JPH035882Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、引張荷重に対する試験片の強度を
試験する引張試験装置に関するものである。

(ロ) 従来技術 引張試験装置として、試験片を治具に取り付
け、この治具をクロスへツドなどの負荷部材に連
結するようにした装置が一般に使用されている。
この装置は負荷部材および治具によつて試験片に
引張荷重を加えるようにしたもので、引張荷重に
対する試験片の強度を試験することができる。

この種の引張試験装置において、最近、セラミ
ツクスなどの脆性材料についてその強度を試験す
ることが要求されている。しかしながら、脆性材
料の場合、試験片と治具の加工精度が問題にな
る。加工精度が低いとき、試験片と治具がいわゆ
る片当たりし、点接触することがある。点接触す
ると、その接触点に荷重が集中し、試験片が割れ
やすい。この他、試験片と治具のセンターリング
精度が低いとき、試験片に偏心荷重が加えられる
という問題もある。したがつて、引張荷重に対す
る試験片の強度を正確に試験することができな
い。

(ハ) 目的 したがつて、この考案は、試験片を治具に取り
付け、この治具をクロスへツドなどの負荷部材に
連結するようにした引張試験装置において、試験
片と治具の加工精度およびセンターリング精度が
低くても、試験片と治具が点接触せず。試験片が
割れず、しかも試験片に偏心荷重が加られないよ
うにし、引張荷重に対する試験片の強度が正確に
試験されるようにすることを目的としてなされた
ものである。

(ニ) 構成 この考案は、試験片と治具間にクツシヨン材を
介在させるとともに、治具をユニバーサルジヨイ
ントを介して負荷部材に連結したことを特微とす
るものである。

(ホ) 実施例 以下、この考案の実施例を図面について説明す
る。

図において、試験片１はセラミツクスからなる
もので、上下一対の治具２Ｈ，２Ｌに取り付けら
れている。治具２Ｈ，２Ｌは締付ナツト３、半割
リング４および補助金具５からなり、締付ナツト
３は上下一対のロツド６Ｈ，６Ｌにねじ合わされ
ている。試験片１は上下一対の肩部１ａを有し、
肩部１ａは各治具２Ｈ，２Ｌの半割リング４と補
助金具５間に配置されている。さらに、クツシヨ
ン材７が各治具２Ｈ，２Ｌの半割リング４と試験
片１の肩部１ａ間に設けられている。したがつ
て、各治具２Ｈ，２Ｌの締付ナツト３を締め付け
ると、半割リング４、クツシヨン材７および補助
金具５間に試験片１の肩部１ａが挾み付けられ
る。これによつて試験片１が治具２Ｈ，２Ｌに取
り付けられ、固定されているものである。

また、各ロツド６Ｈ，６Ｌのうち、上側のロツ
ド６Ｈはユニバーサルジヨイント８Ｈを介してロ
ードセル９に連結されている。ロードセル９はク
ロスへツド１０に取り付けられている。下側のロ
ツド６Ｌはユニバーサルジヨイント８Ｌを介しテ
ーブル１１に連結されている。

前記のように構成された装置において、クロス
へツド１０を上昇させると、上方のユニバーサル
ジヨイント８Ｈおよびロツド６Ｈによつて治具２
Ｈの締付ナツト３および半割リング４が引き上げ
られる。したがつて、治具２Ｈ内でクツシヨン材
７が試験片１の肩部１ａに押し付けられる。これ
と同時に、下方の治具２Ｌ内で試験片１の肩部１
ａがクツシヨン材７に押し付けられる。したがつ
て、試験片１に引張荷重が加えられ、ロードセル
９によつて試験片１の荷重が検出される。試験片
１の荷重の反力は下方の治具２Ｌの半割リング４
および締付ナツト３に伝達され、ロツド６Ｌ、ユ
ニバーサルジヨイント８Ｌおよびテーブル１１に
伝達される。

したがつて、この装置は各ユニバーサルジヨイ
ント８Ｈ，８Ｌ、各治具２Ｈ，２Ｌのクツシヨン
材７および試験片１の肩部１ａを介して試験片１
に引張荷重を加えることができる。クツシヨン材
７は試験片１の肩部１ａと治具２Ｈ，２Ｌの半割
リング４間で圧縮され、変形する。したがつて、
試験片１および治具２Ｈ，２Ｌの加工精度が低く
ても、試験片１と治具２Ｈ，２Ｌは片当たりせ
ず、点接触しない。クツシヨン材７は荷重を試験
片１の肩部１ａ全面に均一に分散させる作用をす
る。したがつて、試験片１の肩部１ａの一部に荷
重が集中せず、試験片１が割れるおそれはない。
また、試験片１と治具２Ｈ，２Ｌのセーリング精
度が低くても、治具２Ｈ，２Ｌがユニバーサルジ
ヨイント８Ｈ，８Ｌのまわりを傾動し、試験片１
に偏心荷重は加えられない。引張荷重だけが加え
られる。したがつて、引張荷重に対する試験片１
の強度を正確に試験することができる。

(ヘ) 効果 以上説明したように、この考案は、試験片と治
具の加工精度が低くても、試験片と治具が片当た
りせず、点接触せず、試験片が割れるおそれはな
い。また、試験片と治具のセンターリング精度が
低くても、試験片に偏心荷重は加えられず、引張
荷重だけが加えられる。したがつて、引張荷重に
対する試験片の強度を正確に試験することがで
き、所期の目的を達成することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示す断面図であ
る。 １……試験片、２Ｈ，２Ｌ……治具、７……ク
ツシヨン材、８Ｈ，８Ｌ……ユニバーサルジヨイ
ント、１０……クロスへツド、１１……テーブ
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 試験片を治具に取り付け、前記治具をクロスへ
   ツドなどの負荷部材に連結し、前記負荷部材およ
   び治具によつて前記試験片に引張荷重を加え、前
   記引張荷重に対する前記試験片の強度を試験する
   ようにした装置において、前記試験片と治具間に
   クツシヨン材を介在させるとともに、前記治具を
   ユニバーサルジヨイントを介して前記負荷部材に
   連結したことを特徴とする引張試験装置。