JPH0361481A - ギ酸脱水素酵素及びその製造方法 - Google Patents

ギ酸脱水素酵素及びその製造方法

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JPH0361481A
JPH0361481A JP19677589A JP19677589A JPH0361481A JP H0361481 A JPH0361481 A JP H0361481A JP 19677589 A JP19677589 A JP 19677589A JP 19677589 A JP19677589 A JP 19677589A JP H0361481 A JPH0361481 A JP H0361481A
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Shigeru Kajiwara
梶原 茂
Kuniaki Hosono
細野 邦昭
Hidekatsu Maeda
前田 英勝
Mitsugi Iida
飯田 貢
Keiko Kimura
恵子 木村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、微生物による新規なギ酸脱水素酵素及びその
製造方法に関し、更に詳しくは、パラコツカス属に属し
、ギ酸を唯一の炭素源として生育し得る微生物を培養し
て、その代謝産物としてギ酸脱水素酵素を蓄積させて得
られる新規なギ酸脱水素酵素及びその製造方法に関する
ものであり、その目的とするところは産業上有益なギ酸
脱水素酵素を提供することにある。
〔従来の技術] ギ酸脱水素酵素については、メタノール酵母や高等植物
においてその存在が知られ、エントウ豆やメタノール酵
母においてはその酵素が精製され、その性質が明らかに
されている。具体的にはエントウ豆(Pisum sa
tivum: J、Biochem、 vol、77+
 845(1975)参照)、キャンディダ・ボイディ
ニ(Candidaboidinii: Eur、J、
Biochem、 vol、62+ 151(1976
)参照)、キャンディダ・メチリカ(Candida 
methy−1ica: Eur、J、Biochem
、vol、52.657(1985)参照)、キャンデ
ィダ・メタノリカ(Candida methanol
ica:FEMS Microbiol、 Lett、
 vol、48.139(1987)参照)、クロイッ
ケラ属酵母(Kloeckera sp、: Agri
c。
Biol、 Chen+、 vol、38.111(1
974)参照)、ピキア・バストリス (Pichia
 pastoris:Agric、 Biol。
Chew、 vol、 47.2547(1983)参
照)などである。
しかしながら細菌においては、エシェリキア・コリ (
Escheriehia coli: J、 Biol
、 Che+m、 vol。
250、6693(1975)参照)、クロストリジウ
ム・パスツーリアナム(Clostridium pa
steurtanum: J。
Bactertol、 vol、159.375(19
84)参照)、クロストリジウム・サーモアセティカム
(Clostrfdiumthermoaeeticu
s+: J、 Biol、 Chen+、νo1.25
9.1826(1983)参照〉などがNADを電子受
容体として利用できないギ酸脱水素酵素(酵素番号[E
C1,2,2,1])を持つことがよく知られているが
、NADを電子受容体として利用できるギ酸脱水素酵素
(酵素番号iEc 1.2.1.21 )は、幾つかの
細菌から精製されているに過ぎない。具体的には、モラ
キセラ属細菌(Moraxella sp、: J、 
Bacteriol、 vol、170+ 3189(
1988)参照)やアクロモバクタ−・バーヴアラス(
八chromobacter  parvulus: 
 Eur、  J、  Biochem  vol。
99、569(1979)参照〉、シュードモナス・オ
キザラティカス(Pseudomonas oxala
ticus: Eur、 J。
