JPH079032B2 - 耐火性に優れた建築用低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
耐火性に優れた建築用低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法Info
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- JPH079032B2 JPH079032B2 JP2018090A JP2018090A JPH079032B2 JP H079032 B2 JPH079032 B2 JP H079032B2 JP 2018090 A JP2018090 A JP 2018090A JP 2018090 A JP2018090 A JP 2018090A JP H079032 B2 JPH079032 B2 JP H079032B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はプレハブ用建材、その他土木および海洋構造物
等の分野における各種建造物に用いる耐火性に優れた低
降伏比高強度冷延鋼板の製造方法に係る。
等の分野における各種建造物に用いる耐火性に優れた低
降伏比高強度冷延鋼板の製造方法に係る。
(従来の技術) 建築物の耐火性は重要で、大型ビルから一般住宅用まで
種々その対策がなされている。特に一般住宅にあっては
地価高騰のため3階建て住宅が普及しつつあるがこの場
合、相応の耐火性が要求される。しかし、一般的には、
特開昭63-47451号公報記載の技術のように耐火被覆で以
て火災対策を行なっているのが現状である。そのため、
建築コストが上昇し、建造物の利用空間を狭くしてい
る。
種々その対策がなされている。特に一般住宅にあっては
地価高騰のため3階建て住宅が普及しつつあるがこの場
合、相応の耐火性が要求される。しかし、一般的には、
特開昭63-47451号公報記載の技術のように耐火被覆で以
て火災対策を行なっているのが現状である。そのため、
建築コストが上昇し、建造物の利用空間を狭くしてい
る。
近時、耐火設計について見直しが行なわれ、昭和62年建
築物の新耐火設計法が制定されるにいたり、従来の火災
時の許容鋼材温度(350℃以下)の規定が外され、鋼板
の高温強度と建物に実際に加わっている荷重により、耐
火被覆の能力を決定できるようになり、素材鋼板の高温
強度が確保される場合等には無被覆で鋼板を使用するこ
とも可能となった。
築物の新耐火設計法が制定されるにいたり、従来の火災
時の許容鋼材温度(350℃以下)の規定が外され、鋼板
の高温強度と建物に実際に加わっている荷重により、耐
火被覆の能力を決定できるようになり、素材鋼板の高温
強度が確保される場合等には無被覆で鋼板を使用するこ
とも可能となった。
本発明により得られる鋼板と同様に、耐火用の高温強度
を保証した鋼板としては、特願昭63-143740号にて提案
した技術があるが、この技術は主として厚板についての
ものである。しかし、屋根材やデッキプレートは、冷延
鋼板を素材として使用する場合が多い。
を保証した鋼板としては、特願昭63-143740号にて提案
した技術があるが、この技術は主として厚板についての
ものである。しかし、屋根材やデッキプレートは、冷延
鋼板を素材として使用する場合が多い。
冷延鋼帯または鋼板は、熱延コイルを冷間圧延後、ほと
んど連続焼鈍を行なう。
んど連続焼鈍を行なう。
この工程では、大量生産のため通板速度を極度に低下さ
せることはできない。さらに再結晶を完全に行なわせる
ため焼鈍温度をむやみに下げることはできない。加えて
焼鈍後に急冷、過時効があり、組織、析出等の制御が複
雑である。
せることはできない。さらに再結晶を完全に行なわせる
ため焼鈍温度をむやみに下げることはできない。加えて
焼鈍後に急冷、過時効があり、組織、析出等の制御が複
雑である。
これらの理由により常温引張特性および高温強度特性を
付与させるには、厚板工程とは大幅に異なってくる。
付与させるには、厚板工程とは大幅に異なってくる。
さらに上記厚板の技術は、Mo添加を基本としており、高
合金鋼ほどではないが経済性において問題は完全に解決
