JPS6237322A - 表面性状と曲げ加工性に優れた低降伏比型冷延高張力鋼板の製造法 - Google Patents

表面性状と曲げ加工性に優れた低降伏比型冷延高張力鋼板の製造法

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JPS6237322A
JPS6237322A JP17733585A JP17733585A JPS6237322A JP S6237322 A JPS6237322 A JP S6237322A JP 17733585 A JP17733585 A JP 17733585A JP 17733585 A JP17733585 A JP 17733585A JP S6237322 A JPS6237322 A JP S6237322A
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川瀬 尚男
Yasushi Tanaka
康司 田中
Toru Fujita
徹 藤田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2表面性状と曲げ加工性に優れた低降伏比型冷
延高張力鋼板の製造法に関する。
〔従来の技術〕
最近の自動車産業などにおいて、自動車の安全性向上や
軽量化を意図して、低降伏比型冷延高張力鋼板が使用さ
れつつある。この低降伏比型冷延高張力鋼板は、高強度
と共に優れた延性を備えた高張力鋼板であり、鋼の&I
l織上は、フェライトとマルテンサイトまたはベイナイ
トを主とする低温変態生成物とからなる複合&Il織を
有しており、このため複合組織鋼板とも呼ばれている。
このような低降伏比型冷延高張力w4板は、′w4仮製
造時における焼鈍後の冷却中にオーステナイトからマル
テンサイトへの変態を促進させるためにMnを必須元素
として含有し、その他、必要に応じて5itCr、Mo
等を含有するものであり、前述のような複合組織を得る
ために、従来においては冷延後の焼鈍時に主としてフェ
ライト・オーステナイトの2相共存域或いはオーステナ
イト単相域に加熱し、その後の冷却速度を適切に制御す
るという処方が採られていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
既述のようにフェライト・オーステナイトの2相共存域
に加熱してから冷却速度を制御することによって複合組
織を得る従来法において、この熱処理を連続焼鈍炉で実
施する場合には、次のような問題があった。すなわち、
この従来法は、冷延後の素材をフェライトとオーステナ
イトが共存する温度に保持してCやMnなどのオーステ
ナイトへの4化を積極的に行わせ、これによって安定度
の高いオーステナイトを得てからその後の冷却中におい
てオーステナイトをマルテンサイトやベイナイトに変態
させてフェライト相と変態相との複合Mi織を得るもの
であり1合金元素の添加量が比較的少なくても高強度の
材料が得られるという利点があるが、オーステナイトへ
のCやMnの濃化程度が保持時間や温度によって変化す
るので、冷却を開始するさいのオーステナイトの安定度
が一定となり難り、シたがって9通常の空冷タイプの連
続焼鈍装置において取り得る均熱時間(例えば20〜8
0秒)の範囲でも、その均熱時間が変化すると冷却後の
強度特性が変化するという問題があった。すなわち、2
相共存域に加熱し冷却する処方では、連続焼鈍炉による
ライン速度や均熱温度が変化すると製品の機械的性質が
変動し、目標とする機械的性質を安定して精度良く工業
的規模で生産することが難しいという問題があった。
この問題を解決するためにAC3点以上の温度域に加熱
し、加熱保持中にオーステナイト単相とする方法もある
が、この場合には、前述の2相共存領域の加熱の場合と
比べると、オーステナイト量が多いので、同じ鋼組成で
あっても、冷却開始時のオーステナイト中のCやMnn
変度当然のことながら低くなる。したがって、素材のM
nなどの。
添加量を多くしないと、オーステナイトの安定度が悪く
なって冷却中にオーステナイトがベイナイトを主体とす
る変態生成物となり易く、延性が劣下することになる。
しかし、Mn量を増加すると降伏点は低くなり全伸びで
表される延性は向上するものの1局部延性が低(なり、
とくに2曲げ加工性が悪くなるという問題が生ずる。
さらに、Siは延性を損なわずに強度を高める安価な元
素なのでこの目的の添加元素として良く用いられるが、
このStと低降伏比型冷延高張力鋼板に必須のMnとが
共存する鋼では、その表面肌が悪くなるという問題があ
る。このため、とくにブライト鋼板のように1表面の光
輝度が要求される用途には適用できないという問題があ
る。
このようなことから、低降伏比型冷延高張力鋼板に不可
欠なMnと、延性を劣下させずに強度を上げ得る安価な
Siを同時に含有した低降伏比型冷延高張力鋼板の製造
にあたって1曲げ加工性が良く且つ表面性状が良好な高
張力鋼板を安定した強度レベルのもとて工業的規模で製
造することは従来においては出来なかった。
本発明の目的は、このような問題点を解決することにあ
り、引張り強さが60〜90 kgf/mm”の範囲そ
して降伏比(=0.2%耐力/引張り強さ)が0.65
以下の低降伏比型冷延高張力鋼板であって且つその表面
性状と曲げ加工性が共に優れた低降伏比型冷延高張力鋼
板の工業的製造法を堤供することにある。
〔問題点を解決する手段〕
本発明の低降伏比型冷延高張力鋼板の製造法は。
重量%で、c:o、os〜0.12%S i : 0.
