JPH0360841A - 等速ジョイント外輪の製造方法および製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野］ 本発明は、カップ部内周のトラック溝と軸部内周のセレ
ーション部との間が中間壁で仕切られ、しかも、この中
間壁に駆動軸の端部を受けるボス部が形成された等速ジ
ヨイント外輪を製造する方法および製造装置に関する。

［従来の技術１ 従来、この種の等速ジヨイントの外輪は一端が開口する
カップ体の他端部に被動軸が一体成形されたものが一般
的であるが、近年、被動軸をカップ体に設けたセレーシ
ョン部を介して連結するタイプの等速ジヨイントの外輪
が製造されるに至っている。

このような等速ジヨイントの外輪において、加工の容易
性のためにトラック溝とセレーション部とを互いに連通
せしめているものが知られている。このタイプの等速ジ
ヨイントの外輪では、セレーション部側へ封入されたグ
リスが流出しないようにキャップを圧入する必要があり
、部品点数が増える不都合があった。

一方、キャップを用いずにトラック溝とセレーション部
の間を中間壁で隔てる場合には、トラック溝とセレーシ
ョン部との間の同名性にずれが生じてその同窓性の精度
を出すことが困難であるとともに、トラック溝とセレー
ション部の加工を夫々別々の工程で仕上げなければなら
ないことから工数が増加する。

また、塑性加工により中間壁にボス部を形成し、このボ
ス部で駆動軸の端部を受けるようにする場合、このボス
部の成形に困難が伴う。

［発明が解決しようとする課題］ すなわち、ボス部成形に際しては、肉の流動に伴う他の
部分への影響が大きいことから、中間壁に曲げやクラッ
クが発生し易い等の問題が生ずる。また、駆動軸を受け
る曲面状の凹部は機械加工により仕上げなければならな
かった。

本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであって、トラ
ック溝とセレーション部を成形する際に同時にボス部を
成形出来、その成形性も良好で大幅に工程を短縮し得る
等速ジヨイント外輪の製造方法および製造装置を提供す
ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 前記の課題を解決するために、本発明はカップ部内周に
軸方向のトラック溝と軸部内周に軸方向のセレーション
部を有する等速ジヨイント外輪を鍛造加工により製造す
る方法であって、カップ部にトラック溝の相似形の第１
の下穴を有し、且つ軸部にセレーション成形用の第２の
下穴を有し、第１下穴と第２下穴の間が中間壁で仕切ら
れている予備成形体を素材から成形する第１の工程と、 前記中間壁に指向してトラック溝成形用の第１のパンチ
とセレーション成形用の第２のパンチを対向させて配置
し、第１パンチを第１下穴に挿入してトラック溝を仕上
げ成形する第２の工程と、 第２パンチを第２下穴に挿入してセレーション部を成形
する第３の工程と、 当該第２パンチを中間壁に当接させてさらに押圧せしめ
て中間壁中央の肉を第１パンチと第２パンチの間に画成
される空間部に流動させてボス部を成形する第４゛の工
程と、 からなることを特徴とする特 また、本発明は予備成形体に対してそのカップ部内周に
軸方向のトラック溝と、軸部内周に軸方向のセレーショ
ン部と、これらの間を仕切る中間壁にボス部を複合成形
する等速ジヨイント外輪の製造装置であって、 予備成形体の外周からしごき加工をするか、あるいはこ
れを拘束するダイと、 予備成形体の中間壁を間に対向して配設されるトラック
溝成形用の第１のパンチと、セレーション成形用の第２
のパンチとを備え、前記第１パンチに対しその内側を摺
動変位可能であり第２パンチとの間でボス部形成用の空
間部を画成するとともに、中間壁に指向して付勢される
カウンタパンチを有することを特徴とする。

［作用］ 予備成形体の第１の下穴に挿入される第１のパンチの形
状に倣ってトラック溝が仕上げられ、予備成形体は第１
パンチに密着した状態下にその第２の下穴に第２のパン
チが圧入されてセレーション部が仕上げられるとともに
、中間壁に対する第２パンチの押圧作用下に肉が流動し
て中間壁にトラック溝側を指向してボス部が成形される
。

