JPH03271342A - 耐火性と溶接性の優れた建築用薄手低降伏比鋼の製造方法 - Google Patents

耐火性と溶接性の優れた建築用薄手低降伏比鋼の製造方法

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JPH03271342A
JPH03271342A JP7256690A JP7256690A JPH03271342A JP H03271342 A JPH03271342 A JP H03271342A JP 7256690 A JP7256690 A JP 7256690A JP 7256690 A JP7256690 A JP 7256690A JP H03271342 A JPH03271342 A JP H03271342A
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力雄 千々岩
Hiroshi Tamehiro
為広 博
Yoshio Terada
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は建築、土木及び海洋構造物等の分野における、
各種構造物に用いる耐火性と溶接性の優れた低降伏比鋼
の製造方法に関する。
(従来の技術) 周知の通り建築、土木及び海洋構造物等の分野における
各種構造物用構築材として、−膜構造用圧延鋼材(JI
S G 3101) 、溶接構造用圧延鋼材(JIS 
G 310B) 、溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材(J
IS G 3114) 、高耐候性圧延鋼材(JISG
3444) 、−膜構造用角形鋼板(JIS G 34
66)等が広く利用されている。
前記周知鋼材は、通常高炉によって得られた溶銑を脱S
、脱Pしたのち転炉精錬を行ない、連続鋳造もしくは分
塊工程において鋼片とし、ついで熱間塑性加工すること
により、所望の特性を備えたものとして製品化される。
ところで、各種建造物のうち、特に生活に密着したビル
や事務所及び住居等の建造物に前記周知鋼材を用いる場
合、火災における安全性を確保するため、十分な耐火被
覆を施すことが義務ずけられており、建築関係諸法令で
は、火災時に鋼材温度が350℃以上にならぬように規
定している。
つまり、前記周知鋼材は建築物に使用する場合、350
℃程度で耐力が常温時の60〜70%になり、建造物の
倒壊を引き起こす恐れがあるため、たとえば、−膜構造
用圧延鋼材CJrSG 3101)に規定される形鋼を
柱材とする構造物の例では、その表面にスラグウール、
ガラスウール、アスベスト等を基材とする吹付材やフェ
ルトを展着するほか、防火モルタルで包皮する方法及び
前記断熱材層の上に、さらに金属薄板すなわちアルミニ
ウムやステンレス薄板で保護する方法等、耐火被覆を入
念に施し、火災時における熱的損傷により該鋼材が載荷
力を失うことのないようにして利用する。
そのため、鋼材費用に比し耐火被覆工費が高額になり、
建築コストが大幅に上昇することを避けることができな
い。そこで、構築材として丸あるいは角鋼管を用い、冷
却水が循環するように構成し、火災時における温度上昇
を防止し載荷力を低下させない技術が提案され、ビルの
建設コストの引き下げと利用空間の拡大が図られている
たとえば、実公昭52−16021号公報には、建築物
の上部に水タンクを置き、中空鋼管からなる柱材に冷却
水を供給する耐火構造建造物が開示されている。また、
特願平01−2134711号では、一定量のMoの添
加とC/ M n比の制限及び焼入性の確保によりミク
ロ組織をベイナイトとして、600℃の高温強度が常温
強度の70%以上確保できることが示されている。
しかしながら、この方法では、建築物を建造中に大入熱
の溶接が使用されミ且つ、靭性が要求されるようなケー
スにおいてはT i N’?Z rN。
CaやREMが添加されてないため、不十分である。さ
らに、特願平Of −268089号では、溶接性や溶
接部靭性を確保するため、TiN、ZrN。
Ca、REMを使用することが述べられている。
しかしながら、この方法では、Ni、Cu、Cr。
V等の元素を添加していないため、常温と600℃の強
度確保はMn、Mo等の合金元素の添加に頼らざるを得