Biochem、 vol、83.485(1978)
参照)などの酵素が知られている。しかしながら、シュ
ードモナス・オキザラティカスやアクロモバクタ−・バ
ーヴアラスの酵素は安定性が悪く、安定剤無しには数日
でその活性を失うことが知られている。
先行発明としては、特開昭60−12974号にシュー
ドモナス・オキザラティカスからのギ酸脱水素酵素の製
造法が述べられている、上述したようにこの酵素は極め
て酸素耐性が低く、安定剤の存在なしには5日間でその
活性を失ってしまう。従って、このような酵素を工業的
規模でのNADII再生用酵素として用いることはあま
り意味がない。また、特開昭60−241887号には
りボマイセス・メタノシルビエンス(Liposyce
s methanosilvfensis)によるギ酸
脱水素酵素の製造法が述べられている。この酵素は特開
昭60−12974号のように酸素耐性の低い酵素では
ないが、pH安定性、NADに対するに一直、精製酵素
の比活性等において十分なものといえない。
〔発明が解決しようとする課題〕
ギ酸脱水素酵素(酵素番号[BC1,2,1,2])は
、ギ酸とNADより炭酸を副産物としてNADHを生成
することから、NADHを必要とする酵素反応系におい
てNADH再生用酵素として有望視されており、またそ
のギ酸に対するKm値の低い酵素は、ギ酸の特異的検出
や微量定量にも有用である。特にNAD)l再生用の酵
素としては、反応生成物が炭酸であることから副産物が
反応系に蓄積しない利点があり、工業的規模でのNAD
H再生用酵素として注目されている。
これまでギ酸脱水素酵素を生産する菌株は上記のごとく
知られている。しかしながら、これらの菌株はギ酸脱水
素酵素の生産性が低く、そして得られるギ酸脱水素酵素
は、■比活性が低いこと。
■ギ酸及びNADに対するギ酸脱水素酵素のKm値が大
きいこと。■温度安定性やpH安定性の範囲が狭いこと
などから、工業的利用に適さないものであった。
本発明者らはギ酸を資化し、かつ高活性のギ酸脱水素酵
素生産細菌の分離を広範囲に行った結果、パラコツカス
属の微生物がギ酸を資化し、かつ高い比活性を有しギ酸
及びNADに対するKm値の小さいギ酸脱水素酵素を生
産することを見出し本発明を完成するに至った。同時に
この酵素は、温度安定性やpH安定性の範囲が広く、菌
株の酵素生産性も高いことからその有用性が高いもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、下記の理化学的性質に特徴を有するギ酸脱水
素酵素である。
(1)作用適温の範囲 温度範囲:25〜70″C1至適温度=50〜60℃(
2)作用pHの範囲 pH範囲:5.0〜11、至適pH:5.5〜8.0(
3)分子量 約100,000 (4)ギ酸に対するKm値 5.0mM (5) NADに対するKm値 0.036mM (6)温度安定性 温度:50℃以下 (7)pH安定性 pH:4.o〜12.0 更に、本発明はパラコッカス属に属し、ギ酸脱水素酵素
生産能を有する微生物、好ましくはギ酸を唯一の炭素源
として生育し得る微生物を培地中に培養し培養物中にギ
酸脱水素酵素を蓄積せしめ、この培養物からギ酸脱水素
酵素を採取することを特徴とするギ酸脱水素酵素の製造
方法である。
本発明において使用するパラコッカス属に属する微生物
は以下に詳述する如く、ギ酸を唯一の炭素源としてこれ
を資化することが好ましいが、ギ酸脱水素酵素を生産す
るものであればいずれでもよい。これらの具体的菌株と
して、例えばパラコッカス属12−A株によって代表さ
れるが、この他にもギ酸を唯一の炭素源としてこれを資
化しギ酸脱水素酵素を有するパラコツカス属細菌であれ
ば何れでも使用できる。
尚、本研究者が分離、採取した前記パラコッカス属12
−A株は既に微工研菌寄第10835号(FERM P
−10835)として平成元年7月11日付で工業技術
院微生物工業技術研究所へ寄託されており、その菌学的
性質は以下の通りである。
1、形態 1)直径0.8μmX1.2μm程度の短桿菌。
2)ダラム染色:陰性。
3)運動性:なし。
4)芽胞形成能:なし。