［実施例］ 次に、本発明に係る等速ジヨイント外輪の製造方法およ
び製造装置の一実施例について、添付の図面を参照しな
がら以下詳細に説明する。

第１図は、等速ジヨイントの外輪ｌＯの縦断面図であり
、第２図は第１図におけるＩＩ＝ＩＩ線断面図である。

この外輪ｌＯは、一端部が開口するカップ部１２と、こ
のカップ部１２の開口する側とは反対側の円筒状の軸部
１４とを鍛造加工により一体成形してなるものである。

前記カップ部１２の内周には、その軸方向に延在して３
条のトラック溝１６ａ乃至１６ｃが形成されている。こ
れに対し、前記軸部１４の内周にはセレーション部１８
が形成され、このセレーション部１８には被動側の軸が
噛合する。前記カップ部１２のトラック溝１６ａ乃至１
６ｃと軸部１４のセレーション部１８とは中心軸を同じ
くする関係になっている。

また、トラック溝１６ａ乃至１６Ｃには駆動軸２０の端
部に取着されるスパイダ２２に保持されるローラ２４が
転勤するようになっている。トラック溝１６ａ乃至１６
ｃとセレーション部１８とは中間壁２６を介して仕切ら
れており、この結果、トラック溝１６ａ乃至１６ｃとセ
レーション部１８とは非連通の状態にある。この中間壁
２６の中央部分にはトラック溝１６ａ乃至１６ｃ側に膨
出するボス部２７が形成され、このボス部２７の端面は
駆動軸２０を受ける球面凹ｔｉＦＢ２７ａに形成されて
いる。

次に、このような外輪１０を製造する方法を遂行する各
工程に対応する成形品の形状を第３図に示す。

先ず、第１の鍛造工程では、円柱状のビレット２８を素
材として（第３図ａ参照）、例えば、第３図す、ｃの成
形過程を経る押出、据込成形の組み合わせによって、こ
のビレット２８をカップ状に成形された予備成形体３０
とする（第３図ｄ参照）。

この予備成形体３０のカップ部１２には、トラック溝１
６ａ乃至１６ｃと相似形状である第１の下穴３２が形成
され、軸部１４にはセレーション部１８が未成形の第２
の下穴３４が形成され、これら第１下穴３２、第２下穴
３４は中間壁２６により仕切られている。ここで、第１
下穴３２については、予備成形体３０の外周面からしご
いてパンチの形状に倣わせてトラック溝１６ａ乃至１６
ｃを仕上げる場合、その全周長はトラック溝１６ａ乃至
１６ｃの仕上げ寸法より若干大きくなるように形成して
おく。また、第２下穴３４については、パンチを押し込
みセレーション部１８を成形するために、このセレーシ
ョン部１８の仕上げ径よりもその内径を小さくなるよう
に成形する。

こうして得られた予備成形体３０はトラック溝１６ａ乃
至１６ｃとセレーション部１８を仕上げ成形する第２の
鍛造工程に供出される。この第２工程で使用される製造
装置を第４図に示す。

この製造装置４０は、トラック溝成形用の第１のパンチ
４２と、予備成形体３０の外周面からしごく昇降自在な
ダイ４４と、セレーション加工用の第２のパンチ４６と
を含む。第１パンチ４２は鉛直方向を指向するように固
定されており、第２パンチ４６は第１パンチ４２と対向
する位置に配置されるとともに鉛直方向に変位自在であ
る。第１パンチ４２の先端には、ボス部成形用の空間部
４７と半球状の凸部４７ａが形成されている。これに対
して、第２パンチ４６の先端にはセレーション加工部４
８が設けられ、このセレーション加工部４８は予備成形
体３０の第２下穴３４に押入された際にその内周面を組
成変形させ、セレーション部１８を形成する歯部を備え
ている。一方、第２パンチ４６の尾端部にはスプリング
５０が介装され、このスプリング５０により第２パンチ
４６は付勢されるとともにパンチホルダ５２に案内され
て所定距離変位可能である。なお、ダイ４４の内周部に
は案内用のテーパ面５４と予備成形体３０の外径よりも
小径なしごき而５６を形成する。