ず、そのため、大入熱溶接時に靭性が不十分となる問題
点を含んでいた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、火災時における鋼材強度について研究の
結果、無被覆使用を目標とした場合、火災時の最高到達
温度が1000℃であることから、鋼材が該温度で常温
耐力の70%以上の耐力を備えるためには、やはり高価
な金属元素を多量に添加せねばならず、経済性を失する
ことを知った。
つまり、周知の鋼材費とそれに加え耐火被覆を施工する
費用以上に鋼材単価が高くなり、そのような鋼材は実際
的に利用することができない。
そこで、さらに研究を進めた結果、600℃での高温耐
力が常温時の70%以上となる鋼材が最も経済的である
ことをつきとめ、高価な添加元素の量を少なくし、且つ
、耐火被覆を薄くすることが可能で、火災荷重が小さい
場合は、無被覆で使用することができる鋼材の製造方法
を開発した。
(課題を解決するための手段) 本発明は前述の課題を克服し、目的を達成するもので、
重量比で、C0.02〜0.10%、Si0.6%以下
、Mn 0.8〜2.0%、Mo 0.2〜0.7%、
Ni0.05〜0.60%、Cu 0.05〜1.0%
、Cr0.05〜0.50%、V 0.005〜0.1
0%、Al  0.1%以下、No、ooe%以下に加
えてT l 0.005〜0.03%、Zr0.005
〜0.03%、Ca 0.0005〜0.005%、R
EM0.001〜0.005%の1種または2種以上、
残部がFe及び不可避的不純物を含み、しかも、C/M
nの比が0.05以下で、(1)式で与えられるDi*
値が0.80以上の成分組成よりなる鋼片を1150〜
1300℃の温度域で再加熱後、熱間圧延を800℃〜
1000℃の温度範囲で終了して、ミクロ組織をベイナ
イトとすることを特徴とする耐火性と溶接性の優れた建
築用薄手低降伏比鋼の製造方法である。
(1)式; %式%) ) ) ) さて、本発明の特徴は、低C−中〜高Mn鋼にMoを添
加し、C/Mnの比が0.05以下で、(1)式で与え
られるDi*が0.80以上の成分組成の鋼片を高温で
再加熱したのち、比較的高温で圧延を終了することにあ
り、本発明法によって製造した鋼及び鋼材(以下鋼)は
、適当な常温耐力と低い降伏比を有するとともに、高温
耐力が高く溶接性も良好である特性を備えている。
つまり、常温耐力に対し600℃の温度域に於ける耐力
の割合が大きい。この理由は低Cのベース成分でベイナ
イト組織としているためで、これに対し、ベース成分の
Ciiが高いと、ミクロ組織かベイナイトでも、常温の
降伏比が高くなり耐震性を満足させることができない。
また、ベース成分が低Cでも、焼入性が低いと、常温と
600℃の強度が不十分である。
つぎに、本発明にかかる特徴的な成分元素とその添加量
について説明する。
Moは微細な炭窒化物を形成し、さらに、固溶体強化に
よって高温強度を増加させるが、ミクロ組織がベイナイ
トの場合、その添加量は比較的少ない量で600℃の高
温強度を確保することができる。本発明者等は研究の結
果、常温の強度と600℃の高温強度を確保するために
は、低Cのベース成分にMoを添加してミクロ組織をベ
イナイト化することが有効なことを見出した。
しかしながら、Mo量が高すぎると、溶接性が悪くなり
、さらに、溶接熱影響部(HAZ)の靭性が劣化するの
で、Mo量の上限は0.7%とする必要がある。さて、
常温において、溶接構造用圧延鋼材(JIS G 31
08)に規定する性能を満足し、且つ、600℃の高温
において高い耐力を維持せしめるためには、鋼成分と共
に鋼の再加熱及び圧延にかかる条件が重要である。
前述のMo添加による高温強度の増大を図るには、Mo
を再加熱時に十分に溶体化させる必要があり、このため
再加熱温度の下限を1150℃とする。
また、再加熱温度が高すぎると結晶粒が大きくなって低
温靭性が劣化するので、その上限は1300℃にせねば
ならない。
さらに、圧延終了温度を800℃以上とする理由は、圧
延中にMoの炭窒化物を析出させないためである。周知
の低温圧延(制御圧延)はラインパイプ等低温靭性が必
要な鋼材では必須要件であるが、本発明鋼のように低温
靭性について、高い要求がなく、常温強度と600℃の
