JPH035957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はカード、用紙等に表示された文字、
図形、バーコード等を光学的に読み取り、表示、
記憶、データ処理等を行う処理装置本体に伝達す
る光学式読取装置に関する。

［従来の技術］ 一般にこの種の装置は、CCD型・モス型イメ
ージセンサ等の固体撮像素子に集光レンズで読み
取り対象物を結像し、電気信号に変換して処理装
置に伝達し、表示、記憶、データ処理等その他の
処理を行う等広い分野に使用されている。

そして記録体上の文字、記号を連続して読み取
るために記録体か固体撮像素子を移動させ、記録
体表面をスキヤンしてそのイメージ情報を読み取
るようにしている。

ところが固体撮像素子の分光特性や記録体上の
インクその他の光吸収特性によつて、人間の目に
感ずる画像であつても固体撮像素子では感ずるこ
とが無く読み取りミスを起す場合がある。

そこで従来、記録体移動型の光学式読取装置で
は、実開昭55−13155号マイクロフイルム、実開
昭55−131556号マイクロフイルム、特開昭56−
82983号公報のように固体撮像素子の分光特性や
記録体上の読取対象物の光吸収特性に応じた光学
フイルタを記録体とミラーとの間に介在してい
る。

しかし、固体撮像素子移動型のものでは、従
来、光学フイルタを備えたものはないい。

例えば特開昭56−58362号公報には、ハウジン
グの上部の透明ガラスのセツト面に押圧板により
記録体を押圧保持し、光源により照射され前記記
録体から反射する光を前記セツト面の下方でミラ
ーにより反射し、このミラーからの光束を集光レ
ンズにより集光して固体撮像素子に結像するもの
であり、前記光源、前記ミラー、前記集光レン
ズ、前記固体撮像素子を搭載したキヤリツジを移
動させて走査する固体撮像素子移動型の装置が開
示されている。しかし、この装置には光学フイル
タは備えられていない。

［考案が解決しようとする課題］ このように従来、移動キヤリツジを備えた光学
式読取装置に光学フイルタを備えているものが存
在しない理由は、光学フイルタを備えることは、
それによる不利益点があまりにも大きと考えられ
てきたためである。即ち、もし光学フイルタを備
えると光学フイルタとフイルタ駆動部をキヤリツ
ジに搭載させるため、キヤリツジをかなり大形化
せざるをえず、大形のキヤリツジを安定して移動
させるためにはキヤリツジの駆動部をキヤリツジ
ガイド部材の両側に設けなければならず、装置の
大形化、複雑化、高コスト化は不可避と考えられ
ていたのである。

このような固定観念を打破したのが本考案であ
る。

即ち、本考案は、移動キヤリツジを備えた光学
式読取装置に光学フイルタを備えながらも、同時
にその光学フイルタに関連する部分を小形化する
ことによりキヤリツジ部分を小形化してキヤリツ
ジの駆動部を簡素化し、以て装置全体をコンパク
トにしたことを主たる目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、この考案は次の特徴
を備えている。

即ち、この考案は、 キヤリツジをセツト面に沿つて移動自在に支持
する平行に配設された一対のガイド部材と、 キヤリツジの一対のガイド部材を横切る方向の
一端側に駆動を伝達して、キヤリツジを前記一対
のガイド部材に沿つて移動させる駆動手段と、 キヤリツジに搭載されると共に、ミラーと集光
レンズとの間の光路中に集光レンズ側へ寄せて配
置され、記録体の色調特性に応じて切り換え自在
の円板状の光学フイルタと、 キヤリツジに搭載され光学フイルタを切り換え
駆動するステツピングモータと を備えたことを特徴とする。

［作用］ 光学フイルタを光束が最も細くなるミラーと集
光レンズとの間でかつ集光レンズ側へ寄せて配置
してあるから、光学フイルタを小形にすることが
でき、更に光学フイルタを円板状に形成しかつこ
のフイルタの回転切換え駆動手段としてステツピ
ングモータを用いたから、光学フイルタとその駆
動手段を大幅に小形化し、それによりキヤリツジ
を小形化でき、その結果、キヤリツジのガイド部
材を横切る方向の一端側のみキヤリツジ駆動手段
を設けただけでもキヤリツジの安定移動を可能と
し、装置全体の小形化を実現した。

［考案の実施例］ 以下、この考案の一実施例について、図面を参
照して説明する。

第１図及び第２図に示す光学式読取装置はカー
ド・伝票等の記録体３の表面に記録された文字・
記号等の読取目的物の情報を読み取るもので、読
取目的物を固定し固体撮像素子を移動させながら
情報を読み取る型のものである。

この装置は、ハウジング１９と、このハウジン
グ１９の上部に設けられた記録体３を載置する透
明ガラスからなるセツト面７と、このセツト面７
の上部に設けられ記録体３を押圧保持する押圧板
８と、ハウジング１９の内部からセツト面７に向
けて光を照射する光源６と、セツト面７からの反
射光をセツト面７の下方で反射してセツト面７に
平行な光路を形成するミラー２０と、このミラー
２０からの光束を集光する集光レンズ（撮像レン
ズ）１と、この集光レンズ１の結像位置に配置さ
れた固体撮像素子２と、光源６、ミラー２０、集
光レンズ１、固体撮像素子２を搭載しセツト面７
に沿つて平行に移動自在のキヤリツジとしてのユ
ニツト枠１２とを備えている。

押圧板８にはセツト面と押圧板８との間に記録
体３を圧着保持するように作動ソレノイドが連結
され、セツト面７の基準位置に設けたセンサＳで
記録体３の挿入を検知し、押圧板８をセツト面７
に圧接するようになつている。

