JP2006266286A - 等速ジョイント用外輪部材の製造方法及びその中間成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸部に形成される穴部の寸法精度を向上させると共に、鍛造成形によって軸部を形成する際の肉流れを良好とすることにより、金型への荷重負担を軽減してその耐久性を向上させることにある。
【解決手段】ワーク10の下部が絞られた軸部36に対して穴部42が穿孔された第1次成形品58を得た後、前記ワーク10に対して予備据え込み成形が施されて予備成形品60を形成する。さらに据え込み成形が施されることにより、その上部が軸線方向に圧縮変形された第2次成形品62を形成し、続いて、後方押し出し成形を施すことによりトラック溝68a〜68cが設けられたカップ部を有する第3次成形品64を形成し、さらに、前記第3次成形品64のカップ部66に対してしごき成形を行うことにより、完成品70が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転駆動力を伝達するための等速ジョイントを構成する等速ジョイント用外輪部材に関し、一層詳細には、カップ部の内周面に複数の案内溝を有し且つ軸部の内周面にセレーション部を有する等速ジョイント用外輪部材を鍛造成形によって製造する等速ジョイント用外輪部材の製造方法及びその中間成形体に関する。
従来から、互いに接合された上部ダイス及び下部ダイスに形成されるキャビティに鍛造用素材を装填し、パンチを介して前記鍛造用素材に加圧力を付与することにより、例えば、自動車の車輪駆動用の等速ジョイントの外輪部材(アウタカップ)が製造されている。
前記外輪部材は、筒状のカップ部と、前記カップ部と一体的に形成される軸部とから構成される。前記カップ部の内周面には、軸線方向に沿って延在する3本のトラック溝が周方向に沿って等角度離間するように形成され、前記トラック溝に沿ってローラが転動するように設けられている。
また、従来から使用されている外輪部材では、カップ部の端部から軸線方向に沿って突出して一体に形成された軸部(雄型タイプ)が一般的であるが、前記軸部の内周面に軸方向のセレーション部が形成された穴部を有する雌型タイプの外輪部材が製造され、前記穴部のセレーション部に対してデファレンシャル機構の回転軸がセレーション嵌合するように設けられる。
このような等速ジョイントの外輪部材では、そのカップ部の内周面に軸線方向に沿って延在する複数のトラック溝を形成する工程と、前記軸部に形成された穴部の内周面にセレーション部を形成する工程とが必要となる。
そこで、本出願人は、この種の等速ジョイント用外輪部材の製造方法に関し、トラック溝とセレーション部の同芯性の精度を向上させ、しかも、鍛造加工のみによってカップ部に対するトラック溝の成形と軸部に対するセレーション部の成形とを同時に遂行することが可能な等速ジョイント外輪の製造方法を提案している(特許文献1〜3参照)。
本出願人の提案に係る等速ジョイント用外輪部材の製造方法では、先ず、円柱状のビレット1(図7A参照)に据え込み成形を施すことによってビレット1a(図7B参照)から一部が拡径した形状のビレット1bとした後(図7C参照)、このビレット1bに図示しない上パンチ及び下パンチを軸方向両端側からそれぞれ対向させて押し込み、カップ形状に成形された予備成形体2を形成する(図7D参照)。この予備成形体2のカップ部3はトラック溝に近似する形状である大きな孔部4が形成され、一方、前記軸部5にはセレーションが未成形の穴部6が形成されている。
続いて、カップ部3の孔部4と軸部5の穴部6との間の中間のバリ7が図示しないパンチによって打ち抜かれた後(図7E参照)、最終工程においてカップ部3の内壁面にトラック溝を形成する溝加工がなされると共に、軸部5の穴部6に対してセレーション部8を形成するセレーション加工がなされて最終製品9が完成する(図7F参照)。
特開平3−60838号公報 特開平3−60839号公報 特開平3−60840号公報
ところで、図7Dに示されるように、上パンチ及び下パンチを軸方向両端側からそれぞれ対向させて押し込み、カップ部3に対して孔部4を形成すると同時に軸部5に対して穴部6を形成した場合、前記カップ部3の孔部4と比較して前記穴部6の成形精度が劣り機械加工等による追加工が必要となると共に、金型に対して大きな荷重がかかり金型寿命が低下するおそれがある。
