JPH0756044B2 - 耐火性の優れた低降伏比h形鋼の製造方法 - Google Patents
耐火性の優れた低降伏比h形鋼の製造方法Info
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- JPH0756044B2 JPH0756044B2 JP3235790A JP3235790A JPH0756044B2 JP H0756044 B2 JPH0756044 B2 JP H0756044B2 JP 3235790 A JP3235790 A JP 3235790A JP 3235790 A JP3235790 A JP 3235790A JP H0756044 B2 JPH0756044 B2 JP H0756044B2
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B1/00—Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
- B21B1/08—Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
- B21B1/088—H- or I-sections
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metal Rolling (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築、土木の分野において、各種建造物に用い
る耐火性の優れた低降伏比H形鋼の製造方法に関する。
る耐火性の優れた低降伏比H形鋼の製造方法に関する。
周知の通り建築、土木の分野における各種建造物用構築
材として、一般構造用圧延鋼材(JIS G 3101)、溶接構
造用圧延鋼材(JIS G 3106)、溶接構造用耐候性熱間圧
延鋼材(JIS G 3114)、高耐候性圧延鋼材(JIS G 312
5)及び一般構造用炭素鋼鋼管(JIS G 3444)、一般構
造用角形鋼板(JIS G 3466)等が広く利用されている。
材として、一般構造用圧延鋼材(JIS G 3101)、溶接構
造用圧延鋼材(JIS G 3106)、溶接構造用耐候性熱間圧
延鋼材(JIS G 3114)、高耐候性圧延鋼材(JIS G 312
5)及び一般構造用炭素鋼鋼管(JIS G 3444)、一般構
造用角形鋼板(JIS G 3466)等が広く利用されている。
前記周知鋼材は、通常高炉によって得られた溶銑を脱
S、脱Pしたのち転炉精錬を行ない、連続鋳造もしくは
分塊工程において鋼片とし、ついで熱間塑性加工するこ
とにより、所望の特性を備えたものとして製品化され
る。
S、脱Pしたのち転炉精錬を行ない、連続鋳造もしくは
分塊工程において鋼片とし、ついで熱間塑性加工するこ
とにより、所望の特性を備えたものとして製品化され
る。
ところで、各種建造物のうち、特に生活に密着したビル
や事務所及び住居等の建造物に前記周知鋼材を用いる場
合、火災における安全性を確保するため、十分な耐火被
覆を施すことが義務ずけられており、建築関係諸法令で
は、火災時に鋼材温度が350℃以上にならぬように規定
している。つまり、前記周知鋼材は建築物に使用する場
合、350℃程度で耐力が常温時の60〜70%になり、建築
物の倒壊を引き起こす恐れがあるため、たとえば、一般
構造用圧延鋼材(JIS G 3101)に規定される形鋼を柱材
とする建造物の例では、その表面にスラグウール、ガラ
スウール、アスベスト等を基材とする吹き付け材やフェ
ルトを展着するほか、防火モルタルで包皮する方法及び
前記断熱材層の上に、さらに金属薄板即ちアルミニウム
やステンレス薄板で保護する方法等、耐火被覆を入念に
施し、火災時における熱的損傷により該鋼材が載荷力を
失うことのないようにして利用する。そのため、鋼材費
用に比し耐火被覆工費が高額になり、建築コストが大幅
に上昇することを避けることが出来ない。