3〜0.8%。
Mn : 1.8〜2.8%、 sol、^f : O
;01〜0.08%を含有し、残部が鉄および不可避的
不純物からなる鋼のスラブを通常の方法により熱間圧延
し、そのさいのコイルへの巻取にさいして535℃以下
の温度で巻取り1次いで60%以上の圧下率で冷間圧延
し、そして、連続焼鈍炉において、  Ac、点+30
℃〜Acs点+90℃の温度範囲のT単相域に20〜5
0秒保持し、この温度域から400℃までを6〜b秒の
平均冷却速度で冷却するヒートパターンのもとて連続焼
鈍処理を施すことに特徴を有しておりこの方法によって
既述の問題点が効果的に解決され、引張り強さが60〜
90 kgf/wm”の範囲、降伏比(=0.2%耐力
/引張り強さ)が0.65以下で且つ表面性状と曲げ加
工性に優れた低降伏比型冷延高張力鋼板が存利に製造で
きる。
以下に本発明の内容を詳述する。
本発明者らは、前述の問題点の解決を目的として、比較
的多量のMnを含存し且つSiを含む鋼をAc3点以上
のオーステナイト単相域に加熱し。
その冷却過程でフェライトとマルテンサイトなどの低温
変態相を生、成させることによって複合&Il織を得る
処方によって低降伏比型冷延高張力鋼板を製造すること
を主眼に、広範な研究を重ねたが。
その中で次の二つの重要な知見を得た。
その一つは、Cfを0.06〜0.12%、Silを0
.3〜0.8%、Mn量を1.8〜2.8%の範囲で含
存させた鋼組成において、熱延巻取温度を低くすると冷
延・焼鈍(γ単相領域加熱)後の曲げ加工性が向上する
こと、より具体的には、熱延巻取温度を低くすると曲げ
加工性が向上するが巻取温度が535℃でその効果が飽
和すること、つまり9巻取温度を535℃以下とすれば
曲げ加工性の向上が図れることである。
その二は、前記その−の鋼組成並びに熱延巻取温度条件
のもとで、場合によっては熱延巻取温度の上限を560
℃まで広げて、熱延・酸洗後の冷間圧延での圧下率を6
0%以上とすると、焼鈍(γ単相領域加熱)・調質圧延
後の表面肌が良好となることである。
これらの内容は後記の実施例において実証するが、まず
1本発明で採用する各要件(鋼成分並びに製造条件)に
ついて個別に説明を行う。
C含有量:Cは強度を得るのに必要な成分であり、 0
.06%未満では本発明に従う製造条件下では60 k
gf/m+*”以上の強度を得ることが困難となる。
一方、0゜12%を越えると強度が高くなりすぎるとと
もに延性が劣下し、またスポット溶接性も劣下する。こ
のような理由からC含有量は0.06〜0.12%の範
囲とする。
Mn含有量二Mnは複合組織を得るために不可欠な成分
であり、Mnが1.8%未満では1本発明の他の要件で
ある焼鈍時の冷却速度例えば6℃/秒において焼鈍まま
で降伏点伸びを示すと共に。
降伏比が0.70を超えるようになり、低降伏比型の鋼
板が得られない、他方+ Mnが増加すると複合組織は
得られ易くなるが、あまり多量すぎると製鋼作業が困難
となり、また強度が高くなりすぎると共に曲げ加工性の
劣下とスポット溶接性の劣下をもたらすので、Mn量の
上限は2.8%とする。
St含有量:Siは加熱時においてフェライト中の固溶
Cをオーステナイト中へ排出させる作用を供する0本発
明は、Ac3点以上のオーステナイト単相域に加熱し、
その後の冷却過程でオーステナイトの一部をフェライト
に変態させ、さらに冷却の進行によってオーステナイト
をマルテンサイトに変態させて複合組織を得るという原
理で低降伏比型冷延高張力鋼板を得るものであるから、
フェライト中の固?’J Cをオーステナイト中に排出
させる作用をもつSiは9本発明法において、(1)冷
却過程で2相分離したオーステナイトの安定度を増して
、このオーステナイトから生成するマルテンサイトの強
度を高める。(2)フェライトを清浄にする。という極
めて重要な効果を奏する。このようなSiの効果はその