■0次の各培地における生育状態 ■)肉汁寒天平板培養:光沢の無い白色の円形で平滑な
コロニーを形成する。
2)肉汁寒天斜面培地:糸状に生育する。
3)肉汁液体培養:表面に菌膜を生威し、培地に混濁を
生じる。
4)肉汁ゼラチン穿刺培養:ゼラチンを液化せず。
5)リドマス・ミルク:変化せず。
■1次の生理学的性質 1)硝酸塩の還元:還元する。
2)脱窒反応:陽性。
3)MRテスト:陰性。
4)VPテスト:陰性。
5)インドールの生tc:生戒せず。
6)硫化水素の生成:生成せず。
7)デンプンの加水分解二分解せず。
8)クエン酸の利用: Koserの培地およびChr
is tensenの培地でのクエン酸の利用は認めら
れない。
9)無機窒素の利用 硝酸塩;利用する。
アンモニウム塩:利用する。
色素の生成:認められない。
ウレアーゼ:陰性。
オキシダーゼ:陽性。
カタラーゼ:陽性。
生育の範囲 ・温度:25〜30”C pHニア、4〜8.5 酸素に対する態度の好気性。
0−Fテスト:グルコースを分解しない。
下記の糖類からの酸およびガスの生成。
し−アラビノース:酸、ガスとも生成せず。
D−キシロース:酸、ガスとも生成せず。
D−グルコース:酸、ガスとも生成せず。
D−マンノース:酸、ガスとも生成せず。
D−フラクトース:酸、ガスとも生成せず。
D−ガラクトース:酸、ガスとも生成せず。
麦芽ti :酸、ガスとも生成せず。
シーI糖:酸、ガスとも生成せず。
乳糖:酸、ガスとも生成せず。
トレハロース:酸、ガスとも生成せず。
ル)D−ソルビット:酸、ガスとも生成せず。
ヲ)D−マンニット;酸、ガスとも生成せず。
ワ)イノジット:酸、ガスとも生成せず。
力)グリセリン:酸、ガスとも生成せず。
3)デンプン:酸、ガスとも生成せず。
本発明の細菌によるギ酸脱水素酵素生産に使用する培地
としては、主炭素源としてのギ酸と窒素源、無機塩類を
各々適量に含有する培地ならば合成培地または天然培地
の何れでも使用できる。特にビタミン等の成長促進物質
を培地中に含有させる必要はないがこれを妨げるもので
はない。
本発明使用の細菌は、培地中のギ酸濃度が高くなると生
育速度が減少するため培地中のギ酸初濃度をできるだけ
低くしてギ酸の消費に合わせてギ酸を添加し、培養液中
のギ酸濃度を低く保ちながら培養する方法を取ることが
望ましい。窒素源としてはアンモニウム塩、尿素、コー
ン・ステイープ・リカー、酵母エキス、ペプトンなどの
窒素化合物が用いられる。また、そのほかの無機塩とし
ては例えばリン酸塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、
カルシウム塩、カリウム塩、硫酸塩、鉄塩、塩素などが
挙げられ、必要に応じてビタミン類などの生育促進物質
を添加してもよい。
本発明使用の細菌の培養条件は、培養温度25〜30℃
で生育可能であるがギ酸脱水素酵素の生成などの点から
28〜30℃が特に好ましい。また、pH7,4〜8.
5で生育可能であるが、pH7,4〜8.0が好ましい
。また、培養方式は、回分培養または連続培養のいずれ
でも良い。
かくして得られた培地中のギ酸脱水素酵素は菌体外にも
蓄積するがおもに菌体内に生成蓄積されている。従って
ギ酸脱水素酵素を分離精製するには、培養終了後に培養
液から遠心分離などの手段によって菌体を集め、超音波
細胞破砕機などの手段により菌体を破砕して、ギ酸脱水
素酵素を菌体から緩衝液中に抽出し、粗ギ酸脱水素酵素
液を得、この粗ギ酸脱水素酵素液を精製することにより
ギ酸脱水素酵素を得る。
次に本発明の新規なギ酸脱水素酵素の理化学的性質を説
明する。
(1)作 用 ギ酸脱水素酵素は、ギ酸を酸化(脱水素)し炭酸を生成
する反応を触媒する。この反応の際同時に、NADを還
元しNADI(を生成する。この反応は可逆反応である
が、中性付近ではNADH生戊側生成衡が偏っているた
め、N A D !(再生用酵素として優れた性質を持
っている。
(2)基質特異性 この酵素の基質特異性は厳密であって、正反応における
ギ酸もしくは逆反応における炭酸以外には作用しない。
(3)作用pH pH範囲:5.0〜11.0、至適pH:5.5〜8.