本発明は前記の点に鑑みてなされたものであり、軸部に形成される穴部の寸法精度を向上させると共に、鍛造成形によって軸部を形成する際の肉流れを良好とすることにより、金型への荷重負担を軽減してその耐久性を向上させることが可能な等速ジョイント用外輪部材の製造方法及びその中間成形体を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、冷間鍛造成形によって穴部を有する軸部とカップ部とが一体的に形成されたトリポート型等速ジョイント用外輪部材の製造方法であって、
所定長に切断された円柱状のワークを押圧することにより形成された軸部に対して穴成形が施された第1次成形体を得る工程と、
前記第1次成形体の軸部を除いた他の部分に対して据え込み成形が施されることにより、前記他の部分が軸線方向に圧縮変形された第2次成形体を形成する工程と、
前記第2次成形体に対して後方押し出し成形を施すことによりトラック溝が設けられたカップ部を有する第3次成形体を形成する工程と、
前記第3次成形体のカップ部に対してしごき成形を行う工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、据え込み成形を行って第2次成形体を得る前に、穴部を有する軸部を、例えば、押し出し成形によって形成することにより、後工程で形成される完成製品の製品精度を向上させ、後工程での前記穴部に対する仕上げ加工量を削減することができる。
この場合、前記軸部に対する穴成形は、第1パンチによって鉛直下方向にワークが押圧された際、ダイスの軸部成形部により絞られた軸部を、前記第1パンチと同軸に設けられた第2パンチによって加圧することにより形成されるとよい。
さらに、鉛直方向に沿った第2パンチの先端面がダイスに形成された軸部成形部の一端(F1)と他端(F2)との中間に位置しているため、ワークの下部側外径がダイスの軸部成形部によって絞られて発生する軸部側方向への肉流れと、ワークの下部中心部が第2パンチによって押圧されて発生する該ワークの上部側に向かう肉流れとを好適に調整することができる。
この結果、本発明では、軸部に対して穴成形を行う第2パンチの外表面に対する肉の抱き付きを阻止し、前記第2パンチに対して付与される荷重を軽減して耐久性を向上させることができると共に、軸部に穿孔される穴部の寸法精度(成形精度)を向上させることができる。
さらに、本発明は、冷間鍛造成形によって穴部を有する軸部とカップ部とが一体的に形成されたトリポート型等速ジョイント用外輪部材の中間成形体であって、
所定長に切断された円柱状のワークを押圧することにより形成された軸部に対して穴成形が施された第1次成形体からなり、
前記第1次成形体は、前記ワークの形状に対応する円柱部と、前記円柱部の軸線方向に連続しテーパ状に縮径した縮径部と、前記軸部に連続し前記穴成形によって穴部が形成された軸部とから構成されることを特徴とする。
この場合、前記穴部の奥部内壁に形成された平坦面は、前記円柱部と前記縮径部との境界と、前記縮径部と前記軸部との境界との中間に位置するように設けられるとよい。
本発明では、等速ジョイント用外輪部材の中間成形体として、上記のように構成される第1次成形体を用いることにより、後工程で形成される完成製品の製品精度を向上させ、後工程での前記穴部に対する仕上げ加工量を削減することができる。
本発明では、据え込み成形をする前に、穴部を有する軸部を成形することにより、軸部に形成される穴部の寸法精度をより一層向上させると共に、鍛造成形によって軸部を形成する際の肉流れを良好とすることにより、金型への荷重負担を軽減してその耐久性を向上させることができる。
以下、本発明に係る等速ジョイント用外輪部材の製造方法について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造方法では、図1のフローチャートに示されるように、炭素鋼製の円柱体(ビレット)からなるワーク10に対して複数回の冷間鍛造加工が施され、最終的に完成品であるトリポート型の等速ジョイント用外輪部材が製造される。
先ず、第1準備工程において、所定長の円柱体(ビレット)に切り出されたワーク10(図2A参照)に対して球状化焼鈍を施す。これによりワーク10が軟化し、以下の第1次〜第4次冷間鍛造加工が容易となる。
そして、第2準備工程において、ワーク10に対して潤滑用化成被膜の形成を行う。すなわち、ボンデライト処理によって、例えば、リン酸亜鉛等からなる潤滑用化成被膜をワーク10の表面に形成することによって該表面に潤滑性を付与する。具体的には、このようなリン酸亜鉛等が溶解された溶媒中にワーク10を所定時間浸漬することにより潤滑用化成被膜を形成すればよい。
