JPH0357391Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、フツトペダルを足で踏み込むことに
よりパンチを下降せしめ上下部品を生地を介して
加締め取付けするキツク式部品取付機に関するも
のである。

従来の技術 この種の従来における部品取付機としては、フ
ツトペダルを足で踏み込むことにより、該フツト
ペダルに連結された連結棒、レバー、及びトグル
リンクを介して上パンチを下降せしめて、ダイと
の間で上下部品を生地を介して加締め取付けする
ようなものがあり、前記フツトペダルへの踏み込
みを外せば、加締め途中であつてもフツトペダル
は戻り、その結果、上パンチが上昇してしまうも
のが知られている。

考案が解決しようとする問題点 従つて、正規の加締め圧までフツトペダルを踏
み込まず、部品の加締め不良が生じた場合であつ
ても、フツトペダルへのキツクを外せば上パンチ
は上昇してしまい、加締め不良のチエツクができ
ないという問題点があつた。

本考案は上記問題点に着目してなされたもので
あつて、加締め途中であつてもフツトペダルは戻
ることなく、従つて、上パンチは上昇せずに正規
の加締め圧点までフツトペダルを踏み込まない限
りフツトペダルは戻らなく上パンチは上昇しない
ことにより、部品の加締め不良をなくすことがで
きるキツク式部品取付機を提供することを目的と
するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点は本考案によれば、固定軸に回動可
能に取付けられると共に、フツトペダルに連結さ
れ、所定長さのラチエツト歯及び係止ピンを有す
るラチエツトホイールと、一側縁が切欠かれ押圧
部を有し、前記係止ピンと係止することにより前
記ラチエツトホイールと共に回転する所定幅を有
する切欠凹部と、凹状に切欠かれたノツチとを有
する円板状のデイスクと、前記固定軸に固定さ
れ、前記ラチエツトホイールのラチエツト歯を有
する一端側及びデイスクを嵌入する開口部と、前
記ノツチと係合する埋設自在の突起とを有するホ
ルダーと、前記ホルダーに設けられたピンに枢支
され、ホルダーに固着された戻りばねにより前記
ラチエツト歯方向に附勢された爪と、から成るラ
チエツト機構を有することを特徴とするキツク式
部品取付機とすることにより解決される。

実施例 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１図において、１はフツトペダルであり、該
フツトペダル１は、台２に取付けられた本考案に
係るラチエツト機構３に連結されていると共に、
連結棒４に連結され、連結棒４は軸５を中心とし
て揺動する揺動レバー６の一端に連結されてい
る。該揺動レバー６の他端はレバー７に連結され
ており、該レバー７はトグルリンク８に連結さ
れ、ラム９を介して上パンチ１０に連結されてい
る。そして、フツトペダル１を踏み込むことによ
り上パンチ１０が下降するようになつており、ダ
イ１１との間で上下部品を加締めるようになつて
いる。１２はフツトペダル１を元に戻すための引
張りばねである。

前記ラチエツト機構３は、フツトペダル１を正
規の加締め圧点まで踏み込むと元に戻らず、その
位置を保持するものであつて、第２図及び第３図
に示されているように台２に固着されている固定
軸１３に対して回動可能でありフツトペダル１に
連結され、一部にラチエツト歯１４ａを有するラ
チエツトホイール１４と、前記固定軸１３にビス
１５で回転不能に固着されているホルダー１６
と、該ホルダー１６の軸部１７に対して回動可能
に嵌合する円板状のデイスク１８と、前記ラチエ
ツト歯１４ａと加締め途中において噛み合い前記
ホルダー１６に固着されたピン１９に一端が枢支
された爪２０と、該爪２０を常時ラチエツトホイ
ール１４側に附勢する戻りばね２１とから構成さ
れている。

