JPH0354188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、地表水が地下構造物内に浸入するこ
とを防止すると共に、地下構造物内圧力水が地表
へ湧出することを防止する事も可能とする上蓋の
下方に設けられた中蓋を密着・固定する装置に関
する。

なお、本願明細書でいう「地下構造物用蓋」と
は、下水道における地下埋設物，地下構造施設等
と地上とを通じる開口部を閉塞する大型鉄蓋，マ
ンホール蓋，汚水桝蓋，電力・通信における地下
施設機器や配線等を保護する開閉可能な共同溝用
鉄蓋，送電用鉄蓋，配電用鉄蓋、上水道やガス配
管における路面下の埋設導管及びその付属機器と
地上とを結ぶ開閉扉としての機能を有する消火栓
蓋，制水弁蓋，仕切り弁蓋，空気弁蓋，ガス配管
用蓋，量水器蓋等を総称する。

〔従来の技術〕

地下構造物上に設けられた蓋の中蓋密着固定機
構としては、たとえば実公昭57−55411号公報に
記載されたものがある。

この従来の密着固定機構においては、外方に伸
びた複数本の腕を有する金具が上蓋と中蓋の中間
に取付けられている。そして、上蓋の中心に設け
た透孔から頭部を有した螺杆を挿入し、先端が中
蓋上面に接触するように金具を螺合させると、中
蓋が受枠の受面に圧接されて地表水の浸入を防止
することができるようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような従来の中蓋の密着固
定機構に用いる金具は、長い腕を備えているのに
加えて、中蓋を受枠に密着させるのに上蓋を設置
してから操作しなければならないため、取り扱い
操作が不便であった。また、全周にわたるパツキ
ンの接触面積に比べて螺杆下端部による押圧面積
が極端に小さいため、パツキンに加わる圧接力を
充分大きくすることは実質的に不可能であつた。
特に蓋が大型になる程上記問題は著しくなる傾向
を示す。

本考案の目的は、取扱い操作が便利であり、し
かも、受枠に対する中蓋の締付けを完全に行なう
ことができる地下構造物用蓋の中蓋固定装置を提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の地下構造物用蓋の中蓋固定装置は、上
記課題を解決するために、受枠の内周に設けた受
け棚上にパツキンを介して中蓋を受枠に固定する
装置において、同中蓋の上面周縁部に回動自在と
したハンドルを複数設け、同ハンドルの一端に
は、中蓋上に弧状に配置されたつめ山と係合する
係合部材を設け、他端には偏平部を形成し、更に
受枠の内周面には、前記偏平部を受ける勾配付ガ
イドを複数設けたことを特徴としている。

〔作用〕

本考案の地下構造物用蓋の中蓋固定装置にあつ
ては、中蓋の周縁部に設けた複数のハンドルの他
端が受枠の勾配付ガイドに挿入するようにハンド
ルを回転させると共に、一端をつめ山に係止させ
ることにより、比較的小さい力で中蓋周縁の複数
箇所を独立的に確実に押圧して中蓋を受枠内周の
受け棚に確実に密着させることができる。

〔実施例〕

以下、添付図に示す実施例により、本考案の特
徴を具体的に説明する。

第１図は上蓋２及び中蓋３の一部を切欠いた平
面図、第２図は第１図の−断面図である。図
において、１は受枠で、上蓋２を内周面により勾
配受けで支持すると共に、受枠１の下部内周面に
は、中蓋３を戴置させる受け棚４が張り出され、
また、受け棚４の上方の受枠１内周面には複数箇
所に勾配付ガイド１５が形成されている。

中蓋３は、前記受枠１の受け棚４に戴置される
もので、中蓋３の上面周縁部にハンドル１３がそ
の中途をボルト１４により水平面内で回動自在に
取付けられている。

該ハンドル１３の一端部には、ハンドル１３の
長さ方向と直角にＵ字形の切欠１８が形成されて
おり、該切欠１８には第５図に示す係止部材（以
下、ラチエツトつめという）１１がピン１７によ
り回動自在に枢支されている。ハンドル１３を第
３図に示す矢印方向に回動させたとき、前記ラチ
エツトつめ１１が中蓋３上にボルト１４を中心と
して円弧状に配置させたつめ山１６の谷部に落ち
込むことにより、ハンドル１３の戻りを防止する
ようにしている。