や事務所及び住居等の建造物に前記周知鋼材を用いる場
合、火災における安全性を確保するため、十分な耐火被
覆を施すことが義務ずけられており、建築関係諸法令で
は、火災時に鋼材温度が350℃以上にならぬように規定
している。つまり、前記周知鋼材は建築物に使用する場
合、350℃程度で耐力が常温時の60〜70%になり、建築
物の倒壊を引き起こす恐れがあるため、たとえば、一般
構造用圧延鋼材(JIS G 3101)に規定される形鋼を柱材
とする建造物の例では、その表面にスラグウール、ガラ
スウール、アスベスト等を基材とする吹き付け材やフェ
ルトを展着するほか、防火モルタルで包皮する方法及び
前記断熱材層の上に、さらに金属薄板即ちアルミニウム
やステンレス薄板で保護する方法等、耐火被覆を入念に
施し、火災時における熱的損傷により該鋼材が載荷力を
失うことのないようにして利用する。そのため、鋼材費
用に比し耐火被覆工費が高額になり、建築コストが大幅
に上昇することを避けることが出来ない。
そのため、構築材として丸あるいは角鋼管を用い、冷却
水が循環するように構成し、火災時における温度上昇を
防止し、載荷力を低下させない技術が提案され、ビルの
建設コストの引き下げと利用空間の拡大が図られてい
る。
水が循環するように構成し、火災時における温度上昇を
防止し、載荷力を低下させない技術が提案され、ビルの
建設コストの引き下げと利用空間の拡大が図られてい
る。
たとえば、実公昭52-16021号公報には、建築物の上部に
水タンクを置き、中空鋼管からなる柱材に冷却水を供給
する耐火構造建造物が開示されている。また、特願平01
-139328号明細書では、鋼材の基本成分として、相当量
のMoとNbを複合添加し、高温加熱−高温圧延法によりミ
クロ組織を比較的大きなフェライト主体組織として、60
0℃の高温強度が常温強度の70%以上確保出来ることが
提案されている。
水タンクを置き、中空鋼管からなる柱材に冷却水を供給
する耐火構造建造物が開示されている。また、特願平01
-139328号明細書では、鋼材の基本成分として、相当量
のMoとNbを複合添加し、高温加熱−高温圧延法によりミ
クロ組織を比較的大きなフェライト主体組織として、60
0℃の高温強度が常温強度の70%以上確保出来ることが
提案されている。
しかしながら、この方法では、複雑な形状をしたH形鋼
のウエブとフランジの両方の部位の常温と600℃の強度
特性を工業的に満足させることは出来ない。即ち、ウエ
ブとフランジの厚みの違いや圧延中の冷却水の効果が両
部位で異なるため、実質の圧延終了温度は100℃程度も
差が生じ、強度に影響を与える。これに加えて、薄手材
では、圧延終了温度の絶対値が低くならざるを得ず、圧
延中にフェライトが生成するため、フェライトが加工さ
れ、常温の降伏比が大幅に高くなる傾向があり、実用的
ではない。
のウエブとフランジの両方の部位の常温と600℃の強度
特性を工業的に満足させることは出来ない。即ち、ウエ
ブとフランジの厚みの違いや圧延中の冷却水の効果が両
部位で異なるため、実質の圧延終了温度は100℃程度も
差が生じ、強度に影響を与える。これに加えて、薄手材
では、圧延終了温度の絶対値が低くならざるを得ず、圧
延中にフェライトが生成するため、フェライトが加工さ
れ、常温の降伏比が大幅に高くなる傾向があり、実用的
ではない。
さらに、特願平01-139329号明細書では、一定量のMoを
含有した鋼を圧延後のオーステナイトとフェライト域の
一定の温度から水冷する方法を用いることにより、ミク
ロ組織を20〜50%の比較的大きなフェライトとベイナイ
トの混合組織とすることにより、常温の降伏比を低く抑
え、600℃の強度を確保していた。しかしながら、H形
鋼を圧延後の一定温度から水冷することは容易でなく、
ウエブとフランジの温度差を考慮すると十分な形状の確
保が出来ない。
含有した鋼を圧延後のオーステナイトとフェライト域の
一定の温度から水冷する方法を用いることにより、ミク
