JPH0725630Y2

JPH0725630Y2 - 車両用計器

Info

Publication number: JPH0725630Y2
Application number: JP1989124574U
Authority: JP
Inventors: 則明太田; 博康白鳥
Original assignee: Yazaki Corp
Current assignee: Yazaki Corp
Priority date: 1989-10-26
Filing date: 1989-10-26
Publication date: 1995-06-07
Anticipated expiration: 2004-10-26
Also published as: JPH0363821U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は車両用計器に係り、特に指針を照明する車両用
計器に関するものである。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする課題〕

従来、車両用の計器として、指針を照明し特に夜間にお
ける指針の視認性の向上を図るようにしたものが採用さ
れている。

このような計器は、指針の近傍位置に白熱電球等の発光
源を配置し、透明なアクリル部材等からなる導光部材を
介して指針に光を導きこれを照明するようにしたり、指
針自体に白熱電球や発光ダイオード等の発光素子を配置
して直接指針の照明を行うようにしている。そして、と
もに、指針の指示部下面に施されたホットスタンプ等に
よる着色層の色を、昼間は外部光により、夜間は光源か
らの照明光により、指針色として視認するようにしてい
る。

しかし、何れの場合も、昼間時の指針を照明していない
状態での指針色と、夜間時の指針を照明した状態での指
針色とが、指針の指示部に施された着色層の色となり、
昼間時と夜間時とで指針色が同一となるので、指示部に
施す着色層の色によっては、昼間時と夜間時とで見易さ
が変化し、場合によって指針の視認性が低下するという
問題を有している。

本考案は上記した点に鑑みてなされたもので、常に指針
の良好な視認性が得られるようにした車両用計器を提供
することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

下面に着色層が形成された指示部と、発光素子とを有す
る指針を計器本体の指針軸に固定し、夜間など周囲が暗
くなったときに前記発光素子を点灯して指針を照明する
ようにした車両用計器において、上記指示部の着色層と
上記発光素子の点灯色との色を異ならせたことを特徴と
するものである。

〔作用〕

本考案によれば、指針の指示部の着色層と発光素子の点
灯色との色が異なるようにしたので、指針を照明してい
ない昼間時は、指示部の着色層の色が外光により指針色
として見え、指針を照明している夜間時は、発光素子の
点灯色の色で指針が発光して見えるようになる。また、
外光がかなり残っている薄暮時に指針を照明すると、外
光による指示部の着色層の色と発光素子の点灯色とが混
ざった色で指針が見えるようになる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案による車両用計器の要部断面を示す図で
あり、同図において、車両用計器は計測量に応じて指針
軸1aを駆動する計器本体としての内機１、文字板２、文
字板２に文字抜き印刷された文字、目盛り等を照明する
光を文字板２の背面に導くため文字板２の背面側に配置
された導光部材３、指針軸1aに固着された指針４等から
構成されている。

指針４の指示部4aは透明なアクリル樹脂によって形成さ
れ、先端に向かって傾斜されたその下面には、ホットス
タンプ等により施された例えば黄色の着色層4a₁が形成
されている。指示部4aの基部には両面プリント基板4bが
固着され、両面プリント基板4bの上面には、発光ダイオ
ード、白熱電球等の例えば赤色を発光する発光素子4cが
その一対のリード端子4dを両面プリント基板4bの導電パ
ターン（図示せず）に半田付け等によって電気的及び機
械的に接続することで取付けられている。両面プリント
基板4bの中央には、発光素子4cのリード端子4dの一方が
接続されている両面プリント基板4b上面の導電パターン
と電気的に接続されるように導電材料からなる指針袴4e
の一端が加締め等によって固着されている。指針袴4eの
貫通孔4e₁には指針軸1aの先端が圧入嵌合されている。