強度及び、そのバランスが重要な場合には、ミクロ組織
をベイナイト化するため、圧延を高温で終了せねばなら
ない。
また、本発明において、圧延終了温度の上限をtooo
℃としたのは、建築用鋼としての靭性を確保するためで
ある。さらに、圧延後の冷却速度もミクロ組織に影響を
与えるので、本発明鋼では圧延後の空冷で、ミクロ組織
をベイナイトとするため、製造板厚は50mm以下が好
ましい。
さて、高温強度を上昇せしめるため、Moを利用するこ
とは、従来のボイラー用鋼管等に利用されている鋼では
知られているが、建築用に用いる耐火鋼材として微量の
Moに加えてベース成分のC/ M n比を抑え、焼入
性(D i *)を確保し、ミクロ組織をベイナイト化
して、常温と高温の強度を満足させた鋼材は知られてい
ない。ボイラー用に使用されている鋼は基本的な特性を
得るため、圧延後に調質熱処理を施しており、本発明鋼
とは製造プロセスが異なる。
つぎに、本発明における前記Mo以外の成分限定理由に
ついて詳細に説明する。
Cは母材及び溶接部の強度確保ならびにMoの添加効果
を発揮させるために必要であり、0,02%未満では効
果が薄れるので下限は0,02%とする。
また、C量が多すぎると常温の降伏比が上昇し、さらに
、HAZの低温靭性に悪影響をおよぼすので、0.10
%が上限となる。
Slは脱酸上鋼に含まれる元素で、Si量が多くなると
溶接性、HAZ靭性が劣化するため、その上限を0.6
%とした。
つぎに、Mnは強度、靭性を確保する上で不可欠の元素
であり、その下限は0.8%である。しかし、Mn量が
多すぎると焼入性が増加して溶接性、HAZ靭性が劣化
するため、Mnの上限を2.0%とした。
Nlは溶接性、HAZ靭性に悪影響を及ぼすことなく、
母材の強度、靭性を向上させるが、0.05%未満では
効果が薄く、0.6%超の添加は建築用鋼としての目的
に対し、極めて高価になるため経済性を失うので、上限
は0.6%とした。
CuはN1とほぼ同様な効果を持つほか、Cu析出物に
よる高温強度の増加や耐食性、耐候性の向上にも効果を
有する。しかし、Cu量が1.0%を超えると熱間圧延
時にCu割れが発生し製造が困難になり、また、0.0
5%未満では効果が無いのでCu量は0.05〜1.0
%に限定した。
Cr量は母材及び溶接部の強度を高める元素であり、C
r量が0.5%を超えると溶接性やHAZ靭性を劣化さ
せ、また、0.05%未満では効果が薄いため、0.0
5%〜0.5%に限定する。
VはNと結合してVNを形成し高温強度に効果を発揮す
る。しかしながら、0.005%未満では、その効果は
認められず、(1,10%超では溶接性に害を及ぼすた
め0.005〜0.10%の範囲とした。
AIは一般に脱酸上鋼に含まれる元素であるが、Sl及
びTIによっても脱酸は行なわれるので、本発明ではA
Iについては下限は限定しない。しかしAI量が多くな
ると鋼の清浄度が悪くなり、溶接部の靭性が劣化するの
で上限を0.10%とした。
Nは一般に不可避的不純物として鋼中に含まれるもので
あるが、N量が多くなるとHAZ靭性の劣化や連続鋳造
スラブの表面キズの発生等を助長するので、その上限を
o、ooe%とした。
なお、本発明鋼は、不可避的不純物としてP及びSを含
有する。P、Sは高温強度に与える影響は小さいので、
その量について特に限定はしないが、一般に靭性、板厚
方向強度等に関する鋼の特性は、これらP、S元素の量
が少ないほど向上する。望ましいP、SJIはそれぞれ
0.02%、 0.005%以下である。
基本的な特性を得るための成分は以上のとうりであるが
、本発明鋼は用途が厳しい条件(溶接部の水素割れ性が
要求されたり、大人熱の溶接が適用される)での適用を
考慮しており、以下に述べる元素即ちTI 、Zr、C
a、REMを選択的に添加することにより特性の向上を
図っている。
T1は炭窒化物を形成してHAZ靭性を向上させる。A
fi量が少ない場合、T1の酸化物を形成しHAZ靭性
を向上させるが、0.005%未満では効果がなく、0
.03%を超えるとHAZ靭性に好ましくない影響があ
るため0.005〜0.03%に限定する。
ZrはT1とほぼ同じ効果をもつが、その効果が有効な
範囲は0.005〜0.03%である。
Ca、REMは硫化物(MnS)の形態を制御し、溶接
部のラメラ−テアの改善や耐水素有機割れ性の改善に効