ロ組織を20〜50%の比較的大きなフェライトとベイナイ
トの混合組織とすることにより、常温の降伏比を低く抑
え、600℃の強度を確保していた。しかしながら、H形
鋼を圧延後の一定温度から水冷することは容易でなく、
ウエブとフランジの温度差を考慮すると十分な形状の確
保が出来ない。
本発明者らは、火災時における鋼材強度について研究の
結果、無被覆使用を目標とした場合、火災時の最高到達
温度が1000℃であることから、鋼材が該温度で常温耐力
の70%以上の耐力を備えるためには、やはり高価な金属
元素を多量に添加せねばならず、経済性を失することを
知った。つまり、周知の鋼材費とそれに加え耐火被覆を
施工する費用以上に鋼材単価が高くなり、そのような鋼
材は実際的に利用することが出来ない。そこで、さらに
研究を進めた結果、600℃での高温耐力が常温時の70%
以上となる鋼材が最も経済的であることをつきとめ、高
価な添加元素の量を少なくし、かつ耐火被覆を薄くする
ことが可能で、火災荷重が小さい場合は、無被覆で使用
することが出来るH形鋼の製造方法を開発した。
結果、無被覆使用を目標とした場合、火災時の最高到達
温度が1000℃であることから、鋼材が該温度で常温耐力
の70%以上の耐力を備えるためには、やはり高価な金属
元素を多量に添加せねばならず、経済性を失することを
知った。つまり、周知の鋼材費とそれに加え耐火被覆を
施工する費用以上に鋼材単価が高くなり、そのような鋼
材は実際的に利用することが出来ない。そこで、さらに
研究を進めた結果、600℃での高温耐力が常温時の70%
以上となる鋼材が最も経済的であることをつきとめ、高
価な添加元素の量を少なくし、かつ耐火被覆を薄くする
ことが可能で、火災荷重が小さい場合は、無被覆で使用
することが出来るH形鋼の製造方法を開発した。
本発明は前述の課題を克服し、目的を達成するもので、
その具体的手段は重量比で、 C 0.03〜0.15%,Si 0.6%以下、Mn 0.2〜1.0%,Mo 0.7
〜1.5%,Nb 0.005〜0.04%,Al 0.1%以下、N 0.001〜0.
0060%、必要によりNi 0.05〜0.50%,Cu 0.05〜0.50%,
Cr 0.05〜0.50%,V 0.005〜0.04%のうちの1種または
2種上、あるいはTi 0.005〜0.03%を含み、残部がFe及
び不可避的不純物よりなり、しかも下記(1)式で与え
られるDI値が0.80未満の成分組成よりなる鋼片を1200〜
1350℃の温度域で再加熱後、熱間圧延を750〜1050℃の
温度範囲で終了してミクロ組織をフェライト主体とする
ことを特徴とする耐火性の優れた低降伏比H形鋼の製造
方法である。
その具体的手段は重量比で、 C 0.03〜0.15%,Si 0.6%以下、Mn 0.2〜1.0%,Mo 0.7
〜1.5%,Nb 0.005〜0.04%,Al 0.1%以下、N 0.001〜0.
0060%、必要によりNi 0.05〜0.50%,Cu 0.05〜0.50%,
Cr 0.05〜0.50%,V 0.005〜0.04%のうちの1種または
2種上、あるいはTi 0.005〜0.03%を含み、残部がFe及
び不可避的不純物よりなり、しかも下記(1)式で与え
られるDI値が0.80未満の成分組成よりなる鋼片を1200〜
1350℃の温度域で再加熱後、熱間圧延を750〜1050℃の
温度範囲で終了してミクロ組織をフェライト主体とする
ことを特徴とする耐火性の優れた低降伏比H形鋼の製造
方法である。
〔作用〕 さて、本発明の特徴は、低Mn鋼に0.70%以上のMoとNbを
添加し、(1)式で与えられるDI値が0.80未満の成分組
成の鋼片を高温で再加熱したのち、比較的高温で圧延を
終了することにあり、本発明法によって製造したH形鋼
はウエブ、フランジともに、適当な常温耐力と低い降伏
比を有するとともに、高温耐力が高いとゆう特性を備え
ている。つまり、常温耐力に対し600℃の温度域に於け
る耐力の割合が大きい。この理由は低Mnのベース成分に
