JPH0353134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は指示計器、特に指示計器の文字板固定
構造に関するものである。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般にこの種の指示計器たとえば自動車などの
指示計器にあつては、第５図および第６図に示す
ように計器ケース１内に速度計・回転計・燃料
計・温度計などの指示計器２類が収納され、その
計器２の上方すなわち計器ケース１の表面開口側
にはケース１内へのほこりの侵入などを防ぐ透明
板３が取り付けられている。

また計器ケース１内に収納固定される指示計器
２は、その計器本体４の上部に文字板５が取り付
けられ、この文字板５には計器本体４に設けた指
針軸６を挿通する貫通孔７が形成され、指針軸６
の上端部に針針８が取り付けられている。

また計器ケース１の内部には夜間照明用の照明
灯９が配設されている。

またこの場合文字板５は上記照明灯９からの照
射光線を一旦導光体１０内に導き入れ、この導光
体１０に入光した光線によつて文字板５を透過照
明するようにしている。

ところで、通常文字板の取り付けにおいては、
上記計器本体４の上端側に上記導光体１０と文字
板５とを重ね合わせてビス１１によつて回し締め
固定している。

従つて文字板５の表面側にビス１１の頭部が突
出するため、文字板５に施す目盛・文字・記号な
どの表示部５Ａの設定位置が制約されることがあ
り、また文字板５上が見苦しくなつたりするた
め、デザイン上好適とはいえない。

またこれを回避するため、たとえば本願出願人
が先に提案した実開昭57−192429号公報に開示さ
れるように、計器本体の上端部分に取付板を固定
し、この取付板に文字・目盛などの表示部を施し
た文字板を重ね合わせて取り付けるようにしたも
のであり、この場合文字板周縁部を目隠しする上
側ケース側に設けた見返し板と対向する文字板周
縁部分と上記取付板とを固定部材によつて止着し
ている。

しかしながら、見返し板の開口部から運転者が
見える文字板部分すなわち文字板の中央部分には
結合部材を設けていないため、文字板の中央部分
は熱変形あるいは成形時の反りなどにより浮き上
がつてしまう場合があり、外観意匠を損なうとい
う問題を秘めている。

〔考案の目的〕

本考案は上述のような点に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、計器本体側に文
字板を取り付けるに際し、文字板の中央部の反
り・変形などを矯正しつつ計器本体側に固定され
た取付板と文字板の中央側とを取り付ける固定部
材を比較的文字板の表面側から目障りにならない
ように配した指示計器の文字板固定装置を提供す
ることにある。

〔考案の概要〕

本考案の特徴は計器本体の上部側に取付板を固
定し、この取付板に重ね合わせて文字・目盛など
の表示部を施した文字板を配設し、計器本体の一
部を構成する指針軸を上記取付板と文字板とにそ
れぞれ設けた貫通孔に挿通し、上記指針軸に指針
の基部側を取り付け固定し、文字板に施した表示
部に沿つて指針の指示部を対応指示するようにし
たものにおいて、上記指針の基部の下方に位置し
た上記文字板と上記取付板との貫通孔に挿通係合
し、かつ文字板と取付板とを密接状態に保持する
係合部を設け、この係合部に上記指針軸が挿通可
能な透孔を設けたことにある。

〔考案の第一実施例〕

第１図および第２図はこの考案の一実施例を示
すもので、第５図および第６図の従来装置と同一
部分もしくは均等部分には同一符号を用いて説明
する。

同図において、計器ケース１は下側のケース１
Ａと上側のケースＢとにより形成され、上記計器
ケース１内に各種の指示計器２が収納され、この
指示計器２の上方すなわち上側の計器ケース１Ｂ
側にはケース１内へのほこりの侵入などを防ぐ透
明板３が取り付けられている。

また指示計器２は、計器本体４と、この計器本
体４の上部取り付けられる文字板５と、この文字
板５の上方に計器本体４に設けた指針軸６の回動
指示を連繁動作する指針８とによつて形成されて
いる。

またこの場合文字板５には上記計器本体４に設
けた指針軸６を挿通する貫通孔７が形成され、指
針軸６の上端部に上記指針８が取り付けられてい
る。

また計器ケース１の内部には夜間照明用の照明
灯９が配設されている。

またこの一実施例にあつては、文字板５は上記
照明灯９からの照射光線をアクリル樹脂などの透
光性を有する導光体内に主体に導き入れ、この導
光体に入光した光線によつて文字板５に施した目
盛・文字などの表示部５Ａを透過照明するように
しており、この場合上記導光体によつて文字板５
を取り付け保持するための取付板２０として兼用
している。

しかして、上記取付板２０である導光体には上
記計器本体４側に固定するための取付孔２１が形
成されるとともに、この取付孔２１の取付板２０
表面側周縁に凹部２２が形成され、取付孔２１に
ビスやリベツトなどの固定部材２３を貫挿し、か
つ固定部材２３の頭部を凹部２２内に収容して計
器本体４と取付板２０とを固定するようにしてい
る。また取付板２０には文字板５に設けた貫通孔
７位置と対応して貫通孔２４が形成されている。

また指針軸６に取り付けられる指針８の基部８
Ａの下方に位置した上記文字板５と上記取付板２
０との貫通孔７，２４には、文字板５と取付板２
０とを密接状態に保持する係合部２５が嵌め込ま
れる。この係合部２５は略筒状に形成され指針軸
６が挿通可能な透孔２６を有し、筒状部２７の上
端側に径大なフランジ２８が形成されるととも
に、筒状部２７の下端側の外周面に爪部２９が突
き出し形成されている。なおこの場合筒状部２７
の下端側が撓み得るように筒状部２７にその長さ
方向に沿つてスリツト３０が形成されている。