含有量が0.3%未満では顕著には現れない、一方、S
t含有量が0.8%を越えると、冷延鋼板の化成処理性
が劣下し、塗装後の耐食性が悪くなるという別の問題を
惹起するようになる。このため9本発明においてはSi
含有量範囲は0.3〜0.8%とする。
sol、A 1含有量:Al2は鋼の脱酸に必要な元素
であり、 sol、A j!として0.01%以上が鋼
中に含まれる程度のAI添加が必要となる。しかしあま
りA1添加量が多くなりすぎても脱酸効果は飽和しかえ
って介在物に起因する表面性状の劣下を招くことになる
ので、 sol、^lとして0.08%以下とする必要
がある。
次に本発明法の製造条件について説明する。
熱延巻取温度: 熱延巻取温度は本発明において重要な要件である。前述
の本発明に従う組成の鋼を用いて通常のスラブ加熱、粗
圧延、仕上圧延を行った後、その熱延巻取温度を種々変
化させてコイルに巻取り。
酸洗によって脱スケールし、冷延および焼鈍を行って得
た複合組織冷延鋼板の曲げ加工性を調査したところ1巻
取塩度が低いほど曲げ加工性が良くなることがわかった
。そして、その曲げ加工性に及ぼす効果は535℃で飽
和し、これを越える温度で巻取った場合には曲げ加工性
が良くならないことがわかった。これらの実験を通じて
1巻取塩度はこのように曲げ加工性とは相関を有するが
、鋼板の引張強さや全伸びにはあまり影響しないことが
判明した。巻取温度が低いと曲げ加工性が良好となる理
由は現時点では必ずしも明確ではないが。
巻取温度が低いと熱延鋼板のバンド組織の生成が軽減さ
れることが関与しているものと推察される。
すなわち2冷延後において1通常はバンド組織を消去す
る効果があるとされるオーステナイト羊相域への加熱を
行う焼鈍を受けた後でも、熱延巻取温度が高いとこの効
果が十分に発揮されず、従って、熱延巻取温度が曲げ加
工性に影響を与えるものと推察される。
また、熱延巻取温度と焼鈍後調質圧延した冷延鋼板の表
面性状との関係を調べたところ、 560’C以下の巻
取温度の場合には、冷延w4板の表面肌が良好となるこ
とが判明した。そして、冷延焼鈍後にブライドロールで
調質圧延した場合の冷延鋼板の表面肌を判定すると、低
温巻取の効果が一層顕著に発揮されることが認められた
。この理由についても必ずしも明確ではないが、おそら
く次のように考えることができるであろう。
SiとMnを含有する綱では1巻取られた熱延コイルの
表面に不可避的に存在したスケールによって鋼表面の粒
界が選択的に酸化される現象がある。この表面粒界酸化
の現象は、@取温度が高くなれば、スケールが厚く生成
しまた巻取後の冷却中で高温に保持される時間が長くな
ることなどから、特に顕著に認められるようになる。事
実1本発明に従う鋼成分範囲においてMn量が比較的多
い鋼について観察すると1表面の粒界酸化が認められた
。したがって、熱延巻取時の表面粒界酸化が表面肌に影
響を与えるものと考えられる。
ところが5本発明者らの実験によれば、熱延鋼板表層部
に生成した粒界酸化の層が、平均深さで3.0μ以下で
あれば、冷延時の圧下率を60%以上とすることにより
、冷延鋼板の表面肌の劣下を防ぐことができることが判
明した。そして1巻取塩度が560℃以下であれば、熱
延鋼板表面の粒界酸化の深さを3.0μ以下とすること
ができることが判明した。
このように、熱延巻取温度は本発明の目的である曲げ加
工性並びに表面性状の向上の点から極めて重要な要件と
なるが1曲げ加工性の観点からは巻取温度を535℃以
下とし1表面性状の観点がらは巻取温度を560℃以下
とすることが必要となるり、この両者を満足する範囲と
して本発明では熱延巻取温度を535℃以下とする。こ
の巻取温度の下限については曲げ加工性および表面性状
の両者の点でも特に限定されないが、あまり低くすると
熱延綱板の強度が高くなって熱延巻取作業やその後の冷
