JPS6133527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車両等の計器に使用される照明構
造、特に光線を透光性光導部材を通して、文字盤
および指針をも照明するようにした計器の照明構
造に関するものである。

車両等の計器は、第１図に示す計器盤に組み込
まれており、例えば１は時計、２は回転計、３は
速度計、４は水温計または油圧計等である。これ
ら計器に光源からの光が透光性光導部材を通して
文字板および指針をも照明するようにした照明構
造のうち、従来の照明構造を第２図に示す。同図
に於て、５はケーシング、６はケーシング５の前
面に置かれる化粧板、７は化粧板６の前面を覆う
透明なフロントカバー、８はケーシング５の中で
その後面に固定された指針駆動体、９は指針駆動
体８から突設する回転軸である。１０は例えばア
クリル樹脂を用いた透光性光導部材で化粧板６に
固定され、その部材１０は円盤形状部１１とその
直径上の両端で垂下して対向する脚部１２とから
なつており、切り欠いた反射面１３および１４を
有している。１５は透光性光導部材１０の円盤形
状部１１の面に塗布または貼付された文字板で、
文字や記号および目盛等の表示部１６のみが透光
可能とされている。１７はアクリル樹脂等透明材
で作られ反射膜２１を有する指針で、回転軸９に
取り付けられ、その取り付け部近傍に反射面１８
を有している。１９は透光性光導部材１０の脚部
１２の端末と対向する位置で、計器箱５に固着さ
れ、着色フイルタ２０に覆われている照明用電球
で示される光源である。

次に、このような構造を有する計器の照明構造
を説明する。

光源１９から発する光は、例えば緑色の着色フ
イルタ２０を通過することにより、緑色の光線と
なつて透光性光導部材１０を通過する。Ｐのよう
に脚部１２中に入つた光は反射面１３で反射さ
れ、円盤形状部１１中を通過し中心反射面１４で
反射し、一度空気中に出る。更にこの光は指針１
７中に入り、反射面１８および指針１７の反射膜
２１で反射されて、指針１７外へ出る。一方、ｑ
のように円盤形状部１１へ入つてくる光は、透光
性光導部材１０内を通過後、文字板１５に到達
し、そこで反射されたり、表示部１６を通過して
外部へ出る。従つて、表示部１６を通過してきた
光によつて目盛、文字等を表示する。

しかしながら、これら指針１７および表示部１
６を通過してくる光は、着色フイルタ２０を通過
した例えば緑色等は同色であつて、その差異がな
いため、視認性が十分とは言えなかつた。

この考案は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、指針照明専用の別フイルタを設けることによ
つて、文字板照明色と指針照明色とを異ならせ、
視認性を向上させた計器の照明構造を提供するこ
とを目的とする。

以下、この考案の実施例を第３図および第４図
を参照して説明するが、これらの図において第１
図および第２図と同等な部分には同一の符号を付
してその説明を省略する。

第３図および第４図に於て、２２は両端を開放
した管状部材のホルダで、一端を脚部１２の端面
１２ａに、他端を着色フイルタ２０の孔２０ａに
差し込んで装着されている。このホルダ２２は、
金属、ゴム、樹脂等いずれを使用してもよいが、
その管壁から光が内外に洩れないことが必要であ
る。また、２３はホルダ２２に装着される着色レ
ンズで、例えばポリカーボネイド樹脂製のレンズ
を使用している。もし、２３はレンズでなく単に
フイルタでもよいが集光させるには端面１２ａを
凸条に形成するとよい。この着色レンズ２３の色
は、着色フイルタ２０の緑色に対して異なつた、
例えば橙色を採用する。

したがつて、夜間に照明用スイツチを入れて、
光源１９を点灯すると、光源１９からホルダ２２
に入る光Ｐと、着色フイルタ２０を通過する光ｑ
とに別れる。緑色の着色フイルタ２０を通過した
緑色の光は、透光性光導部材１０の円盤形状部１
１に入り、文字板１５に到達する。文字板１５に
到達した光の一部は、文字板１５の表示部１６を
通過して、緑色の文字、目盛等を浮きあがらせ
る。一方、ホルダ２２に入つた光は、橙色の着色
レンズ２３を通過して橙色の光となる。この橙色
の光は、先述の通り、透光性光導部材１０の脚部
１２および円盤形状１１を通過して、指針１７に
到達して、指針１７を照明する。よつて、文字板
１５の表示部１６は緑色の照明がなされ、一方、
指針１７は橙色の照明がなされる。

以上述べたように、この考案によれば、透光性
光導部材の脚部と着色フイルタとの間に着色フイ
ルタの色とは異つた色の着色レンズを置き、この
着色レンズを保持しかつ指針に達する光を限定す
るホルダの両開放端をそれぞれ脚部の端面および
着色フイルタの穴に差し込む構造とすることによ
り、文字板の表示部の色と指針の色とを指針回転
の全範囲で異なつた色とすることができ、計器の
視認性が一段と向上し、夜間運転の安全性に於い
て大きな効果がある。しかも、着色フイルタやホ
ルダは計器の裏側の比較的着脱容易な場所に設け
られているので、ホルダの部分を簡易に交換して
指針の照明色を容易に変更できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は計器盤の正面図、第２図は従来の計器
構造を示す第１図のＡ−Ａ断面図、第３図はこの
考案に係る計器構造を示す第１図のＡ−Ａ断面
図、第４図は第３図のＸ方向から見た要部構造図
である。 １０……透光性光導部材、１１……円盤形状
部、１２……脚部、１３，１４，１８……反射
面、１５……文字板、１６……表示部、１７……
指針、１９……光源、２０……着色フイルタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透光性光導部材と、該透光性光導部材の一面に
   設けられた文字板と、該文字板と離隔して置かれ
   た指針と、前記透光性光導部材の脚部の端面に対
   向し配置された光源と、該光源および前記脚部の
   間に前記光源を覆うように設けられた着色フイル
   タとからなり、前記光源から前記脚部の端面に入
   射した光を前記透光性光導部材に形成された反射
   面によつて前記指針へ導き、該指針を内部から照
   明するようにした計器において、前記着色フイル
   タと異なつた色の着色レンズまたは着色フイルタ
   を通過させるホルダを前記脚部の端面と前記着色
   フイルタとの間に設けたことを特徴とする計器の
   照明構造。