0(4)pH安定性 4.0〜12.0 (5)力価の測定法 ギ酸酵素活性の測定はNAD 1mM、ギ酸すI−IJ
ウム24mM、メルカプトエタノール30mM及びグリ
セリン0.5%を含む0.1Mリン酸緩衝液(、p H
7,0)を用い、30″CでのNADH生成に伴う34
0nmの吸光度の増加により行った。1分間に1μmo
leのNAOHを生成する酵素量を1単位とした。
(6)作用温度の範囲 温度範囲=25〜70℃1至適温度:50〜60“C(
7)温度安定性 50″C以下 (8)p H1温度などによる失活の条件60″C,1
時間もしくは65℃,5分間で完全に失活した。また、
pH3,0及びpH12,0において4℃で24時間保
存した後でも、各々72%、91%の活性を保っており
、完全に失活させることはできなかった。
(9)阻害、活性化及び安定化 エチレンジアミン四酢酸(通常EDTAと略、1mM)
 + α、α−ジピリヂル(1mM)、  o−フェナ
ンスロリン(1mM)などのキレート剤では阻害されな
カッタ。硝酸銀(0,01mM)、  塩化第二水vA
(0,01mM) + 青酸カリ(0,1mM)、 ア
ジ化ナトリウム(0,1mM>、  p−クロロマーキ
ュリベンゾエイト(通常PCMBと略、1 mM)共存
下で活性を測定したところ完全に酵素活性が阻害された
。また、N−エチルマレイミド(10n+M)、  ヒ
ドロキシルアもン(10mM)、モノヨード酢酸(1m
M)では余り阻害を受けなかった。従って、本酵素の活
性発現には金属が関与せず、また特にPCMBにより強
く阻害されたことから、本酵素の活性発現にはSH基が
関与していることが示唆される。
また、本酵素の活性発現に関して活性化剤や安定化剤を
酵素溶液に添加する必要性はなく、そのような活性を持
つ物質も見つかっていない。
一般に脱水素酵素類は酸素で失活する場合が多く、メル
カプトエタノールなどの還元剤を酵素液に加える場合が
多いが、本酵素については特に添加する必要はない。
OI精製方法 ギ酸脱水素酵素は塩析法、溶媒析出法、カラムクロマト
グラフィーなどによりギ酸脱水素酵素が精製されるが、
通常、細胞破砕後の粗酵素液に硫酸アンモニウムを35
%飽和濃度になるように加え生じた沈澱画分を集め、3
011Mメルカプトエタノールを含有する10n+Mリ
ン酸緩衝液(pH7,0〉に溶解後、同緩衝液に対して
透析を行う。
これを同緩衝液で平衡化したDEAE−セルロースカラ
ム(26閣φX600mm)に吸着させ、同緩衝液で洗
浄し、次いで30mMメルカプトエタノールを含有する
100mMリン酸緩衝液(’pH7,0)で溶出してき
たギ酸脱水素酵素活性画分を集め、精製酵素を得ること
ができる。
尚、NADH再生用酵素として使用するならば精製途中
の段階のギ酸脱水素酵素を使用することも可能であるが
、使用しようとしている反応系の主反応を妨害するよう
な別の酵素活性が混在している場合はこれを除く必要が
ある。
(11)分子量 約100,000 本酵素の上記理化学的性質を従来公知のギ酸脱水素酵素
と比較し本酵素が新規なギ酸脱水素酵素であることを次
に説明する。
分子量による比較では、−Sに酵母由来のギ酸脱水素酵
素は70,000〜84,000また、最近由来のでは
シュードモナス・オキザラティカスの315.000以
外は80.000〜98,000である。本酵素は10
0.000であり、酵母由来の酵素とは異なり、他の細
菌由来の酵素と似た分子量を持っている。
特に、モラキセラ属細菌の酵素とよく似た分子量を持っ
ている。また、シュードモナス・オキザラティカス以外
の本酵素を含めた他の微生物由来のギ酸脱水素酵素が同
一の分子量のサブユニット2個から戒るのに対し、シュ
ードモナス・オキザラティカスの酵素は分子量の異なる
2種類のサブユニット各2個ずつから成り、他の酵素と
は異なった構造をしている。実際、シュードモナス・オ
キザラティカスのギ酸脱水素酵素は色素依存性のギ酸脱
水素酵素とNAD脱水素酵素の複合体であり、他の酵素
とは全く異なるものである。シュードモナス・オキザラ
