JPH0434094B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は軸線方向に荷重をかける材料試験に関
する。

従来の技術 細長い材料片の応力／引張強度及びその他の材
料強度の特性は、試験片即ちサンプルの長手方向
軸線に沿つて圧縮又は引張又はその両者の荷重
（軸線荷重）を付与するグリツプがサンプルの両
端を係止することによつてロードフレームにて計
測される。

発明が解決しようとする問題点 ２つのグリツプを完全にサンプルと整合させる
ことは困難でありその結果サンプルに不均一な荷
重をもたらしている（例えばサンプルの断面片を
横切る異なる位置において５〜７％の応力差を発
生している）。金属サンプルにおける不均一な荷
重はサンプルに曲げを発生し、より大きい面にわ
たつて応力を再分布させ、不均一な荷重による試
験結果への効果を減少させている。しかしセラミ
ツクスはもろく、所望の試験荷重を付与する前に
割れを発生することがある。

セラミツクスの標準試験は曲げ試験を含む。こ
の曲げ試験では細長い矩形断面のサンプルがその
両端部にて下方から支持される。そして中央に下
向力を付与し上面に圧縮力を下面に引張力を付与
するものである。セラミツクスのこの試験は、該
セラミツクス内にある複数のきずの１つが大きい
応力を受けたときに生じる割れのためにセラミツ
クスの破損を生じ、困難なものとなつている。こ
の曲げ試験では試験片の底部中央を横切る表面部
分のみが非常に大きい引張応力を受け、その部分
に問題となるようなきずが存在しないという可能
性は低い。このためこの曲げ試験は本来の値より
も高い数値を生じ信用性におとるものとなつてい
る。一方、軸線方向荷重によつてサンプル全体の
幅を横切りかつその全長にわたつて均一に最大応
力が付与され（不均一な荷重については上述し
た）、位置決めした際きずは最大の応力を受ける
こととなろう。

問題点を解決するための手段 本発明は、テストフレームの軸線方向荷重力の
付与方向に関し試験片を正確に整合するように調
整できるグリツプを提供する。このグリツプはグ
リツプ板を含み、該グリツプ板はサンプルに係合
しかつグリツプ本体４６へ調整自在に接続されて
いる。また該グリツプ本体はフレームの荷重要素
へ接続されている。板と本体との間の接続では同
心性（即ち軸線方向荷重方向に垂直な面での板と
本体との相対位置）と角度とを調整出来るように
なつている。こうして得られる整合はセラミツク
スサンプルの引張及び圧縮軸線方向試験を十分正
確なものとなしうるのである。

好ましい具体例では、この同心性の調整は荷重
方向に垂直な面において軸線に沿つた２対の対抗
調整ボルトを使用することにより達成され、板と
グリツプ本体との間の角度は荷重方向に平行する
４つの調整ボルトにより調整され、サンプルの拡
大端部は２つのくさび片（サンプル端部の形状に
適合する軸線方向通路を有する割れ形状の円錐形
状片）内に座しかつ、引張／圧縮テストの間中維
持されている予荷重を提供しつつセラミツクスの
ピストン駆動された半球形状片により後方から押
されており、グリツプは正確な整合を補助するた
めテーブルの頂面に静水圧ベアリングを備えたロ
ードフレーム上の同様なグリツプと一緒に使用さ
れている。

本発明の他の利点及び特徴は下記記載から明白
となろう。

作 用 材料試験用ロードフレームのグリツプが、長手
方向軸線を有する細長いサンプルの端部に係合す
るグリツプ板と、該グリツプ板へ接続する一端と
フレームの荷重要素へ接続する他端とを有するグ
リツプ本体と、該本体に関する板の同心性を調整
する機構と、該本体に関する板の角度を調整する
機構と、を含み、サンプル端が板に係合しグリツ
プ本体が荷実要素へ接続するとき、長手方向軸線
と荷重要素の軸線とが同心性及び角度に関して整
合する。