次いで、第1次冷間鍛造加工工程S1において、潤滑用化成被膜が形成されたワーク10の一端面に対する前方押し出しによって軸部に穴成形を施す。ここで、前記第1次冷間鍛造加工工程S1に使用される第1鍛造用金型20を図3に示す。
この第1鍛造用金型20は、上部ダイス22及び下部ダイス24を有し、前記上部ダイス22及び下部ダイス24は、第1ダイホルダ26及び第2ダイホルダ28によって内嵌されることにより一体的に接合されている。
また、第1鍛造用金型20は、図示しない機械プレスのラムに連結された昇降部材30に対してパンチホルダ32を介して固定され、前記昇降部材30が下降することによってワーク10を鉛直下方向に向かって加圧する第1パンチ34と、図示しないダイブロックに固設されて前記昇降部材30を鉛直方向に沿って案内する複数のガイドロッド(図示せず)とを有する。前記第1パンチ34は、図示しない機械プレスの駆動作用下に上昇又は下降自在に設けられる。
下部ダイス24には、図3に示されるように、軸部36を形成するために前記下部ダイス24の上面から下方側に向かって内径が徐々に縮径するテーパ状の孔部からなる軸部成形部38が設けられる。前記軸部成形部38に連続する下方側には、一定の内径からなる貫通孔40が形成され、前記貫通孔40内には、軸部36に対して穴部42を形成する第2パンチ44の一端部が臨むように配設されている。前記第2パンチ44の一端部の外周部には、該第2パンチ44の外周面を囲繞して貫通孔40内に保持する円筒状のスリーブ部材46が外嵌される。
なお、前記第2パンチ44は、その他端部が図示しない他のダイホルダに固定されて第1パンチ34と同軸状に鉛直方向に沿って立設されると共に、前記他のダイホルダに固定された複数のピン(図示せず)に当接して該ピンを上方に向かって押圧する図示しない変位手段の駆動作用下に、前記他のダイホルダと一体的に上昇又は下降動作自在に設けられる。
上部ダイス22には、下部ダイス24に形成された軸部成形部38の上端面に連続し且つ前記軸部成形部38と内径と同一の内径を有する貫通孔からなるキャビティ48が形成され、前記キャビティ48内にワーク10が装填される。
貫通孔40に臨む前記第2パンチ44の一端部の外周面には、図5及び図6に示されるように、先端部に形成され所定の曲率半径を有する断面円弧状からなる成形ランド部50と、軸線方向に沿って前記成形ランド部50に連続し該成形ランド部50の最大外径よりも小なる一定の外径が所定張だけ延在して形成された逃げ部52と、軸線方向に沿って前記逃げ部52に連続し該逃げ部52の外径よりも大なる環状凸部からなる矯正ランド部54とを有する。
前記第2パンチ44の先端面は、下部ダイス24の貫通孔40の鉛直方向において、下部ダイス24に形成された軸部成形部38の上端(一端)F1と下端(他端)F2との中間に位置するように設けられている。
この場合、先端部側の成形ランド部50と矯正ランド部54との間に逃げ部52が形成され、前記成形ランド部50と矯正ランド部54とが非連続に形成されることにより、第2パンチ44によって軸部36に対して穴成形する際の摩擦抵抗を減少させ前記第2パンチ44に付与される荷重を軽減することができる。
このように構成された第1鍛造用金型20の上部ダイス22のキャビティ48に挿入されたワーク(ビレット)10に対する第1次冷間鍛造加工、すなわち、前方押し出しによる穴部成形は、以下のようにして遂行される。
先ず、前記機械プレスの駆動作用下に該機械プレスのラムに連結された昇降部材30を下降させる。これに追従して第1パンチ34が下降し、最終的にワーク10の上面に当接する。
第1パンチ34をさらに下降させてワーク10の上面を押圧することにより、前記ワーク10の押圧面と反対側のワーク10の下部が下部ダイス24の軸部成形部38によって絞られる。この結果、図2Bに示されるように、ワーク10の外径形状に対応する円柱部55と、前記円柱部55の軸線方向に連続する下部にテーパ状に縮径した縮径部56と、前記縮径部56に連続する軸部36とを有すると共に、図示しない他のダイホルダに支持され下部ダイス24の貫通孔40に臨む第2パンチ44の一端部によって前記軸部36に対する穴成形が遂行されて穴部42が形成された第1次成形品(第1次成形体)58が得られる。この第1次成形品58は、本願発明の中間成形体として機能するものである。
この場合、前記第2パンチ44の一端部に形成された成形ランド部50と矯正ランド部54とが非連続でその間に逃げ部52が介在していることにより、穴成形時における摩擦抵抗を減少させて第2パンチ44に付与される荷重を軽減することができる。