以上のように構成される製造装置４０を使用して遂行さ
れる第２工程の詳細につき説明する。

先ず、第４図ａに示されるように、予備成形体３０を第
１パンチ４２に対して被せるようにして位置決めする。

予備成形体３０の第１下穴３２には第１パンチ４２が遊
嵌した状態で挿入され、これにより当該予備成形体３０
は位置決めされる。

次に、ダイ４４が下降して、予備成形体３０の外周面か
らしごいてトラック溝１６ａ乃至１６ｃを成形する。

すなわち、第４図すに示されるように、ダイ４４の内周
のテーパ面５４が予備成形体３０に当接し、ダイ４４が
このテーパ面５４に沿って案内されながら下降した後、
ダイ４４の内周のしごき面５６が予備成形体３０の外周
面に当接する。この状態下にダイ４４が下降すると、第
４図Ｃに示されるように、予備成形体３０は延伸せしめ
られるとともに、その内周面は第１パンチ４２の外周面
に対して押圧され内周面の肉が密着するよう塑性変形が
生じ、結局、予備成形体３０はその内周面にトラック溝
１６ａ乃至１６ｃが精度よく仕上げられた外輪１０に成
形されることになる。

以上のようにしてトラック溝１６ａ乃至１６ｃの仕上げ
成形を施し、次いで、予備成形体３０の第２下穴３４に
第２パンチ４６を挿入し、ここにセレーション部１８並
びにボス部２７を成形する。

すなわち、第２パンチ４６を下降させてその先端のセレ
ーション加工部４８を予＠戊形体３０の第２下穴３４に
圧入すると、第２下穴３４の周面には塑性変形が生じ、
セレーション部１８が形成される。そして、第２パンチ
４６の先端が中間壁２６に当接してもなお第２パンチ４
６を下降させ中間壁２６に対して押圧せしめると、中間
壁２６の中央の肉は第１パンチ４２と第２パンチ４６の
間において空間部４７に充満するように流動する結果、
当該中間壁２６にボス部２７が形成されることになる。

また、第１バンチ４２先端の半球状凸部４７ａがボス部
２７の端面に球面凹部２７ａを形成させ、この球面凹部
２７ａの肌は鍛造加工によって高い面精度を有するので
、その後の機械加工を不要とする利点がある。

以上のように、この実施例においては、第２パンチ４６
を押し込んでセレーション部１８を仕上げた後、さらに
、この第２パツチ４６で中間壁２６を押圧してボス部２
７を成形するので、一連の動作でボス部２７まで加工す
ることが出来て工程の短縮に直結する。また、第２パン
チ４６を押し込むことによりセレーション部１８の有効
長を十分確保出来る。さらに、セレーション部１８の仕
上げ前にトラック溝１６ａ乃至１６ｃが成形されており
、第１パンチ４２に予備成形体３０は密着し、いわば、
トラック溝１６ａ乃至１６ｃを基準としてセレーション
部１８が加工されているので、中間壁２６に隔てられて
いるといえども、トラック溝１６ａ乃至１６ｃとセレー
ション部１８の同乗性が確保される。

次に、ボス１ｆｆ１２７を成形する他の実施例につき、
第５図を参照しながら説明する。この場合、前記第１実
施例と同一の参照符号には同一の参照符号を付してその
詳細な説明は省略する。

この第２実施例では、塑性変形中のボス部２７に背圧を
付与するカウンタパンチ６０を第１パンチ４２内部に摺
動自在に設け、このカウンタパンチ６０は図示しない油
圧シリンダ等のクツション手段に連結され中間壁２６へ
付勢されている。

実際に、予備成形体３０に対してトラック溝１６ａ乃至
１６ｃ並びにセレーション部１８を成形する過程は、前
記第１実施例と同じであるが、予備成形体３０の第２下
穴３４に第２パンチ４６を押し込みセレーション部１８
を成形した後、さらに、第２パンチ４６で中間壁２６を
押圧してボス部２７を成形する際に、カウンタパンチ６
０はクツション手段の作用によって後退しながら中間壁
２６のボス部２７が形成される部位に背圧を加え、所謂
、抜き成形を行う。このようなボス部２７の成形にあっ
ては、カウンタパンチ６０により支持されるため、中間
壁２６とボス部２７の境界にクラックが発生することな
く、成形性が良好である。