間圧延が困難となることや、熱間圧延での仕上がり後の
冷却に多大の能力を必要とすることなどから2巻取塩度
の下限は450 ’C程度が望ましい。
冷延圧下率: 冷延時の圧下率は、前述のように熱延板表層の粒界酸化
が原因と推定される冷延w4板の表面肌の劣下を防止す
るために、少なくとも60%が必要である。冷延圧下率
が60%以上であれば、連続焼鈍炉における短時間焼鈍
において再結晶するするに十分な歪みが蓄積される。ま
たこの圧下率であれば、熱延鋼板中の炭化物を破砕・分
散させるために必要な条件を満足する。この理由により
1本発明法では、冷延圧下率を60%以上とすることが
必要である。冷延圧下率の上限については特に限定され
ないが、冷延作業性などを考慮すると80%程度が望ま
しい。
連続焼鈍時の加熱温度: 本発明のようにオーステナイト単相域加熱によって低降
伏比型冷延高張力鋼板を製造する方法で。
は、フェライト・オーステナイト2層共存領域加熱によ
る方法に比べて1合金添加量は比較的多く必要とするも
のの、空冷タイプの連続焼鈍装置で6〜b 熱時間が変化しても機械的性質の変動が少ない。
これは、既に述べたように、オーステナイト単相域加熱
であるから冷却を開始する時のオーステナイト中のC,
Mn、Siといった合金元素の濃度が焼鈍時間や温度に
よって変化しないからである。
したがって9本発明に従うオーステナイト単相域加熱に
よる低降伏比型冷延高張力鋼板の製造法においては、連
続焼鈍の操業条件が変動して加熱時間が多少変化しても
、得られる冷延鋼板の機械的性質の変化が少ないという
利点があり1品質を安定させることができる0本発明法
ではこの加熱温度をAc、点+30℃〜AC3点+90
℃の範囲とするが。
Ac3点+30℃以上とするのは、フェライトからオー
ステナイトへの変態を短時間で十分に進行させるためと
、 Ac、点+30℃未満の加熱では延性が十分に得ら
れず、これによって強度・延性バランス(強度×延性の
値)が低(なるためである、また加熱温度の上限をAc
、点+90℃とするのは、この温度を越えると長時間加
熱を受けた場合にオーステナイト粒が粗大化し、そのた
めに、冷却中でのフェライト変態の遅延とフェライト粒
の粗大化を招き2機械的性質とくに延性の低下を招くか
らである。
連続焼鈍の加熱時間: AC1点+30℃〜Ac3点+90℃の温度範囲での加
熱時間は、フェライトがオーステナイトに変態し且つ冷
延によって破砕された炭化物を充分に再固溶させるため
に少なくとも10秒は必要である。しかし、10秒以上
であっても、特に大きな炭化物があったりすると未溶解
のまま残存することもありこのために焼鈍後の強度が安
定しないことも生ずるので、20秒以上とするのが望ま
しい。しかし。
加熱時間が50秒を越えるようになるとオーステナイト
粒が若干粗大となる傾向が見られること2および加熱の
ためのエネルギー消費が増えるなどの好ましくない影響
が現れるので50秒以下とするのがよい。
連続焼鈍の冷却速度ニ オーステナイト単相域加熱によって低降伏比型冷延高張
力鋼板を製造する場合には、この焼鈍温度からの冷却速
度は重要な意味をもつ。これは。
オーステナイトとフェライトとの分離、フェライトを分
離したオーステナイトからの一部ペイナイトを含むこと
があるマルテンサイトへの変態、という複合組織の形成
過程がすべてこの冷却中に行われるからである0本発明
に従う鋼は比較的高合金組成であるから、遅い冷却速度
でも低降伏比の鋼が得られる。しかし7本発明で規定す
る組成範囲であってもSiやMnが下限に近い組成の鋼
の場合には、前記の加熱温度から400℃までの平均冷
却速度が6℃/秒未満では、フェライト・パーライトを
主体とする金属組織となり、高強度・高延性で且つ低降
伏比が得られなくなる。なお、ここで、“400℃まで
の平均冷却速度”と規定するのは、400℃より低い温
