JPH0420475B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、圧力エアによりピストンを下動さ
せ、そのピストンの打撃エネルギによりドリルビ
ツトに繰り返し打撃振動を与えるようにした湿式
空圧打撃掘削装置に係り、特に水中で使用可能な
湿式空圧打撃掘削装置に関する。

〔発明の背景〕

エアハンマドリルは、ビツトを先端部で軸方向
に摺動自在に支持する円筒状ケースと、ケース内
で軸方向に摺動自在に支持されその下端部でビツ
トを打撃するピストンとから構成されている。ピ
ストンの上下には圧力室が形成され、上下の圧力
室には交互に外部からの圧力エアによつて加圧さ
れピストンを連続的に上下動させている。

従来ピストンの作動に利用した圧力エアは、ビ
ツトの先端から噴出され、この噴出エアはビツト
の歯先を洗浄すると共に掘削したスライム等を地
上に吹き上げ除去しながら掘進する。エアハンマ
ドリルは、圧縮エアを利用するため高い衝撃力が
得られるので岩盤の掘削に通常用いられる。

しかしながら、水中で使用する場合このような
従来の空圧式打撃ドリルでは種々の不具合を生じ
る。例えば海中や川やダム等の水中で掘削する場
合水頭圧がビツトの先端にかかり泥水等がエア圧
力室に逆流して浸入するためエアハンマドリルが
作動不能になつてしまう。また水頭圧が噴出エア
圧に達しなくても、作動エア圧力はこの水頭圧に
左右されるのでピストンの打撃エネルギーが低下
しビツトを充分に打撃することができなくなり掘
削効率が悪くなる不具合がある。

〔発明の目的〕

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、エアハンマドリルの排気エアを孔内水面上の
地上に還元させることによつて、水頭圧による背
圧の影響を受けないようにするとともに、中心部
に排土管を設けることによつて堀削した土砂を効
率良く排出することができる空圧打撃堀削装置を
提供することを目的とする。

〔発明の概要〕

本発明は前記目的を達成するために、上端が堀
管の排水管に連結し、下端がビツト近傍に開口
し、該ビツトで堀削した土砂を水とともに吸引す
る排水通路を中央部に備えたケーシングに、圧力
エアによつてピストンを作動させビツトに打撃振
動を与えるエアハンマドリルを、該排水通路を中
心にして並列に結束するとともに、該ケーシング
は、堀管の給気管から各エアハンマドリルに圧力
エアを供給するための給気通路と、堀管の排気管
に連通し、前記エアハンマドリルのピストン作動
に供した排気エアを排出するための排気通路とを
備えていることを特徴としている。

〔発明の実施例〕

以下添付図面に従つて本発明に係わる空圧打撃
堀削装置の好ましい実施例を詳説する。

第１図は３本のエアハンマドリルおよび各エア
ハンマドリルに対応してビツトを設けた場合にお
ける本発明に係わる空圧打撃堀削装置に関して示
しており、第２図は第１図の底面図である。

第１図において、ケーシング１０はその中心部
に堀管５０の排水管５２と連通する排水通路１２
を有するとともに、３本のエアハンマドリル１
４，１６，１８（第２図）を排水通路１２の回り
に結束している。エアハンマドリル１４の下端部
はケーシング１０の下部にシール２０を設けて固
定されるとともに、ビツト２２をスプライン結合
等により軸方向に所定量摺動自在に支持し、この
ビツト２２の上方には圧力エアにより上下動する
ピストン２８が配置されている。なお、他のエア
ハンマドリル１６，１８も図示しないがエアハン
マドリル１４と同様に構成されている。

また、ケーシング１０は、堀管５０の給気管５
４と連通し給気管５４からの圧力エアを各エアハ
ンマドリルに供給するための給気通路３０を有す
るとともに、各エアハンマドリルのピストン作動
に供した排気エアを、ビツト内の通路３２，３
４、ケーシング１０に並設された環状通路３５，
３７、３本の排気通路３６，３８，４０（第２
図）及び上部環状通路３９を介して堀管５０の排
気管５６に排出するための排気通路を有してい
る。

排水通路１２の下方には、各ビツト２２，２
４，２６の凹部２２Ａ，２４Ａ，２６Ａと遊嵌合
する凸部４２Ａを有するとともに、排水通路１２
の開口部に軸方向摺動自在な中空の部材４２が設
けられており、この中空の部材４２は、排水通路
１２の開口部中心に向かつて突出し、開口部の下
方を堀削するためのコアビツト４４を備えてい
る。