上記構成において、計器本体４に取り付けられ
た取付板２０上に文字板５を取り付ける場合、係
合部２５を文字板５および取付板２０の貫通孔
７，２４位置にあてがつて各貫通孔７，２４内に
係合部２５の筒状部２７を送り込み、係合部２５
のフランジ２８部分を文字板５の表面側に押圧当
接する。これにより筒状部２７の下端側外周面に
形成した爪部２９が貫通孔２４の取付板２０裏面
側周縁に係合され、係合部２５のフランジ２８と
爪部２９との間に文字板５と取付板２０とが挟み
付けられて保持される。

従つて、取付板２０上に重ね合わせて配設した
文字板５は係合部２５によつて文字板５と取付板
２０とを挟み付けた状態で固定保持できる。この
際指針８の基部８Ａの下方に文字板５と取付板２
０とを固定保持する係合部２５を配設することに
より、文字板５上から指針８の基部８Ａによつて
係合部２５を目隠しすることが可能となり、外観
意匠を良好に保ち得る。

また係合部２５によつて重ね合わせて配設した
文字板５と取付板２０とを挟み付けた状態で固定
保持でき、これにより取付板２０上に配設された
比較的肉厚の薄い文字板５の熱変形による浮き上
がりあるいは文字板５自体の反りなどを矯正して
適正な状態に固定保持することが可能となる。

また係合部２５をたとえば黒色などの不透過性
の材料により成形することにより、透光性の材料
からなる取付板２０に形成された貫通孔２４から
洩れ出た光線を上記不透過性の係合部２５によつ
て遮光することもでき、これにより文字板５の貫
通孔７から文字板５の表面上に洩光することを防
ぐことが可能となり、文字板５の夜間照明を良好
にすることも可能となる。

〔考案の第二実施例〕

第３図および第４図はこの考案の第二実施例を
示すもので、ここでは文字板５には計器本体４の
一部を構成する指針軸６を挿通する貫通孔７Ａが
角状に形成されるとともに、この貫通孔７Ａと対
応して計器本体４の上部に取り付ける取付板２０
Ａには同様に角状の貫通孔２４Ａが形成されてい
る。

また上記取付板２０Ａ上に文字板５を取り付け
る係合部２５Ａは各貫通孔７Ａ，２４Ａと合致す
るよう指針軸６が挿通可能な透孔２６を有し、一
対の腕部２７Ａの上端側に径大なフランジ２８Ａ
が形成されるとともに、各腕部２７Ａの下端側に
爪部２９Ａが突き出し形成されている。なおこの
場合、腕部２７Ａが幾分撓み得るよう形成されて
いる。

上記構成において、計器本体４に取り付けられ
た取付板２０Ａ上に文字板を取り付ける場合、係
合部２５Ａを文字板５および取付板２０Ａの各貫
通孔７Ａ，２４Ａ位置にあてがつて各貫通孔７
Ａ，２４Ａ内に係合部２５Ａの腕部２７Ａを送り
込み、係合部２５Ａのフランジ２８Ａ部分を文字
板５の表面側に押圧当接する。これにより腕部２
７Ａの下端側外壁に形成した爪部２９Ａが貫通孔
２４Ａの取付板２０Ａ裏面側周縁に係合され、係
合部２５Ａのフランジ２８Ａと爪部２９Ａとの間
に文字板５と取付板２０Ａとが挟み付けられて保
持される。

従つて、この第二実施例にあつては角型の貫通
孔７Ａ，２４Ａと係合部２５Ａの腕部２７Ａとに
よつて回り止め規制され、これにより文字板５の
組み付け位置を設定した位置関係に配置すること
もできる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、指針の基
部の下方に文字板を保持するための係合部を配設
することにより、文字板に施す目盛・文字・記号
などの表示部の設定位置が制約されなくなり、ま
た指針の基部の下方に上記係合部を配置すること
によつて文字板上から比較的係合部が見えにくく
なり外観意匠を良好にし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示した断面図、第
２図は第１図の要部の一部を断面で示した分解斜
視図、第３図は本考案の第二実施例を示す部分断
面図、第４図は第３図の要部の一部を断面で示し
た分解斜視図、第５図は従来装置を示す正面図、
第６図は第５図の断面図である。 計器ケース……１，１Ａ，１Ｂ、指示計器……
２、計器本体……４、文字板……５、表示部……
５Ａ，指針軸……６、貫通孔……７，７Ａ，２
４，２４Ａ、指針……８、基部……８Ａ、取付板
……２０，２０Ａ、取付孔……２１、凹部……２
２、固定部材……２３、係合部……２５，２５
Ａ、透孔……２６，２６Ａ、筒状部……２７、腕
部……２７Ａ、フランジ……２８，２８Ａ、爪部
……２９，２９Ａ、スリツト……３０。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 計器本体の上部側に取付板を固定し、この取付
   板に重ね合わせて文字・目盛などの表示部を施し
   た文字板を配設し、計器本体の一部を構成する指
   針軸を上記取付板と文字板とにそれぞれ設けた貫
   通孔に挿通し、上記指針軸に指針の基部側を取り
   付け固定し、文字板に施した表示部に沿つて指針
   の指示部を対応指示するようにしたものにおい
   て、上記指針の基部の下方に位置した上記文字板
   と上記取付板との貫通孔に挿通係合し、かつ文字
   板と取付板とを密接状態に保持する係合部を設
   け、この係合部に上記指針軸が挿通可能な透孔を
   設けたことを特徴とする指示計器の文字板固定装
   置。