実施例 第１図には、材料試験用の荷重フレーム１０が
示してある。このフレーム１０は、脚１２と、テ
ーブル１４と、該テーブル１４から上方へ伸長し
ている垂直柱体１６，１７と、これら柱体１６，
１７間にある横方方向台１８と、を含んでいる。
横方向台１８にはロードセル２０と上方グリツプ
２２とが接続されている。この上方グリツプ２２
にはテストサンプルの上端を把持する。そのすぐ
下方には静水圧ベアリング２４と、起動ロツド２
６と、サンプルの下端を把持する下方グリツプ２
８と、がテーブル１４によつて支承されている。
テーブル１４の下方にはアクチユエータ３０が支
承されており該アクチユエータ３０はロツド２６
を駆動しており、該ロツド２６はテーブル１４を
貫通する孔を通つている。柱体１６には1500℃の
炉３２が支承されている。この炉３２は軸３４周
りに枢動可能となつており、第１図の準備位置か
ら両グリツプ２２，２８間の作動位置まで移動可
能となつている。この炉３２は、細長いサンプル
を受入れるための中央孔３６と、柱体１７によつ
て支持された伸び計４２の指片１１２，１１４を
受入れるための前記孔３６へ至つている２つの水
平通路３８と、を有している。

第２，３図には上方グリツプ２２が示してあ
る。下方グリツプ２８は同様の構造を有してい
る。上方グリツプ２２は、グリツプ板４４と、４
個の角度調整ボルト４８によつて該グリツプ板４
４へ固着されたグリツプ本体４６と、を有してい
る。角度調整については後述する。

第３図に破線で概略的に示すロードセル２０へ
グリツプ本体４６を取付けるための取付スタツド
５０はグリツプ本体４６へ該スタツド５０を固定
するためのねじ付伸長部５２を有している。スタ
ツド５０はまたロードセル２０へ対しねじ付連結
を行なつているねじ付伸長部５４を有している。
ロードセル２０とグリツプ本体４６の上面５８と
の間にはくさびワツシヤ５６が設けてあり、ロー
ドセル２０と本体４６との間のバツクラツシユの
ない連結を提供している。

伸長部５２の下方にてプラグ６０が本体４６へ
ねじ係合しかつシールリング６２を含んでおり圧
力室６４の上端をシールしている。圧力室６４は
圧力通路６６へ通じている。圧力室６４の下端に
はピストン６８が滑動自在に載置されており、該
ピストン６８はシールリング７０を有し室へ対す
る液密シールを提供している。ピストン６８の下
方に面した外方環状面７２が第２圧力通路７４へ
連通している。ピストン６８の下方周辺伸長部８
２はシールを提供するためのシールリング９０
と、ごみを払うワイパーリング９２と、を有して
いる。ピストン６８の下方伸長部８２は半球形凹
部７６を有しねじ８０を介してピストン６８へ接
続された半球形状のセラミツク片７８を受入れて
いる。ねじ８０が位置づけられている該セラミツ
ク片７８内の通路はねじ８０より大きく該セラミ
ツク片７８の僅かな回転運動を可能としており、
このため該セラミツク片の平坦面は自動的に試験
片即ちサンプルの平坦面の位置に対して回転す
る。

ピストン６８の下方伸長部８２がグリツプ板４
４の円錐形凹部８４内に受入れられている。この
凹部８４内には２つのくさび状片８６が位置づけ
られている。これらのくさび状片８６の外表面は
円錐形状を有しかつまた内表面はサンプルの拡大
端の外表面形状に適合している。各くさび状片８
６にはグリツプ２２へサンプルを載置する助けを
なすためにばね偏倚された取出し部材９１が接続
されている。板４４内の通路９４は冷却水を受入
れている。該板４４の下面の凹部９６ａは、上方
クリツプ２２の板と下方グリツプ２８の板との初
期整合のための定着物を受入れている。

４個の芯出調整ノブ９６はグリツプ本体４６へ
接続された垂下支持体９８へ螺合しかつグリツプ
板４４の外面へ接している端部１００と固定ナツ
ト９９とを有している。角度調整ボルト４８はグ
リツプ板４４のねじ孔へ受入れられている端部１
０２を有しかつ該板４４と本体４６との間に緊張
を与えている。ロツクボルト１０１が本体４６の
下端のねじ１０３へ螺合しかつ板４４と本体４６
との間に圧縮力を提供しボルト４８を所定位置へ
固定する作用をしている。

作動に際しては、最初にセラミツクサンプル
を、第１図の準備位置においた炉３２の孔３６内
へ差入ることによつてフレーム１０内へ負荷す
る。中央部分周辺の４個所、中央部分の上方及び
下方各２個所にて図示していない歪み汁へ連結さ
れている炉とサンプルとをグリツプ２２，２８間
の位置へ動かす。サンプル１２０の上部拡大端は
初めにくさび状片８６内へサンプルを置きクリツ
プ２２へしつかり固定する。くさび状片８６は、
初めに拡大端が凹部８４内へ差込まれるときに取
出し部材９１を使つて引き戻す。次いでアクチユ
エータ３０が作動し下方グリツプ２８を所定位置
まで上方へ押上げる。下方グリツプ２８は同様に
連結されている。