さらに、第６図に示されるように、カウンタパンチ６０
に空間を残しておき（第６図ａ）、ボス部成形の初期に
は第２パンチ４６による押込成形とし、その後、中間壁
２６の肉がカウンタパンチ６０に当接した後は（第６図
ｂ）、カウンタパンチ６０で背圧を付与し、当該カウン
タパンチ６０を後退させつつボス部２７を半抜き成形す
ると、さらに、ボス部２７の成形性がよい。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、トラック溝とセ
レーション部の間に中間壁を有する等速ジヨイントの外
輪において、トラック溝とセレーション部が同志性の精
度を確保しつつ中間壁にボス部を良好に成形出来、しか
も、鍛造加工だけの成形工程であるため、量産性がよく
、結局、生産性の向上に一層資するという効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、等速ジヨイントの外輪の縦断面図、第２図は
、第１図における外輪の■−汀線断面図、 第３図は、本発明の等速ジヨイント外輪の製造方法の一
実施例に係る工程図、 第４図は、当該製造方法において、トラック溝、セレー
ション部並びにボス部を成形する工程の説明図、 第５図は、他の実施例において、トラック溝、セレーシ
ョン部並びにボス部を成形する工程の説明図、 第６図は、さらに他の実施例において、特に、ボス部の
成形過程の説明図である。 １０・・・外輪　　　　　　１２・・・カップ部１４・
・・軸部　　　　　　１６ａ＝１６ｃ・・・トラック溝
１８・・・セレーション部　２６・・・中間壁２７・・
・ボス部２８・・・ビレット ３０・・・予備成形体　　　３２・・・第１下穴３４・
・・第２下穴　　　　４０・・・製造装置４２・・・第
１バンチ　　　４４・・・ダイ４６・・・第２パンチ ＦＩＧ、１ ＦＩＧ、２ ＋６ａ （ｄ） （ｅ）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）カップ部内周に軸方向のトラック溝と軸部内周に
   軸方向のセレーション部を有する等速ジョイント外輪を
   鍛造加工により製造する方法であって、 カップ部にトラック溝の相似形の第１の下穴を有し、且
   つ軸部にセレーション成形用の第２の下穴を有し、第１
   下穴と第２下穴の間が中間壁で仕切られている予備成形
   体を素材から成形する第１の工程と、 前記中間壁に指向してトラック溝成形用の第１のパンチ
   とセレーション成形用の第２のパンチを対向させて配置
   し、第１パンチを第１下穴に挿入してトラック溝を仕上
   げ成形する第２の工程と、 第２パンチを第２下穴に挿入してセレーション部を成形
   する第３の工程と、 当該第２パンチを中間壁に当接させてさらに押圧せしめ
   て中間壁中央の肉を第１パンチと第２パンチの間に画成
   される空間部に流動させてボス部を成形する第４の工程
   と、 からなることを特徴とする等速ジョイント外輪の製造方
   法。
2. （２）請求項１記載の製造方法において、 ボス部成形に際しては、第１パンチの押圧力に対抗させ
   て背圧を中間壁に付与しながら抜き成形することを特徴
   とする等速ジョイント外輪の製造方法。
3. （３）請求項２記載の製造方法において、 ボス部成形の初期には第１パンチによる押込成形により
   中間壁の肉を第２パンチ側に移動させ、その後、第２パ
   ンチ側から背圧を加えながら半抜き成形することを特徴
   とする等速ジョイント外輪の製造方法。
4. （４）予備成形体に対してそのカップ部内周に軸方向の
   トラック溝と、軸部内周に軸方向のセレーション部と、
   これらの間を仕切る中間壁にボス部を複合成形する等速
   ジョイント外輪の製造装置であって、 予備成形体の外周からしごき加工をするか、あるいはこ
   れを拘束するダイと、 予備成形体の中間壁を間に対向して配設されるトラック
   溝成形用の第１のパンチと、 セレーション成形用の第２のパンチとを備え、前記第１
   パンチに対しその内側を摺動変位可能であり第２パンチ
   との間でボス部形成用の空間部を画成するとともに、中
   間壁に指向して付勢されるカウンタパンチを有すること
   を特徴とする等速ジョイント外輪の製造方法。