焼入性を抑えて、合金成分を添加しているためミクロ組
織がフェライト主体となることによる。また、焼入性を
抑えているため、常温と600℃の強度を確保するため、
0.70%以上のMoを添加して、これを補っている。さら
に、0.70%以上のMoの添加は圧延時の変態開始温度を低
下する働きがあり、H形鋼のような圧延温度が降下しや
すい場合に有効である。即ち、変態温度以下での圧延は
フェライト部が加工されるため、常温のYRが大幅に上昇
し高い降伏比となる。0.70%以上のMoの添加は変態開始
温度を約60℃以上も低下させる効果があり、低降伏比を
得る手段として有効である。
添加し、(1)式で与えられるDI値が0.80未満の成分組
成の鋼片を高温で再加熱したのち、比較的高温で圧延を
終了することにあり、本発明法によって製造したH形鋼
はウエブ、フランジともに、適当な常温耐力と低い降伏
比を有するとともに、高温耐力が高いとゆう特性を備え
ている。つまり、常温耐力に対し600℃の温度域に於け
る耐力の割合が大きい。この理由は低Mnのベース成分に
焼入性を抑えて、合金成分を添加しているためミクロ組
織がフェライト主体となることによる。また、焼入性を
抑えているため、常温と600℃の強度を確保するため、
0.70%以上のMoを添加して、これを補っている。さら
に、0.70%以上のMoの添加は圧延時の変態開始温度を低
下する働きがあり、H形鋼のような圧延温度が降下しや
すい場合に有効である。即ち、変態温度以下での圧延は
フェライト部が加工されるため、常温のYRが大幅に上昇
し高い降伏比となる。0.70%以上のMoの添加は変態開始
温度を約60℃以上も低下させる効果があり、低降伏比を
得る手段として有効である。
次に、本発明鋼にかかる特徴的な成分元素とその添加量
について説明する。
について説明する。
Mo,Nbは微細な炭窒化物を形成し、さらに、Moは固溶体
強化によって高温強度を増加させるが、Moの単独添加で
は600℃という高温領域において十分な耐力を得ること
は難しい。本発明者等は研究の結果、該高温領域におけ
る耐力を増加させるには、MoとNbを複合添加させること
が極めて有効なことを見出した。しかしながらMo,Nb量
が高すぎると、溶接性が悪くなるので、Mo,Nb含有量の
上限はそれぞれ1.5%,0.04%とする必要があり、また下
限はMoについては、前述した変態温度の低下効果や高温
強度を確保する最小量として0.7%とした。Nbの下限は
複合効果が得られる最小量として0.005%とした。な
お、高温強度を上昇させるため、Moを利用することは、
従来の耐熱鋼では知られているが、建築用に用いる耐火
鋼材として前述のようにMoに加えて微量のNbを複合添加
した鋼材は知られていない。次に、本発明における前記
Mo,Nb以外の成分限定理由について詳細に説明する。
強化によって高温強度を増加させるが、Moの単独添加で
は600℃という高温領域において十分な耐力を得ること
は難しい。本発明者等は研究の結果、該高温領域におけ
る耐力を増加させるには、MoとNbを複合添加させること
が極めて有効なことを見出した。しかしながらMo,Nb量
が高すぎると、溶接性が悪くなるので、Mo,Nb含有量の
上限はそれぞれ1.5%,0.04%とする必要があり、また下
限はMoについては、前述した変態温度の低下効果や高温
強度を確保する最小量として0.7%とした。Nbの下限は
複合効果が得られる最小量として0.005%とした。な
お、高温強度を上昇させるため、Moを利用することは、
従来の耐熱鋼では知られているが、建築用に用いる耐火
鋼材として前述のようにMoに加えて微量のNbを複合添加
した鋼材は知られていない。次に、本発明における前記
Mo,Nb以外の成分限定理由について詳細に説明する。
Cは母材および溶接部の強度確保ならびにMo,Nbの添加
効果を発揮させるために必要であり、0.03%未満では効
果が薄れるので下限は0.03%とする。さらにC量が多す