果を発揮するほか、シャルピー吸収エネルギーを増加さ
せ、低温靭性を向上させる効果がある。しかし、Ca量
は0.0005%未満では実用上効果がなく、また、0
.005%を超えると、Cab、CaSが多量に生成し
て大形介在物となり、鋼の靭性のみならず清浄度も害し
、さらに、溶接性、耐ラメラ−テア性にも悪影響を与え
るので、Ca添加量の範囲を0.0005%〜0.00
5%とする。
また、REMについてもCaと同様な効果があり、添加
量を多くするとCaと同様な問題を生じ、さらに経済性
も悪くなるので、REMiの下限を0.001%、上限
を0.005%とした。
(実 施 例) 周知の転炉、連続鋳造、厚板工程で鋼板を製造し、常温
強度、高温強度、板厚方向特性、再現HAZ靭性等を調
査した。
第1表の胤1〜lOに本発明鋼を、No、1l−15に
比較鋼の化学成分を示す。
続いて第2表に本発明鋼と比較鋼について、加熱、圧延
、条件別に機械的特性を示す。
第2表の本発明鋼N0.1〜IOの例では、すべて良好
な常温及び高温強度を有している。また、本発明鋼はH
AZ靭性改善のため、Ti1もしくはZrを添加してお
り再現HAZ靭性もすべて良好である。さらに、板厚方
向の特性改善のため、CaやREMを添加した鋼No、
2.3.4.8.10は板厚方向の絞り値が良好である
これに対し、比較鋼No、1では、常温と高温の強度は
十分な値であるが、TI、Zr等を添加してないため、
HAZ靭性が極めて悪い。比較鋼No、2では、Di*
(焼入性)が低いため、常温と高温の強度が不十分であ
る。比較鋼N11L3ては、C/Mn比が高すぎるため
、常温の降伏強度かたかく、YRが不十分である。比較
鋼弘4では、成分範囲は発明鋼と同じであるが、加速冷
却法で製造しているため、常温の降伏強度が高すぎるた
め、YRが不十分である。比較鋼N0.5もNo、4と
同様の理由で常温のYRが不十分である。
(発明の効果) 本発明の化学成分及び製造法で製造した鋼材は600℃
の降伏強度が高く且つ、600℃の降伏強度が常温降伏
強度の70%以上で、常温の降伏比(YS/TS)も7
5%以下と低く、溶接性、溶接継手靭性、板厚方向特性
が良好である等の特徴を兼ね備えた全く新しい鋼である
代 理 人

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、重量比で C0.02〜0.10%、 Si0.6%以下、 Mn0.8〜2.0%、 Mo0.2〜0.7%、 Ni0.05〜0.60%、 Cu0.05〜1.0%。 Cr0.05〜0.50%、 V0.005〜0.10%、 Al0.1%以下。 N0.006%以下、 に加えて Ti0.005〜0.03%。 Zr0.005〜0.03%、 Ca0.0005〜0.005%、 REM0.001〜0.005% の1種または2種以上残部がFe及び不可避的不純物を
    含み、しかも、C/Mnの比が0.05以下で、(1)
    式で与えられるDi*値が0.80以上の成分組成より
    なる鋼片を1150〜1300℃の温度域で再加熱後、
    熱間圧延を800℃〜1000℃の温度範囲で終了して
    、ミクロ組織をベイナイトとすることを特徴とする耐火
    性と溶接性の優れた建築用薄手低降伏比鋼の製造方法。 (1)式; Di*=0.316√C(1+0.7Si)(4.1M
    n+0.35)(1+3Mo)(1+2.16Cr)(
    1+0.36Ni)(1+0.365Cu)(成分単位
    ;重量%)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104988394A (zh) * 2015-06-14 2015-10-21 秦皇岛首秦金属材料有限公司 一种调质s460g1+q结构钢及其制造方法

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JPH0277523A (ja) * 1988-06-13 1990-03-16 Nippon Steel Corp 耐火性の優れた建築用低降伏比鋼材の製造方法およびその鋼材を用いた建築用鋼材料

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