JPS6225707Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スポツト溶接機等に於て溶接加圧力
を測定する溶接加圧力計に係り、更に詳細には先
端形状を球面状に形成された一対の電極を有する
溶接機に於て、前記一対の電極により挟圧される
ことにより溶接加圧力の測定を行う溶接加圧力計
に係る。

スポツト溶接機に於ける溶接加圧力を測定する
溶接加圧力計としては、機械式、油圧式、ひずみ
ゲージ式等のものがあり、これらは全て一対の電
極が各々当接する一対の電極受け部を含み、この
電極受け部にて前記一対の電極により挟圧される
ことによつて溶接加圧力を測定するようになつて
いる。

上述の如き溶接加圧力計にあつては、電極が溶
接加圧力計の測定中心線に整合した状態にて電極
受け部に当接していないと溶接加圧力計に溶接加
圧力が正確に作用せず、正確な溶接加圧力を測定
することができない。

しかし、従来一般に用いられている溶接加圧力
計にあつては、前記一対の電極受け部の電極当接
面は両方とも偏平面になつており、このため電極
が前記測定中心線に整合するように溶接加圧力計
の電極に対する位置決めを行うことが難しく、正
確な測定を行うには熟練を要する。

本考案は、従来の溶接加圧力計に於ける上述の
如き不具合に鑑み、電極、特に球面状先端部を有
する一般的な電極が測定中心線に整合するように
電極に対する位置決めを熟練を要することなく、
また正確に行なえ、正確な溶接加圧力の測定を行
なえる改良された溶接加圧力計を提供することを
目的としている。

かかる目的は、本考案によれば、溶接機の球面
状先端部を有する一対の電極により挟圧されるこ
とにより溶接加圧力を測定する溶接加圧力計にし
て、前記一対の電極の球面状先端部が各々当接す
る一対の電極受け部を含み、前記一対の電極受け
部のうちの一方は前記電極の球面状先端部を受入
れ該電極を溶接加圧力計の測定中心線に整合せし
める実質的に円錘状の窪みを有し、前記一対の電
極受け部のうちの他方は前記窪みの中心軸線に対
し直交する平面部を有していることを特徴とする
溶接加圧力計によつて達成される。

かかる構成によれば、一方の電極の球面状先端
部が一方の電極受け部の窪みに受入れ、他方の電
極の球面状先端部が他方の電極受け部の平面部に
当接することにより、溶接加圧力計は、前記一方
の電極によりその軸線方向に直交する方向の配設
位置を拘束され、これに対し他方の電極に対して
はその軸線方向に対し直交する方向に自由に移動
し得る状態に設定されて前記一方の電極の球面状
先端部との係合から前記一方の電極に対し自動調
心され、これにより熟練度を必要する面倒な位置
決め手操作を要することなく電極と測定中心線と
が合致し、溶接加圧力の測定が敏速且正確に行わ
れるようになる。

以下に添付の図を参照して本考案を実施例につ
いて詳細に説明する。

添付の図は本考案による溶接加圧力計の一つの
実施例をその要部について示す縦断面図である。
溶接加圧力計は金属等により構成された本体１を
有している。本体１はシリンダ室２を有してお
り、該シリンダ室はピストン３を受入れている。
ピストン３は、その外周に液密用のＯリング４を
有しており、シリンダ室２の液密状態を保つてそ
の軸線方向、即ち図にて上下方向に移動可能にな
つている。シリンダ室２には油が充填されてお
り、このシリンダ室は本体１に設けられた通路５
を経て図示されていないブルドン管に接続されて
いる。ピストン３は、シリンダ室２に充填された
油の圧力により図にて上方へ付勢され、これに加
圧力が及ぼされていない時には本体１に取付けら
れたストツパリング６に当接する上限位置に位置
している。

ピストン３にはねじ７によつて金属製の電極受
け部材８が着脱可能に取付けられている。電極受
け部材８は図にてＸで示されている測定中心線を
中心とする円錐状の窪み９を有するラツパ状部材
として構成されている。

また、本体１の電極受け部材８が設けられてい
る側と反対側の面には絶縁部材１０を介して金属
製の電極受け部材１１が取付けられている。この
電極受け部材１１は、測定中心線Ｘに直交する平
面部１１ａを有している。

電極受け部材８，１１は各々測定時に於ける溶
接加圧力により変形を来たさないよう熱処理を施
された硬質な材料により構成されていることが好
ましい。

本考案による溶接加圧力計によれば、電極受け
部材８を溶接機の一方の電極１２に係合させてそ
の窪み９にて電極１２の球面状先端部を受入れる
ことにより、電極１２は自ずから溶接加圧力計の
測定中心線Ｘに整合し、電極１２を加工、或いは
もう一方の電極１３を上昇させ、電極１３の球面
状先端部を電極受け部材１１の平面１１ａに当接
されれば、電極１２と１３は測定中心線Ｘに整合
した状態にて溶接過圧力計の電極受け部８と１１
とを互いに挟圧するようになる。これにより溶接
加圧力が溶接加圧力計に正確に伝わり、溶接加圧
力が正確に測定されるようになる。尚、電極受け
部材８と１１とが共に円錐状窪みを有していれ
ば、その両方の円錐状窪みの相互の心合せが問題
となるが、本考案による溶接加圧力計に於ては、
円錘状窪みは一方の電極受け部材８にのみ設けら
れて、他方の電極受け部材１１は円錐状窪みの中
心軸線に対し直交する平面になつているから、そ
の様な問題が生じない。

尚、電極受け部材８の窪み９は円錐形窪みに限
定されるものではなく、これは半円状等の円錐形
と類似の形状のものであつてもよく、その中心が
測定中心線に合致していればよい。また本考案は
上述した実施例の如き油圧式の溶接加圧力計に限
定されるものではなく、機械式やひずみゲージ式
の溶接加圧力計にも適用できることは勿論のこと
である。

以上の説明から明らかな如く、本考案によれ
ば、測定時に於て、電極と測定中心線とが自ずか
ら整合し、溶接加圧力を迅速且正確に測定するこ
とができる溶接加圧力計が得られることが理解さ
れよう。

【図面の簡単な説明】

添付の図は本考案による溶接加圧力計の一つの
実施例を示す縦断面図である。 １……本体、２……シリンダ室、３……ピスト
ン、４……Ｏリング、５……通路、６……ストツ
パリング、７……ねじ、８……電極受け部材、９
……窪み、１０……絶縁部材、１１……電極受け
部材、１２，１３……電極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶接機の球面状先端部を有する一対の電極によ
   り挟圧されることにより溶接加圧力を測定する溶
   接加圧力計にして、前記一対の電極の球面状先端
   部が各々当接する一対の電極受け部を含み、前記
   一対の電極受け部のうちの一方は前記電極の球面
   状先端部を受入れ該電極を溶接加圧力計の測定中
   心線に整合せしめる実質的に円錘状の窪みを有
   し、前記一対の電極受け部のうちの他方は前記窪
   みの中心軸線に対し直交する平面部を有している
   ことを特徴とする溶接加圧力計。