度領域では冷却速度を変化させても、得られる鋼板の機
械的性質がそれほど変化しないこと、および営業生産ラ
インでは400℃以下では過時効帯に入るので冷却速度
として規定することが困難であることなどの理由による
本発明の場合には、 400℃から過冷却されることな
しに、そのまま400℃×180秒の過時効処理を受け
ても低降伏比型冷延高張力鋼板としての特徴が失われな
いことを確認している。
他方、この400℃までの平均冷却速度が20℃/秒を
越えると、フェライトとオーステナイトに2相分離する
時間が充分に採れず、フェライトIが少ないまま冷却さ
れてしまう、すなわち、少量のフェライトと、C,Mn
JPSiの濃化度の小さい(安定度の低い)多量のオー
ステナイトのまま冷却されてしまうことになる。この結
果、ベイナイトを主体とする変態生成物を多く含む組織
となって3強度は得られるものの、延性が悪くなる。ま
た、 20℃/秒を越える冷却速度では5冷却速度の変
動による強度変化が大きく現れるという問題も生ずる。
このようなことから2本発明法においては、加熱温度か
ら400℃までの平均冷却速度を6・〜20℃/秒とす
る必要がある。
以下に実施例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明
する。
〔実施例〕
例1 本例は鋼成分の影響を示すものである。
第1表に示す化学成分の鋼を20kg真空溶解炉で溶製
し、鍛造後2.5n+m厚さに熱延した。熱延は仕上温
度860〜880℃で行った。熱延後は急冷されたため
に多くの鋼は熱延ままで複合&l1raとなった。
このため、生産ラインでの熱延巻取を想定して次のよう
な熱処理を施した。すなわち、900℃×15分の焼串
を行い、その後600℃まで空冷し、600 ℃から常
温までは20℃/時で炉冷した。
その後、酸洗を行ったうえ0.81まで冷延し。
この冷延板を、熱サイクルシュミレータを用いて連続焼
鈍相当熱処理に供した。焼鈍条件は、第1図に示すヒー
トサイクルにおいて、加熱温度T=860℃、加熱時間
t=50秒である。
得られた焼鈍材から11!圧延なしでJIS 5号試験
片を作成して引張試験を行った。その結果を第2表に示
した。
第2表におけるTS X [! 1は強度×延性値であ
る。
−最に強度と延性は相反する特性であり9強度レベルが
異なれば延性の良否の判定が難しい。このため1本例に
おいては、 0.8 armという板厚を考慮して、T
SXEAが1750 kgf/mm”−%以上であれば
高強度且つ高延性であると判断され得る。
また5降伏比については、この種の低降伏比型冷延高張
力鋼板では焼鈍後のili質圧延によって降伏強度が大
きくなりやすいことがら、調質圧延を行っていない本例
では、降伏比が0.55以下であれは低降伏比であると
判断され得る。
第2表の結果から明らかなように2本発明で規制するC
、St、Mnおよびsol、A 1を含む鋼はいずれも
、引張り強さ; 60〜90 kgf/mar”、 降
伏比≦0.55およびTS X E I!、≧1750
 kgf/mm”−%を満足するが、C,Si、Mnの
いずれか一種または二種以上が本発明で規定する範囲を
外れる鋼では、この特性値のうちの一つまたは二つ以上
を満足し得ない。
例2 本例は連続焼鈍時の加熱温度の影響を示すものである。
例1において良好な結果が得られた本発明例の鋼種H,
I、Nおよび0の鋼を1例1と同じ条件で0.8−厚さ
の冷延鋼板とした。そして、第1図に示したヒートサイ
クルに従って、加熱温度を変化させた。加熱時間は50
秒、400℃までの冷却速度は7℃/秒の一定とした。
得られた焼鈍板の機械的性質を例1と同様にして求めた
。その結果を第3表に示す。
第3表の結果から明らかなように1本発明で規定の加熱
温度AC3点+30℃〜AC3点+90の範囲のものは