また、ハンドル１３の他端には、第３図に示す
矢印方向にハンドル１３を回動させたとき、前記
勾配付ガイド１５内に挿入される偏平部１２が形
成されている。

なお、図中３ａは勾配付ガイド１５内に挿入さ
せるガイド挿入部、５はパツキンである。

前記勾配付ガイド１５は、第４図に示すよう
に、受枠１の内周面に沿うように傾斜させて設け
られている。その傾斜面は、第３図に示す矢印方
向にハンドル１３を回動させたとき、偏平部１２
側が回動する方向に下がるように形成されてい
る。そのため、ハンドル１３の矢印方向の回動に
よつてハンドル１３の偏平部１２はハンドル１３
の矢印と反対方向に回動して、同ガイド１５の下
面に当接し、勾配付ガイド１５の勾配によって摩
擦圧接される。そして、第２図に示すように、パ
ツキン５を介して中蓋３を受け棚４上に押圧する
ことになる。

次いで、本考案の装置の操作を説明する。

まず、中蓋の取付けに当たつては、ラチエツト
つめ１１を持ち上げてつめ山１６との係合を解い
た後、ハンドル１３を第３図において反矢印方向
に回動して同ラチエツトつめ１１をつめ山１６の
開始点に配置して、中蓋３を受枠１の受け棚４上
に置き、中蓋３のガイド挿入部３ａが勾配付ガイ
ド１５内に位置するように中蓋３を回転させ、そ
の後ハンドル１３を第３図の矢印方向に回動させ
る。ハンドル１３の回動に伴つて、偏平部１２が
勾配付ガイド１５の下面と充分な摩擦圧接点に達
したとき、ラチエツトつめ１１をラツチ状のつめ
山１６の谷部に落ち込ませることにより、ハンド
ル１３の戻りが制止される。このとき発生する下
方への押圧力によつて、中蓋３は受枠１の受け棚
４に押圧される。このとき、中蓋３の裏面周縁に
設けたパツキン５によつて中蓋３と受け棚４とは
密着される。その後、上蓋２を受枠１の内周面に
嵌合させて蓋の取付け作業を全て完了する。

また、中蓋３の取り外しは、ラチエツトつめ１
１をピン１７を軸として回転して持ち上げ、つめ
山１６との係合を解き、ハンドル１３を反矢印方
向に回動させることにより簡単に行うことができ
る。

なお、本実施例では、係止部材をラチエツトつ
めとして説明したが、本考案はこれに限定される
ものではない。たとえば、ハンドルの一端を単に
つめ山の凹部と係合する形状に成形したものでも
よい。

また、実施例では、ハンドルの中途をボルトで
枢支したが、ハンドルの他端部を枢支し、該他端
部から勾配付ガイドに挿入させる偏平部を小さく
突出させるようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の地下構造物用
蓋の中蓋固定装置にあつては、簡単なハンドル操
作だけで中蓋周縁の各ハンドル位置に独立した強
い押圧力をかけられるため、全体として周面に均
一な押圧を加えることができる。そのため、地表
水の流れ込みを完全に防止することが可能であり
且つ地下構造物内圧力水が地表へ湧出することも
防ぐことができる。また、中蓋の押圧作業は外蓋
とは独立しているため、操作が簡単である。しか
も、ハンドルは中蓋の周縁部に小さく設けられて
いるので、取扱いが便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本実施例における地下構造物用蓋の
構造を一部二段の切断線に沿つて切断した平面図
である。第２図は、第１図の−線から見た断
面図である。また、第３図はハンドルの係合状態
を示す平面図であり、第４図は蓋受枠１の内周面
に設けられた勾配付ガイドの構造を示す図であ
り、更に第５図は第３図の−線から見た係止
部材としてのラチエツトつめを示す図である。 １……受枠、２……上蓋、３……中蓋、４……
受け棚、３ａ……ガイド挿入部、５……パツキ
ン、１１……ラチエツトつめ（係止部材）、１２
……偏平部、１３……ハンドル、１４……ボル
ト、１５……勾配付ガイド、１６……つめ山、１
７……ピン、１８……切欠。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 受枠の内周に設けた受け棚上にパツキンを介し
   て中蓋を受枠に固定する装置において、 同中蓋の上面周縁部に回動自在としたハンドル
   を複数設け、 同ハンドルの一端には中蓋上に弧状に配置され
   たつめ山と係合する係止部材を設け、他端には偏
   平部を形成し、 更に受枠の内周面には、前記偏平部を受ける勾
   配付ガイドを複数設けたことを特徴とする地下構
   造物用蓋の中蓋固定装置。