前記ラチエツトホイール１４には、第２図で示
されるようにリング２２がビス２３により固着さ
れ、ラチエツトホイール１４と同時に回動するよ
うになつており、該リング２２には、後述するよ
うにデイスク１８に形成されている切欠凹部２８
間に位置し、デイスク１８と係止する係止ピン２
４が設けられている（第３図参照）。このリング
２２は図示の例ではラチエツトホイール１４と別
体であるが一体に成形するようにしてもよい。ま
たラチエツト歯１４ａは、ラチエツトホイール１
４の全周に亘つて設けられているのではなく一部
においてのみ設けられており、その幅はフツトペ
ダル１を踏み込む前の初期段階において爪２０が
ラチエツト歯１４ａが外れている位置から、フツ
トペダル１を踏み込んでラチエツトホイール１４
が第３図において反時計方向に回転し部品の加締
め圧点まで踏み込んだ時に外れる位の長さであ
る。

前記ホルダー１６は、中央部に開口部２５が形
成されており、該開口部２５に前記ラチエツトホ
イール１４のラチエツト歯１４ａが刻まれている
一端側及びデイスク１８が嵌入するようになつて
いる。そしてホルダー１６は中央側端部が切欠か
れることによつて、両側にフランジ２６，２６が
形成され、該フランジ２６，２６間に前記ピン１
９が固着され、このピン１９に爪２０が枢支され
るようになつている。そして該爪２０をラチエツ
トホイール１４より厚くしデイスク１８側に突出
するようになつている。またホルダー１６には第
３図で示されるようにデイスク１８側に突出する
出没自在の突起２７が設けられている。

前記デイスク１８には、前記リング２２を介し
てラチエツトホイール１４に固定的に取付けられ
た係止ピン２４と係止する切欠凹部２８が形成さ
れている。この切欠凹部２８は適当なる幅を有し
ている。すなわち切欠凹部２８の一端面２８ａと
他端面２８ｂ間に係止ピン２４が挾持されるよう
な幅ではなく、係止ピン２４が遊嵌されるような
幅である。また、デイスク１８の爪２０側の一側
縁部は切欠かれており、その一端側には爪２０と
ラチエツト歯１４ａとの係合を外すための押圧部
２９が形成されている。この押圧部２９がデイス
ク１８側に突出した爪２０と係合する。更にデイ
スク１８には前記出没自在の突起２７と係止する
ための凹状に切欠かれたノツチ３０が形成されて
いる。これはこのノツチ３０と突起２７との係止
によるロツクによりデイスク１８によつて爪２０
とラチエツト歯１４ａとの係合の外れを保持する
ためのものである。

前記戻りばね２１はホルダー１６にボルト３１
により固着された板状のばねである。

作 用 次に本考案の要部であるラチエツト機構３の作
用について第３図ないし第８図に基づいて説明す
る。

先ず、第３図の状態はフツトペダル１を足で踏
み込む前の通常の状態を示すものであつて、この
時は爪２０はラチエツト歯１４ａとは係合してお
らず、係止ピン２４はデイスク１８の切欠凹部２
８の一端面２８ａと当接している。そして上パン
チ１０は上昇した状態にある。

この状態よりフツトペダル１を足で踏み込むと
第４図に示されるようにラチエツトホイール１４
のみが反時計方向に回転し、係止ピン２４はデイ
スク１８の切欠凹部２８の他端面２８ｂに衝突す
る。この時上パンチ１０はわずかに下降する。そ
して爪２０はラチエツト歯１４ａと係合する。従
つて、ラチエツトホイール１４は爪２０により逆
方向である時計方向に回転するのを防止され、そ
の結果フツトペダル１より足を外しても上パンチ
１０は上昇しない。このような状態の時は、未だ
上パンチ１０が正規の加締め圧点まで下降してい
ないということが確認できる。

上述の状態より更にフツトペダル１を踏み込む
と、第５図に示されるように係止ピン２４を介し
てラチエツトホイール１４とデイスク１８とは一
緒に反時計方向に回転し、デイスク１８の押圧部
２９が爪２０に当たる。この時は上パンチ１０が
下降してきて部品を加締める途中である。尚、こ
の状態の時も前述と同様爪２０とラチエツト歯１
４ａとが係合していてフツトペダル１は復帰せ
ず、上パンチ１０も上昇しない。従つて、この状
態でフツトペダル１より足を離しても上パンチ１
０が上昇しないので部品の加締め途中であること
が確認できる。