されたとはいえない。そこで本発明者らCu系鋼の優秀性
に着眼し、低C-Cu系鋼に関する技術を創案し特許出願し
た(特願平1-27297号)。本発明はこの先願の技術をさ
らに発展させたものである。
合金鋼ほどではないが経済性において問題は完全に解決
されたとはいえない。そこで本発明者らCu系鋼の優秀性
に着眼し、低C-Cu系鋼に関する技術を創案し特許出願し
た(特願平1-27297号)。本発明はこの先願の技術をさ
らに発展させたものである。
(発明が解決しようとする課題) 従来鋼では結晶粒成長、析出物の粗大化、炭化物溶解等
で高温強度を確保するのが難しい。また、高合金耐熱金
属はFe系以外に、Ni系、Ti系等も存在しているが、建築
用に大量に消費されるものとしては、経済性に難点があ
る。
で高温強度を確保するのが難しい。また、高合金耐熱金
属はFe系以外に、Ni系、Ti系等も存在しているが、建築
用に大量に消費されるものとしては、経済性に難点があ
る。
本発明の目的は、高温特性に優れ、耐火被覆が低減ない
し省略でき、かつ常温強度も高く、低降伏比であり、特
願平1-26225号で提案した技術のように極低炭素化を必
要とせず、かつ非Mo系の普通鋼に近い鋼成分という、経
済性に優れ、さらに建築用鋼に必要な耐候性、耐食性を
兼備した低降伏比高強度冷延鋼板あるいは鋼帯を製造す
る方法の提供にある。
し省略でき、かつ常温強度も高く、低降伏比であり、特
願平1-26225号で提案した技術のように極低炭素化を必
要とせず、かつ非Mo系の普通鋼に近い鋼成分という、経
済性に優れ、さらに建築用鋼に必要な耐候性、耐食性を
兼備した低降伏比高強度冷延鋼板あるいは鋼帯を製造す
る方法の提供にある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、火災時における鋼板強度について研究の
結果、経済的な成分系で、600℃での降伏点強度が常温
強度の0.6倍以上となる鋼板の製造方法を発明するに至
った。さらに、地震時における鋼板強度について検討の
結果、常温における降伏比(降伏点強度/引張強度)が
80%以下の低降伏比鋼板が、耐震性に優れていることも
明らかにし、併せて達成するに至った。
結果、経済的な成分系で、600℃での降伏点強度が常温
強度の0.6倍以上となる鋼板の製造方法を発明するに至
った。さらに、地震時における鋼板強度について検討の
結果、常温における降伏比(降伏点強度/引張強度)が
80%以下の低降伏比鋼板が、耐震性に優れていることも
明らかにし、併せて達成するに至った。
本発明の要旨とするところは、下記のとおりである。
(1)重量比で、C:0.02〜0.1%、Si≦0.5%、Mn:0.3〜
1.5%、P≦0.05%,Al≦0.1%、Cu:0.6〜2.0%を含み、
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をスラブとした
後、直ちに、あるいは950〜1150℃に加熱し、750〜900
℃で熱間圧延し、熱延コイルを製造し、その後、冷間圧
延を行ない、さらに連続式焼鈍工程を通板する際、700
〜900℃で1〜3分加熱し、平均冷却速度3℃/s以上で
冷却し、250℃〜450℃で1〜10分保定することを特徴と
する600℃における降伏点強度が常温における降伏点強
度の0.6倍以上である耐火性に優れた建築用低降伏比高
強度冷延鋼板の製造方法。
1.5%、P≦0.05%,Al≦0.1%、Cu:0.6〜2.0%を含み、
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をスラブとした
後、直ちに、あるいは950〜1150℃に加熱し、750〜900
℃で熱間圧延し、熱延コイルを製造し、その後、冷間圧
延を行ない、さらに連続式焼鈍工程を通板する際、700
〜900℃で1〜3分加熱し、平均冷却速度3℃/s以上で
冷却し、250℃〜450℃で1〜10分保定することを特徴と
する600℃における降伏点強度が常温における降伏点強
度の0.6倍以上である耐火性に優れた建築用低降伏比高
強度冷延鋼板の製造方法。
(2)重量比で、C:0.02〜0.1%、Si≦0.5%、Mn:0.3〜