内機１は、文字板２の開口2a及び導光部材３の開口3aの
中心に指針軸1aが位置するように、２つの取付片1b及び
1cの部分でネジ1dによって導光部材３の背面にネジ止め
され、取付片1b及び1cの基部には第１及び第２の端子1e
及び1fが取付けられている。指針軸1aには、指針４を零
指示位置に復帰させるための燐青銅等からなる帰零用ヒ
ゲ全舞1gの内端を指針軸1aに連結するための導電材料か
らなるヒゲ玉1hが固着され、ヒゲ全舞1gの外端は上記第
１の端子1eに固着されている。

さらに、指針軸1aには、絶縁材料によって成形された絶
縁座1iが圧入嵌合されて固着されている。絶縁座1iは、
指針軸1aが圧入嵌合される小径部と上記指針袴4eの外周
の一部に形成された大径部が嵌合される大径部とからな
る貫通孔1i₁が中心に、大径の鍔1i₂が下端にそれぞれ形
成されている。絶縁座1iの外周には、上記ヒゲ全舞1gと
逆方向に巻回された燐青銅等からなるヒゲ全舞1jの内端
を絶縁座1iに連結するための導電性材料からなるヒゲ玉
1kが固着され、ヒゲ全舞1jの外端は上記第２の端子1fに
固着されている。絶縁座1iの大径の鍔1i₂はヒゲ全舞1g
及び1jとの間に位置して両者間の接触を防止している。

発光素子4cのリード端子4dの他方が電気的に接続されて
いる両面プリント基板4b下面の導電パターンには、上記
絶縁座1iの外周に装着されて上記ヒゲ玉1kと接触されて
いる導電材料からなるスプリング受け皿５と両面プリン
ト基板4bの下面との間に縮設された金属製のコイルスプ
リング６の一端が接触されている。なお、スプリング受
け皿５は、コイルスプリング６を安定的に受けて所定の
電気接続を確実に行えるようにすると共に他の部品との
接触を防ぐことができるように、コイルスプリング６の
外径より若干大きな内径の縦壁5₁を有する。

指針４の基部には指針キャップ4fが装着され、指針キャ
ップ4fによって指示部4aの光導入部4c₁、発光素子4c及
び両面プリント基板4b等の余分の部分がマスクされてい
る。

なお、１は内機１を駆動するための入力信号を供給す
るための端子である。

以上の構成において、発光素子4cのリード端子4dの一方
は、両面プリント基板4b上面の導電パターン、指針袴4
e、指針軸1a、ヒゲ玉1h及びヒゲ全舞1gを介して第１の
端子1eに、リード端子4dの他方は、両面プリント基板4b
下面の導電パターン、コイルスプリング６、スプリング
受け皿５、ヒゲ玉1k及びヒゲ全舞1jを介して第２の端子
1fにそれぞれ電気的に接続される。そして、第１及び第
２の端子1e及び1f間に電源を接続することによって、発
光素子4cに電流が流されて発光素子4cが赤色で発光し、
この赤色光が光導入部4c₁から指示部4a内に直接導入さ
れ、指示部4a全体が赤色光で照明される。

従って、本実施例においては、指針４の指示部4aの着色
層4a₁を黄色とし発光素子4cの点灯色を赤色として、着
色層4a₁の色と点灯色との色が異なるようにしたので、
指針４を照明していない昼間時は、指示部4aの着色層4a
₁の黄色が外光により指針色として見え、指針を照明し
ている夜間時は、発光素子4cの点灯色の赤色で指針４が
発光して見えるようになる。また、外光がかなり残って
いる薄暮時に指針４を照明すると、外光による指示部4a
の着色層4a₁の黄色と発光素子4cの点灯色の赤色とが混
ざったアンバー色で指針４が見えるようになり、周囲が
暗くなるにつれて、すなわち外光が少なくなるにつれて
着色層4a₁の黄色成分が少なくなり、指針色がアンバー
色から赤色へと徐々に変化するようになる。このよう
に、昼間時と夜間時との指針色が異なり、しかも指針色
が周囲の明るさに応じて徐々に変化するものなので、昼
間時に視認性のよい色を着色層4a₁の色とすると共に、
夜間時に視認性のよい色を発光素子4cの点灯色とするこ
とで、昼夜を問わず、また昼から夜へ移行する薄暮時
も、常に指針４を良好に視認することができるようにな
り、安全性を高めることができる。また、着色層4a₁の
色と発光素子4cの点灯色の色とを視認性のよい範囲で種
々選択することで、それらの色の組み合わせにより指針
色のバリエーションを広げることができ、意匠上も好ま
しいものとなる。