ティカスの酵素はギ酸に対するKm値が非常に低く、ま
た比活性も非常に高いが〔従来の技術〕で述べたように
非常に酸素耐性が低く工業的には利用は難しい。
至適pHにおいては本酵素は他の酵素に比べ酸性側に活
性の至適が少し偏っており、酸性側での反応に有利であ
る。またpH安定性も他の酵素に比べて広い範囲で安定
であり、工業的応用の際には広い条件で利用することが
できる。
至適温度も一番高いが、温度安定性は他の酵素と変わら
ない。
比活性においては文献値ではシュードモナス・オキザラ
ティカス(42,25℃)、  キャンデイダ・メチリ
カ(16,37℃)についで3番目に高い比活性を本酵
素(11,6,30″C)は持っており、アクロモバク
タ−・バーヴアラス(11,0,37’C)とほぼ同し
値であるが、一般に失活が起こらなければ測定温度が高
いほど酵素の活性は高いので37℃の値を至適温度を調
べたグラフから計算すると19.3になり2番目に高い
比活性を持つことになる。更に、本酵素以外のここに挙
げた3種類の微生物由来の酵素は何れも安定剤の存在な
しには不安定な酵素であり、工業的な利用は難しい。
ギ酸に対するKm値はシュードモナス・オキザラティカ
ス(0,135)は別格にして、キャンデイダ・メタノ
リカ(3,0)、  リボマイセス・メタノシルビエン
ス(3,64) と本酵素(5,0)は同程度に他の酵
素より一桁低い値を持っている。これに対し、NADに
対するKm値は本酵素(0,036)がモラキセラ属細
菌(0,068)やりボマイセス・メタノシルビエンス
(0,072)など他の酵素の軸値の半分以下の値を持
っている。このことから本酵素を酵素分析などに用いる
のに適した性質を持っている。
以上述べたように本酵素は従来公知のギ酸脱水素酵素と
は異なった性質を持ち、更にその性質の大部分が公知の
ギ酸脱水素酵素よりも優れたものであることが分かる。
次に実施例を示すことにより更に本発明のギ酸脱水素酵
素を詳細に説明する。
実施例1 菌株の培養には、ギ酸を唯一の炭素源とした以下の組成
の培地を用いた。すなわち、HCOOH1,0ml、 
 KIIzr’Os 7.Og、  (Nl14)zs
O42,Og、  Fe5On−7H,02、Og、 
 Mg5o44112o 0.3g、  CaC1z・
2HzO0,1g、NaC10,Ig、微量金属溶液1
.omi*蒸留水1000Idを含有し、最終pHをp
H’7.4に調整した。なおここで用いた微量金属溶液
は、1リツトル中にHJ(h 0.3g、 MnC1z
・411z00.2g’、 ZnC1z 0.75g、
 Cu5O15H200,2g、 FeCl1−611
z02.5g、 (N114)bMo=Oza−411
tOO,1g、 Co50a 411to0.15 g
を含有するものである。この培地10リツトル容ジャー
ファーメンタ−に、7リツトルを入れ、これにパラコツ
カス[12−A株(微工研菌寄第10835号)の種培
養液1゜2リツトルを接種し、pH調整をしなから30
℃で30時間培養した。培養終了後、遠心分離で集菌し
た後、菌体を超音波破砕し、遠心上清にギ酸脱水素酵素
約20000を含む菌体抽出液を得、これを粗酵素液と
した。この粗酵素液の蛋白質1■当たりの活性、即ち比
活性は1.820/mg蛋白質であった。
この菌体抽出液から硫安塩析、イオン交換クロマトグラ
フィーによって、電気泳動的に単一なバンドとなったギ
酸脱水素酵素約9000を精製酵素標品として得た。こ
れは粗酵素液中に含まれたギ酸脱水素酵素活性の約半分
が効率良く精製酵素として得られたことを示す。精製の
結果、ギ酸脱水素酵素は約6.4倍に精製され、その比
活性ば11.6LI/■蛋白質であった。
本実施例の結果は、本酵素がパラコツカス属12A株の
菌体内可溶性蛋白質の約15%という高濃度で存在する
ことを意味し、このパラコツカス属12−A株の高い酵
素生産性を証明するものである。
実施例2 実施例1で得られた精製ギ酸脱水素酵素(以下本酵素と
呼ぶ)の活性測定を異なるp H(l!で行い各pHの
本酵素の活性を調べた。pH7,0での活性を100と