さらに、鉛直方向に沿った第2パンチ44の先端面が下部ダイス24に形成された軸部成形部38の上端F1と下端F2との中間に位置しているため、ワーク10の下部側外径が下部ダイス24の軸部成形部38によってテーパ状に絞られて発生する軸部側方向への肉流れ(図4の矢印A参照)と、ワーク10の下部中心部が第2パンチ44によって押圧されて発生する該ワークの上部側に向かう肉流れ(図4の矢印B参照)とを調整することができる。
すなわち、縮径部56における外径側の肉流れと軸部36における前記とは反対方向の穴部42の内径側の肉流れとを好適に調和させることにより、第2パンチ44の外表面に対する肉の抱き付きを阻止し前記第2パンチ44に対して付与される荷重を軽減して耐久性を向上させることができると共に、軸部36に穿孔される穴部42の寸法精度(成形精度)を向上させることができる。
その後、第1パンチ34を前記機械プレスの駆動作用下に前記ラム及び昇降部材30と共に上昇させ、さらに、図示しない変位手段を上昇させることにより、図2Bに示す第1次成形品58が得られる。
このように、本実施の形態では、据え込み成形を行う第2次冷間鍛造加工工程S3の前に、穴部42を有する軸部36を押し出し成形することにより、後工程で形成される完成製品の製品精度を向上させ、後工程での前記穴部42に対する仕上げ加工量を削減することができる。なお、前記軸部36に形成された前記穴部42は、後述する等速ジョイント用外輪部材の完成品70の穴部42と略一致する形状に形成される。
次いで、前記第1次成形品58に対して予備据え込み成形を行う(S2)。すなわち、図示しない予備成形用金型のキャビティに第1次成形品58を装填する。この際、軸部36は、前記予備成形用金型に設けられた図示しない軸部保持部に挿入される。
そして、図示しない軸部保持部に挿入された軸部36の先端部を図示しない押止部材で支持しながら、第1次成形品58の上部をパンチで押圧して圧潰する。この圧潰に伴って前記上部が圧縮されると共に拡径されることにより、予備成形品60(図2C参照)が得られる。なお、この予備据え込み成形の工程(S2)は、鍛造用素材に対する成形量及び前記鍛造用素材の材料特性等によって省略することが可能である。
続いて、第2次冷間鍛造加工工程S3において、前記予備成形品60の上部をさらに圧縮し且つ拡径させる据え込み成形を施し、第2次成形品62を形成する(図2D参照)。
すなわち、図示しない第2鍛造用金型を用い、キャビティに装填された予備成形品60の上部を図示しないパンチによって押圧することにより、前記予備成形品60の上部が軸線方向に圧縮変形された第2次成形品62が得られる。
第2次冷間鍛造加工工程S3が終了した後、第2次成形品62から応力を除去するための低温焼鈍、この低温焼鈍の際に発生する酸化スケール等を除去するショットブラスト処理、ボンデライト処理による第2次成形品62の外表面にリン酸亜鉛等からなる潤滑用化成被膜の形成をそれぞれ行う。これらの各種処理を行うことにより、第2次成形品62を容易に塑性変形させることができるようになるからである。
その後、図示しない第3鍛造用金型を使用して第3次冷間鍛造加工工程S4を行う。図示しない第3鍛造用金型の軸部挿入部に軸部が挿入された第2次成形品62に対する第3次冷間鍛造加工が遂行されて第3次成形品64が得られる(図2E参照)。
第3次冷間鍛造加工工程S4が行われた後、第3次成形品64に対して第4次冷間鍛造加工工程S5を施す。なお、第4次冷間鍛造加工工程S5を行う前に、第3次成形品64の表面又は第4鍛造用金型(図示せず)の少なくともいずれか一方に液体潤滑剤を塗布するとよい。これにより、第4次冷間鍛造加工工程S5が遂行されている最中に、第3次成形品64又は第4鍛造用金型に焼き付きが生じることを回避することができる。液体潤滑剤としては、従来から使用されている公知の液体潤滑剤を使用すればよい。
第4次冷間鍛造加工工程S5では、図示しない第4鍛造用金型を使用して、第3次成形品64の内面及び外面に対し、カップ部66を最終的な製品形状に仕上げるためのしごき成形(最終サイジング成形)が施される。すなわち、カップ部66の肉厚やトラック溝68a〜68cの幅及び深さが所定の寸法精度となるように加工し、これにより、トラック溝68a〜68c等の形状を含むカップ部66の寸法精度が出された完成品70としてのトリポート型等速ジョイント用外輪部材が得られるに至る(図2F参照)。
本実施の形態によれば、第2次冷間鍛造加工工程S3で据え込み成形を遂行する前に、前方押し出しによって軸部36に対する穴成形S1を遂行することにより、軸部36に形成される穴部42の寸法精度をより一層向上させると共に、鍛造成形によって軸部36を形成する際の肉流れを良好とすることにより、鍛造用金型への荷重負担を軽減してその耐久性を向上させることができる。