次いでサンプルに関するグリツプ２２，２８の
同芯性及び角度を調整し、フレーム１０によつて
付与された荷重をサンプルへ正確に整合させる。
この整合はサンプル１２０を軽荷重下におき、こ
の軽荷重がサンプル１２０周辺のセンサを使用し
てもたらされる歪みを感知することにより達成さ
れる。サンプル１２０への歪み及び応力が不均一
であることがわかつた場合には同芯性調整ノブ９
６及び角度調整ポルト４８を調節する。初期調整
中は引張荷重のみが使用される。圧縮荷重が付与
される際には圧力室６４内の圧力がピストン６８
を介してサンプル１２０の端面へ付与され本体４
６へ関し板４４の位置をロツクする。サンプルが
適正に整合した後、ロツクボルト１０１を同様に
圧縮状態に回動しボルト４８に抗して作用させ、
グリツプ板４４とグリツプ本体４６との相対位置
を保持する。

発明の効果 テストの間中、サンプルが試験温度にまで上昇
するとアクチユエータ３０によつて引張及び圧縮
荷重が付与される。伸び計４２はサンプルの長さ
方向の変動量を計測する。静水ベアリング２４は
グリツプ２８の近くにあるので起動ロツド２６の
位置を正確に保持する。グリツプ２２，２８はセ
ラミツクサンプルが引張及び圧縮双方において正
確に軸線方向に負荷されうるよう該サンプルのた
めに１％以内の整合誤差を提供している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による材料試験荷重フレームの
斜視図、第２図は第１図に示すフレームのグリツ
プ部分の平面図、第３図は第２図の３−３矢視図
である。 符号の説明、１０……荷重フレーム、１２……
テーブル、１６，１７……垂直柱体、１８……横
方向台、２０……ロードセル、２２……上方グリ
ツプ、２４……ベアリング、２６……起動ロツ
ド、２８……下方グリツプ、３０……アクチユエ
ータ、４４……グリツプ板、４６……グリツプ本
体、４８……角度調整ボルト、５０……取付スタ
ツド、６４……圧力室、６６……圧力通路、７６
……半球形凹部、７８……セラミツク片、８４…
…円錐形凹部、８６……くさび状片、９１……取
出し部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 材料試験用ロードフレームのグリツプであつ
   て、 長手方向軸線を有する細長いサンプルの端部に
   係合するグリツプ板と、 該グリツプ板に接続された一端と、フレームの
   荷重軸線を有する荷重要素へ接続する他端と、を
   有するグリツプ本体と、 該本体に関する前記板の同心性を調整する同心
   性調整手段と、 前記本体に関する板の角度を調整する角度調整
   手段と、 を有し、サンプルの端部が板と係合しグリツプ本
   体が荷重要素へ接続するとき、長手方向軸線と荷
   重軸線とが同心性調整手段及び角度調整手段によ
   つて同心性及び角度に関して整合する材料試験用
   ロードフレームのグリツプ。 ２ 同心性調整手段が、夫々が板及び本体の一方
   へ螺合しておりかつ板及び本体の他方へ対抗して
   担持している一端を有する複数対の対抗した調整
   ボルトを有し、該ボルトが荷重軸線に垂直な面内
   の軸線に沿つて載置されて成る特許請求の範囲第
   １項に記載のグリツプ。 ３ 角度調整手段が、荷重軸線に平行な要素を有
   する軸線に沿つて本体へ対し板を接続する複数の
   ボルトを有して成る特許請求の範囲第１項に記載
   のグリツプ。 ４ サンプルの端部がくさび状片内に座しかつグ
   リツプ本体のピストン室へグリツプ本体によつて
   担持されたピストンにより後方から押圧されてい
   る特許請求の範囲第１項に記載のグリツプ。 ５ ピストンが該ピストン端部の半球形状凹部内
   での限定された回転のために載置された半球形状
   片を有し、該片がサンプルの端部へ押圧するため
   担持面を有している特許請求の範囲第４項に記載
   のグリツプ。 ６ 複数のくさび状片を有し、該くさび状片の外
   表面が円錐形の外形を有し、かつ該くさび状片が
   グリツプ板内に載置されかつ該板内の円錐形凹部
   へ支承され、該くさび状片がサンプルの前記端部
   の外形に適合する内面を有している特許請求の範
   囲第４項に記載のグリツプ。 ７ ピストンの両側に前記本体によつて形成され
   る圧力室を有している特許請求の範囲第４項に記
