JPH0351874B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マルチエアハンマ装置に係り、特に
圧力エアによりピストンを上下動させ、そのピス
トンの打撃エネルギによりドリルビツトに繰り返
し打撃振動を与えるようにしたエアハンマドリル
を複数本結束したマルチエアハンマ装置に関す
る。

〔従来の技術〕

エアハンマドリルは、ビツトを先端部で軸方向
に摺動自在に支持する円筒状ケースと、ケース内
で軸方向に摺動自在に支持されその下端部でビツ
トを打撃するピストンとから構成されている。ピ
ストンの上下には圧力差が形成され、上下の圧力
室には交互に外部からの圧力エアによつて加圧さ
れピストンを連続的に上下動させている。

従来このようなエアハンマドリルを複数本結束
し、これらのエアハンマドリルの各ビツトに打撃
力を与えると共に、結束したエアハンマドリルの
束を回転させながら岩盤等に大孔径掘削を行うマ
ルチエアハンマ装置が知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前記マルチエアハンマ装置においては、孔径が
800mm以上の大孔径になると、各ビツトが大形化
し、重量も増大し、扇形状に形成されるのでハン
マーの打撃効率が低下すると共にコストも膨大し
小孔径のビツトのように孔径の全断面に渡つてビ
ツト底面を配設することができないので、マルチ
エアハンマ装置を有効に働かせるためには、各ビ
ツト底面を小形にする必要がある。従つて、エア
ハンマドリルの各ビツト間には空間が形成され
る。この為掘削する地層に玉石や転石がある場合
には、これらが前記空間に入り、障害物となり最
悪の場合には回転不能になる。また、回転できる
場合にも空間に入つた石等もビツトと共に回転す
る為、これらの石によつて孔壁が削りとられ、崩
れるという問題も生じる。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、エアハンマドリルのビツト間に玉石や転石等
が入らないようにし、円滑な回転を可能にするこ
とが出来るマルチエアハンマ装置を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は前記目的を達成する為に、それぞれ軸
方向所定量移動可能なビツトを備えた複数本のエ
アハンマドリルをケーシングに結束し、各エアハ
ンマによつてそれぞれ対応するビツトに打撃力を
与えるとともに、結束したエアハンマドリルの束
を回転させながら掘削を行うマルチエアハンマ装
置において、前記エアハンマドリルのビツト間に
画成される空間を埋めるように前記ケーシングに
配設されたローラビツトであつて、その底面が前
記エアハンマドリルのビツトの底面と同一レベル
か若干上方にくるように、且つ孔底の抵抗により
回転するように配設されたローラビツトを備えた
ことを特徴としている。

〔作用〕

即ち、前記エアハンマドリルのビツト間に画成
される空間にローラビツトが配設される為、前記
空間に玉石や転石等が入ることがなく、結束され
た複数本のエアハンマドリルを円滑に回転させる
ことが出来る。

〔実施例〕

以下添付図面に従つて本発明に係るマルチエア
ハンマ装置の好ましい実施例を詳説する。

第１図は水中で使用可能なマルチエアハンマ装
置に係り、３本のエアハンマドリルおよび各エア
ハンマドリルに対応してビツトを設けた場合にお
ける本発明に係るマルチエアハンマ装置に関して
示しており、第２図は第１図の底面図である。

第１図において、ケーシング１０はその中心部
に掘管５０の排水管５２と連通する排水通路１２
を有するとともに、３本のエアハンマドリル１
４，１６，１８（第２図）を排水通路１２の回り
に結束している。エアハンマドリル１４の下端部
はケーシング１０の下部にシール２０を設けて固
定されるとともに、ビツト２２をスプライン結合
等により軸方向に所定量摺動自在に支持し、この
ビツト２２の上方には圧力エアにより上下動する
ピストン２８が配置されている。なお、他のエア
ハンマドリル１６，１８も図示しないがエアハン
マドリル１４と同様に構成されている。

また、第２図に示すようにビツト２２，２４，
２６の各ビツト間にはローラビツト４４，４５，
４６が回転自在に配設されている。なお、各ロー
ラビツト４４，４５，４６の底面はビツト２２，
２４，２６の底面よりも第１図に示すようにδだ
け高くなつている。

更に、ケーシング１０によつてて結束された３
本のエアハンマドリル等の周囲は、第３図に示す
ように３枚の円弧状のガイド部材４７，４８，４
９によつて囲繞されており、これらのガイド部材
４７，４８，４９の下端部４７Ａ，４８Ａ，４９
Ａは、ビツト底面近傍まで延出するようになつて
いる。