またセツト面７と押圧板８とは第１図のように
ハウジング１９に摺動可能に取付けられ、ラツク
９とピニオン１０を介してステツピングモータ
（図示せず）に連結され、このステツピングモー
タによつて第１図の左右方向に移動するようにな
つている。

上記ユニツト枠１２には記録体３の色調特性に
応じて切り換え自在の円板状に形成された光学フ
イルタ５が搭載され、この光学フイルタ５がミラ
ー２０と集光レンズ１との間の光路中（光軸４
上）に集光レンズ１側に寄せて配置（ミラー２０
と光学フイルタ５との間の距離よりも、光学フイ
ルタ５と集光レンズ１との距離の方が短い。）さ
れている。

また光学フイルタ５は、第３図に示すように読
み取るべき色調の設定範囲に応じた枚数を枠組み
して準備し、ステツピングモータ１６で任意のフ
イルタをセツトするようにしてあり、この枠組み
の１つはフイルタ無しのものである。

ユニツト枠１２はセツト面７と平行に配置され
た一対のガイド部材１１に摺動可能に嵌合支持さ
れている。そしてこのユニツト枠１２は第２図の
如くガイド部材を横切る方向の一端側のみキヤリ
ツジ駆動手段たる駆動モータＭとタイミングベル
ト１３が設けられ、この駆動手段により往復動さ
れ、記録体３上の文字、図形等を走査するように
なつている。

固体撮像素子２はCCD型イメージセンサ、モ
ス型イメージセンサ等が知られており、その使用
目的に応じて選択すれば良い。

固体撮像素子２を組込んだユニツト枠１２には
タコジエネレータ１７がユニツト枠１２の移動速
度（スキヤン速度）を検知するために配置され、
光学フイルタ５の選定番地に応じた適正速度を設
定しこのタコジエネレータ１７の検知速度と比較
してフイードバツク制御し、ユニツト枠１２のス
キヤン速度を適正速度に制御する。

そしてこの適正速度はフイルタ５を使用した場
合は使用しない場合に比べ遅くし、固体撮像素子
２の走査線密度を大きくする。するとフイルタ５
を使用した場合と使用しない場合とで分解能が異
なる恐れがない。つまり、光学フイルタ５を使用
した場合のスキヤン速度はそのフイルタ５による
光量の減少と、装置が求める分解能とで適正な値
を選定すれば良い。

このような構成の光学式読取装置には更に２値
化形成回路や増幅回路などの像信号形成回路（特
に図示せず）が設けられ、光源６から記録体３に
照射された光を集光レンズ１で固体撮像素子２上
に結像し、この素子２の出力を像信号形成回路を
介して外部に電気信号として出力する。

尚その際、ユニツト枠１２を記録体３に沿つて
移動させ、記録体３上の文字、記号を走査し順次
像信号を処理装置本体に伝達する。

この処理装置本体としては、表示スクリーン上
に再表表示する装置あるいはデータ記憶、データ
処理等を行うコンピユータ装置等である。

［考案の効果］ この考案によると、光学フイルタを光束が最も
細くなるミラーと集光レンズとの間でかつ集光レ
ンズ側へ寄せて配置してあるから、光学フイルタ
を小形にすることができ、更に光学フイルタを円
板状に形成しかつこのフイルタの回転切換え駆動
手段としてステツピングモータを用いたから、光
学フイルタとその駆動手段を大幅に小形化し、そ
れによりキヤリツジを小形化でき、その結果、キ
ヤリツジのガイド部材を横切る方向の一端側のみ
キヤリツジ駆動手段を設けただけでもキヤリツジ
の安定移動を可能とできる。従つて、移動キヤリ
ツジを備えた光学式読取装置に光学フイルタを備
えながらも、同時に装置全体の小形化、構造の簡
素化による故障率の低減及び低コストを実現でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はその
全体説明図、第２図は要部説明図、第３図は光学
フイルタの説明図である。 １……集光レンズ、２……固体撮像素子、３…
…記録体、５……光学フイルタ、６……光源、７
……セツト面、８……押圧板、１１……ガイド部
材、１２……ユニツト枠、１３……タイミングベ
ルト、１６……ステツピングモータ、１９……ハ
ウジング、２０……ミラー、Ｍ……駆動モータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ハウジングと、 このハウジングの上部に設けられ記録体を載置
   する透明ガラスのセツト面と、 このセツト面の上部に設けられ前記記録体をセ
   ツト面に押圧保持する押圧板と、 前記ハウジング内部から前記セツト面に向けて
   光を照射する光源と、 この光源により照射され前記記録体から反射す
   る光を前記セツト面の下方で反射するミラーと、 このミラーからの光束を集光する集光レンズ
   と、この集光レンズの結像位置に配置された固体
   撮像素子と、 前記光源、前記ミラー、前記集光レンズ、前記
   固体撮像素子を搭載したキヤリツジとを備えた光
   学式読取装置において、 前記キヤリツジを前記セツト面に沿つて移動自
   在に支持する平行に配設された一対のガイド部材
   と、 前記キヤリツジの前記一対のガイド部材を横切
   る方向の一端側に駆動を伝達して、前記キヤリツ
   ジを前記一対のガイド部材に沿つて移動させる駆
   動手段と、 前記キヤリツジに搭載されると共に、前記ミラ
   ーと前記集光レンズとの間の光路中に前記集光レ
   ンズ側へ寄せて配置され、前記記録体の色調特性
   に応じて切り換え自在の円板状の光学フイルタ
   と、 前記キヤリツジに搭載され前記光学フイルタを
   切り換え駆動するステツピングモータとを備えた
   ことを特徴とする光学式読取装置。