ぎると母材靱性を劣化させるので、0.15%が上限とな
る。
効果を発揮させるために必要であり、0.03%未満では効
果が薄れるので下限は0.03%とする。さらにC量が多す
ぎると母材靱性を劣化させるので、0.15%が上限とな
る。
Siは脱酸上鋼に含まれる元素で、Siが多くなると溶接性
を害するので、その上限を0.6%とした。本発明鋼ではA
l脱酸で十分であり、さらにTi脱酸でも良い。
を害するので、その上限を0.6%とした。本発明鋼ではA
l脱酸で十分であり、さらにTi脱酸でも良い。
次に、Mnは強度、靱性を確保する上で不可欠な元素であ
り、その下限は0.2%である。しかし、Mn量が多すぎる
と、焼入性が増加してミクロ組織をベイナイト化して、
目標とする規格に適合する母材強度を得ることが出来な
い。このためMn量の上限を1.0%とした。
り、その下限は0.2%である。しかし、Mn量が多すぎる
と、焼入性が増加してミクロ組織をベイナイト化して、
目標とする規格に適合する母材強度を得ることが出来な
い。このためMn量の上限を1.0%とした。
Alは一般に脱酸上鋼に含まれる元素であるが、Siおよび
Tiによっても脱酸は行なわれるので、本発明ではAlにつ
いて下限は限定しない。しかしAl量が多くなると鋼の清
浄度が悪くなり、靱性が劣化するので上限を0.1%とし
た。
Tiによっても脱酸は行なわれるので、本発明ではAlにつ
いて下限は限定しない。しかしAl量が多くなると鋼の清
浄度が悪くなり、靱性が劣化するので上限を0.1%とし
た。
Nは一般に不可避的不純物として鋼中に含まれるもので
あるが、Nbと結合し炭窒化物Nb(CN)を形成して高温耐
力の向上に効果を発揮する。このため最小量として0.00
1%必要であるが、N量が多くなると連続鋳造時の表面
疵の発生を助長するので、その上限を0.006%とした。
あるが、Nbと結合し炭窒化物Nb(CN)を形成して高温耐
力の向上に効果を発揮する。このため最小量として0.00
1%必要であるが、N量が多くなると連続鋳造時の表面
疵の発生を助長するので、その上限を0.006%とした。
なお、本発明鋼材は、不可避的不純物としてPおよびS
を含有する。P,Sは高温強度に与える影響は小さいの
で、その量について特に限定はしないが、一般に靱性な
どに関する鋼材の特性は、P,S量が少ないほど向上す
る。望ましいP,S量はそれぞれ0.02%,0.010%以下であ
る。
を含有する。P,Sは高温強度に与える影響は小さいの
で、その量について特に限定はしないが、一般に靱性な
どに関する鋼材の特性は、P,S量が少ないほど向上す
る。望ましいP,S量はそれぞれ0.02%,0.010%以下であ
る。
本発明鋼材の基本成分は以上のとおりであり、十分に目
的を達成できるが、さらに以下に述べる元素即ちNi,Cu,
Cr,V,Tiを選択的に添加すると強度、靱性の向上また
は、脱酸効果、HAZ靱性の向上について、さらに好まし
い結果が得られる。つぎに、前記添加元素とその添加量
について説明する。
的を達成できるが、さらに以下に述べる元素即ちNi,Cu,
Cr,V,Tiを選択的に添加すると強度、靱性の向上また
は、脱酸効果、HAZ靱性の向上について、さらに好まし
い結果が得られる。つぎに、前記添加元素とその添加量
について説明する。
Niは母材の強度、靱性を向上させるが、0.05%以下では
効果が薄く、0.5%以上の添加は建築用鋼材として、極
めて高価になるため、経済性を失するので、上限は0.5
%とした。
効果が薄く、0.5%以上の添加は建築用鋼材として、極
めて高価になるため、経済性を失するので、上限は0.5
%とした。
CuはNiとほぼ同様な効果を持つほか、Cu析出物による高
温強度の増加や耐食性、耐候性の向上にも効果を有す
る。しかし、0.05%未満では効果が薄いので、Cu量は0.
05〜0.5%に限定する。
温強度の増加や耐食性、耐候性の向上にも効果を有す
る。しかし、0.05%未満では効果が薄いので、Cu量は0.
