
    〜0.02%のうち1種または2種以上を含有し残部が
    Fe及び不可避的不純物からなる鋼片を1100〜13
    00℃の温度域で加熱し、熱間圧延を800℃〜100
    0℃の温度範囲で終了した後、鋼板をAr_3−20℃
    −Ar_3−100℃まで空冷し、続いてこの温度から
    3〜40℃/秒の冷却速度で550℃以下の任意の温度
    まで水冷し、その後放冷することを特徴とする耐火性の
    優れた建築用低降伏比鋼材の製造方法。
  3. 3.請求項1または2記載の方法により得られた鋼材を
    さらに熱間工程において塑性加工する耐火性の優れた建
    築用低降伏比鋼材の製造方法。
  4. 4.請求項1または2記載の方法により得られた鋼材を
    冷間工程において塑性加工する耐火性の優れた建築用低
    降伏比鋼材の製造方法。
  5. 5.請求項1、2、3又は4記載の方法により得られた
    鋼材受熱表面に、無機系繊維質耐火薄層材を展着せしめ
    てなる耐火性の優れた建築用低降伏比鋼材料。
  6. 6.請求項1、2、3又は4記載の方法により得られた
    鋼材受熱表面に、高耐熱性塗料を被着せしめてなる耐火
    性の優れた建築用低降伏比鋼材料。
  7. 7.請求項1、2、3又は4記載の方法により得られた
    鋼材受熱表面に、防熱盾板を装着せしめてなる耐火性の
    優れた建築用低降伏比鋼材料。
  8. 8.請求項1、2、3又は4記載の方法により得られた
    中空鋼材にコンクリートを充填してなる耐火性の優れた
    建築用低降伏比鋼材料。
  9. 9.請求項1、2、3又は4記載の方法により得られた
    鋼材表面に、極薄金属を展着してなる耐火性の優れた建
    築用低降伏比鋼材料。
  10. 10.請求項1、2、3又は4記載の方法により得られ
    た鋼材と一般構造用鋼材を所定形状に成形して溶接接合
    してなる建築用低降伏比鋼材料。
  11. 11.一般構造用鋼材が、一般構造用圧延鋼材、溶接構
    造用圧延鋼材、溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材、高耐候
    性圧延鋼材のうちの一種である請求項10記載の建築用
    低降伏比鋼材料。
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