1.5%、P≦0.05%,Al≦0.1%、Cu:0.6〜2.0%を含み、
さらにNiをNi/Cuで0.2〜1.0%を含み、残部Feおよび不
可避的不純物からなる鋼をスラブとした後、直ちに、あ
るいは950〜1200℃に加熱し、750〜900℃で熱間圧延
し、熱延コイルを製造し、その後、冷間圧延を行ない、
さらに連続式焼鈍工程を通板する際、700〜900℃で1〜
3分加熱し、平均冷却速度3℃/s以上で冷却し、250〜4
50℃で1〜10分保定することを特徴とする600℃におけ
る降伏点強度が常温における降伏点強度の0.6倍以上で
ある耐火性に優れた建築用低降伏比高強度冷延鋼板の製
造方法。
1.5%、P≦0.05%,Al≦0.1%、Cu:0.6〜2.0%を含み、
さらにNiをNi/Cuで0.2〜1.0%を含み、残部Feおよび不
可避的不純物からなる鋼をスラブとした後、直ちに、あ
るいは950〜1200℃に加熱し、750〜900℃で熱間圧延
し、熱延コイルを製造し、その後、冷間圧延を行ない、
さらに連続式焼鈍工程を通板する際、700〜900℃で1〜
3分加熱し、平均冷却速度3℃/s以上で冷却し、250〜4
50℃で1〜10分保定することを特徴とする600℃におけ
る降伏点強度が常温における降伏点強度の0.6倍以上で
ある耐火性に優れた建築用低降伏比高強度冷延鋼板の製
造方法。
すなわち、本発明は、低C-Mn基本成分系に多量のCuを添
加した成分系の鋼を用い、スラブ加熱時はCuによる高温
割れが生じないようにし、さらに所定の特性を付与させ
るように、特定の条件で熱延、冷延および連続焼鈍を行
なうことによって耐火性に優れた建築用低降伏比高強度
冷延鋼板を製造しようとするものである。また、高温割
れに対しては、本発明に従いNi添加で補強することによ
り優れた効果が奏される。
加した成分系の鋼を用い、スラブ加熱時はCuによる高温
割れが生じないようにし、さらに所定の特性を付与させ
るように、特定の条件で熱延、冷延および連続焼鈍を行
なうことによって耐火性に優れた建築用低降伏比高強度
冷延鋼板を製造しようとするものである。また、高温割
れに対しては、本発明に従いNi添加で補強することによ
り優れた効果が奏される。
以下、本発明の数値限定理由について述べる。
Cは0.02〜0.1%とする。本発明では、Cは強度を担う
元素である。0.02%未満では必要な強度を付与させるの
が難しい。また、製鋼における強度の真空脱ガスを必要
とするので経済性を損ねる。一方、0.1%を超えるとマ
ルテンサイト等焼入れ組織となりやすく曲げ性を劣化さ
せる。
元素である。0.02%未満では必要な強度を付与させるの
が難しい。また、製鋼における強度の真空脱ガスを必要
とするので経済性を損ねる。一方、0.1%を超えるとマ
ルテンサイト等焼入れ組織となりやすく曲げ性を劣化さ
せる。
Mnは0.3〜1.5%とする。0.3%未満では十分な強度を持
った組織となりにくい。一方、1.5%を越えると焼入れ
組織となりやすく、加工性が劣化する。
った組織となりにくい。一方、1.5%を越えると焼入れ
組織となりやすく、加工性が劣化する。
Siは0.5%以下とする。これを越えると加工性が劣化す
る。
る。
Pは0.05%以下とする。これを越えると靱性が劣化す
る。一方、本成分系では、0.03%以上Pを添加すると耐
食性が向上することが判明したので、下限値は0.03%と
するのが好ましい。
る。一方、本成分系では、0.03%以上Pを添加すると耐
食性が向上することが判明したので、下限値は0.03%と
するのが好ましい。
Alは0.1%以下とする。Alは脱酸剤として必要である
が、0.1%を越える場合は、介在物が増加し、加工性が
劣化する。
が、0.1%を越える場合は、介在物が増加し、加工性が
劣化する。
Cuは0.6〜2.0%とする。Cuは本発明において極めて重要
な元素である。すなわち、本発明の主目的である高温強
度を確保し、かつ常温強度も担っている。強化機構はま
だ明らかではないが、常温強度はCuの固溶体強化ないし
若干のクラスター強化に、高温強度はCuのクラスター強
化ないし析出に負うものと考えられる。0.6%未満の添
加では、Cuの過飽和度が不足し、必要な高温温度が付与
されない。また、2.0%を越える添加は、これらの効果