、この範囲を外れるものよりも、TSXEj!のイ直が
大きくなることがわかる。
例3 本例は、熱延巻取温度の影響を示すもので、営業生産規
模で行った実施例である。
第4表に示す化学成分値の鋼を80ton転炉および真
空脱ガス処理装置を用いて溶製し、連続鋳造によって1
90 X 940 X 9000mmのスラブを7本得
た。
このうちの5本のスラブを使用し、第5表に示した条件
のもとて熱間圧延、デスケール、ゼンジミアミルによる
冷延、および連続焼鈍装置による連続焼鈍を実施して冷
延高張力鋼板を製造した。
得られた鋼板の機械的性質1表面肌判定結果。
並びに、熱延機と冷延まま材についてそれらの断面を4
00倍の光学顕微鏡で観察し表面からの粒界酸化の深さ
を測定した結果を、第6表に総括して示した。
なお、最小曲げ半径比は頂角45°のポンチによる突き
曲げを行い5曲げ外側表面にクランクの発生しない最小
のポンチ先端半径を板厚で除した値である。試験片の板
取りは曲げ線が圧延平行方向となるようにした。この最
小曲げ半径比; r / t≦0.5をもって1曲げ加
工性が良好であると判断され得る。
表面肌の判定は、ダル肌の場合には目視で、そしてブラ
イト肌の場合は日本電色(株)製の光沢度計VG−2P
−03を用いて、それぞれ行う、た、ブライド肌では光
沢度250以上をもって良好と判断され得る。
第6表の結果から明らかなように、熱延巻取温度が本発
明で規定する範囲のll&11〜2の鋼は、良好な曲げ
加工性と良好な表面性状を兼備した降伏比が0.65以
下の低降伏比型冷延高張力鋼板であることがわかる。
〔作用効果〕
本発明によると、MnとStという比較的安価な合金元
素を用いて曲げ加工性が良く且つ表面性状が良好な低降
伏比型冷延高張力鋼板が得られ。
既述の目的が効果的に達成できる。
本発明によって得られた低降伏比型冷延高張力鋼板は表
面性状と曲げ加工性が優れるので、そのまま電気亜鉛め
っき鋼板、亜鉛系合金電気めっき鋼板、真空蒸着亜鉛め
っき鋼板の原板として使用することができる。また、ラ
イン内焼鈍型のめっき設備においては冷延材をこの連続
焼鈍炉に本発明で規定する焼鈍条件で通板することによ
り曲げ加工性のよい低降伏比型冷延高張力めっき鋼板を
製造することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は連続焼鈍をシミュレートするためのヒートサイ
クルの例を示したものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 重量%で、C:0.06〜0.12%、Si:0.3〜
    0.8%、Mn:1.8〜2.8%、sol.Al:0
    .01〜0.08%を含有し、残部が鉄および不可避的
    不純物からなる鋼のスラブを通常の方法により熱間圧延
    し、そのさいのコイルへの巻取にさいして535℃以下
    の温度で巻取り、次いで60%以上の圧下率で冷間圧延
    し、そして、連続焼鈍炉において、Ac_3点+30℃
    〜Ac3点+90℃の温度範囲のγ単相域に20〜50
    秒間保持し、この温度域から400℃までを6〜20℃
    /秒の平均冷却速度で冷却するヒートパターンのもとで
    連続焼鈍処理を施すことからなる、引張り強さが60〜
    90kgf/mm^2の範囲そして降伏比(=0.2%
    耐力/引張り強さ)が0.65以下である表面性状と曲
    げ加工性に優れた低降伏比型冷延高張力鋼板の製造法。
JP17733585A 1985-08-12 1985-08-12 表面性状と曲げ加工性に優れた低降伏比型冷延高張力鋼板の製造法 Granted JPS6237322A (ja)

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