また、指針４に内蔵する発光素子4cによって指示部4aが
照明されるので、指針に外部から光を導く必要がなく、
指針４内に光が入る迄に減衰して指針の発光輝度が低く
なったり、指針の回転位置により輝度が変化する等の問
題がないだけでなく、指針内への発光素子の取付性がよ
く、かつ発光素子への給電が簡単な構成で確実に行える
ようになっている。また、ヒゲ全舞1g及び1jとして互い
に逆に巻回されたものを使用し、指針４の零指示状態で
ヒゲ全舞1gのトルクTgとヒゲ全舞1jのトルクTjが互いに
逆になり、２つのヒゲ全舞による指針軸1aに対する制動
トルクの増大を緩和することができる。

さらに、上述した構成の車両用計器を組み立てる場合、
ヒゲ玉1h、ヒゲ全舞1g、絶縁座1i、ヒゲ玉1k、ヒゲ全舞
1j及びスプリング受け皿５までを予め組み付けた内機１
を導光部材３に取付け、その後開口2a及び3aを通じてコ
イルスプリング６を装着し、続いて予め組み立てた指針
４の指針袴4eを絶縁座1iの貫通孔1i₁に嵌合すると共
に、指針袴4eの貫通孔4e₁に指針軸1aの先端を圧入嵌合
することによって、コイルスプリング６が両面プリント
基板4bとスプリング受け皿５との間で圧縮され、所定の
電気接続が行われ、車両用計器の組み立て性が極めてよ
くなっている。

第２図は本考案の他の実施例を示したもので、指針４の
指示部4aの下面には、シボ加工等からなる乱反射面4a₂
が形成され、この乱反射面4a₂の下面にホットスタンプ
等による着色層4a₁が形成されている。

このように乱反射面4a₂を形成することで、発光素子4c
として発光ダイオードを使用した場合において、発光ダ
イオードが発する光に特に方向性があることによって生
じる夜間照明時の不均一な指針４の照明を解消するのに
有効である。

なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、
種々変更することができるものであり、例えば指針４の
着色層4a₁を透過性着色インクで指示部4aの上面に形成
するようにしても、同様の効果を得ることができるもの
である。

〔効果〕

以上説明したように本考案によれば、指針の指示部の着
色層と発光素子の点灯色との色が異なるようにしたの
で、指針を照明していない昼間時は、指示部の着色層の
色が外光により指針色として見え、指針を照明している
夜間時は、発光素子の点灯色の色で指針が発光して見え
るようになり、また外光がかなり残っている薄暮時に指
針を照明すると、外光による指示部の着色層の色と発光
素子の点灯色とが混ざった色で指針が見えるようにな
り、昼間時に視認性のよい色を着色層の色とすると共
に、夜間時に視認性のよい色を発光素子の点灯色とする
ことで、昼夜を問わず、また昼から夜へ移行する薄暮時
も、常に指針を良好に視認することができるようにな
り、安全性を高めることができ、また着色層の色と発光
素子の点灯色の色とを視認性のよい範囲で種々選択する
ことで、それらの色の組み合わせにより指針色のバリエ
ーションを広げることができ、意匠上も好ましいものと
なる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による車両用計器の一実施例を示す要部
断面図、第２図は第１図の計器の指針の他の実施例を示す図であ
る。１……内機、２……文字板、３……導光部材、４……指
針、4a……指示部、4a₁……着色層、4a₂……乱反射面、
4c……発光素子。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】下面に着色層が形成された指示部と、発光
素子とを有する指針を計器本体の指針軸に固定し、夜間
など周囲が暗くなったときに前記発光素子を点灯して指
針を照明するようにした車両用計器において、上記指示部の着色層と上記発光素子の点灯色との色を異
ならせたことを特徴とする車両用計器。