が飽和傾向になり、熱間割れが避けがたくなる。
な元素である。すなわち、本発明の主目的である高温強
度を確保し、かつ常温強度も担っている。強化機構はま
だ明らかではないが、常温強度はCuの固溶体強化ないし
若干のクラスター強化に、高温強度はCuのクラスター強
化ないし析出に負うものと考えられる。0.6%未満の添
加では、Cuの過飽和度が不足し、必要な高温温度が付与
されない。また、2.0%を越える添加は、これらの効果
が飽和傾向になり、熱間割れが避けがたくなる。
NiはNi/Cuで0.2〜1.0%とする。Ni添加は熱間割れを完
全になくすために行なう。下限値未満では効果がなく、
上限値を越えるとNiは高価な金属であるので本発明の大
きな目的の一つである経済性を損なう。
全になくすために行なう。下限値未満では効果がなく、
上限値を越えるとNiは高価な金属であるので本発明の大
きな目的の一つである経済性を損なう。
本発明の効果は以上の成分系だけの特定でもたらされる
ものではない。すなわち、熱延、冷延、連続焼鈍条件も
極めて重要な要件である。特に、本発明のような多量の
Cuを添加した鋼にあっては、いわゆるCu脆化と呼ばれる
熱間割れを生じ、十分な熱間圧延ができないのが現状で
あった。本発明では以下のように熱延〜冷延〜連続焼鈍
条件を特定する。
ものではない。すなわち、熱延、冷延、連続焼鈍条件も
極めて重要な要件である。特に、本発明のような多量の
Cuを添加した鋼にあっては、いわゆるCu脆化と呼ばれる
熱間割れを生じ、十分な熱間圧延ができないのが現状で
あった。本発明では以下のように熱延〜冷延〜連続焼鈍
条件を特定する。
熱延はスラブ鋳造後に直ちに(CC−直接圧延)行なう
か、もしくは加熱後に行う。加熱温度はNi無添加の場合
は950〜1150℃、Ni添加の場合は950〜1200℃とする。加
熱温度が上限値を越えると熱間割れが避けられない。CC
−直接圧延を行なう場合は保温もしくは端部の多少の加
熱を行なっても差し支えない。さらに十分、Cuヘゲをな
くすためには1100℃以下とするのが好ましい。加熱温度
の下限は現状の連続熱延設備で採り得る950℃とする。
この条件であれば、Cuの溶体化は十分である。
か、もしくは加熱後に行う。加熱温度はNi無添加の場合
は950〜1150℃、Ni添加の場合は950〜1200℃とする。加
熱温度が上限値を越えると熱間割れが避けられない。CC
−直接圧延を行なう場合は保温もしくは端部の多少の加
熱を行なっても差し支えない。さらに十分、Cuヘゲをな
くすためには1100℃以下とするのが好ましい。加熱温度
の下限は現状の連続熱延設備で採り得る950℃とする。
この条件であれば、Cuの溶体化は十分である。
熱間圧延終了温度は750〜900℃とする。
750℃未満であるとCuが圧延により、ひずみ誘起析出
し、高温強度に必要な、常温での過飽和なCu量を確保で
きない。さらに十分な過飽和なCu量を得るには、800℃
以上が好ましい。上限値は低温加熱との関係により現状
の連続熱延設備で採り得る900℃とする。
し、高温強度に必要な、常温での過飽和なCu量を確保で
きない。さらに十分な過飽和なCu量を得るには、800℃
以上が好ましい。上限値は低温加熱との関係により現状
の連続熱延設備で採り得る900℃とする。
上記の方法で得られた熱延コイルを冷間圧延し、冷延コ
イルとし、それを連続式焼鈍工程で通板する場合は、焼
鈍温度は700〜900℃とする。下限値未満では、再結晶を
完全に行なわせるには不十分で、曲げ性が劣化し、かつ
Cuの析出域にかかるので、Cuが析出し必要な高温特性、
常温特性が得られない。コイル全体に亙って、再結晶を
完全に行なわせ、常温での過飽和なCu量を十分に確保す
るには、800℃以上が好ましい。一方、上限値を越える
と結晶粒が粗大化し、常温強度が低下する。焼鈍の保定
時間は、1〜3分とする。下限値未満では、再結晶が十
分ではなく、加工性が劣化する。上限値は通板速度と関
係があり、これを越えると生産性が落ち、経済性を損な
う。
イルとし、それを連続式焼鈍工程で通板する場合は、焼
鈍温度は700〜900℃とする。下限値未満では、再結晶を
完全に行なわせるには不十分で、曲げ性が劣化し、かつ