05〜0.5%に限定する。
Crは母材の強度を高める元素であり、耐候性の向上にも
効果はあるが、0.05%未満では効果が薄い。従ってCr量
は0.05〜0.5%とする。
効果はあるが、0.05%未満では効果が薄い。従ってCr量
は0.05〜0.5%とする。
VはNbと同様に高温強度の向上に効果があるが、0.005
%未満では効果が薄く、そのため、V量は0.005〜0.04
%に限定する。
%未満では効果が薄く、そのため、V量は0.005〜0.04
%に限定する。
TiはAl量が少ない場合、脱酸元素として有効であるほ
か、HAZ靱性を向上させるが、0.005%未満では効果がな
く、0.03%を超えると溶接性などに悪影響がでて好まし
くない。
か、HAZ靱性を向上させるが、0.005%未満では効果がな
く、0.03%を超えると溶接性などに悪影響がでて好まし
くない。
次に、本発明に係る鋼材の製造方法について説明する。
常温において溶接構造用圧延鋼材(JIS G 3106)に規定
する性能を満足し、600℃の高温において高い耐力を維
持させるためには、鋼材成分と共に鋼材の加熱および圧
延にかかる条件が重要である。本発明の鋼材成分の特徴
をなすMo,Nbの複合添加による高温耐力の増大を図るに
は、加熱時にこれらの元素を十分に溶体化させる必要が
あり、このため本発明の成分よりなる鋼片の加熱温度の
下限を1200℃とする。また、加熱温度が高すぎると鋼片
が著しく酸化されたり、変形するため、その上限は1350
℃にしなければならない。
常温において溶接構造用圧延鋼材(JIS G 3106)に規定
する性能を満足し、600℃の高温において高い耐力を維
持させるためには、鋼材成分と共に鋼材の加熱および圧
延にかかる条件が重要である。本発明の鋼材成分の特徴
をなすMo,Nbの複合添加による高温耐力の増大を図るに
は、加熱時にこれらの元素を十分に溶体化させる必要が
あり、このため本発明の成分よりなる鋼片の加熱温度の
下限を1200℃とする。また、加熱温度が高すぎると鋼片
が著しく酸化されたり、変形するため、その上限は1350
℃にしなければならない。
次に、加熱した鋼片を熱間圧延するが、その圧延終了温
度を750℃以上の高温とする。その理由は圧延中にMo,Nb
の炭窒化物を析出させないためであり、γ域でこれらの
元素が析出すると、析出物サイズが大きくなり、高温耐
力が著しく低下する。さらに、本発明鋼は0.70%以上の
Moを添加して、圧延中の変態開始温度を低下させている
が、750℃未満の温度域での圧延はフェライトを加工す
るため好ましくない。本発明において、圧延終了温度の
上限を1050℃とするが、その理由は建築用鋼としての靱
性を確保するためである。熱間圧延終了後は室温まで放
冷する。
度を750℃以上の高温とする。その理由は圧延中にMo,Nb
の炭窒化物を析出させないためであり、γ域でこれらの
元素が析出すると、析出物サイズが大きくなり、高温耐
力が著しく低下する。さらに、本発明鋼は0.70%以上の
Moを添加して、圧延中の変態開始温度を低下させている
が、750℃未満の温度域での圧延はフェライトを加工す
るため好ましくない。本発明において、圧延終了温度の
上限を1050℃とするが、その理由は建築用鋼としての靱
性を確保するためである。熱間圧延終了後は室温まで放
冷する。
なお、本発明鋼材を製造後、脱水素などの目的でAC1変
態点以下の温度に再加熱しても、本発明鋼材の特徴は何
等損なわれることはない。
態点以下の温度に再加熱しても、本発明鋼材の特徴は何
等損なわれることはない。
周知の転炉、連続鋳造、形鋼工程で表に示す鋼成分のH
形鋼を製造し、常温強度、600℃の強度を調査した。第
1表No.1〜No.20に本発明鋼を、No.21〜No.30に比較鋼
の化学成分を示す。つづいて第2表に本発明鋼と比較鋼
について、加熱、圧延条件別に機械的特性を示す。第2
表のNo.1〜No.20の例では、すべて良好な常温および高
温強度を有している。
形鋼を製造し、常温強度、600℃の強度を調査した。第
1表No.1〜No.20に本発明鋼を、No.21〜No.30に比較鋼
の化学成分を示す。つづいて第2表に本発明鋼と比較鋼
について、加熱、圧延条件別に機械的特性を示す。第2
表のNo.1〜No.20の例では、すべて良好な常温および高
温強度を有している。
これに対し、No.21〜No.25では、加熱、圧延温度が低い
ため、常温のYRが80%を超えたり、常温強度に対する60
0℃強度の割合(以下、強度比とする)が70%以下であ
り、不十分な特性である。また、No.26〜No.36では、加
熱、圧延条件は発明の要件を満たすが、成分組成が発明
の要件を満足出来ないため、不十分な特性である。すな
わち、No.26,No.32,No.33では、Mo量が低いため、強度
比が不十分である。No.27,No.28では、DI値が高すぎる
ため、常温のYR、および強度比ともにが不十分である。
No.29ではMn量が低すぎるため、強度比が不十分であ
る。No.30,No.34,No.35では、Nbが添加されてないた
め、強度比が不十分である。No.31では、C量が少ない
ため、強度比が不十分である。
ため、常温のYRが80%を超えたり、常温強度に対する60