   載のグリツプ。 ８ 本体の通路内にありくさび状片へ接続されて
   おり、該くさび状片をサンプル取付中取出す取出
   し部材を有している特許請求の範囲第１項に記載
   のグリツプ。 ９ 複数のボルトによつて提供される力に抗して
   板と本体との間に力を提供するため荷重方向に沿
   つて本体との間に複数のロツクボルトを有してい
   る特許請求の範囲第３項に記載のグリツプ。 １０ 本体を荷重要素へ接続するねじ付スタツド
   を有している特許請求の範囲第１項に記載のグリ
   ツプ。 １１ 材料試験荷重フレームであつて、 一対の柱体と、 柱体間にあるテーブルと、 柱体間及びテーブル上方にあるクロスヘツドで
   あつて柱体とテーブルとクロスヘツドとの間の試
   験域を画定しているクロスヘツドと、 荷重軸線方向に沿つて負荷を付与するためテー
   ブルとクロスヘツドとの一方へ接続されたアクチ
   ユエータと、 荷重軸線方向に沿つて負荷を付与するためテー
   ブルとクロスヘツドとの他方へ接続されたロード
   セルと、 ロードセルとアクチユエータとに接続された一
   対のグリツプと、 を含み、少なくとも１つのグリツプが、 長手方向軸線を有する細長いサンプルの端部に
   係合するグリツプ板と、 グリツプ板へ接続する一端とロードセル又はア
   クチユエータへ接続した他端とを有するグリツプ
   本体と、 本体に関する板の同心性を調整する同心性調整
   手段と、 本体に関する板の角度を調整する角度調整手段
   と、 を有し、サンプルの端部が板と係合し、グリツプ
   本体が荷重要素へ接続するとき、長手方向軸線及
   び荷重軸線が同心性調整手段及び角度調整手段と
   によつて同心性及び角度に関し整合する材料試験
   荷重フレーム。 １２ 同心性調整手段が、夫々が板及び本体の一
   方へ螺合しておりかつ板及び本体の他方へ対抗し
   て担持している一端を有する複数対の対抗した調
   整ボルトを有し、該ボルトが荷重軸線に垂直な面
   内の軸線に沿つて載置されて成る特許請求の範囲
   第１１項に記載のフレーム。 １３ 角度調整手段が、荷重軸線に平行な要素を
   有する軸線に沿つて本体へ対し板を接続する複数
   のボルトを有して成る特許請求の範囲第１１項に
   記載のフレーム。 １４ サンプルの端部がくさび状片内に座しかつ
   グリツプ本体のピストン室へグリツプ本体によつ
   て担持されたピストンにより後方から押圧されて
   いる特許請求の範囲第１１項に記載のフレーム。 １５ ピストンが該ピストン端部の半球形状凹部
   内での限定された回転のために載置された半球形
   状片を有し、該片がサンプルの端部へ押圧するた
   め担持面を有している特許請求の範囲第１４項に
   記載のフレーム。 １６ 複数のくさび状片を有し、該くさび状片の
   外表面が円錐形の外形を有し、かつ該くさび状片
   がグリツプ板内に載置されかつ該板内の円錐形凹
   部へ支承され、該くさび状片がサンプルの前記端
   部の外形に適合する内面を有している特許請求の
   範囲第１４項に記載のフレーム。 １７ ピストンの両側に前記本体によつて形成さ
   れる圧力室を有している特許請求の範囲第１４項
   に記載のフレーム。 １８ 本体の通路内にありくさび状片へ接続され
   ており、該くさび状片をサンプル取付中取出す取
   出し部材を有している特許請求の範囲第１１項に
   記載のフレーム。 １９ 複数のボルトによつて提供される力に抗し
   て板と本体との間に力を提供するため荷重方向に
   沿つて本体と板との間に複数のロツクボルトを有
   している特許請求の範囲第１３項に記載のフレー
   ム。 ２０ 本体をアクチユエータ又は荷重セルへ接続
   するねじ付スタツドを有して成る特許請求の範囲
   第１１項に記載のフレーム。 ２１ アクチユエータがテーブル下方へ載置され
   た部分を有し、アクチユエータロツドがテーブル
   の孔を介して上方へ貫通し、かつ該アクチユエー
   タロツドが貫通する静水圧ベアリングを有して成
   る特許請求の範囲第１１項に記載のフレーム。 ２２ 両グリツプが、グリツプ本体と、グリツプ
   板と、同心性調整手段と、角度調整手段と、を有
   して成る特許請求の範囲第１１項に記載のフレー
   ム。