Cuの析出域にかかるので、Cuが析出し必要な高温特性、
常温特性が得られない。コイル全体に亙って、再結晶を
完全に行なわせ、常温での過飽和なCu量を十分に確保す
るには、800℃以上が好ましい。一方、上限値を越える
と結晶粒が粗大化し、常温強度が低下する。焼鈍の保定
時間は、1〜3分とする。下限値未満では、再結晶が十
分ではなく、加工性が劣化する。上限値は通板速度と関
係があり、これを越えると生産性が落ち、経済性を損な
う。
平均冷却速度は3℃/s以上とする。この冷却速度より低
い値で徐冷すると冷却中にCuが析出し、必要な高温特
性、常温特性が得られない。上限は板厚にもよるが、現
在の設備で採り得る100℃/s以上としても効果は持続す
る。
い値で徐冷すると冷却中にCuが析出し、必要な高温特
性、常温特性が得られない。上限は板厚にもよるが、現
在の設備で採り得る100℃/s以上としても効果は持続す
る。
冷却後の保定温度は250〜450℃とする。下限値未満では
焼入れ組織となりやすく、加工性が劣化する。上限値は
現在の設備に負荷のかからないこの温度とする。冷却後
の保定時間は1〜10分とする。下限値は通板速度により
決まり、現在の設備で負荷がかからないものとする。上
限値はやはり通板速度と関係があり、これを越えると生
産性が落ち、経済性を損なう。
焼入れ組織となりやすく、加工性が劣化する。上限値は
現在の設備に負荷のかからないこの温度とする。冷却後
の保定時間は1〜10分とする。下限値は通板速度により
決まり、現在の設備で負荷がかからないものとする。上
限値はやはり通板速度と関係があり、これを越えると生
産性が落ち、経済性を損なう。
本発明の出発鋼は通常転炉で溶製し、真空脱ガス等で二
次精錬を行なっても良い。そして普通は連続鋳造により
スラブとした後、直ちに、あるいは加熱後熱延を施し、
得られた熱延コイルを冷間圧延し、さらに連続焼鈍を行
なう。
次精錬を行なっても良い。そして普通は連続鋳造により
スラブとした後、直ちに、あるいは加熱後熱延を施し、
得られた熱延コイルを冷間圧延し、さらに連続焼鈍を行
なう。
次に本発明の実施例について説明する。
第1表に示す成分を有する鋼を転炉にて出鋼後、連続鋳
造にてスラブとした後、直ちに、あるいは加熱後熱延を
施し、得られた熱延コイルを冷間圧延し、さらに連続焼
鈍を行なった。
造にてスラブとした後、直ちに、あるいは加熱後熱延を
施し、得られた熱延コイルを冷間圧延し、さらに連続焼
鈍を行なった。
第2表に熱延条件、冷延条件、連続焼鈍条件および得ら
れた鋼板の特性値を示す。常温における引張試験はJIS
Z 2201 5号試験片を用い、JIS Z 2241に基づいて行なっ
た。高温引張試験は、高温伸び計を試験片に取り付け、
600℃まで10℃/sの速度で昇温し、その温度にて15分保
持の後、引張試験を行ない、0.2%耐力または降伏点強
度を測定した。
れた鋼板の特性値を示す。常温における引張試験はJIS
Z 2201 5号試験片を用い、JIS Z 2241に基づいて行なっ
た。高温引張試験は、高温伸び計を試験片に取り付け、
600℃まで10℃/sの速度で昇温し、その温度にて15分保
持の後、引張試験を行ない、0.2%耐力または降伏点強
度を測定した。
また、製造した熱延コイルを冷延工程で通板する際、そ
の前面にて、いわゆるCuヘゲに起因する表面状況をコイ
ル全長にわたり観察し、次のように評点付けを行なっ
た。◎:良好(一般材と同じ)、○:軽微(出荷合格
品)、△:やや認められる(向け先により出荷不可)、
×:発生大(不良品)。
の前面にて、いわゆるCuヘゲに起因する表面状況をコイ
ル全長にわたり観察し、次のように評点付けを行なっ
た。◎:良好(一般材と同じ)、○:軽微(出荷合格
品)、△:やや認められる(向け先により出荷不可)、
×:発生大(不良品)。
材料の加工性は、曲げ性で評価した。試験片は、JIS Z
2204の3号試験片を用い、試験方法は、JIS Z 2248に従
った。曲げ強度は180℃で行ない、密着したものは○、
割れが生じたものは×とした。
2204の3号試験片を用い、試験方法は、JIS Z 2248に従
った。曲げ強度は180℃で行ない、密着したものは○、
割れが生じたものは×とした。