0℃強度の割合(以下、強度比とする)が70%以下であ
り、不十分な特性である。また、No.26〜No.36では、加
熱、圧延条件は発明の要件を満たすが、成分組成が発明
の要件を満足出来ないため、不十分な特性である。すな
わち、No.26,No.32,No.33では、Mo量が低いため、強度
比が不十分である。No.27,No.28では、DI値が高すぎる
ため、常温のYR、および強度比ともにが不十分である。
No.29ではMn量が低すぎるため、強度比が不十分であ
る。No.30,No.34,No.35では、Nbが添加されてないた
め、強度比が不十分である。No.31では、C量が少ない
ため、強度比が不十分である。
〔発明の効果〕 本発明の化学成分および製造法で製造したH形鋼はウエ
ブ、フランジ共に、600℃の降伏強度が常温降伏強度の7
0%以上で、常温の降伏比(YR:YS/TS)も低い等の特徴
を兼ね備えた全く新しい鋼材である。
ブ、フランジ共に、600℃の降伏強度が常温降伏強度の7
0%以上で、常温の降伏比(YR:YS/TS)も低い等の特徴
を兼ね備えた全く新しい鋼材である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/50
Claims (3)
- 【請求項1】重量比でC 0.03〜0.15%,Si 0.6%以下、M
n 0.2〜1.0%,Mo 0.7〜1.5%,Nb 0.005〜0.04%,Al 0.1
%以下、N 0.001〜0.006%を含み、残部がFe及び不可避
的不純物よりなり、かつ下記(1)式で与えられるDI値
が0.8未満の成分組成よりなる鋼片を1200℃〜1350℃の
温度域で再加熱後、熱間圧延を750〜1050℃の温度範囲
で終了してミクロ組織をフェライト主体とすることを特
徴とする耐火性の優れた低降伏比H形鋼の製造方法。 - 【請求項2】重量比でV 0.005〜0.04%,Ni 0.05〜0.50
%,Cu 0.05〜0.50%,Cr 0.05〜0.50%のうちの一種また
は二種以上を更に含む請求項1記載の耐火性の優れた低
降伏比H形鋼の製造方法。 - 【請求項3】重量比でTi 0.005〜0.03%を更に含む請求
項1又は2記載の耐火性の優れた低降伏比H形鋼の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3235790A JPH0756044B2 (ja) | 1990-02-15 | 1990-02-15 | 耐火性の優れた低降伏比h形鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3235790A JPH0756044B2 (ja) | 1990-02-15 | 1990-02-15 | 耐火性の優れた低降伏比h形鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03240918A JPH03240918A (ja) | 1991-10-28 |
JPH0756044B2 true JPH0756044B2 (ja) | 1995-06-14 |
Family
ID=12356706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3235790A Expired - Lifetime JPH0756044B2 (ja) | 1990-02-15 | 1990-02-15 | 耐火性の優れた低降伏比h形鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0756044B2 (ja) |
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JPH05271753A (ja) * | 1992-03-23 | 1993-10-19 | Nippon Steel Corp | 高温強度の優れたh形鋼の製造方法 |
JP4637681B2 (ja) * | 2005-08-18 | 2011-02-23 | 株式会社神戸製鋼所 | 棒鋼の製法 |
JP5743382B2 (ja) * | 2009-03-19 | 2015-07-01 | Jfeスチール株式会社 | 耐震性構造物用鋼材及びその製造方法 |
CN108411191A (zh) * | 2018-03-02 | 2018-08-17 | 山东钢铁股份有限公司 | 一种正火轧制屈服强度500MPa级H型钢及其制备方法 |
CN113462974B (zh) * | 2021-06-29 | 2022-03-08 | 莱芜钢铁集团银山型钢有限公司 | 一种10~60mm厚度规格高强度高韧性叉车用钢及其制备方法 |
-
1990
- 1990-02-15 JP JP3235790A patent/JPH0756044B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03240918A (ja) | 1991-10-28 |
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