前記の如く構成された空圧打撃堀削装置は、先
ず給気管５４から供給された圧力エアを、給気通
路３０を介して各エアハンマドリル１４，１６，
１８に送出し、各エアハンマドリルのピストンを
上下動させビツト２２，２４，２６を打撃し、堀
削する。このとき、各ビツト２２，２４，２６の
凹部２２Ａ，２４Ａ，２６Ａは、中空の部材４２
の突起４２Ａと遊嵌合しているため、それぞれ軸
方向の移動が規制され、それぞれ略同一の移動を
する。また、部材４２も各ビツトと同一の動作を
するため、各ビツトからの打撃を受けてコアビツ
ト４４により排水通路１２の開口部下方が堀削さ
れる。

ピストンを作動させた圧力エアは、ビツト内の
通路３２，３４、およびケーシング１０に並設さ
れた環状通路３５，３７、３本の排気通路３６，
３８，４０及び上部環状通路３９を介して合流
し、排気管５６に送出され、地上側に排気され
る。

また、堀削された土砂は、サクシヨンポンプ等
によつて水と共に中空の部材４２、排水通路１２
を介して吸い込まれ、排水管５２を通つて地上側
に回収される。又、本実施例では、いわゆるリバ
ース工法で排土を示したが本装置によれば地上か
らポンプによつて排水通路１２より孔底に送水し
て掘削屑を押上げて排土する正循環工法も可能で
ある。

第３図は本発明に係わる他の実施例の要部構造
を示す断面図で、第３図は第２図に於ける部材４
２の突起４２Ａに代えて、リング状の部材４６を
用いた場合に関して示している。この場合もコア
カツタ４４を備えることも可能である。

なお、エアハンマドリルの数、ビツトの数およ
び形状は本実施例に限らず、種々のものが考えら
れる。

〔発明の効果〕 以上説明したように本発明に係わる空圧打撃堀
削装置によれば、エアハンマドリルの排気エアを
地上へ還元させているのでエアハンマドリルの高
い衝撃力を失うことなく効率のよい掘削が可能で
あるとともに、中心部に排水通路を設けてあるの
で排気通路の口径を大きくとれることができる
為、礫や岩片の詰まりがないので排土効率が良好
である。また本発明は排水通路を中心にして複数
のエアハンマドリルを結束できるので装置の大孔
径化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係わる空圧打撃堀削装置の構
造を示す断面図、第２図は第１図の空圧打撃堀削
装置の底面図、第３図は本発明に係わる他の実施
例の要部構造を示す断面図である。 １０……ケーシング、１２……排水通路、１
４，１６，１８……エアハンマドリル、２２，２
４，２６……ビツト、２８……ピストン、３０…
…給気通路、３５，３６，３７，３８，３９，４
０……排気通路、４２，４６……中空部材、４４
……コアビツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上端が堀管の排水管に連結し、下端がビツト
   近傍に開口し、該ビツトで堀削した土砂を水と共
   に吸引する排水通路を中央部に備えたケーシング
   に、圧力エアによつてピストンを作動させビツト
   に打撃振動をあたえるエアハンマドリルを、該排
   水通路を中心にして並列に結束するとともに、該
   ケーシングは、堀管の給気管から各エアハンマド
   リルに圧力エアを供給するための給気通路と、堀
   管の排気管に連通し、前記エアハンマドリルのピ
   ストン作動に供した排気エアを排出するための排
   気通路とを備えていることを特徴とする湿式空圧
   打撃堀削装置。 ２ 各ビツトの排気孔と連通するケーシングの排
   気部との間には、シール部材が設けられているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の湿式
   空圧打撃掘削装置。 ３ 前記排水通路の下方に、各エアハンマドリル
   によつて打撃される各ビツト間に嵌合するととも
   に、該排水通路の開口部に摺動自在な中空の部材
   を設けたことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の湿式空圧打撃堀削装置。 ４ 前記排水通路の下方に、各エアハンマドリル
   によつて打撃される各ビツト間に嵌合する中空の
   部材を設けたことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の湿式空圧打撃堀削装置。 ５ 前記中空の部材に、前記排水通路の開口部中
   心に向つて突出し、開口部の下方を堀削するコア
   ビツトを設けたことを特徴とする特許請求の範囲
   第３項又は第４項に記載の湿式空圧打撃堀削装
   置。