第2表に本発明鋼と比較鋼の特性値を示す。本発明鋼は
Cuヘゲの程度も実用上なんら問題なく、常温強度,高温
強度とも各々規格値を満たし、曲げ性も良好である。
Cuヘゲの程度も実用上なんら問題なく、常温強度,高温
強度とも各々規格値を満たし、曲げ性も良好である。
これに対し、本発明に従っていない比較鋼では、これら
特性値のいずれかが本発明鋼より劣る。
特性値のいずれかが本発明鋼より劣る。
(発明の効果) 近年の急激な地価高騰により、土地および空間の有効利
用が叫ばれ、ビル等は高層化が進み、一般住宅において
も3階建て住宅が普及しつつある。そのなかで火災対策
は社会的な課題である。しかし、従来の耐火被覆工法
は、建築物のコスト増、建物のスペース減を招くもので
ある。さらに耐火被覆で、通常行なわれる石綿吹き付け
は環境面から好ましいものとはいえない。
用が叫ばれ、ビル等は高層化が進み、一般住宅において
も3階建て住宅が普及しつつある。そのなかで火災対策
は社会的な課題である。しかし、従来の耐火被覆工法
は、建築物のコスト増、建物のスペース減を招くもので
ある。さらに耐火被覆で、通常行なわれる石綿吹き付け
は環境面から好ましいものとはいえない。
本発明はこのような状況の中で鉄系の優れた高温特性を
有する素材を、普通鋼に近い成分系で、大量に供給でき
る連続熱延〜冷延〜連続焼鈍工程で製造することを可能
にしたものであり、これにより、従来の耐火被覆の軽減
ないし省略を計ることができ、上記社会的課題の解決に
大きく貢献するものと考えられる。
有する素材を、普通鋼に近い成分系で、大量に供給でき
る連続熱延〜冷延〜連続焼鈍工程で製造することを可能
にしたものであり、これにより、従来の耐火被覆の軽減
ないし省略を計ることができ、上記社会的課題の解決に
大きく貢献するものと考えられる。
Claims (2)
- 【請求項1】重量比で、C:0.02〜0.1%、Si≦0.5%、M
n:0.3〜1.5%、P≦0.05%,Al≦0.1%、Cu:0.6〜2.0%
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をスラ
ブとした後、直ちに、あるいは950〜1150℃に加熱し、7
50〜900℃で熱間圧延し、熱延コイルを製造し、その
後、冷間圧延を行ない、さらに連続式焼鈍工程を通板す
る際、700〜900℃で1〜3分加熱し、平均冷却速度3℃
/s以上で冷却し、250〜450℃で1〜10分保定することを
特徴とする600℃における降伏点強度が常温における降
伏点強度の0.6倍以上である耐火性に優れた建築用低降
伏比高強度冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】重量比で、C:0.02〜0.1%、Si≦0.5%、M
n:0.3〜1.5%、P≦0.05%,Al≦0.1%、Cu:0.6〜2.0%
を含み、さらにNiをNi/Cuで0.2〜1.0を含み、残部Feお
よび不可避的不純物からなる鋼をスラブとした後、直ち
に、あるいは950〜1200℃に加熱し、750〜900℃で熱間
圧延し、熱延コイルを製造し、その後、冷間圧延を行な
い、さらに連続式焼鈍工程を通板する際、700〜900℃で
1〜3分加熱し、平均冷却速度3℃/s以上で冷却し、25
0〜450℃で1〜10分保定することを特徴とする600℃に
おける降伏点強度が常温における降伏点強度の0.6倍以
上である耐火性に優れた建築用低降伏比高強度冷延鋼板
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018090A JPH079032B2 (ja) | 1990-01-30 | 1990-01-30 | 耐火性に優れた建築用低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018090A JPH079032B2 (ja) | 1990-01-30 | 1990-01-30 | 耐火性に優れた建築用低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法 |
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