した時の相対活性として表した。
反息痩旦1旦    皿Z引4ヒ性 4.54 5.029 5.5             966.0    
         986.5           
  1007.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 10.5 11.0 11.5 12.0 これらの結果により本酵素の反応至適pHは5.5〜8
.0で作用範囲はpH5,0〜11であることを示した
実施例3 pH7,0での本酵素の反応至適温度を調べた。50℃
での活性を100としたときの相対活性として表した。
反北4nし1ユ      朋−封一活一圧018 25            24 30             32 35            48 40            66 45            84 50             10055     
      100 60             99 65            83 70            28 75             3 本酵素至適温度は50〜60℃で作用範囲は25〜70
℃であった。
実施例4 本酵素のpH7,0の温度安定性を各温度で1時前処理
した酵素の残存活性を調べることにより検討した。
垂奥艷側虹L0江   残着ユ駄11辻本酵素は50℃
までは非常に安定であった。
実施例5 本酵素のpH安定性を各pHで4℃24時間前処理した
酵素の残存活性を調べることにより検討した。
剰」L理−り比    残ヱ1u1j辻3.5    
     72 4.0         94 4.5         90 5.0         94 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 10.5 11.0 11.5 12.0 本酵素はpH4,0〜12の範囲で安定であり、広いp
H範囲での利用が可能になることを示していた。
実施例6 本酵素のギ酸及びNADに対するKm値をギ酸及びNA
Dの濃度と反応速度との関係から求めたところ、ギ酸に
対しては5.0mM、N A D ニ対シテハ0.03
6mM ?!:非常に低いKm値を持つことが明らかに
なり、NADIIの再生用酵素として用いる際の優位性
が示された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、下記の理化学的性質に特徴を有するギ酸脱水素酵素
    。 (1)作用温度の範囲 温度範囲:25〜70℃、至適温度:50〜60℃(2
    )作用pHの範囲 pH範囲:5.0〜11、至適pH:5.5〜8.0(
    3)分子量約100,000 (4)ギ酸に対するKm値5.0mH (5)NADに対するKm値0.036mM (6)温度安定性温度:50℃以下 (7)pH安定性pH:4.0〜12.0 2、パラコッカス属に属し、ギ酸脱水素酵素生産能を有
    する微生物を培地に培養し、培養物中にギ酸脱水素酵素
    を蓄積せしめ、該培養物からギ酸脱水素酵素を採取する
    ことを特徴とするギ酸脱水素酵素の製造方法。 3、ギ酸脱水素酵素が下記の理化学的性質を特徴とする
    ものであることを特徴とする請求項2記載のギ酸脱水素
    酵素の製造方法。 (1)作用温度の範囲 温度範囲:25〜70℃、至適温度:50〜60℃(2
    )作用pHの範囲 pH範囲:5.0〜11、至適pH:5.5〜8.0(
    3)分子量約100,000 (4)ギ酸に対するKm値5.0mM (5)NADに対するKm値0.036mM (6)温度安定性温度:50℃以下 (7)pH安定性pH:4.0〜12.0 4、パラコッカス属に属し、ギ酸脱水素酵素生産能を有
    する微生物がギ酸を唯一の炭素源として生育し得る微生
    物であることを特徴とする請求項2または3記載のギ酸
    脱水素酵素の製造方法。
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