一方、ケーシング１０は、堀管５０の給気管５
４と連通し給気管５４からの圧力エアを各エアハ
ンマドリルに供給するための給気通路３０を有す
るとともに、各エアハンマドリルのピストン作動
に供した排気エアを、ビツト内の通路３２，３
４、ケーシング１０に並設された環状通路３５，
３７、３本の排気通路３６，３８，４０（第２
図）及び上部環状通路３９を介して堀管５０の排
気管５６に排出するための排気通路を有してい
る。

各ビツト２２，２４，２６の側面には凹部２２
Ａ，２４Ａ，２６Ａが形成され、凹部２２Ａ，２
４Ａ，２６Ａにはリング状の干渉部材４２が遊嵌
合され、排水通路１２の下方は干渉部材４２まで
遊嵌して延在されている。干渉部材４２は排水通
路１２の軸方向摺動自在になつており、各ビツト
２２，２４，２６間に相互に干渉して軸方向の移
動量を互いに規制させている。またビツト２２は
排水通路１２の吸込口４４の下方の中心に向けて
延在され、吸込口４４の下方を堀管するためのコ
アカツタ２２Ｂを備えている。

前記の如く構成されたマルチエアハンマ装置
は、先ず給気管５４から供給された圧力エアを給
気通路３０を介して各エアハンマドリル１４，１
６，１８に送出し、各エアハンマドリルのピスト
ンを上下動させビツト２２，２４，２６打撃し、
掘削する。このとき、ビツト２２のコアカツタ２
２Ｂはビツト２２と共に動作し、排水通路１２の
吸込口の下方を掘削する。これにより、吸込口の
下方の中央部に掘削残しが生じることがなくな
る。又、各ビツト２２，２４，２６の凹部２２
Ａ，２４Ａ，２６Ａは、リング状の干渉の部材４
２と遊嵌合しているため、それぞれ軸方向の移動
が規制され、それぞれ略同一の移動をする。

また、各ビツト２２，２４，２６間にはローラ
ビツト４４，４５，４６が配設されているため、
掘削中にビツト間に玉石、転石等が入ることがな
く、玉石、転石上を転がり破砕し、更にガイド部
材４７，４８，４９もその下端部４７Ａ，４８
Ａ，４９Ａがビツト底面近傍まで延出しているの
で、孔壁側から玉石、転石等が入ることを防止す
ることができ、ビツト回転が円滑に行なわれる。

一方、ピストンを作動させた圧力エアは、ビツ
ト内の通路３２，３４、およびケーシング１０に
並設された環状通路３５，３７、３本の排気通路
３６，３８，４０及び上部環状通路３９を介して
合流し、排気管５６に送出され、地上側に排気さ
れる。

また、堀削された土砂は、サクシヨンポンプ等
によつて水と共に中空の部材４２、排水通路１２
を介して吸い込まれ、排水管５２を通つて地上側
に回収される。

なお、本実施例では湿式工法、いわゆるリバー
ス工法で排土するものに適用したが、これに限ら
ず、例えば地上からポンプによつて排水通路１２
より孔底に送水して掘削層を押上げて排土する正
循環工法や乾式工法のマルチエアハンマ装置等に
も本発明は適用できる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明に係るマルチエアハ
ンマ装置によれば、各エアハンマドリルのビツト
間にローラビツトを配設し、各ビツト間に大きな
空間ができないように構成し、ビツト間への玉
石、転石等の進入を防止したため、大きな石を挟
み込まなくなり、それによつて孔壁を崩すといつ
たこともなくなり、掘削抵抗の軽減を図れるの
で、掘削時のビツトの回転も円滑に行なうことが
出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るマルチエアハンマ装置の
構造を示す断面図、第２図は第１図のマルチエア
ハンマ装置の底面図、第３図は第１図のマルチエ
アハンマ装置の外観図である。 １０……ケーシング、１４，１６，１８……エ
アハンマドリル、２２，２４，２６……ビツト、
２８……ピストン、４４，，４５，４６……ロー
ラビツト、４７，４８，４９……ガイド部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ それぞれ軸方向所定量移動可能なビツトを備
   えた複数本のエアハンマドリルをケーシングに結
   束し、各エアハンマによつてそれぞれ対応するビ
   ツトに打撃力を与えるとともに、結束したエアハ
   ンマドリルの束を回転させながら掘削を行うマル
   チエアハンマ装置において、 前記エアハンマドリルのビツト間に画成される
   空間を埋めるように前記ケーシングに配設された
   ローラビツトであつて、その底面が前記エアハン
   マドリルのビツトの底面と同一レベルか若干上方
   にくるように、且つ孔底の抵抗により回転するよ
   うに配設されたローラビツトを備えたことを特徴
   とするマルチエアハンマ装置。