更にフツトペダル１を踏み込むと、第６図で示
されるようにラチエツトホイール１４とデイスク
１８とが回転し、デイスク１８の押圧部２９によ
つて戻りばね２１に抗し爪２０が持ち上げられ、
ラチエツト歯１４ａとの係合が外れてラチエツト
ホイール１４が働かないようになる。この地点が
正規の部品の加締め圧点であり、部品の加締め完
了時点である。

尚、フツトペダル１をわずかに踏み込むと第７
図に示されるように、デイスク１８のノツチ３０
がホルダー１６の突起２７の位置に到達し、ノツ
チ３０は突起２７と係合してデイスク１８はホル
ダー１６に係止されロツクされる。

ここでフツトペダル１より足を離すと第８図に
示されるように、フツトペダル１は引張りばね１
２により元の状態に復帰しようとして、先ずラチ
エツトホイール１４を逆方向である時計方向に回
転させる、すなわち、デイスク１８はノツチ作用
によりホルダー１６にロツクされているのでデイ
スク１８は回転せず、いわゆる爪２０の外れをデ
イスク１８で保持することにより先にラチエツト
ホイール１４のみを回転させて係止ピン２４がデ
イスク１８の切欠凹部２８の他端面２８ｂから一
端面２８ａに衝突する。そして、この後、ラチエ
ツトホイール１４の係止ピン２４によりデイスク
１８は回転附勢をかけられノツチ３０と突起２７
との係止が外れ、引張りばね１２によつてフツト
ペダル１を介してラチエツトホイール１４とデイ
スク１８とは一緒に時計方向に回転し、第３図に
示す元の状態に戻る。

このようにしてラチエツト機構３をフツトペダ
ル１及び上パンチ１０との関連で作動させること
によつて部品の加締め不良を確認することができ
る。

考案の効果 以上のように本考案によれば、キツク式部品取
付機にラチエツト機構を設けて部品の加締め途中
にフツトペダルから足を外してもフツトペダル及
び上パンチは復帰しないようにしたので、中途半
端なフツトペダルの踏み込みによる部品の加締め
不良をなくすことができるという実用的効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、キツク式部品取付機の一部断面側面
図、第２図は、本考案の要部であるラチエツト機
構の下半分を断面した側面図、第３図は、第２図
における−線断面図、第４図ないし第８図
は、第３図に対応する図であり、作用を示した図
である。 １……フツトペダル、３……ラチエツト機構、
１３……固定軸、１４……ラチエツトホイール１
４ａ……ラチエツト歯、１６……ホルダー、１８
……デイスク、１９……ピン、２０……爪、２１
……戻りばね、２４……係止ピン、２５……開口
部、２７……突起、２８……切欠凹部、２９……
押圧部、３０……ノツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 固定軸１３に回動可能に取付けられると共に、
   フツトペダル１に連結され、所定長さのラチエツ
   ト歯１４ａ及び係止ピン２４を固定的に有するラ
   チエツトホイール１４と、 一側縁が切欠かれ押圧部２９を有し、前記係止
   ピン２４と係止することにより前記ラチエツトホ
   イール１４と共に回転する所定幅を有する切欠凹
   部２８と凹状に切欠かれたノツチ３０とを有する
   円板状のデイスク１８と、 前記固定軸１３に固定され、前記ラチエツトホ
   イール１４のラチエツト歯１４ａを有する一端側
   及びデイスク１８を嵌入する開口部２５と、前記
   ノツチ３０と係合する出没自在の突起２７とを有
   するホルダー１６と、 前記ホルダー１６に設けられたピン１９に枢支
   され、ホルダー１６に固着された戻りばね２１に
   より前記ラチエツト歯１４ａ方向に附勢された爪
   ２０と、 から成るラチエツト機構３を有することを特徴と
   するキツク式部品取付機。