換言すると、図7Dに示される本出願人が案出した等速ジョイント用外輪部材の製造方法では、上パンチ及び下パンチによってカップ部3の孔部4と軸部5の穴部6とを同時に形成しているため、前記穴部6の成形精度が劣ると共に金型に対して大きな荷重が付与されるおそれがあるのに対し、本実施の形態では、円柱状のワーク10に対する最初の鍛造成形工程として、軸部36に対して穴成形のみを施し、カップ部66の孔部を後工程で別個独立に遂行しているため、前記軸部36に形成される穴部42の寸法精度を向上させると共に、鍛造成形によって軸部36を形成する際の肉流れを良好とすることにより、前記穴部42を成形する第2パンチ44への荷重負担を軽減してその耐久性を向上させることができる。
本実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造方法を示すフローチャートである。 図2A〜図2Fは、それぞれ、図1に示す製造工程に沿ってワークが鍛造成形されることにより完成品に至る等速ジョイント用外輪部材の形状を示す側面図及び部分縦断面図である。 軸部に対する後方押し出しによって穴成形を行う第1次冷間鍛造加工工程に供される第1鍛造用金型の概略構成縦断面図である。 第2パンチによって軸部に対して穴成形を行う際の肉流れを示す部分縦断面図である。 図3に示す第1鍛造用金型を構成する第2パンチの側面図である。 図5に示す第2パンチの一部省略拡大側面図である。 図7A〜図7Fは、それぞれ、本出願人が提案した等速ジョイント用外輪部材の製造工程を示す縦断面図である。
符号の説明
10…ワーク 20…第1鍛造用金型
22…上部ダイス 24…下部ダイス
26、28…ダイホルダ 34…第1パンチ
36…軸部 38…軸部成形部
40…貫通孔 42…穴部
44…第2パンチ 46…スリーブ部材
48…キャビティ 50…成形ランド部
52…逃げ部 54…矯正ランド部
56…縮径部 58…第1次成形品

Claims (5)

  1. 冷間鍛造成形によって穴部を有する軸部とカップ部とが一体的に形成されたトリポート型等速ジョイント用外輪部材の製造方法であって、
    所定長に切断された円柱状のワークを押圧することにより形成された軸部に対して穴成形が施された第1次成形体を得る工程と、
    前記第1次成形体の軸部を除いた他の部分に対して据え込み成形が施されることにより、前記他の部分が軸線方向に圧縮変形された第2次成形体を形成する工程と、
    前記第2次成形体に対して後方押し出し成形を施すことによりトラック溝が設けられたカップ部を有する第3次成形体を形成する工程と、
    前記第3次成形体のカップ部に対してしごき成形を行う工程と、
    を有することを特徴とする等速ジョイント用外輪部材の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、
    前記軸部に対する穴成形は、第1パンチによって鉛直方向にワークが押圧された際、ダイスの軸部成形部により絞られた軸部を、前記第1パンチと同軸に設けられた第2パンチによって加圧することにより形成されることを特徴とする等速ジョイント用外輪部材の製造方法。
  3. 請求項2記載の製造方法において、
    前記第2パンチの先端面は、鉛直方向における前記軸部成形部の一端(F1)と他端(F2)との中間に位置するように設けられることを特徴とする等速ジョイント用外輪部材の製造方法。
  4. 冷間鍛造成形によって穴部を有する軸部とカップ部とが一体的に形成されたトリポート型等速ジョイント用外輪部材の中間成形体であって、
    所定長に切断された円柱状のワークを押圧することにより形成された軸部に対して穴成形が施された第1次成形体からなり、
    前記第1次成形体は、前記ワークの形状に対応する円柱部と、前記円柱部の軸線方向に連続しテーパ状に縮径した縮径部と、前記軸部に連続し前記穴成形によって穴部が形成された軸部とから構成されることを特徴とする等速ジョイント用外輪部材の中間成形体。
  5. 請求項4記載の中間成形体において、
    前記穴部の奥部内壁に形成された平坦面は、前記円柱部と前記縮径部との境界と、前記縮径部と前記軸部との境界との中間に位置するように設けられることを特徴とする等速ジョイント用外輪部材の中間成形体。
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